映画界の鬼才・三池崇史監督が漫画界の奇才・荒木飛呂彦の大人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」を実写映画化!
主人公・東方仗助を演じる山﨑賢人をはじめとした人気実力派キャストが、ファンから最も人気の高い第4部「ダイヤモンドは砕けない」を完全映像化。
大きな話題を集める『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』をご紹介します。
以下、あらすじや結末が含まれる記事となりますので、まずは『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』映画作品情報をどうぞ!
CONTENTS
1.映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』作品情報
【公開】
2017年(日本映画)
【監督】
三池崇史
【原作】
荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」(集英社刊)
【キャスト】
山﨑賢人、神木隆之介、小松菜奈、岡田将生、新田真剣佑、観月ありさ、國村隼、山田孝之、伊勢谷友介
【作品概要】
シリーズ累計発行部数1億部を超える「ジョジョの奇妙な冒険」(集英社刊)。連載開始から30年となるジョジョイヤーの今年、ついに実写映画が誕生した!
主役のジョジョこと東方仗助を演じるのは山﨑賢人。観る者の心を奪う存在感で圧倒的な人気を誇る若手俳優が新境地を開く。
共演には、神木隆之介、小松菜奈、岡田将生、新田真剣佑、観月ありさ、國村隼、山田孝之、伊勢谷友介など若手から実力派まで豪華キャストが集結。
監督はカンヌ映画祭をはじめ海外で高く評価される三池崇史。
舞台となる不思議な街並みの杜王町を作り出すために、スペイン・カタルーニャ地方の海沿いの町シッチェスで撮影を敢行。観客を唯一無二のジョジョ・ワールドへと誘う。
2.原作漫画「ジョジョの奇妙な冒険」とは
「週刊少年ジャンプ」1987年1・2合併号から連載がスタートし、現在も「ウルトラジャンプ」誌上で連載が続く荒木飛呂彦の代表作。
19世紀末のイギリスから始まる名門貴族の息子ジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドーという2人の少年の出会いから始まるジョースター家の血縁と因縁を描く大河作品。
第1部「ファントムブラッド」から現在連載中の第8部「ジョジョリオン」まで部ごとに主人公が代替わりしていくという手法で描かれている。さらに、印象的なポージング(ジョジョ立ち)、斬新な擬音、特徴的な台詞回しと、そのオリジナリティ溢れる世界観は海外でも高く評価されている。
第3部「スターダストクルセイダース」からは、「スタンド」と呼ばれる具現化した精神エネルギーが登場し、それぞれに様々な特徴や能力を持ったスタンド同士のバトルが本作最大の特徴となっている。
今回、映画化された第4部「ダイヤモンドは砕けない」の主人公は、高校生である東方仗助。
荒木飛呂彦の出身地、宮城県仙台市(杜の都)がモデルであるM県S市杜王町を舞台に、仗助やその友人たちが様々なスタンド使いたちとの出会いや戦いを通じて、町を守り成長していく姿を描いている。
2017年8月号「ウルトラジャンプ」に掲載された原作者・荒木飛呂彦のコメント
来たる8月。ジョジョの映画がついに公開の運びとなります。
映画に関しては、期待と一緒に大変不安を感じている愛読者の皆さまもおられるかと思いますが、その完成度の高さは皆様の予想を超えてきます。
登場人物、主人公たちのキャラ作りが、映画的サスペンスストーリーにのって、場面を圧倒的に支配します。
「CG」「劇中音楽」も素晴らしく、更に盛り上げていきます。この夏、手に汗握ってお楽しみ下さい。
感謝致します。
3.劇中に出てくる「スタンド」とは
精神エネルギーを具現化した超能力。
その能力を持っている者にしか見えない。
その能力を持つ者のそばに現れ立つことから「スタンド」と呼ばれる。
東方仗助のスタンド「クレイジー・ダイヤモンド」
触れるだけで他人のケガや壊れたものをなおすことができる最も優しいスタンド。
空条承太郎のスタンド「スタープラチナ」
時間を止めることができる。最強のスタンドと言われている。
安十郎(アンジェロ)のスタンド「アクア・ネックレス」
あらゆる水分に溶け込み、体内に侵入して内部から相手を攻撃する力を持つ。
本作にはその他にもスタンド使いが登場する。
4.『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』あらすじとネタバレ
豊かな自然に囲まれ、国勢調査の結果から2年連続“住んでみたい町ランキング”上位に認定された杜王町。
しかし、3年連続は無理かもしれない。なぜなら、そこでは現在進行形で変死事件が続発しているのだから・・・。
この町に住む仗助はリーゼント頭で町を闊歩する高校2年生。父親こそいないが、町の平和を守ってきた警察官の祖父・良平や美人の母・朋子と共に満ち足りた生活を送っていた。
普段は温厚な彼だが、ヘアスタイルをバカにされることだけは我慢ならない。絡んでくる連中を叩きのめす彼の武器は、「スタンド」というと特殊能力だった。
ある日、仗助はコンビニで強盗事件に遭遇する。とっさの判断で店員を助け、その「スタンド」で犯人のナイフを取り上げる仗助。
事件は解決したかに思われたが、裏で糸を引いていたのは、悪事に異常な執着を抱き、連続変死事件を引き起こしていたシリアルキラー・アンジェロこと安十郎。
計画を邪魔された彼は、仗助に対して激しい怒りの念を抱く。
やがて、仗助の前に承太郎と名乗る男が現れる。
仗助の実の父親であるジョセフ・ジョースターは、承太郎の祖父にあたる。自分たちジョースター家の血を引く者には、「スタンド」と呼ばれる特殊な能力が備わっていることを語る。
しかも、他にも「スタンド」の使い手がこの町にて、悪意をむき出しにして仗助に襲いかかろうとしている…。
今の生活に幸せを感じている仗助は、承太郎が語った衝撃的な事実に対して大きな関心を抱くことはなかった。
しかし、事態は楽観を許さなかった。「スタンド」の使い手だったアンジェロは、復讐に燃えて仗助の家を襲撃。
その結果、良平は命を落としてしまう。さらには母ばかりか、旧友の康一までもが危険にさらされる。
家族を愛し、町を愛した祖父の意志を継ぐことこそ、自分の使命。「スタンド」をそのために使うことを決意した仗助は、承太郎の助けを得てアンジェロに立ち向かう。
だが、最凶の悪はその奥に潜んでいた。アンジェロを操る謎の兄弟の目的とは?
杜王町に平和は戻るのか?
そして仗助の運命は?
5.『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』感想と評価
人気漫画の実写化はやはり難しいもので、ファンと一般の人を双方ともに納得させるのは至難の技です。
ここ最近でそれが本当にうまくいった気がするのは『ちはやふる』や『アイアム・ア・ヒーロー』や『ヒメアノ~ル』くらいでしょうか。
いずれの作品も映画ならではの面白さを生み出すことに成功しています。3本とも2016年の作品だったので、去年が本当に稀な年だったことが改めて思い返されます…。
本作はファンと一般の人では評価が分かれているようですが、原作を知らない私は素直に楽しめました。
日本における漫画は、子どもの頃からの経験で大抵の人は説明しなくてもそのルールを理解している程の文化です。
そしてその漫画は、先人たちのおかげで表現の自由度がものすごく高まったまま現代まで続いています。
漫画の傑作が次々と生み出される中、邦画界はオリジナルがほとんどなく、漫画やアニメの力に頼っているのが現状です。
一方で、韓国は国を挙げてサポートしたおかげで、撮影技術を高めていきながら毎年オリジナルで驚くほどクオリティが高い作品を作り出すことに成功しています。
映画ファンとしては多少の悔しさもありますがそれが邦画の現実で、今やその大半が原作ものばかりです。しかし、その中にもキラリと光る作品があるのも事実です。
本作は話運びの部分が少しスムーズではないので、尺に対して物語があまり進んでいないですし、原作を知らない人にとっては説明不足でイマイチ分からない箇所がありました。
ただ、観た誰もが納得するであろうCGを使った「スタンド」の表現。これは本作の大きな魅力になっていました(特に「バッド・カンパニー」)。
そして、やはりただただ原作「ジョジョの奇妙な冒険」が作り上げた世界観が面白い!
「HUNTER×HUNTER」の念や「シャーマンキング」のオーバーソウルといったジャンプ作品の能力バトルものは、ここから影響を受けているのかと気付かされました。
力ではなく頭脳を使ったバトルであり、勝つには必ず理由があるというのも非常に納得。
そして、実写化で一番のハードルとなるのがキャラクター造形です。
原作漫画を読んでいないのでここに関してとやかく言える立場ではありませんが、よかったのではないでしょうか。
山﨑賢人は恋愛もののイメージしかなかったけどかなり頑張っていたし、小松菜奈の得体の知れなさ、國村準の安定感、山田孝之の気持ち悪さなどもよかった。
特に真剣佑が演じた億泰はとても可愛らしくて、魅力的なキャラでした。
あんな奇抜な髪型や格好でも観れてしまうのは、さすが役者さんというか、顔の作りが一般人とは違うなと感心するばかり。
シッチェスのロケーションは日本には見えないけど、邦画ではなかなか拝見することのできない綺麗な街並みでした。
ところどころやりすぎで笑ってしまうようなシーンはありましたが、三池監督らしさはわりと控えめ。
原作ファンはもちろんのこと、ジャンプ作品を一度でも読んだことのある人なら間違いなく楽しめる1本だと思います。
無事にヒットして続編の制作が決まることを願います。
まとめ
本作は山﨑賢人の代表作になるでしょうし、本人としてもシリーズ化を望んでいることでしょう。
『君の膵臓をたべたい』を書いた時にも触れましたが、恋愛ものばかりでは役者の幅が狭まってしまいます。
イケメン俳優というイメージをここからどのように塗り替えていけるのか。
この後には『斉木楠雄のψ難』が控えています。
実写化俳優などと新たなイメージもありますが、彼の俳優人生にとってすごく大事な2本だと思います。
三池監督は続編製作に乗り気なようなので、まずは本作のヒットが先決です。
初動の成績はイマイチだったようですが、果たしてどうなるのでしょうか。
映画ファンとして見守っていきたいところです。