世界中で大ヒットを記録した映画『スカイスクレイパー』は、ロック様こと、ドウェイン・ジョンソンが主演を務めるアクション大作です。
高さ1000メートルにも及ぶ超高層ビルで発生した火災、それを巻き起こしたテロ集団からかつて事故により片足を失った男は家族を守るため立ち向かいます。
作品情報
(C)Universal Pictures
公開
2018年(アメリカ映画)
原題
Skyscraper
監督
ローソン・マーシャル・サーバー
キャスト
ドウェイン・ジョンソン、ネーヴ・キャンベル、チン・ハン、ローランド・ムーラー、ノア・テイラー、バイロン・マン、パブロ・シュレイバー、ハンナ・クィンリバン、マッケンナ・ロバーツ、ノア・コットレル、エイドリアン・ホームズ、エルフィナ・ラック
作品概要
「ワイルド・スピード」シリーズでおなじみの人気アクション俳優、ドウェイン・ジョンソンが主演を務めるアクション映画。
監督は『セントラル・インテリジェント』でドウェイン・ジョンソンとタッグを組んだローソン・マーシャル・サーバーが担当。
高さ1000メートルを超える超高層ビルを舞台に、元人質救出部隊の隊長でかつての事件により左足を失った男、ウィルが家族を助けるために奮闘する姿を描きます。
映画「スカイスクレイパー」あらすじとネタバレ
(C)Universal Pictures
自らの妻子を人質にとった男が自宅に立てこもる事件が発生しました。
警察の必死の説得もむなしく交渉は決裂。人質を救出するため、強行突入が決行されます。
ウィル・ソーヤー率いるFBI救出部隊が突入し、犯人の男を包囲します。
ウィルは、犯人の頭に狙いを付け射殺しようとする同僚ベンを制止し、我が子を抱きしめ泣き叫ぶ犯人に対して子供を放し投降するように説得します。
「もう駄目だ」と犯人は子供を手放すと体に巻きつけていた爆弾を見せ、爆発させようとします。
ウィルは止めようとしますが間に合わず、爆発に巻き込まれてしまいます。
病院に運ばれ意識が朦朧とする中、ウィルはサラと出会います。
それから10年、爆発により左足を失いFBIを退職したウィルは、サラと結婚し娘ジョージア、息子ヘンリーの双子を儲けました。
セキュリティ会社を立ち上げていたウィルは、かつての同僚ベンの紹介により香港に建設された超高層ビル「ザ・パール」のセキュリティ診断の依頼を受け、その結果報告に家族でザ・パールを訪れていました。
パンダ見物に行くというサラ、ジョージア、ヘンリーと別れたウィルは香港に住むベンと共にザ・パールの最上階へ向かいました。
そこでザ・パールのオーナー、ツァオ・ロン・ジーと対面しセキュリティ診断の結果が良好であると報告します。
唯一確認していないコントロールセンターについても引き続き診断するようにウィルに依頼するツァオは一台のタブレットを渡します。
そのタブレットはザ・パールの全システムを一括して管理することが可能で、顔認証によってのみロックを解除することが出来ます。
タブレットを受け取ったウィルはベンと共に2キロ離れたコントロールセンターに向かいますが、ベンの携帯にウィルをフェリーに乗せるように指示するメッセージを受け取っていました。
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フェリーから降りたウィルは引ったくりに鞄を奪われ、ウィルは取り返そうとしますがナイフで腕を切られ負傷してしまい、鞄を奪われてしまいます。
傷の手当をするためベンはウィルを自分のアパートに招きいれます。
傷の手当を受ける際、ウィルは上着のポケットからタブレットを取り出します。
ウィルは念のためタブレットを鞄に入れず、上着のポケットに入れていたのでした。
タブレットがウィルの手元にあることを知ったベンは、なにやら複雑な様子です。
そこへサラから電話が入り、パンダ見物の途中でヘンリーが体調を崩し、ザ・パールに戻っているとウィルに伝えます。
そのころ、ザ・パールの地下では謎のテロ集団が侵入していました。
電話を終えたウィルにベンが拳銃を突きつけ、タブレットを渡すように脅迫します。
ベンはザ・パールに侵入したテロ集団に加担しており、タブレットを入手しようとしていました。
ベンは10年前の事件を境に自らを巡る境遇の悪化を嘆き、ウィルがその原因だと責め、片足を失ったものの家族を持ち、恵まれた生活をしているウィルを逆恨みしていました。
タブレットを渡すまいとするウィルとベンは揉み合いになり、ベンの拳銃が暴発、ベンの胸に命中し致命傷を負います。
懸命に助けようとするウィルでしたが、ベンは今際のきわに「逃げろ」と言い残し事切れます。
(C)Universal Picture
以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『スカイスクレイパー』ネタバレ・結末の記載がございます。『スカイスクレイパー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
一方、ザ・パールに戻ったサラは自室近くでメンテナンススタッフに変装したテロリストに遭遇します。
サラが何かあったかと問うと、テロリストは配線の異常だと告げて立ち去ります。その際サラはメンテナンススタッフを装うテロリストの荷物に羽が描かれたロゴがあることを目に留めます。
テロリスト達はサラたちの部屋の数階下のフロアで、水に反応して発火する薬剤を敷き詰めると、スプリンクラーを作動させ火災を発生させます。
鳴り響く火災警報でビル内に火事が起こっていることを知ったツァオはビル内にウィルの家族であるサラ、ジョージア、ヘンリーが取り残されていることを知り、安全な最上階に連れてくるよう部下を向かわせます。
同様に火災に気づいたサラもジョージア、ヘンリーを連れて脱出しようとします。
ウィルはザ・パールへ戻るため、ベンの部屋から出ようとしますが、今度はザ・パールに侵入したテロリストの別働隊に襲われます。
テロリストを足止めし、窓から外に逃げるウィルでしたがテロリストの女構成員シャの待ち伏せに合い、タブレットを奪われてしまいます。
タブレットのロックを解除したシャはウィルを射殺しようとしますが、ちょうど駆けつけた警察官によりテロリストと警察の間で銃撃戦が始まります。
ウィルは銃撃戦の隙を縫って逃れ、混乱に乗じ警察のバイクを奪うとザ・パールに向かいます。
警察との銃撃戦を制したシャたちはザ・パールのコントロールセンターへ向かい守衛を殺害、奪取したキーカードでコントロールセンターに侵入すると職員も次々と殺害し、コントロールセンターを制圧します。
ザ・パールの近くまでたどり着いたウィルでしたが警察によりザ・パールに至る道が封鎖されており、足止めを余儀なくされます。
目の前で燃えるザ・パールを目にしたウィルはサラに電話をかけ、最上階へ向かうよう指示します。
折サラたちは、迎えに来たツァオの部下たちと合流しますが、テロリストたちが火災を加速させようとエアダクトを開放し、勢いを増した炎が下層から吹き上がり爆発し、それに巻き込まれたツァオの部下は死亡し、サラ、ジョージア、ヘンリーは助かるも、自力で最上階を目指す事となってしまいます。
最上階のツァオは下層で起こった爆発により、サラたちが死亡したと判断し、残った部下とザ・パールから避難する為ヘリコプターの準備を指示します。
火災は人為的であることを示唆した警備主任の部下はツォアに心当たりが無いか尋ねると、ツァオは「コレス」の名を口にします。
その人物こそテロ集団を率いるリーダーであり、サラたちと対面した男でした。
ヘリコプターの準備が完了し、乗り込もうとするツァオたちでしたが先頭を歩く警備主任が足を止めヘリコプターのパイロットがすり替わっている事に気が付きます。
その瞬間、最後尾を歩いていたツァオの部下が突然、拳銃を抜き発砲し次々とツァオの部下たちは倒れていきます。
その部下はテロ集団に通じていたのでした。
生き残った部下たちが果敢に応戦するも、現れたコレスたちの前に部下たちは全滅します。
生き残ったツァオに「データを渡せ」と言い渡すもツァオは「私を殺せば同じことだ」と告げ、コレスは「それでは雇い主が納得しない」と不敵な笑みを浮かべます。
その時、辛うじて一命を取り留めていた警備主任が最後の力を振り絞り、ヘリコプターのパイロットを撃ち、コントロールを失ったヘリコプターがビル内に衝突。その隙にツァオは最上階の自室に逃げ込むと扉を閉めロックします。
ツァオを追いかけ、最上階に到着したコレスはコントロールセンターのシャに最上階の扉を開けるように指示しますが、最上階の制御は独立しておりコントロールセンターからは開けられません。
ウィルはザ・パールに侵入する方法を思案していました。そこにザ・パールの隣のビル屋上に設置されたクレーンが目に留まります。
ちょうどそのころ街頭の大型スクリーンにはウィルの映像が表示され、ウィルは自身がベン殺害の容疑で指名手配されていることを知ります。
周囲の警官がウィルの姿に気付き、身柄を拘束しようと近づいてきた時、ウィルは警官を振り切りクレーンへと向かい、クレーンを操作しザ・パールへの道を作り、渡ろうとしますがフックが外れてしまいます。
もう一度フックを掛けようと振り向くと、ウィルを追ってきた警官隊が銃を向け投降を呼びかけてきます。
後がないウィルは決死の覚悟でザ・パールへ向け走り出し、驚く警官を尻目にクレーンの先からジャンプします。辛くもザ・パールにしがみつき何とか侵入に成功します。
その頃、コレスは最上階の扉を開ける方法を探していました。
部下からウィルの存在と、ウィルの家族がザ・パール内にまだいることを聞かされたコレスは、ウィルの家族を人質にとり、ザ・パールのセキュリティに詳しいウィルに最上階の扉を開かせることを思いつき、部下にサラたちを自分の下へ連れてくるように命じます。
火災が激しくなる中、何とか逃げ延びているサラたちのところへコレスの部下が現れます。
「ツァオから連れてくるように言われた」と言うコレスの部下の嘘を見破ったサラはジョージアとヘンリーを逃がすも通路が倒壊し、ジョージアとヘンリーと別れてしまいます。
そのジョージアとヘンリーも倒れてきた木により離れ離れになり、家族三人がバラバラになってしまいます。
サラだけでも連れ去ろうとするコレスの部下に、サラは追い詰められますが、寸でのところでウィルが現れサラを助け出します。
ウィルとサラは協力して倒壊した通路の反対側のヘンリーを助け出すし、ウィルは二人をエレベーターに乗せ、サラに非常ブレーキの操作方法を教えるとワイヤーを切り、エレベーターを落下させます。
二人の無事を祈りつつジョージアの元に急ぐウィルでしたが、ジョージアはコレスたちに連れ去られていました。
ウィルは最上階でコレスと対面し、コレスはジョージアの命が惜しければ扉の向こうにいるツァオを連れてくるようにと言い残しその場から立ち去ります。
打つ手が思いつかず途方にくれているウィル。そんな中、テレビ中継でサラとヘンリーが無事に地上に辿り着き、救出されたことを知り安堵します。
そしてウィルは扉を制御するシステムのケーブルが、外にある風力発電用のらせん状のプロペラの内側に設置されていたことを思い出します。
地上に辿り着いたサラは、現場指揮官である香港警察のウー警部にザ・パール内の状況を尋ねられ、見せられた国際指名手配犯の顔写真の中からコレスを指差します。
ウーはコレスならば逃げる手段を準備しているはずと考え逃走手段を思案していると、サラはコレスが持っていた羽のロゴが入ったケースを思い出します。
そのロゴはパラシュートメーカーのロゴであり、コレスたちがパラシュートでザ・パールから脱出しようとしている事が判明し、コレスたちの着陸予想地点を割り出したウー達は先回りしてコレスたちを逮捕しようと動き出します。
サラはウィルとジョージアを案じ、ウーに同行を申し出ます。
ザ・パール最上階のウィルはロープと粘着テープを使って外からビルを降り始めます。
順調に降りて行き、プロペラの内側に入り込んだウィルはケーブルを切り、扉を開くことに成功します。
最上階に戻ろうとするウィルでしたが下層から起こった爆発に巻き込まれかけ一度はロープを手放してしまいますが、義足に引っかかり九死に一生を得ます。
何とか最上階に帰り着いたウィルでしたが、扉が開いたことに気付いたツァオが再び扉を閉めてしまいます。
閉まり始めた扉に気付いたウィルは慌てて義足を差込み、扉に滑り込みます。
待ち構えていたツァオに銃を突きつけられますが、ウィルは銃を奪い取り、自身が敵ではないと語り、ジョージアを人質に取られツァオを連れてくるようコレスに命じられたと話します。
ツァオはコレスの目的が自身の持っている、あるデータであるとウィルに告げます。
そのデータとはザ・パールを建設する際に、コレスから脅し取られた金の送金先、資金洗浄先を追跡したものでこれを盾にコレスから再び金を要求されないようしようとしていたのでした。
その頃、地上ではコレスたちの着陸予想地点にウーたち警官隊が到着。
そこにはシャたちがコレスらを待っており、激しい銃撃戦になり、ウーを背後から撃とうとするシャでしたがサラの機転により失敗に終わります。
シャはサラと揉み合って色最中に、ウーから銃を突きつけられ投降し、残るテロリストたちも警官隊に制圧されます。
ザ・パール最上階では、コレスたちがパラシュートを背負い、ザ・パールから降下する準備を整えていました。
そこへウィルがデータの入ったメモリーを掲げ、拘束されたふりをしたツァオをつれ現れます。
ジョージアの身柄と交換しようとするウィルの一瞬の隙を突きデータを奪ったツァオは、データと引き換えにパラシュートを渡すようにコレスに要求します。
打ち合わせと違う行動に出たツァオに困惑するウィルでしたが、ツァオはパラシュートを受け取ることなく逃走します。
慌てて追いかけるウィルとコレスたちが向かった先は、内部に幾つものカメラとモニターにより鏡が幾重にも重なったように見える部屋でした。
敵がどこにいるのか混乱するコレスたちを逆手に取りウィルは次々とテロリストたちを倒していきます。
戦っている間に火の手は最上階にまで達し、爆発によって空いた穴の前で、ウィルは最後に残ったコレスと対峙します。
右手に手榴弾、左手にジョージアを捕まえ、武器を捨てるように言い、素直に従うウィルをコレスは撃とうとしますが、それはウィルがモニターに写った姿で、ウィルはコレスの背後から現れジョージアを取り戻し、コレスを穴に突き落としました。
テロリストをすべて倒したウィルでしたが、火の手は部屋中に回っており、脱出が不可能であると悟ったウィルはジョージアを抱きしめ、死を覚悟します。
そこに地上のサラが、シャの落としたタブレットを見つけ出し、消火装置を作動させ、ザ・パールの火災は鎮火へと向かいます。
救出されたウィル、ジョージア、ツァオは地上へ向かうヘリコプターに揺られ、変わり果てたザ・パールを見つめるツァオに今後のことを尋ねるウィルに「また建てるよ」とツァオは呟きます。
地上に降りたウィルはジョージアを抱き、サラとヘンリーへ駆け寄り家族は再会を果たします。
映画『スカイスクレイパー』の感想と評価
(C)Universal Pictures
80年代から90年代に良く見られたテイストのアクション映画でありながら、ドウェイン・ジョンソン演じる主人公が義足であるというハンディキャップを負いながらも過酷な状況、強大な敵に立ち向かっていくというストーリーは痛快でした。
なんとしてでも家族を救おうというウィルの姿に勇気をもらえると共に、ウィルを信じて行動し、またウィルを助けようとするサラに心を打たれます。
また、状況は深刻なのですが、ところどころに笑いを誘う場面もあり、適度に肩の力を抜きながら映画を楽しむことができます。
たとえストーリー展開に見当がついても、その過程で観客を驚かせる演出が見事で、手に汗握る展開が繰り広げられドキドキしながら見ることができます。
(C)Universal Pictures
まとめ
(C)Universal Pictures
高さ1000メートルにおよぶ超高層ビルで発生した火災、それを巻き起こしたテロ集団から家族を守るため立ち向かうドウェイン・ジョンソンの姿は勇ましく、また家族愛にも心打たれる映画『スカイスクレイパー』。
ドウェイン・ジョンソン自身が“『ダイ・ハード』と『タワーリング・インフェルノ』の融合だと感じた”と告白するほどに、高層ビルを舞台にした往年のハリウッドアクション大作へのリスペクトに溢れている、まさに娯楽大作と言える作品です。
視覚効果技術の進歩により、迫力のある映像が容易に製作できる時代になりましたが、逆に演出により観客を驚かせる作品は少なくなったように感じます。
そんな中でも、本作は視覚効果だけに頼らずしっかりと演出が練りこまれた作品といえます。
ロック様が映画のラストまで大活躍する本作『スカイスクレイパー』を、ぜひお楽しみ下さい!