選ぶのは、全人類の命か!
それとも、ひとりの命か!
これまで、テレビ放送、サブスク配信を通してシーズン1~4が放送されてきた、竹内涼真主演の人気ゾンビ・サバイバルドラマ『君と世界が終わる日に』。主人公・間宮響の最後の戦い、劇場版が公開となりました。
噛まれると化け物に変わってしまう「ゴーレムウィルス」が蔓延する日本。間宮響は、来美(くるみ)との間に産まれた愛娘・ミライの行方を追っていました。
人類最後の希望都市といわれる「ユートピア」にたどり着いた響でしたが、そこは抗体ワクチンの開発を巡り、それぞれの思惑が渦巻く暗黒なタワーでした。
愛する者を守るため生き抜いてきた主人公・間宮響の最後の戦い。響が選んだ最後の選択とは!? 『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』を紹介します。
CONTENTS
映画『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』の作品情報
【日本公開】
2024年(日本映画)
【監督】
菅原伸太郎
【キャスト】
竹内涼真、高橋文哉、堀田真由、板垣李光人、窪塚愛流、橘優輝、須賀健太、味方良介、黒羽麻璃央、吉田鋼太郎
【作品概要】
2021年に地上波でシーズン1が放送された後、Huluにてシーズン2~4が独占配信された「君と世界が終わる日に」。日本の連続ドラマでは、初となる本格ゾンビ作品として人気を集めました。
シーズンファイナルとなる劇場版には、ドラマ版からの主人公・間宮響を演じてきた竹内涼真の出演はもちろん、劇場版ならではの新登場キャラが多数登場。
響とともにタワーを目指す青年・柴崎大和役に、『交換ウソ日記』(2023)の高橋文哉。大和の幼なじみの看護師・羽鳥葵役に、『ある閉ざされた雪の山荘で』(2024)の堀田真由。
その他の仲間、兄との再会を願う天城ジン役に板垣李光人、家族のために戦う青年・藤丸礼司役に、窪塚洋介を父に持つ窪塚愛流らが出演。注目の若手俳優が集結となりました。
監督は、ドラマ版のメイン演出を担当していた、『ブラック校則』(2019)『いちごの唄』(2019)の菅原伸太郎監督。
劇場版主題歌は、ドラマ版シーズン1でも主題歌を担当した菅田将暉が担当。タイトルは「谺する」。本編には特別出演も果たしています。
映画『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』のあらすじとネタバレ
2019年、穏やかな海辺。間宮響は、付き合っている小笠原来美にプロポーズをしようと考えていました。なかなか切り出せない響。
帰り際、車の故障で困っているカップルに遭遇します。修理工の響は、車の修理をかって出ますが、気性の荒い者同士、ケンカが始まってしまいます。
「ひびき!」「やまと!」。喧嘩を止める来美と、もうひとりの彼女。しぶしぶ大人しくなる男性陣は、どうやら2人とも彼女には頭が上がらないようです。
それからほどなくして、この世が恐ろしいウィルスによって一変することを、誰が想像できたことでしょう。
工事現場で鳶職をしている柴崎大和と看護師の羽鳥葵は、幼なじみです。葵に思いを寄せる大和は、「今日こそは告白しよう」と工事中のビルの高層階に葵を呼び出します。
その時です。ビルの上から飛び降りる人影が。慌てて降りると、血だらけの男が倒れています。まわりにはすでに人だかりが出来ていました。
男はぴくぴくと痙攣したかと思うと、突然起き上がり襲いかかってきました。噛まれた人が、次から次へと豹変していきます。
目は充血し、血管が浮き上がり、血に飢えた獣のように噛みついています。その姿は、もはや人間ではありませんでした。
「きゃー!」。化け物の数が増えていきます。逃げ惑う人々で混乱する現場。大和と葵も、手を取り合い懸命に逃げるも、途中ではぐれてしまいます。
世界に蔓延したウィルスは、「ゴーレムウィルス」と呼ばれ、感染したものを化け物に変えてしまうという恐ろしいウィルスでした。ゴーレムに噛まれた者はみな、感染を免れません。
人々は、ゴーレムの脅威から逃れ生き残るために、時に協力し、時に争い、壮絶な日々を送っていました。
世界が滅亡へ向かうなか、人類最後の希望の塔とされる「ユートピア」では、研究者たちが集まり抗体ワクチンの開発に取り組んでいます。
研究チーフの首藤シンジは、父が失敗に終わった実験を引き継ぎ、抗体を持つひとりの少女を捕えていました。
少女の名はミライ。母親の来美は、特殊な抗体の持ち主でしたが、最後はウィルスに侵され死んでいます。そして、父親の名は間宮響。
一時は、響と行動を共にしたシンジでしたが、自分の欲のため裏切り、今に至ります。ミライの血を使い、人体実験を繰り返していました。
一方、このタワーの地下には生き残った人々が暮らしていました。その暮らしは、タワーに住む裕福層とは違い、タワーへの入り口は封鎖され、ワクチンも与えられず、食べる物もない貧しい生活でした。
ユートピアにたどり着いた大和は、看護師だった葵がこのタワーにいると確信します。どうにかタワーへの侵入を試みるも、地下街の悪党リーダー加地に捕まってしまいました。
そこに、もうひとり捕まった男が連れられてやってきます。爆弾を所持した響でした。まもなくタワーに爆弾を乗せた車が突っ込むと言います。
爆発騒動で警備が手薄になった隙をつき、地下からタワーに潜入する作戦です。これを聞いた大和は、響と一緒に行く覚悟を決めます。
仲間のためにワクチンを手に入れたい加地と松山、同じく家族のためワクチンが欲しい藤丸、そして研究タワーに兄がいるという天城ジンが同行することになります。
映画『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』の感想と評価
今作の劇場版は、これまでの主人公・間宮響の最後の戦いということで、「きみセカ」シリーズの一区切りとなる作品です。
これまで響は、ゴーレムがはびこる世界で、愛する女性・来美を探し続けてきました。再会を果たすも、抗体を持つ来美はワクチン開発の実験体にされてしまいます。徐々にゴーレムへと、侵されていく体。
響はそんな彼女を救おうと最後まで諦めず戦ってきました。しかし、限界の時がやってきます。来美は、響に最後のお願いします。2人の間に産まれた子供・ミライのために。
来美がこの世を去ったその時、首藤シンジの裏切りにより、ミライは攫われてしまいます。響は来美との約束を守るため、愛する我が子を探し続けます。その道のりは過酷なものでした。
そしてようやくたどり着いたミライのもと。響は最後の最後まで自分を犠牲にし、ミライを守り抜きました。
群がるゴーレムと、己の欲しか考えない悪者たちとの戦いを生き抜いてきた男の最期の選択は、自らゴーレムと化すという衝撃の結末を迎えます。
守りたい人がいる人ほど強くなれるということを、響は教えてくれました。
「きみセカ」は、まさにゾンビ映画であり、ゾンビのクオリティはもちろん、生き残った者たちの様々な人間ドラマが描かれている所が魅力のひとつです。
ゾンビよりも人間の欲の方が恐ろしい…。主人公・響が目の当たりにする試練を前に、自分だったらと考えずにはいられません。
主人公・響を演じた竹内涼真は、「きみセカ」シリーズがまさに代表作と言って良いほど、はまり役となりました。アーチェリーの矢を放ち、諦めない心と強靭な肉体でゾンビを倒していく姿はヒーローそのものです。
今作では、これまでのシリーズで響と共に戦ってきたメンバーではなく、ほとんどが新しい登場人物となっています。
劇場版で最も重要人物となる大和と葵の幼なじみコンビ。演じているのは、高橋文哉、堀田真由。響と来美に似た境遇を持つ2人は、のちに響の子供・ミライにとってかけがえのない存在となります。
また、大和と葵は、ゴーレムが現れる前の平和だった頃、偶然に響と来美と出会っていたという運命的な展開になっています。
その他にも、タワーで研究員として働くジンの兄役に、劇場版の主題歌を歌う菅田将暉が特別出演を果たしています。
危険なワクチン開発を非難するも、反対に自分が人体実験をされてしまった研究員を演じています。その姿は、人間とは言えないゴーレム化した醜い姿でした。それでも、菅田将暉だ!と嬉しくなるスター感。登場シーンに注目です。
まとめ
残酷な運命を背負い、愛のために走り続けた男の最期はいかに!? 映画『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』を紹介しました。
劇場版で、これまでの主人公・間宮響の物語は幕を降ろしましたが、映画の最後に「お前たちはもうひとつのタワーへ行け」という響の声がします。
これは、シーズン4のラストに、タワーへたどり着いた仲間たちと響が別れるシーンに繋がっています。
人類最後の希望都市「ユートピア」のもうひとつのタワー。権力者が住む高層タワーでのお話は、Huluにて配信が決定した「きみセカ」シーズン5に続きます。