それは、神にも悪魔にもなれる――。
永井豪画業50周年記念して“元祖”にして“伝説”のスーパーロボットアニメ『劇場版マジンガーZ / INFINITY』が映画館で超復活を遂げました。
リアルタイム世代の人はもちろん、若い世代も胸熱になること間違いなしの作品をご紹介します。
CONTENTS
1.映画『劇場版マジンガーZ / INFINITY』作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【監督】
志水淳児
【原作】
永井豪
【声優】
森久保祥太郎 茅野愛衣 上坂すみれ 花江夏樹 高木 渉 山口勝平 菊池正美 森田順平 島田 敏 塩屋浩三 石塚運昇
【オープニングテーマ】
「マジンガーZ」水木一郎
【作品概要】
1970年代一世を風靡した永井豪原作の巨大ロボットアニメ「マジンガーZ」が映画で超復活します!搭乗型巨大ロボットアニメの元祖として知られる「マジンガーZ」はロケットパンチなど多彩な武器や、出撃シーン、合体シーンなど、その後のロボットアニメの特徴を全て含んだ、原点にして伝説のロボットアニメです。
今年画業50周年を迎える永井豪のスーパープロジェクトとして、「マジンガーZ」が45年の時を経て復活します。
2.映画『マジンガーZ/INFINITY』のあらすじ
主人公の兜甲児は、10年前Dr.ヘルから世界の平和を勝ち取った後、学者となり富士山に建てられた光子力発電所に勤めていました。
Dr.ヘルの送り込む機械獣の恐怖はなくなり、マジンガーZは博物館で展示されるまでに世界はすっかり平和を取り戻したかのように思えていました。
しかしそんな時、アメリカの光子力発電所が襲撃にあいます。10年前から戦闘の第一線を走り続けている剣鉄也が愛機グレートマジンガーで応戦しますが、戦況は芳しくありませんでした。
時を同じくして日本の光子力発電所の地下で、現在の化学の力を遥かに凌駕した魔人が発見されます。
兜甲児が駆けつけて調査していると、巨大魔神から人型アンドロイドが出現しました。甲児は彼女の名前をリサとそして、巨大魔神のことをマジンガーインフィニティと名ずけました。
そんな甲児のもとにアメリカの襲撃後、剣鉄也がグレートマジンガーごと行方を眩ませたという悲報が届きます。さらに、襲撃した犯人は死んだはずのDr.ヘル率いる機械獣軍団だったのです。
甲児は日本の光子力発電所の所長でもある恋人のさやかと共に、インフィニティとDr.ヘルが現れた原因を探ります。
そして巨大な光子力が原因ではないか、また時空に歪みが発生しワープのような現象が起こっているのではないかという仮説にたどり着きました。
また同時におそらくインフィニティを操作する鍵であるアンドロイドのリサの謎も探っていました。
そんな時マジンガーインフィニティに活動反応が現れました。そして大量の機械獣たちが光子力
発電所を押し寄せました。
3.映画『劇場版マジンガーZ / INFINITY』の感想と評価
“人が乗り込んで操作する”という今では当たり前の設定を生み出した元祖スーパーロボットアニメであり、今なお高い人気を誇るマジンガーZの映画化。
世代ど真ん中の人はもちろん、平成生まれの若者もリアルタイムで劇場で観れることに興奮しているのではないでしょうか。
僕が鑑賞した時も、幅広い世代の人が劇場に来ていました。もちろん男性ばかりでしたが。
なんせ男のロマンですからね。仕方ないかも知れません。
映画『劇場版マジンガーZ / INFINITY』のグッと来たポイントを紹介していきます。
アガり過ぎる水木一郎の歌声!
なんと言ってもマジンガーZと言えば、このお方。このお方といえばマジンガーZ。
現在すでに70歳。しかし未だに衰えることを知らない歌声を冒頭から響かせてくれました。
声優の高齢化により世代交代が激しいアニメ業界。
本作でもキャラクターの声優は当時のテレビアニメからは一新されています。
またあしゅら男爵の男性声をお笑い芸人の宮迫博之が、マジンガールズの2名を同じくお笑い芸人のおかずクラブのふたりが担当するなど、サプライズもありましたね。
新たな世界観、キャラクターの魂はとてもフレッシュで良いものだと思うのですが、やはり当時のまま、本人が歌ってくれているというだけでファンとしてはテンションがアガります。
水木さん以外の「ゼェッッッッット!!」は想像もつきません。やはり唯一無二の最高のオープニングでした。
マジンガーZのデザインと戦闘!
今作のマジンガーは、前作までよりも確実に関節が増えていました。
メカニックデザインをする上で硬い金属がしなやかに動いても違和感がないことを意識したそうです。
これまでのマジンガーよりも格段にカッコよくスタイリッシュに見えました。
そんなマジンガーZが機械獣の軍団に必殺技を叫びながら立ち向かっていく、息を飲むほどの激しくスピーディな戦闘は本当にカッコ良かったです。
やはりロボットもののアニメーションといえば、戦闘だと思います。
本作での後半怒涛の戦闘シーンは口を開けて見てしまうほど楽しかったです!
現代の技術でマジンガーZをやった意味があったと思いました。
Dr.ヘルの思考の改変
個人的に大きな変化であり、より本作を魅力的にしていると思う点をご紹介させてください。
Dr.ヘルという人物は元々世界征服を企む、いうなれば昔の悪役っぽい欲に溺れた単細胞なキャラクターでした。
本作では金や地位には興味がなく単純に好奇心を満たしたいだけであり、人に興味を失い欠けているので人類を滅ぼしたい。という非常に現代的な悪の思考になっています。
Dr.ヘルは「多様性を受け入れられるほど、人間はできた生物ではない」と言い放ちます。
最近は数多くのLGBT映画作品が制作され、ハリウッドの大作には必ずと言って良いほど黒人が起用されていますね。
つまりDr.ヘルはこういったマイノリティを認めることは不可能だと言い放っており、甲児は可能だと立ち向かう構図になっています。
見終わったあと人類は今なお進化の途中なんだと気付かされて、なんだか胸が熱くなったまま劇場を出ました。
Dr.ヘルの思考は現代を生きる人間に突き刺さる非常に良い改変だと思いました。
4.まとめ
原作者の永井豪は海外でも人気が高く、『パシフィック・リム』のギレルモ・デル・トロ監督がサインを求めたことも有名です。
この機会にぜひ、永井豪の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?