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Entry 2024/06/25
Update

【11話ネタバレ】怪獣8号|アニメ感想/解説/考察。カフカvsキコルの父・四ノ宮長官の容赦ない攻撃に如何に立ち向かうか⁈

  • Writer :
  • 谷川裕美子

捕らえられたカフカと第3部隊の熱い絆

怪獣が人々の生活をおびやかす世界で、謎の小型怪獣を飲み込んだことで「怪獣に変身する力」を身につけてしまった主人公の奮闘を描く、少年ジャンプ+の大人気ファンタジーアクション漫画をアニメ化した『怪獣8号』。

ド派手なアクションと笑いたっぷりのコミカルなドラマ展開から目が離せない本作。日比野カフカを福西勝也が演じるほか、瀬戸麻沙美、加藤渉らが声を担当しています。

仲間たちの命を救うために迷わず怪獣8号に変身したカフカは、捕らえられてしまいました。しかし、防衛隊の仲間たちは変わらず、カフカを心から信じ続けます。両者の熱い絆に感動する第11回について紹介します。


アニメ『怪獣8号』の作品情報

【放送】
2024年(日本アニメ)

【原作】
松元直也

【監督】
宮繁之、神谷友美

【シリーズ構成・脚本】
大河内一桜

【総作画監督・キャラクターデザイン】
西尾鉄也

【怪獣デザイン】
前田真宏

【音楽】
坂東祐大

【アニメーション制作】
Production I.G

【キャスト】
福西勝也、瀬戸麻沙美、加藤渉、ファイルーズあい、河西健吾、新祐樹、河本啓佑、武内駿輔、千本木彩花、玄田哲章、吉野裕行

【作品概要】
少年ジャンプ+の松元直也による大人気ファンタジーアクション漫画をテレビアニメ化。

多数の怪獣が人々の生活をおびやかす世界で、謎の小型怪獣を飲み込んでしまい怪獣8号に変身するようになった主人公・日比野カフカが、「日本防衛隊」へその能力を隠して入隊。仲間たちと共に怪獣討伐に奮闘する様を描きます。

監督は宮繁之と神谷友美、アニメーション制作はProduction I.Gが担当。主人公・カフカを福西勝也、カフカの幼なじみで防衛隊エリートの亜白ミナを瀬戸麻沙美、カフカとともに防衛隊員を目指す市川レノを加藤渉が演じます。

アニメ『怪獣8号』第11話のあらすじとネタバレ

ついに怪獣8号であることが防衛隊に露呈し、カフカは拘束されました。日本防衛隊長官・四ノ宮功の命令によって本部施設に移送されることとなります。

防衛隊になる夢が消え、さらには仲間を裏切ってしまった後ろめたさに苛まれるカフカ。しかし、緊迫した雰囲気で粛々と進む移送任務の中、レノは「戻ってくると信じている」と声を上げてくれました。

カフカとふたりきりになったミナも、今カフカに有利な映像や証言を集めていると伝え、第3部隊にカフカを敵だと思っているヤツはひとりもいないと話します。

「俺はまだお前の隣、目指していいのかな」と聞くカフカに、ミナは「ずっと待ってる」と答えました。カフカは涙をぽろぽろとこぼします。

第3部隊は敬礼してミナとカフカを見送りました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアにはアニメ『怪獣8号』第11話ネタバレ・結末の記載がございます。アニメ『怪獣8号』第11話をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

それから数日後。キコルは父の四ノ宮長官を訪ね、カフカの処分撤回を頼みました。長官はカフカの体内にある核を写したX線画像を見せ、キコルの母親を殺したのと同じくカフカは怪獣なのだと言って追い返します。しかし、キコルはそれでもカフカを信じたいと言いました。

「人間であると証明すれば処分を避けられるかもしれない」というミナの言葉を反芻するカフカ。そんな彼の前に長官が現れ、カフカの拘束を解くように言いました。キコルがその様子を不安げに見守ります。

話しかけようとしたカフカを突然長官は銃で撃ち抜き、冷たく言い捨てます。「生身で弾丸を受け止める生物を、この世界では人間とは呼ばないのだ、怪獣8号。」

「俺は怪獣は8号じゃない。日比野カフカだ。」カフカは必死で答えますが、長官はボディスーツを身につけ、怪獣8号の処理を開始すると宣告します。完全な変身はせずに、絶対人間だと証明してみせるとカフカは覚悟を決めますが、かつて防衛隊史上最強とうたわれた長官は容赦なく襲いかかります。

ひたすら長官の攻撃をかわそうとする中で、まるで大怪獣と戦っているかのような感触に驚くカフカ。長官のスーツとアームは、怪獣2号をベースに作られていました。両足までももぎとられたカフカは逃げることも叶わず、とうとう全変身してしまいます。怪獣8号が咆哮を上げた時、カフカは意識の底に閉じ込められていました。このままではまるっきり怪獣になってしまうと焦るカフカ。

キコルは必死にカフカに向かって叫びます。「やめて!あんたは人間でしょう!日比野カフカー!!」

アニメ『怪獣8号』第11話の感想と評価

とうとう怪獣8号であることがバレてしまった日比野カフカは、本部に送致されることとなりました。失意のどん底に落ちたカフカを、防衛隊の仲間たちが熱くやさしい言葉で励まします。

前に進み出て、「戻ってくると信じている」とはっきり言うレノ。二人きりになってから、「第3部隊にカフカを敵だと思っているヤツはひとりもいない」という言葉をかけるミナ

ミナはカフカのために奔走し、彼が人間である証拠をきっと揃えてくれるに違いありません。第3部隊が一丸となりカフカをきっと助け出す。そう希望を抱かせてくれるシーンの連続に胸が熱くなります。

最高位にある日本防衛隊長官・四ノ宮功のもとを娘のキコルは訪ね、カフカの処分を撤回してくれるように頼みました。しかし、長官は願いを突っぱね、自らカフカに対峙します。

あまりの激しい容赦ないカフカへの攻撃に戦慄を覚えることでしょう。カフカは腕も両足も引きちぎられ、身動きできなくなってしまいます。それでも人間として認められるために、カフカは決して長官を攻撃しようとしません

カフカが完全に怪獣に変身して襲いかかってきたら、まったく歯が立たないことは長官にもわかっているはずです。それでも尚、全力でカフカを攻撃し続けるのは、勝算があるからでは決してなく、カフカの人間性を試そうとしているからです。

防衛隊を、国を、そして世界を守る責任を持つ長官にとっては、当たり前の行動でした。長官は自らの命をかけて、全力でカフカがどんな男であるかを確かめます。実際、全変身したカフカの意識は奥底の閉じ込められ、完全に怪獣に体を奪われてしまいましたこの状況下で、カフカがどこまで人間性を保ち、怪獣の体を自分の意志でコントロールできるのか。すべてはそこにかかっています。

ミナから「ずっと待ってる」と答えてもらったカフカに、恐いものはもうないはずです。きっとこの困難を乗り越えられるに違いありません。

次回、結果が示されます。キコルの必死の叫びが、そして第3部隊の仲間達の思いが、カフカに大きな力をくれると信じましょう。

まとめ

第10話から怒濤の展開を見せる第11話。正義に燃える心やさしいカフカが、仲間の手によって捕らえられる姿を見るのはとても辛いことでした。

しかし、第3部隊の仲間達はカフカを今も信じていることが明かされます。これからもカフカをずっと待つというミナの言葉は、カフカの心をこの先守り続けてくれるに違いありません

容赦なくカフカに攻撃を仕掛け、カフカをテストし続ける四ノ宮長官は、果たして敵なのか味方なのか。その真意はどこにあるのでしょうか。次回のさらなる展開から目が離せません。





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