映画『ランボー ラスト・ブラッド』は2020年6月26日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー!
元グリーンベレーのエリート戦闘員ランボー。ベトナムで背負った戦う宿命は、いつまでも彼に付きまとうのでした…。
2008年に公開された映画『ランボー/最後の戦場』から12年、アクションスターのシルベスター・スタローンの代表的なシリーズ作品の一つである『ランボー』が、ついに本作で終幕を迎えます。
主人公ジョン・ランボー役をシルベスター・スタローンが担当、その他にパス・ベガ、セルヒオ・ペリス=メンチェータ、アドリアナ・バラーサ、イヴェット・モンレアル、オスカル・ハエナダら本作の舞台性に合った実力派俳優が共演、シリーズの最終章をしっかりとささえています。
映画『ランボー ラスト・ブラッド』の作品情報
【日本公開】
2020年(アメリカ、スペイン、ブルガリア合作映画)
【原題】
RAMBO:LAST BLOOD
【監督】
エイドリアン・グランバーグ
【脚本】
シルヴェスター・スタローン
【キャスト】
シルヴェスター・スタローン、パス・ベガ、セルヒオ・ペリス=メンチェータ、アドリアナ・バラーサ、イヴェット・モンレアル、オスカル・ハエナダ
【作品概要】
アクションスター、シルべスター・スタローンの「ロッキー」と並ぶ代表作「ランボー」シリーズの完結編。ランボーが人身売買カルテルにさらわれた友人の孫娘を救い出そうとする中で巻き込まれる最後の戦いを描きます。
監督を務めたのは『キック・オーバー』(2012)を手掛けたエイドリアン・グランバーグ。キャストには主演を務めるスタローンの他に、『レッド・バレッツ』(2011)などのパス・ベガ、『朝食、昼食、そして夕食』(2010)などのセルヒオ・ペリス=メンチェータ、アドリアナ・バラーサ、イヴェット・モンレアル、オスカル・ハエナダらが名を連ねています。
映画『ランボー ラスト・ブラッド』のあらすじ
数々の戦いを終えて故郷のアリゾナに戻ったジョン・ランボー(シルヴェスター・スタローン)は、家族のような絆で結ばれた古い友人のマリアと、その孫娘ガブリエラと共に、実家の牧場で平穏な毎日を過ごしていました。
しかしある日、失踪した父親の消息を追って、ガブリエラはランボーに内緒でメキシコへ出向きます。そこで彼女は父を探すことに協力してくれた旧知の友人と対面します。
しかし友人はガブリエラを裏切り、彼女は人身売買カルテルに誘拐されることに。そして娘同然の彼女を救うため、ランボーは逃れられない戦いの場へ向かうことになるのでした。
映画『ランボー ラスト・ブラッド』の感想と評価
1982年に一世を風靡した映画『ランボー』。その原題は「FIRST BLOOD」であり、今作は「ラストブラッド(LAST BLOOD)」とシリーズを完全に締めくくったタイトルとなっています。
「ランボー」シリーズは、主演のシルベスター・スタローンにとっては「ロッキー」シリーズとともに彼をアクションスターとしての地位を不動にした絶対的な存在であります。
「ロッキー」シリーズは全部で6作の作品からなっていますが、実は5作目の『ロッキー5/最後のドラマ』とラストとなる『ロッキー・ザ・ファイナル』という2作は続きの物語ではなく、後者の作品は『ロッキー4/炎の友情』からの流れをくむリブート版的な意味合いで製作されたといいます。
『ロッキー5/最後のドラマ』は第11回ゴールデンラズベリー賞10部門中の7部門にノミネートされるという、かなりの酷評を得ており、それでも16年という長い月日の後にこの映画を見せることになったのは、このシリーズ自体の終わらせ方に何らかの悔いを持っていたからであることが推測されます。
その意味では、スタローンにとって同じく長いシリーズとなったこの「ランボー」シリーズについても、その物語の幕の引き方については非常に慎重な姿勢をとっていたことが推測されます。
「ランボー」シリーズでは、どのストーリーでもあくまでランボーはアメリカの特殊部隊グリーンベレーのエースであったこと、そしてベトナムで一生消えない大きな傷を負ったことで物語が展開。
その中で、行き場のない怒りと共に生き、天涯孤独だった彼が、シリーズ初となる”家族”との幸せを手に入れ、そして守り抜くために、どのような戦いを見せ、どのような結末を迎えるのか?がこの『ランボー ラスト・ブラッド』で描かれるわけですが、この物語に関し製作サイドがどのような終わらせ方考えたのかが焦点となってきます。
『ロッキー』は負け犬根性の付いた一人のボクサーが、人との出会いや別れを通してボクシングのリングに立つ意味を描いてきました。
ところが『ロッキー5/最後のドラマ』では、最後のファイトではかつて自身が手掛けた愛弟子が自分を裏切った怒りを相手にぶつけるという、これまでの流れとは違ったテーマを見せてしまいました。
そのため改めて作られた『ロッキー・ザ・ファイナル』では、かねてから描いてきた同じテーマを踏襲するものとなっていました。
そんな点から考えると、ランボーという一人の男性が救われるという物語はあり得ないと考えられます。
前作の『ランボー/最後の戦場』では、ミヤンマーでの壮絶な戦いを終え生還したランボーが救われない自身の魂を抱えながらも、一人の女性から影響され帰るつもりのなかった自身の故郷へと戻りました。本作はその故郷での生活から幕を開けます。
その平穏な生活でランボー自身の人生を取り戻したと思いきや、結果として「ランボー」シリーズの一貫した流れを崩すことなく、メッセージ性の強い作品として仕上げています。
また第一作ではランボーの故郷アメリカ、そしてベトナム、アフガン、ミヤンマーと、作品ごとにその戦場を変え、そして平穏を迎えたかと思われたこの作品ではメキシコと、広いシチュエーションを与えながらも一貫したテーマを貫いてきました。
これによって、この物語が提起しようとしているテーマが非常に普遍的なものであると感じさせており、シリーズのエンディング作品としてしっかりと物語を締めくくったものとなっています。
まとめ
本作はこれまでの「ランボー」シリーズ同様にR-15 指定となっており、かなり大掛かりで派手な戦闘シーンの中には、思わず目をそむけたくなるような残虐シーンが絶妙なタイミングで現れます。
かつてアメリカの映画は、ベトナム戦争などの社会的な事件をきっかけに60年代後半より映画検閲に対しての大きな変化とともに発生した「アメリカン・ニューシネマ」というムーブメントが発生しました。
『ランボー』の主人公ジョン・ランボーはまさしくそのベトナム戦争の犠牲者であり、作品の残虐的なシーンから見える刺激は、ある意味そのアメリカでの歴史的な流れ、そしてその映画の歴史の流れをも同時に汲んでいます。
劇中の衝撃的なシーンは心臓の弱い方にとってはかなり刺激的ではありますが、ランボー自身の怒り、そしてこの物語の芯にあるテーマをしっかり表したものとなっているのでしょう。
映画『ランボー ラスト・ブラッド』は2020年6月26日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開されます!