映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は2021年6月18日(金)より全国ロードショー!
本作『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は、江口カン監督が岡田准一を主演に迎え、人気コミックを映画化した2019年の『ザ・ファブル』の続編です。
裏社会で伝説の殺し屋“ファブル”(寓話)として恐れられる主人公(岡田)が、「1年間殺し屋を休業し、一般人として普通の生活を送る。殺しは禁止」というミッションに挑みます。
はたして今回もこのミッションは成功するのでしょうか。ことの顛末をネタバレありでご紹介します。
CONTENTS
映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』の作品情報
【公開】
2021年(日本映画)
【原作】
南勝久
【監督】
江口カン
【脚本】
山浦雅大、江口カン
【キャスト】
岡田准一、木村文乃、平手友梨奈、安藤政信、黒瀬純、好井まさお、橋本マナミ、宮川大輔、山本美月、佐藤二朗、井之脇海、安田顕、佐藤浩市、堤真一
【作品情報】
南勝久の人気コミックを岡田准一主演で2019年に実写映画化した『ザ・ファブル』。本作は、シリーズ第2作目になります。
裏社会で誰もが恐れる伝説の殺し屋ファブルに岡田准一が扮し、木村文乃、佐藤浩市ら前作からのキャストは健在。今回は堤真一、平手友梨奈、安藤政信らが新たに参加しています。『めんたいぴりり』(2019)『ガチ星』(2018)の江口カンが前作に続き、監督を務めました。
映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』のあらすじとネタバレ
裏社会で誰もが恐れる伝説の殺し屋‟ファブル”。
4年前にはボスからの依頼を受けて5人を殺しました。組織ぐるみで女の子たちをいかがわしい仕事につかせ、車でその送り迎えをしていた男を始め、仲間と思われる男たち4人です。
そして5人目は、立体駐車場にとめた車に涙をながしていた少女・ヒナコを押し込んで発車させようとしていた男。
男は目出し帽をかぶったファブルに喉を斬られ、ハンドルの上に倒れたため、車はもうスピードで発進します。
後部座席にヒナコがいたのに気付いたファブルは、彼女を助けようと暴走する車を止めるべく奮闘します。
ですが、車は立体駐車場の端から地上へ落下。落ちる寸前車の中からヒナコを救い出したファブルは空中へ飛び出し、下に停まっていた車の屋根の上に飛び降りました。
落ちた車の運転手の死亡と気絶したヒナコの無事を確認し、ファブルはそのまま立ち去りました。
それから3年。1年間誰も殺さず普通に暮らすようボスから命じられたファブルは、素性を隠して佐藤アキラという偽名を使います。
相棒ヨウコと兄妹を装い、前作同様ミサキの務めるデザイン会社「オクトパス」でアルバイトをしながら、一般人としてひっそりと暮らしていました。
一見平和に見えるこの街には、安全な街づくりを目指すNPO団体「子供たちを危険から守る会」がありました。
この団体の代表者代表宇津帆は、表の仕事とは反対に裏では緻密な計画で若者から金を巻き上げては殺害するということをしていました。
そんな宇津帆の側には、車椅子に乗ったヒナコの姿が……。ヒナコはあの事件のときの怪我で歩けなくなっていましたが、今は宇津帆と一緒に暮らし、宇津帆の表の仕事を手伝っています。
あの時、家出をしていたヒナコが事件の後に家へ戻ると、強盗によってヒナコの両親が殺されるという悲しい出来事が起こり、ヒナコは心に深い傷を負っていました。
ある日、一人公園の鉄棒につかまって立ち上がろうとリハビリをしているヒナコを、納品配達途中の佐藤アキラ(ファブル)がみかけ、2人は知り合います。
ですが、ヒナコはアキラのことをNPO団体の事務所でストーカーと言ってしまいます。事務所のスタッフを装っていますが実はプロの殺し屋鈴木が、公園でアキラを待ち伏せ、ヒナコに近づくなと脅しました。
その後NPO団体のチラシを納品に事務所に出向いたアキラは、そこでヒナコと再会。やっと誤解を解くことが出来ました。
アキラの変人ぶりは、代表の宇津帆にも気に入られるものでしたが、同じ稼業の鈴木はアキラが只者ではないことに感づきました。
宇津帆の次のターゲットはオクトパスの従業員、貝沼でした。
ミサキへの恋心を利用され巧妙に仕組まれた罠に落ちた貝沼は、宇津帆の裏稼業のスタッフ井崎と鈴木の手によって拉致されます。
貝沼を助けに行こうとしたアキラですが、いち早くその正体に気がついた鈴木が、ヨウコの家へやって来ます。
ヨウコに拳銃を向け、「お兄ちゃんはどこだ?」という鈴木。
ファブルの強さは知っていましたが、ヨウコについてはノーマークでした。油断したすきにあっけなくヨウコにコテンパンにやられてしまいました。
アキラが帰宅すると、そこにはヨウコによって椅子に縛り付けられた鈴木がいました。
アキラがファブルと判明したのですが、アキラは「その名は言うな」と言います。
「こちらの要望はただひとつ、貝沼くんを返してほしいだけだ」と言っているところへ、鈴木の携帯電話に井崎から「謝って貝沼を殺してしまった」と連絡が入りました。
がっくりと肩をおとしたアキラは、鈴木の縄をとき、事務所へ帰るように言いました。
映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』の感想と評価
魅力的な役者ウォッチング
どんな相手でも6秒以内に殺す。そんな伝説を持ち、“ファブル=寓話”と呼ばれる殺し屋が主人公の本作。
前作『ザ・ファブル』の続編で、ファブルがボスから命じられた1年間の殺さず生活の中での出来事が描かれています。
4年前にファブルが関与した事件と深い関係がある少女ヒナコと殺された男の兄でファブルに復讐を誓う宇津帆が登場。普通の一般人の生活をしているファブルの日々を脅かします。
殺し屋として育てられたファブルは、いくら隠しても只者ではない雰囲気が漂います。喜怒哀楽を見せないロボットのような表情。真面目過ぎるほど真面目な会話の受け答え。黙って見ているととても面白い……。
こんなキャラを前作に続いて演じているのは、岡田准一です。身体をはっての見事なアクションシーンはもちろん、普通であろうとするファブルの努力も涙ぐましく、伝説の殺し屋になり切っている熱意がしっかりと伝わって来ました。
今回、ファブルの敵役として、裏表の顔を持つ最狂の偽善者・宇津帆が登場します。宇津帆に扮しているのが堤真一とあって、驚きでした。
堤が『望み』や『一度死んでみた』(2020)で見せたのは優しい父親像です。それに反して本作では、自分勝手な思想を持つペテン師の宇津帆を、狂気じみた演技で表現しています。
堤のダンディなスーツ姿が、本作においては胡散臭く見えるのも、堤の役者魂がそうさせているのかもしれません。
「オクトパス」の人情熱き田高田社長に佐藤二朗、アキラの妹役のヨウコに木村文乃と、前作からのキャラもますますその魅力を発揮し、ヒナコ役の平手友梨奈の追い詰められた獣のような緊迫感あふれる演技も必見。
魅力的なキャストが織りなす「ザ・ファブル」の世界観はますます濃いものになっていくようです。
惹きつけられるアクションシーン
前作以上にグレードアップしたアクションを目指した本作は、日常空間の中で巻き起こるアクション、生身のリアリティあるアクションにこだわったと言います。
まず序盤で出てくる、立体駐車場のカーアクション。「車VS人間」の極限状況でのアクションとあって、瞬くする間も惜しいくらいのスリルと緊張感を孕んでいます。
このシーンは原作に意図的に膨らみをもたせて撮影されたそうで、ドアへのしがみつき、タイヤの横滑り、車と車のクラッシュからダイブするまで、長々と鳴り響くクラクションの中で撮影され、カーアクションの醍醐味がたっぷり味わえました。
また後半の団地での死闘シーン。白昼の団地が舞台ですから、一般人の目を盗んでの戦いが必要とされました。
生活の場としての団地は、日常空間でありリアリティあふれる場です。建物と建物の狭い間での戦い、走り去るあとから崩れ落ちる足場と、現実味あふれるスリル満点の映像となりました。
前作との大きな違いは、主演の岡田准一を最初からアクション作りに参加させて、ファブルらしいアクションに仕立てたこと。
リアリティ感あふれるアクションがいっぱいの本作は、‟一般社会に潜む殺し屋”が呼ぶ込む不運を充分に見せてくれました。
まとめ
映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は2019年の『ザ・ファブル』の続編にあたります。
裏社会で伝説の殺し屋“ファブル”(寓話)として恐れられる主人公(岡田)が、「1年間殺し屋を休業し、一般人として普通の生活を送る。殺しは禁止」というミッションに挑みます。
普通人として暮らしているはずなのに、次々と事件に巻き込まれ、同業者のプロの殺し屋から命を狙われるファブル。
「殺してはいけない」ミッションは、プロの殺し屋であるからこそ実行可能な使命です。これからもファブルに無理難題のような事件が襲い掛かることでしょう。
本作は徐々にグレードアップするアクションも楽しみですが、本音を言えばちらりと見せる岡田准一の鍛え上げた肉体美も病みつきになる作品です。