ジェラルド・バトラー主演の「エンド・オブ」シリーズの記念すべき第1作目。
ジェラルド・バトラーが製作から主演を務め、モーガン・フリーマン、アーロン・エッカート、メリッサ・レオの豪華キャスト共演で描くアクションサスペンス映画『エンド・オブ・ホワイトハウス』。
ホワイトハウス、陥落──。謎の武装集団によりホワイトハウスが占拠され、大統領が人質に取られた!
アメリカ史上最大の危機に立ち向かう警護官の姿を描いた映画『エンド・オブ・ホワイトハウス』をご紹介します。
映画『エンド・オブ・ホワイトハウス』の作品情報
(C)2013 Olympus Productions, Inc
【日本公開】
2013年(アメリカ映画)
【原題】
Olympus Has Fallen
【監督】
アントワン・フークア
【キャスト】
ジェラルド・バトラー 、モーガン・フリーマン、アーロン・エッカート、アンジェラ・バセット、メリッサ・レオ、ディラン・マクダーモット、アシュレイ・ジャッド、リック・ユーン、ロバート・フォスター、コール・ハウザー、フィンリー・ジェイコブセン
【作品概要】
自由国家、アメリカ合衆国の象徴であるホワイトハウスが謎の武装集団に占拠され、アメリカ大統領、アッシャーも人質にとられる最悪の事態にシークレットサービス警護官、マイクが挑む姿を描きます。
『300(スリーハンドレット)』などで知られる、ジェラルト・バトラーが主演・製作を務め、監督は『トレーニング・デイ』などのアントワン・フークアが担当。
さらにアーロン・エッカート、モーガン・フリーマンなどの豪華俳優陣が出演しています。
映画『エンド・オブ・ホワイトハウス』のあらすじとネタバレ
(C)2013 Olympus Productions, Inc
シークレットサービスの警護官、マイク・バニング(ジェラルド・バトラー)はアメリカ大統領、ベンジャミン・アッシャー(アーロン・エッカート)の警護を務めていました。
ある日、アッシャーはマイク達に警護され妻、マーガレットと息子コナーと共に政治資金集めのパーティーに向かいます。
しかし、途中、大統領専用車は不慮の事故を起こし、アッシャーとマーガレットを乗せたまま、崖から転落しそうになります。
懸命にマーガレットを助けようとするアッシャーですが、車の転落は止められず、マイクはアッシャーのみを助けます。
事故から1年半後、マイクは財務省勤務に転属になり日々デスクワークを行っていました。
上司であるシークレットサービス長官、リン・ジェイコブス(アンジェラ・バセット)はマイクの対処に間違いはなかったとしながらも、アッシャーの心情に配慮し、マイクを大統領警護官から転属させていました。
その頃、アッシャーは韓国と北朝鮮の間で軍事的緊張が高まり、その対応を協議するために韓国首相を中心とした訪問団を迎えます。
訪問団の中にかつてシークレットサービスで警護官を務め、今は民間警備会社に所属するフォーブスの姿がありました。
時を同じく、アメリカ空軍は領空内を飛行する国籍不明機を捉え、F-22を向かわせますが、国籍不明機に撃墜されてしまいます。
ワシントン上空に侵入した国籍不明機はホワイトハウスに向け銃撃を開始、その報告を受けたアッシャーと韓国首相はホワイトハウス地下のシェルターに避難します。
財務省から銃撃を目にしたマイクはホワイトハウスに向かいました。
(C)2013 Olympus Productions, Inc
以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『エンド・オブ・ホワイトハウス』ネタバレ・結末の記載がございます。『エンド・オブ・ホワイトハウス』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
(C)2013 Olympus Productions, Inc
国籍不明機は再び派遣されたF-22に撃墜されますが、今度は観光客に偽装していた謎の武装勢力が出現します。
武装勢力はホワイトハウスのフェンスを爆破、ハウス内に侵入すると警備の兵士やシークレットサービスの警護官らを次々と倒していきます。
マイクは武装勢力が破壊したフェンスからハウスに入ると、警護官たちと合流し応戦しますが、マイク以外の警護官たちはやられ、武装集団のハウスへの侵入を許してしまいます。
マイクも成す術なく、ハウス内に逃げ込みます。
その頃、シェルターの中では訪問団の警護チームが突然、警護官たちを次々と射殺、アッシャーを始めとし、アメリカ政府の高官、韓国首相は拘束されてしまします。
その頃、ホワイトハウスでの騒動を聞きつけ、国防総省内に対策本部が立ちあげられます。
そこにシェルターから通信が入り、画面に映る韓国首相が射殺され、本部に衝撃が走ります。次いで画面に現れた男はアッシャーらを人質に取っていることを告げ、通信を切ります。
アッシャーはシェルターを占拠した集団の中にフォーブスの姿を見つけます。武装集団はかつてシークレットサービスだったフォーブスから情報を得て、襲撃を実行していました。
大統領を人質に取り、何の要求がないことを訝しむ本部ですが、事態に当たる最高責任者としてアラン・トランブル下院議長(モーガン・フリーマン)が就任します。
その時、マイクはセキュリティルームへ向かい、部屋を占拠していた男を倒し、ハウス内すべての監視カメラを停止します。
その際、倒した男がアッシャーの息子、コナーの写真を持っていました。
シェルターでは監視カメラの映像が途絶えたことに武装集団が気づきます。武装集団の構成員はリーダーの男を「カン」と呼び指示を仰ぎます。
マイクは大統領執務室へ向かい、隠し金庫から衛星電話を取り出します。衛星電話を使って対策本部へ連絡を取るマイクは武装集団がコナーを探していることを伝えます。
その時、執務室に武装集団の一人が現れ、マイクはその男を倒します。マイクは男の耳の裏に不思議な刺青があることに気が付きます。
時を同じく、対策本部にカンから通信が入り、カンは日本海にいる第七艦隊および在韓米軍の撤退、逃走用のヘリの準備を夜明けまでに行うよう一方的に要求し、通信を切ります。
第七艦隊と在韓米軍の撤退は韓国の陥落を意味し、また、要求に従わなければ大統領を失う危機的状況にトランブルは立たされます。
その頃、シェルターではカンが統合参謀本部議長に「ケルベロス・コード」を聞き出そうとします。教えなければ議長の喉をナイフで切ると脅すカン。
アッシャーは議長の命を守るため、コードを教えるように指示します。
その頃、本部ではケルベロス・コードが入力されたことを察知し、騒然とします。ちょうど、刺青の画像を本部に送ったマイクもそのことを知ります。
「ケルベロス」とは米軍が発射した核ミサイルを無効にするシステムであり、それを発動するコードは統合参謀本部議長、国防長官、そして大統領がそれぞれ持っていました。
それを武装集団に掌握されるということは、他国からの核攻撃に対してアメリカが無防備になるということを意味しています。
もし、コナーが人質にとららえればアッシャーはコードを教えてしまうかもしれないと考えたトランブルはマイクにコナー救出を命じます。
その頃、カンは監視カメラの記録から、マイクの姿を見つけ、かつての同僚であるフォーブスにマイクの殺害を命じます。
マイクは居住区の隠し通路に隠れるコナーを発見、しかし、コナーを探す武装集団に見つかり襲撃を受けます。
何とか逃げ切ったマイクはコナーを通気口から逃がすことに成功します。
本部では事件の首謀者がカンであることが判明、北朝鮮の工作員であるカンは国際手配されていながら表舞台に顔を出さなかったためこれまで知られていませんでした。
また、マイクが構成員を尋問し、ハウス内にいるのは30名足らずであることも分かります。
シェルターでは次のコードを聞き出すため、国防長官に対し尋問が始まります。
カンは口を割らない国防長官を執拗に痛めつけ、見るに堪えなくなったアッシャーは国防長官にコードを言わせます。
その頃、マイクはフォーブスと遭遇、フォーブスは旧知の仲であるマイクの油断を誘おうと自身も襲われ戦っていたと嘘をつきます。
マイクはフォーブスの話の中でカンの名が出たことを訝しみ、なぜ、カンを知っているのかフォーブスに問います。
なりふり構わず襲い掛かるフォーブスを倒したマイクは虫の息のフォーブスにカンへマイクを殺したと報告させます。
本部に詰める米軍参謀総長は敵の正体、人数がわかったことで海兵隊によるヘリでの強行突入を提案します。
マイクは突入に反対しますが、トランブルは突入を許可。海兵隊がハウスに迫る中、マイクはリフトで屋上に運ばれる米軍の試作兵器を発見、作戦の中止を本部に伝えますが、本部は作戦を強行します。
ハウスに到着した海兵隊ですが、カンの部下や試作兵器によって壊滅的被害を受け、本部は作戦を余儀なくされます。
マイクは海兵隊を支援しようと試作兵器を破壊、しかし墜落するヘリに巻き込まれ、転落。本部では作戦が失敗したこと、マイクと連絡が取れなくなったことで重い雰囲気が漂います。
そこにカンから通信が入り、部隊の派遣への報復とし、人質を一名殺害、さらに要求の期限を残り1時間とします。
気を失っていたマイクは目を覚まし、トランブルから要求期限が1時間を切っているため、大統領を守るため要求に従うことを聞かされます。
これに反発するマイクにトランブルは30分の猶予を与えます。マイクはセキュリティルームからシェルターへ通信を入れ、カンを挑発。
腹を立てたカンは国防長官を連れ出し、見せしめにハウスの正面玄関前で殺害しようとします。しかし、銃声が鳴り響き、部下たちが次々と倒れてゆきます。マイクはカンの行動を読み、待ち伏せしていました。
銃声を聞いて逃げ出す国防長官は包囲する米軍の保護、マイクは部下たちを倒しますがカンを逃がしてしまいます。
期限まで30分を切ったことで、トランブルは要求に従うことを決定。在韓米軍、第七艦隊は撤退を始め、ハウスにはヘリが到着します。
実はトランブルは表向き、要求に従い、ヘリに乗り込むカンらを狙撃、アッシャーを救出する心づもりでした。
しかし、現れたのは全身黒ずくめで頭巾をかぶった集団でした。誰がカンで誰がアッシャーかわからない状況にトランブルは狙撃の中止します。
飛び立つヘリですが突如爆発、アッシャーの生存が絶望的な状況に本部に衝撃が走り、それを聞いたマイクは訝しみます。
カンの性格、やり口から爆発したヘリをおとりにカンがアッシャーを人質にこっそり逃げ出そうとしていると考えたマイクはアッシャー奪還へ向かいます。
シェルターではカンと数人の部下、そしてアッシャーの姿がありました。シェルターのスクリーンに映し出されていたのは「ケルベロス」が作動したことを表す画面でした。
カンはアッシャーが口を割らないことを見越し、コードの解析を行っていました。
ケルベロスを手に入れたカンは米国内すべての核兵器を無力化、つまり発射前のミサイルを爆発させようとします。それこそがカンの本当の目的で、状況を察知した本部に再び衝撃が走ります。
カンはアッシャーを連れ、シェルターを脱出しようとしますが、突入してきたマイクと戦闘になります。部下と戦うマイクをカンが拳銃で狙い、それを阻止しようとしたアッシャーは腹部を撃たれてしみます。
部下を排除し、カンとの死闘を制したマイクは本部のサポートを受け、ケロべロスを停止させます。マイクは負傷したアッシャーを連れ、地上へ脱出、こうしてホワイトハウスからすべての危機が去りました。
数日後、アッシャーは一連の騒動を経て、国民へ向け演説を行います。その傍らには再び大統領警護官となったマイクの姿がありました。
映画『エンド・オブ・ホワイトハウス』の感想と評価
(C)2013 Olympus Productions, Inc
ホワイトハウスを舞台に緊迫の展開と怒涛のアクションシーンが繰り広げられた本作、『エンド・オブ・ホワイトハウス』はリアリさへの追求のこだわりが強く感じらる作品です。
例えば、劇中でシーンが切り替わるごとに時間が表示される演出があります。この時間経過を共有することで、それぞれの現場で進行している出来事をサスペンス感を持って体感し、一連の出来事として緊張感を味わうことが感じ取れます。
また、アクションシーンにおいて、敵の頭部を打ち抜く場面が多くみられます。
やや、過激な表現ではありますが、実際の現場に置き換えて考えれば、確実に相手を無力化するという点で正しい選択であり、主人公・マイクの警護官と言う立場から考えれば“現場のリアルさ”ではないでしょうか。
本作ではアーロン・エッカート演じる、アッシャー大統領が武装集団に拘束されますが、アッシャーの大統領としての職責の重さ、その職責に準じる覚悟が描かれていました。
特に、カンがケルベロス・コードを聞き出そうとする場面で死の危機に瀕する人質に対して人質の命を守るため、敢えて言うように促す場面は国の安全を考えれば矛盾している行動。
しかし、アッシャーの人=国という想いを現し、自身がどんなに傷つけられようと自分のコードを教えないという覚悟が現れており、大統領としての責任の強さが伝わってきます。
また、最後にアッシャーが演説する場面で「危難を乗り越え、絆が深まった」と言う言葉は事故で大統領夫人を失って以来、疎遠になっていたマイクとアッシャーの関係を言い表したもので、胸が熱くなりました。
まとめ
(C)2013 Olympus Productions, Inc
本作品『エンド・オブ・ホワイトハウス』で主演を務めたジェラルド・バトラーは、実際の警護官からトレーニングを受けて撮影現場に臨みました。
しかも、プロデューサーとして製作にも携わったジェラルドは、映画製作に賭ける強い想いが、作品に隅々によく現れています。
その結果、『エンド・オブ・ホワイトハウス』は世界的なヒット作となり、ジェラルトの俳優としての代表作になりました。
ジェラルド・バトラーの熱い想いと、ふたたびファンを驚かせてくれる映画を作ってくれることに、今後も大いに期待しています。