「燃えていいのは魂だけだ!」×「燃やさなくては生きていけない」
ヒット作を世に送り続ける今石洋之と中島かずきのタッグが挑む初の完全オリジナル劇場版アニメーション。
松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人ら実力派俳優をキャストに向かえ放つ渾身の力作、映画『プロメア』をご紹介します。
映画『プロメア』作品情報
【公開】
2019年(日本映画)
【監督】
今石洋之
【キャスト】
松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人、ケンドーコバヤシ、古田新太、佐倉綾音、吉野裕行、稲田徹、新谷真弓、小山力也、小清水亜美、楠大典、柚木涼香
【作品概要】
炎を操る新たな人種、バーニッシュ、その中でも一部の過激な集団「マッドバーニッシュ」リーダー、リオと対バーニッシュ火災の救命消防隊「バーニングレスキュー」の新人隊員ガロは互いの信念の違いから衝突します。
しかし、二人は全世界を巻き込む大きな陰謀に巻き込まれていきます。
『天元突破グレンラガン』『キルラキル』の監督:今石洋之と脚本:中島かずきのヒットメーカーコンビが6年におよぶ構想を経て送り出す完全オリジナル劇場アニメーション。
アニメーション制作は『キルラキル』『リトルウィッチアカデミア』などのTRIGGER、製作を『モンスターストライク』などを創出するXFLAG、音楽を『機動戦士ガンダムUC』や『進撃の巨人』などで知られる澤野弘之と日本のトップクリエーターが集結。
キャストに松山ケンイチ、早乙女太一のW主演、物語の鍵を握るクレイ役に堺雅人といった実力派俳優を起用したことでも話題になっています。
映画『プロメア』のあらすじ
ある日、世界各地で同時多発的に突然変異により炎を操る人種「バーニッシュ」が出現します。
バーニッシュと人類は対立、争いは激化し、全世界の大半を焼き尽くす惨事、「世界大炎上」にまで発展しました。
それから30年。一部の過激なバーニッシュは「マッドバーニッシュ」を名乗り、散発的に火災を引き起こしていました。
自治共和国プロメポリスでマッドバーニッシュによる火災テロが発生、高機動救命消防隊、「バーニングレスキュー」に出動要請が出ます。
火災現場、フォーサイト研究所ビルに急行したバーニングレスキューは直ちに救命活動を開始します。
しかし、屋上に取り残された人々を見つけた隊員のアイナは応援を要請、現れたのは新人隊員のガロでした。
ガロとアイナの活躍で屋上の人々を見事、救助しますが、マッドバーニッシュの三人が姿を見せます。
バーニングレスキュー隊長のイグニスはガロに現れたのは唯一、残ったリーダと幹部二人だと説明、手を出さないよう、釘を刺しますがガロは聞く耳を持ちません。
マッドバーニッシュの猛攻を前に窮地に立たされるガロですが、ガロの操る、「マトイデッカー」とバーニングレスキュー隊員の協力により、マッドバーニッシュの三人を拘束することに成功します。
その際、マッドバーニッシュのリーダーが自分とさほど変わらぬ少年だったことに驚き、「ガキ」呼ばわりするガロに少年はリオと名乗ります。
その後、現場に現れた警察兼軍部組織、「フリーズフォース」によりリオたち三人は連行されます。
リオたちが連行された先で収監されたバーニッシュは子供や老人、ケガ人ですらまともな扱いがされていませんでした。
ガロはマッドバーニッシュの逮捕に貢献したことから、フォーサイト財団の総裁でプロメポリス共和国の司政官、クレイから勲章を授与されます。
映画『プロメア』の感想と評価
本作はジャンルでいうとSF作品に入り、近年の日本アニメのSFジャンルは緻密な設定で構築された奥深い世界観が世界的にも評価されています。
しかし、本作はそんなSFのセオリーと真逆の設定そっちのけでテンションで押し切る作風となっていました。
一見、作品にまとまりがなくなりそうですが肝心な要素はしっかり抑え、どんどん盛り上げていくストーリー展開は今石洋之、中島かずき両名の見事な手腕に感服しました。
作画もどこかアメリカンコミックのように線が太く、大まかに書かれているように見え、繊細に書かれていました。
例えば、炎は大きく、ダイナミックに描く事で迫力を持たせ、マトイデッカーなどのメカニックについては細部を細かく描写し、リアルに表現されていました。
また、キャストについて主要の三人のキャラクターを松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人が務めたことで話題の本作ですが、三人の演技力が見事でした。
特に、堺雅人は本人のイメージとは真逆のキャラクターを演じており、キャラクターの熱量を倍増させるような絶叫を見せていました。
本作は主人公・ガロが信念を貫く姿が描かれていましたが、「正義」とは何か?というメッセージを強く感じ取ることが出来ました。
ガロとリオが正義を持ってクレイを打ち破った訳ですが、クレイもまた、人々を救済したいという想いからパルナスサス計画を発案していたと思うと単純な善悪で両者を分けることができず、「信念」の違いだったのではと感じさせてくれます。
まとめ
熱い男たちのドラマと、次々と襲い掛かる危難を乗り越え続ける熱い展開の連続で圧倒的スケールの『プロメア』。
注目しているのは日本だけではありません。
2017年、北米最大のアニメイベント「Anime Expo」で制作が発表された際にはそのニュースは瞬く間に世界を巡り、公開を待ちわびるファンが世界各地で待っています。
『プロメア』が今後、全世界でどのような旋風を巻き起こすのか、そして、今石洋之と中島かずきのタッグが今度はどんな興奮を与えてくれるのか、楽しみでなりません。