Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

アニメーション

Entry 2017/01/09
Update

映画『アーサー・クリスマスの大冒険』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

  • Writer :
  • yukimura

映画『アーサー・クリスマスの大冒険』作品情報

【公開】
2011年(アメリカ/イギリス)

【原題】
ARTHUR CHRISTMAS

【監督】
バリー・クック/サラ・スミス

【声優】
ジェームス・マカヴォイ(アーサー)、ヒュー・ローリー(スティーヴ)、ビル・ナイ(祖父サンタ)、ジム・ブロードベント(父親サンタ)、イメルダ・スタウントン(サンタ夫人)

映画『アーサー・クリスマスの大冒険』あらすじとネタバレ

イギリスに住む少女・グウェンは、「ピンクの自転車がほしい」とサンタに手紙を書きます。そんな手紙に返事を書くのは、サンタの次男、アーサーの担当でした。

クリスマス。サンタと妖精たちが、世界中の子ども達にプレゼントを配ります。今やソリではなく、ハイテクを駆使した航空戦艦のようなS-1で堂々と出発です。

管制塔にいるのは、長男のスティーヴ。気弱なアーサーとは違い、合理的にプレゼント配りを処理する彼は、来年は自分が次のサンタになるだろうと期待しています。

サンタと妖精の特殊部隊が無事にプレゼントを配り終え、今年も任務終了。ところが一つだけ、配達されずに残っていたプレゼントを妖精が発見しました。

それは手紙をくれたグウェンの自転車です。サンタは寝てしまったため、アーサーはスティーヴに頼みますが、一つくらい仕方がないだろうと渋い顔をされます。

夜明けまであと2時間。そこで祖父のサンタが助け舟を出します。昔の古いソリとトナカイを出し、妖精も連れてイギリスのグウェンの家目指して空に舞い上がります。

アーサー達は世界中を駆け抜けます。アイダホでは看板を壊し、アフリカでは猛獣に追われ、レーダーで傍受した世界各国の政府はUFOの襲撃だと騒ぎ出します。

アーサーと祖父サンタがソリで出発したと聞いて、スティーヴはカンカンです。ソリから墜落したアーサー達は、キューバの浜辺に座り途方にくれてしまいます。

その頃、アーサーの部屋に入ったサンタは、壁に貼られた子ども達の手紙を見て、アーサーがどれほど子ども達のことを大切に思っているのかを知りました。

祖父サンタにあきらめるなと力づけられ、高い所が怖いにもかかわらず、魔法の粉を使って空に舞い上がるアーサー。空を旋回していたトナカイとソリを捕まえます。

サンタとスティーヴは、アーサーを助けに出発しますが、間違ったデータのせいでS-1はスペインへ。宇宙まで飛んで行ったソリは、UFOと間違われて追撃されます。

空が白み始めます。やっとグウェンの街についたアーサーは、プレゼントの自転車に乗ってグウェンの家までまっしぐら。モニターで見ていた妖精達も声援を上げます。

S-1も到着し、全員でグウェンの家に忍び込むと、アーサーが靴下の中に手紙を、そしてツリーの下にプレゼントを置きます。幸せそうなアーサー。サンタとスティーヴは、次のサンタに一番ふさわしいのが誰なのか、ようやく気づいたのでした。

『アーサー・クリスマスの大冒険』の感想と評価

全編、流れるようなスピード感。そしてディテールの細かい映像。アーサーがソリで飛び回る夢のような世界は、まばたきするのも惜しいほどでした。

サンタ一家がこれまた個性的です。過去の栄光にしがみつくおじいちゃんサンタ、ちょっとのんびり屋のお父さんサンタ、そしてなぜかミリタリー風なハイテク長男、心優しいオタク風の次男。そして、家族をまとめる肝っ玉母さんなサンタ夫人。

夜明けまでのタイムリミットを雪の中、子ども用自転車をキコキコキコキコキコキコとそりゃもう一生懸命にこぐアーサー。嗚呼、なんという健気さ。笑いました。いや、泣けました。

アーサーの活躍には胸が熱くなりますが、可愛い息子がここまで頑張っているというのに、忘れたプレゼントの配達をしぶる父親サンタ。引退寸前のご老体とはいえ、多少イラッときてしまいました。アーサーがいなければ、グウェンはぐれていたかもしれません。どうか子ども達の夢だけは壊さないでいただきたいものです。

まとめ

『ウォレスとグルミット』(2005)のアードマン・スタジオが、ソニー・ピクチャーズ アニメーションと組んだ、3Dコンピュータ・アニメーション映画です。

声の出演も、ジェームス・マカヴォイ、ヒュー・ローリー、ビル・ナイなど、シニカルなユーモアあふれるブリティッシュ俳優陣による贅沢な共演が楽しめます。

良く言えばモダン、悪く言えばとことん世俗的なサンタ一家。こんな家族、ご近所にもいそうです。あの両親、将来はアーサーの嫁選びでもめるんじゃないかしらと、老婆心すら起こります。

だからこそ、クリスマスにみんなでワイワイ楽しんで観るのにぴったりかもしれません。おもちゃ箱をひっくり返したような、キラキラした映像が最高です。

関連記事

アニメーション

アニメ映画『HUMAN LOST 人間失格』感想レビューと評価。太宰治の小説は冲方丁×本広克行によって生まれ変わる

映画『HUMAN LOST 人間失格』は2019年11月29日(金)より全国ロードショー公開! 太宰治の小説『人間失格』を大胆に解釈した近未来SFアニメーション作品。 監督は『アフロサムライ』でのアク …

アニメーション

『ブルーサーマル』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。アニメ青春ものとして大空を舞うグライダーの魅力を描く

大空を舞う青春の物語 競技かるたを題材とした「ちはやふる」や薙刀を題材とした「あさひなぐ」など、深く知られてはいなかったスポーツを取り扱う作品によって新たな世界を知ることが出来る創作と言う世界。 国内 …

アニメーション

Netflix映画『生きのびるために』ネタバレ感想と結末までのあらすじ。“物語の持つ力”は現実を生きる勇気となる

Netflix映画『ブレッドウィナー/生きのびるために』配信中 タリバン政権下のアフガニスタンで暮らす、ある家族を描いた長編アニメーション映画。 2001年のアフガニスタン、両親と姉、幼い弟と暮らす少 …

アニメーション

『ヒーローマスク1』ネタバレ感想と考察評価。Netflixアニメおすすめの“謎のマスク”の存在が問いかけるヒーローの在り方

人は何に正義を見出すのか? アニメ『HERO MASK』が問いかけます。 有能だが型破りな刑事・ジェームズは、ある殺害事件を追うなか、装着すると超人的能力をもたらす「マスク」にたどり着きます。 正義と …

アニメーション

【7話ネタバレ】怪獣8号|感想考察とあらすじ評価解説。9号再襲来!伊春/レノは強敵に“防衛隊員としての意志”を問われる

謎の人型怪獣、出現。レノとカフカの戦いにしびれる第7話 怪獣が人々の生活をおびやかす世界で、謎の小型怪獣を飲み込んだことで「怪獣に変身する力」を身につけてしまった主人公の奮闘を描く、少年ジャンプ+の大 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学