『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞したコリン・ファース主演『キングスマン』
『キック・アス』のマシュー・ボーン監督と、マーク・ミラー原作によるスパイアクション『キングスマン』。
表向きの顔は高級スーツ店を装い、その裏では世界最強のスパイ組織「キングスマン」として活躍する主人公ハリー・ハートをコリン・ファースが務め、そんなハリーに教えを受ける若きスパイのエグジーに新人タロン・エガートンが演じています。
スーツに身を包んだ紳士スパイが活躍する痛快な映画『キングスマン』を紹介いたします。
映画『キングスマン』の作品情報
【公開】
2015年(イギリス・アメリカ映画合作)
【原題】
Kingsman: The Secret Service
【監督】
マシュー・ヴォーン
【キャスト】
コリン・ファース、マイケル・ケイン、タロン・エガートン、マーク・ストロング、ソフィア・ブテラ、サミュエル・L・ジャクソン、マーク・ハミル、ソフィー・クックソン、エドワード・ホルクロフト、サマンサ・ウォーマック、ジェフ・ベル、ビョルン・フローバルグ、ハンナ・アルストロム、ジャック・ダベンポート
【作品概要】
ロンドンのサヴィル・ロウに位置する店“キングスマン”は表向きは高級テーラー。実はその正体はどこの国にも所属しないスパイ組織。
第一作目である本作は、海兵隊をやめて自堕落な日々を過ごす若者エグジーが候補生として訓練を受けることになり、一流のスパイとして成長していく過程を描きます。
エグジーの師であり父親のような存在、ハリー・ハートを演じるのは『英国王のスピーチ』(2010)でアカデミー賞主演男優賞を受賞、『裏切りのサーカス』(2011)や『シングルマン』(2014)などでおなじみのコリン・ファース。
エグジーには『SiNG/シング』(2016)では歌声も披露、これから『ロビン・フッド』(2018)の公開も控えている新進気鋭の俳優タロン・エガートン。
キングスマンと対立するヴィラン、大富豪のヴァレンタイン役にはサミュエル・L・ジャクソン。
教官マーリン役にはマーク・ストロング、キングスマンのトップであるアーサー役にはマイケル・ケインと名俳優たちが勢ぞろいしています。
映画『キングスマン』のあらすじとネタバレ
物語が始まるのは17年前。スパイ機関“キングスマン”のエージェントたちは、任務中にターゲットを捕まえますが、そのターゲットが隠し持っていた爆弾により1人のエージェントが命を落とします。
そのエージェントは自らを犠牲に他のエージェントたちを救ったのでした。
キングスマンの一員であるコードネーム”ガラハッド”、ハリー・ハートは殉職したエージェントの家族のもとへ向かいます。
ハリーは「助けが必要な時は、メダルに書かれた電話番号に電話してくれ」と告げ、亡くなったエージェントの幼い息子に渡すのでした。
時は経ち、場所はとある雪山の小屋。ジェームズ・アーノルド教授が大富豪で世界征服を目論むヴァレンタインの一味に幽閉されています。
そこに、キングスマンのメンバー、コードネーム”ランスロット”が救出にやってきますが彼はヴァレンタインの右腕で義足の殺し屋ガゼルによって殺されてしまいます。
一方、ロンドンのサヴィル・ロウ。キングスマンのリーダー、アーサーはランスロットが殺害されたことをハリーに告げ、ランスロットに代わるエージェントを探せと命じます。
その頃亡くなったエージェントの家族、母親は夫の死後荒んだ生活を送っており、息子のエグジーも海兵隊をやめて地元の仲間たちと自堕落な生活を送っていました。
ある日チンピラに絡まれた仕返しにと車を盗んで暴走していたところ、エグジーは逮捕されてしまいます。
取り調べ室でエグジーはふと幼い頃にもらったメダルを思い出し、書かれた電話番号に電話します。
するとなぜか彼は釈放され、エグジーは待ち構えていたハリーに出会います。
ハリーはエグジーに彼の父親の話をします。エグジーはハリーのことを疑いますが、2人を襲おうとしたチンピラたちを鮮やかに返り討ちにしたハリーの姿を見て魅了されます。
エグジーにエージェントの素質があることを見抜いたハリーはキングスマンの候補生になることを提案し、エグジーは試験を受けることに決めたのでした。
他の候補生は上流階級出身の者ばかり。エグジー、女性候補生のロキシー始めとする若者たちは様々な過酷な試験を受けることになります。
映画『キングスマン』の感想と評価
本作に欠かせない痛快なアクションシーンを彩るのは音楽。
冒頭で流されるのはイギリスのバンド、ダイアー・ストレイツによる『Money For Nothing』です。
MTVを揶揄した歌詞にも関わらず皮肉にもMTVで流され大ヒットしたこの曲、つまり『キングスマン』はアメリカ批判が込められているというマシュー・ヴォーンからのメッセージで始まります。
エグジーが車を盗んで大暴れする場面では、彼とおなじくロンドンの下町出身のヒップホッパー、ディジー・ラスカルによる『Bonkers』。
教会のシーンではレイナード・スキナードによる『Free Bird』。白人至上主義の人々が集まる教会で南部の心を歌った曲を流すという、監督のちくりとしたセンスが感じられます。
また、有力者たちが頭を吹き飛ばされるシーンではイギリスの第二国歌とも言える『威風堂々』、世界中で乱闘騒ぎが繰り広げられる時にはK.C&サンシャイン・バンドの『Give it up』が陽気に流れるなど、独特の選曲も大きな魅力の一つです。
格好いい特殊な防弾スーツやワクワクさせられる武器の数々、1人の若者が師と出会い自分の人生を切り開いていくストーリー、続編、そのまた続編と作られる大ヒットシリーズの原点はあらゆる人々を虜にする理由が詰まっているのです。
まとめ
本作の続編の『キングスマン:ゴールデン・サークル』ではアメリカのスパイ組織と共闘し、驚愕の展開を繰り広げました。
第三作ではどのような戦いがエグジーたちを待ち受けているのでしょうか。
いつ観ても大興奮間違いなしの『キングスマン』、ぜひお楽しみください!