元軍人率いる強盗団vsFBI捜査官たちによるガンアクション!
ウィリアム・カウフマンが脚本・監督を務めた、2023年公開のアメリカのガンアクション映画『ヒート・オブ・シティ 現金強奪』。
海兵隊時代の仲間と銀行強盗を繰り返し、FBIの捜査対象になっていたミックとジェイミーの兄弟。ある木曜日の午後、彼らは再び銀行を襲撃し、FBIの部隊との激しい銃撃戦の末に大金を強奪しました。
その日の夜。FBI特別部隊の指揮を務めるロス捜査官は、銃撃戦を戦った同僚たちの話を聞いて、元軍人による犯行だと推測。捜査が進むにつれ、それは確信へと変わっていき……。
映画『ヒート・オブ・シティ 現金強奪』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『ヒート・オブ・シティ 現金強奪』の作品情報
【公開】
2023年(アメリカ映画)
【監督・脚本】
ウィリアム・カウフマン
【キャスト】
クレイン・クロフォード、マックス・マーティーニ、ジュリエン・ジョイナー、ジャレン・ミッチェル、ニコイ・バンクス
【作品概要】
『ネバー・サレンダー 肉弾烈戦』(2015)や『ネイビーシールズ ラスト・ソルジャー』(2024)などを手掛けたウィリアム・カウフマンが脚本・監督を務めた、アメリカのガンアクション作品です。
アメリカのテレビドラマ「リーサル・ウェポン」シリーズのクレイン・クロフォードと、『13時間 ベンガジの秘密の兵士』(2016)のマックス・マーティーニが、本作の主演を務めています。
映画『ヒート・オブ・シティ 現金強奪』のあらすじとネタバレ
元アメリカ海兵隊の兄弟ミックとジェイミーは、軍隊時代の仲間4人とたびたび銀行強盗を繰り返しており、FBIの捜査対象となっていました。
ある木曜日の午後、ミックたちはアメリカ・ニューオーリンズ郊外の銀行を襲撃。するとFBIの特別部隊が現れ、激しい銃撃戦を繰り広げます。
銃撃戦の末、3人の仲間を失いましたが、ミックたちは海兵隊で習得した戦術が功を奏し、150万ドルの強奪にどうにか成功しました。
その日の夜。FBIの特別部隊を指揮するフランク・ロス捜査官が、出向先のワシントンDCから現場に到着。銃撃戦を戦った同僚のニコトラ(愛称ニコ)とマイク・ヘイズ特別捜査官に状況の説明を求めます。
マイクの話によると、風紀取締班から昨日性犯罪で逮捕されたE(エドウィン)・スモールズがアンゴラ(全米で最も恐ろしい刑務所)での懲役に怯えて余罪を漏らしたとの情報が入り、ロスに電話するもつながらなかったため、自分が判断を下しニコたちと現場に向かいました。
しかし援護が未到着で余裕がなく、路肩に停められた2台の車の接触事故を機に、強盗団の1人に銃口を向けられ銃撃戦へと発展した、とのことでした。
そしてその銃撃戦で、ニコが強盗団の車の運転手を倒し、マイクが強盗団2人を死傷させた一方で、ニューオーリンズ市警の警官が6人死亡してしまいました。
さらにマイクから、FBIの特別部隊の奇襲に対する強盗団の反撃っぷりと撤退の仕方が軍事戦術のようだったと聞かされたロスは、元軍人による犯行だと推測。
ニコたちに、6人全員乗れるような大きくて馬力のある車の捜索と、手術ができそうな医者・獣医師・美容外科医が誘拐されていないか、銀行の窓口係の女性たちに前歴がないかどうか調べるよう命じます。
一方ミックたちは、この銀行強盗計画を知る協力者のビルの元を訪れていました。
自分たちを裏切り密告したのではないかとミックに詰め寄られたビルは、自分以外にもこの計画のことを知る人物がいると答えました。
それは、スモールズでした。ビルは、逃げ道についてはバレていないものの、奪った金をさばく予定の男がミックたちの警官殺しを知って手を引いてしまったと言いました。
ですがビルにはもう1人、心当たりがありました。ナッシーというビルの知人の男です。
そうこう話していると、ジェイミーの恋人エヴァ・リショットがやってきます。自分のことが心配なため、ナッシーとの取引現場にもついていくというエヴァを連れて、ジェイミーはミックたちとある場所に向かいました。
ミックたちの軍隊時代の仲間である元衛生兵クラレンスのところです。ジェイミーは、銃撃戦で重傷を負った仲間のフリーの治療を頼み、3人でナッシーとの取引現場に向かいます。
ですが取引現場に現れたのは、ナッシーの手下たちを引き連れた彼の弟ブリルでした。ブリルは事前の連絡どおり、150万ドルの7割の金を受け取り、残り3割の50万ドルをミックたちに返しました。
それに納得がいかず喧嘩を売ろうとするミックでしたが、実は弟が自分に黙ってそう取り決めていたことを知って怒りの矛先を弟に向けます。
ブリルたちの前で兄弟喧嘩するミックとジェイミー。そこでブリルがミックをバカにしたような態度を取ったことで、ミックの怒りは爆発。
ミックは取引内容に納得したふりをして、ブリルと手下2人を銃撃。ジェイミーは他の手下たちを銃撃し、兄の尻拭いをしました。
しかしナッシーの手下1人に逃げられてしまいました。ジェイミーが現場に戻ると、ミックはまだ息の合ったブリルに止めを刺していたのです。
2人は急いで金が入った鞄とリュックを持ち、エヴァが運転する車で逃走。道中遭遇したパトカーを何とかやり過ごし、ビルと治療を終えたフリーと合流しました。
街を牛耳るギャングのボスであるナッシーの弟ブリルをミックが殺したと知り、ビルは顔面蒼白。生き残った手下からの報告で弟の死を知ったナッシーは、腹心であるスティッチーズと手下たちをビルの元へ向かわせます。
スティッチーズはビルの弁明を聞かず、ショットガンで彼を射殺。手下たちと一緒に、ミック・ジェイミー・フリー・エヴァの4人をナッシーの店に拉致しました。
映画『ヒート・オブ・シティ 現金強奪』の感想と評価
元アメリカ海兵隊の兄弟ジェイミーとミックを筆頭とした強盗団が、FBIの特別部隊を相手に繰り広げた激しい銃撃戦。軍隊時代に培った戦術を駆使した彼らの反撃っぷりは、元軍人らしく統率と連携が取れた完璧な軍事戦術で、何度も見返したくなるほどとても格好良かったです。
また、ジェイミーとミックによる兄弟ならではの息の合った連係プレーの数々も、なかなか素晴らしく視聴者を魅了します。
その一方で、軍隊時代も軍を辞めてからも、おそらくずっと一緒にいて死線を潜り抜けてきたであろうシェリダン兄弟が、作中での2人の会話通り、本当に別々の道を歩むことになってしまうとは思いもしませんでした……。
作中で何度か兄弟喧嘩しているシェリダン兄弟ですが、いつだって互いのことを大事に思い、守ってきた姿を見ていただけに、ミックの最後の決断と、ジェイミーが兄の最期を見ることなく別れてしまったのが、とても切なくて悲しいです。
対してロスたちFBIの特別部隊による事件の捜査は、前回の強盗事件のこともあってか、何としても強盗団を捕まえるという強い意志を感じる執念深さがあり、どんどんと兄弟を追い詰めていく姿に凄いと感心すると同時に、いつ彼らの手が兄弟を捕らえるのかとハラハラドキドキさせられます。
まとめ
本作は、頭脳も肉体も鍛えられた元軍人たちで構成された冷酷無比な強盗団と、彼らに引けを取らない頭脳と戦闘力があるFBIの特別部隊によるハイレベルな攻防と、数々のガンアクションが展開されます。
そして元アメリカ海兵隊のジェイミーとミックの兄弟は、軍隊時代に培った戦闘スキルを遺憾なく発揮し、どんな苦境も乗り越えていく様が見どころのアメリカのガンアクション作品です。
本作の主演であるクレイン・クロフォードとマックス・マーティーニは、冷静沈着な弟のジェイミー役と、気性が荒い兄のミック役を熱演。
アクション作品に出演する俳優なだけに、どのガンアクション場面も格好良く決まっていますし、何より役と俳優が完璧にマッチしています。
ただし本作は、街を牛耳るギャングのボスの弟を殺したミックたち銀行強盗団が、拉致・監禁・暴行、硫酸による拷問を受けるグロテスクな描写もあるPG12作品でもあるため、12歳未満の方は視聴できません。