2017年7月8日(土)から公開される映画『メアリと魔女の花』ですが、この映画をスタジオジブリ制作だと勘違いされている方も非常に多いのではないでしょうか?
確かに絵のタッチや作風からしていかにもジブリ作品であるかのように見えますが…実は『メアリと魔女の花』は、スタジオジブリを退社した米林宏昌監督とプロデューサーの西村義明さんが立ち上げた「スタジオポノック」が手掛けたものなのです!
こちらの記事では『メアリと魔女の花』の監督や原作の情報について掘り下げていきたいと思います!
映画『メアリと魔女の花』の作品情報
【公開】
2017年(日本)
【監督】
米林宏昌
【キャスト】
杉咲花、天海祐希、小日向文世、満島ひかり、佐藤二朗、渡辺えり、大竹しのぶ
【作品概要】
『借りぐらしのアリエッティ』、『思い出のマーニー』を手掛けた米林宏昌監督がスタジオジブリ退社後、スタジオポノックを立ち上げ初めて手掛けた記念すべき長編第1作目で、イギリス人作家メアリー・スチュアートの児童文学『The Little Broomstick』を基にしたファンタジーアニメーション作品。
声優には『とと姉ちゃん』で注目を集めた杉咲花さんが主人公・メアリを演じる他、天海祐希、満島ひかり、大竹しのぶ、小日向文世たち超豪華キャストが集結しています。
映画『メアリと魔女の花』の監督紹介
映画『メアリと魔女の花』の監督を務めるのは、米林宏昌さんです。
石川県出身の米林宏昌監督は、1973年7月10日生まれで現在43歳。
金沢美術工芸大学を中退して、1996年にスタジオジブリに入社し、キャリアをスタートさせました。
主にアニメーターとして活躍し、スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんに言わせると「ジブリ内で最も上手なアニメーター」だったんだとか。
入社して翌年には『もののけ姫』(1997)の原画に携わり、その後も『千と千尋の神隠し』(2001)、『ハウルの動く城』(2004)、『崖の上のポニョ』(2008)などの名作の数々の原画を手掛けて来たようですね。
2002年の短編アニメーション『空想の空飛ぶ機械達』では初めて作画監督を担当し、2006年には宮崎吾朗監督の『ゲド戦記』で作画監督補を担当。
長編アニメーション作品で初監督を務めたのは、2010年の『借りぐらしのアリエッティ』でした。
メアリー・ノートンのファンタジー小説『床下の小人たち』を基にしたこの作品は、2010年度の邦画興行収入ランキングで第1位を獲得するなど大ヒットを記録し、海外でも前作『崖の上のポニョ』を上回る記録を打ち立て、監督・米林宏昌という存在が一気に注目を集めることに。
2014年にはジョーン・G・ロビンソンの原作を基にした長編第2作目『思い出のマーニー』を発表。
興行成績的には『借りぐらしのアリエッティ』に劣ったものの、第88回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされるなど、高い評価を獲得し、さらに米林宏昌さんの名が世界中に知れ渡ることになりました。
そして2014年12月、プロデューサーの西村義明さんと共にスタジオジブリを退社。翌年の6月に西村さんを代表取締役社長に据えた「スタジオポノック」を設立。
その記念すべきスタジオポノック長編第1作目になるのが本作『メアリと魔女の花』ということなのです。
米林監督の経歴からいって、本作がジブリ作品と勘違いしてしまうのも全くおかしなことではないのがお分かり頂けたと思います。
『借りぐらしのアリエッティ』と『思い出のマーニー』が海外児童文学を基にしており、本作もメアリー・スチュアートの児童文学作品を基にしていることから、米林監督はこういった分野を得意としているのかもしれませんね。
果たして独立後1本目の作品で、どんな世界観を披露してくれるのか…世界中が『メアリと魔女の花』を注目しています!
映画『メアリと魔女の花』の原作紹介
映画『メアリと魔女の花』は、メアリー・スチュアートの『The Little Broomstick(小さな魔法のほうき)』を原作としています。
イングランド北東部サンダーランド出身の作家メアリー・スチュワートは、1954年に出版されたロマンティック・サスペンス小説『Madam, Will You Talk?』 でデビュー。
以降も様々な小説を発表する中、児童文学のジャンルを初めて手掛けることになるのは1971年のこと。
その最初の作品こそが、『The Little Broomstick(小さな魔法のほうき)』なのです。
原作のあらすじは…
夏休みの期間中、田舎にある古い屋敷に住むシャーロット大叔母様の所に預けられたメアリ。
ある日のこと、近くの森の中を歩いていると黒猫のティブに出会い、導かれるままにその後をついていくと…。
その先で見つけたのは、7年に一度しか花をつけないという不思議な花“夜間飛行”でした。
屋敷に戻ったメアリが偶然見つけた古いほうきに“夜間飛行”の花粉が付くと…ほうきがメアリを乗せたまま空高く舞い上がるではありませんか?!
そうして、ほうきに乗ったメアリーが辿り着いたのは、なんと魔女の学校だったのです!
…といった感じのようですね。こう見ていくと序盤のストーリー的には映画『メアリと魔女の花』はかなり忠実に再現しているように思えますね。
ちなみに原作の『小さな魔法のほうき』は、もともと「あかね書房」から出版されていたものが絶版状態で手に入り難くなっていましたが、2017年6月17日に角川文庫から新訳版が出版されるそうです!(タイトルは映画に合わせて『メアリと魔女の花』に改題されています)
気になる方は是非チェックして見て下さいね!
まとめ
『借りぐらしのアリエッティ』や『思い出のマーニー』ですでに成功を収めている米林宏昌監督ですが、スタジオジブリという看板を外して臨む本作『メアリと魔女の花』が観客にどう受け入れられるのか…非常に気になる所ではありますね。
同じ魔女映画である『魔女の宅急便』時代のような往年のジブリファンからすると少し違和感を覚えるかもしれないという恐れもありますが、一体どのような結果となるのでしょうか?!
そんな大注目の映画『メアリと魔女の花』は2017年7月8日(土)より始まります!あらゆる世代の心を揺さぶる、全く新しい形の魔女映画といわれるこの作品をぜひ劇場でご覧ください!