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Entry 2021/04/14
Update

映画『300スリーハンドレッド』ネタバレあらすじ感想とラスト結末の解説。ザックスナイダー監督が史上最強のスパルタ軍を描く

  • Writer :
  • 秋國まゆ

300のスパルタ軍が100万のペルシア軍に挑む歴史スペクタクル・アクション

ザック・スナイダーが監督を務めた史上最強の男たちの勇姿を描いた、2007年製作のアメリカのR15+指定の歴史スペクタクル・アクション映画『300 スリーハンドレッド』。

フランク・ミラーのグラフィック・ノベル『シン・シティ』をもとに描かれる、レオニダス率いる地上最強の300人のスパルタ軍が、クセルクセス王率いる100万のペルシア軍を迎え撃つ姿とは、具体的にどんな勇姿だったのでしょうか。

迫力のライブアクションと斬新なCGIアニメーションを融合し、『テルモピュライの戦い』を活写したアメリカの歴史スペクタクル・アクション映画『300 スリーハンドレッド』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。

映画『300 スリーハンドレッド』の作品情報


(C) 2007 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

【公開】
2007年(アメリカ映画)

【原作】
フランク・ミラーの『シン・シティ』

【監督】
ザック・スナイダー

【キャスト】
ジェラルド・バトラー、レナ・ヘディ、デビッド・ウエンハム、ドミニク・ウェスト、ビンセント・リーガン、マイケル・ファスベンダー、トム・ウィズダム、アンドリュー・プレビン、アンドリュー・ティアナン、ロドリゴ・サントロ

【作品概要】
『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)のザック・スナイダーが監督を務め、フランク・ミラーの『シン・シティ』を映画化させた、アメリカの歴史スペクタクル・アクション作品です。

『トゥーム・レイダー2』(2003)や「エンド・オブ・ホワイトハウス」シリーズ、『ハンターキラー 潜航せよ』(2019)などの話題作に出演するジェラルド・バトラーが、主演を務めています。

映画『300 スリーハンドレッド』のあらすじとネタバレ


(C) 2007 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

古代ギリシアのスパルタで生まれた男児には、ある試練が課せられていました。

スパルタのしきたりにより、生まれたばかりの子供は、体が小さければ病気を持っていないか調べられます。

それに該当する場合は捨てられ、健康で強い男児であれば、自分の足で立てるようになった歳に、自身の父親から戦いの洗礼を受けるのです。

その際、男児は父親から、「決して逃げるな、降参するな。戦地での死は、スパルタ人にとって最高の栄誉だ」と頭に叩き込まれます。

男児が7歳になると、強制的に母親と引き離され、暴力の世界に放り込むことが、スパルタの慣わしでした。

少年は棍棒と鞭で容赦なく背中を叩かれ、悲鳴と情けを捨てろと教えられます。

少年はしばしば吹雪く荒野に放り出され、知恵と意志を武器に自然に立ち向かう成長の儀式「荒野の試練」を受けさせられました。

荒野の試練を乗り越え、生き残って初めて、少年は1人前のスパルタ人となれるのです。

少年は冷静沈着に、捕食せんと襲い掛かってきた狼と対峙し、完璧な動作で槍を突き刺し、剥いだ毛皮を纏って一族のもとに帰還しました。

この「アコゲ」という教育と、300年にわたるスパルタの戦士社会により、スパルタは世界最強の兵士を生みました。

世界最強の兵士となり、スパルタの王となったその少年の名は、「レオニダス」です。

それから30年以上経ち、精悍な大人の男へと成長したレオニダスは、300のスパルタ軍を率いて、小さなギリシアと正義という希望を根絶せんとする敵を迎え撃とうとしていました。

紀元前480年のスパルタ。レオニダスは自身の最愛の妻、王妃ゴルゴとの間に生まれた息子に戦いの洗礼を受けさせていました。

そんなレオニダスの元へ、評議員のセロンが連れてきた、ペルシア帝国の使者が訪ねてきます。

使者は自国の王、クセルクセス王からの要求を率直にレオニダスに伝えました。

「神の王、クセルクセス王は全てを征服し支配する。皆殺しにされたくなければ、スパルタ人の服従の証として、スパルタの土と水を差し出せ」

スパルタの民を愛し、スパルタ人の兵士としての誇りを持つレオニダスは、クセルクセス王からの要求を断り、控えていたスパルタ兵と共に使者を全員殺しました。

レオニダスは殺す直前、使者にこう告げます。

「お前は征服した国の王の首や宝石を持ち込み、王妃を侮辱し、民の自由と命を脅かした。俺は慎重に言葉を選んだが、お前は間違えた」

その夜、レオニダスは王妃ゴルゴと寝る寝台を抜け出し、古代の神の神官「エフォロイ」の元を訪ねました。

エフォロイとは、スパルタが暗黒より立ち上がる前から蔓延る、無価値な老人の集まりなのですが、スパルタ軍が戦う際には必ず彼らから許可を取らねばなりません。

レオニダスはその事に不満を抱きつつ、スパルタのしきたりにのっとり、エフォロイが好む大量の金貨と、託宣者にする美しいスパルタの娘を貢物として捧げました。

そしてレオニダスは、エフォロイにペルシア軍と戦う際の作戦を話します。

「そこで我々スパルタ軍は、敵地であるギリシアの土地を利用し、ペルシア軍の攻撃を海岸沿いで防ぐ」「フォキスの壁を再築し、敵を“灼熱の門”という狭い山間の道に誘い込む」「そうすれば大軍でも関係ない。敵軍が何度攻め込もうとも、我が軍の盾が止める」「クセルクセスは敗北し、敵兵は士気を失い、この国の征服を諦めることだろう」

しかしエフォロイは、美しい娘を醜く腐りかけた体で貪っても、金貨を捧げられてもなお、「聖なる古代の祝祭“カルネイア祭”の時期に、戦争など許さぬ」と断るのです。

「エフォロイの言葉には絶対服従」。それがスパルタの法律であり、これにはスパルタに住む民や王、臣民でさえこの法律を超えることは出来ません。

レオニダスは重い足取りでスパルタへ帰りました。レオニダスが去った後、エフォロイはセロンとペルシアの使者から、大量の金貨を受け取っていました。

そう、セロンは何とかしてレオニダスを失脚させ、自らが王になるために密かにペルシアの使者と繋がっていたのです。

それだけでなく、セロンと結託したクセルクセス王によって、エフォロイは大量の金貨と征服した敵国の娘を貰うことを条件に、既に買収されていました。

レオニダスは葛藤しましたが、相談した王妃ゴルゴからの言葉で背中を押され、息子を持つスパルタの重装歩兵300人と共に、灼熱の門にてペルシア軍を迎え撃つことを決めます。

レオニダスの友である隊長と、その息子アスティノス含めたスパルタ兵は全員、自身の愛する家族がいる国とその自由を守るため、レオニダスと共に戦うと決めました。

その際、レオニダスはセロンたち評議員から反対されましたが、「ただの散歩だ」と言って誤魔化します。

レオニダスは出立直前、見送りに来た王妃ゴルゴから首飾りを託され、こう約束しました。「盾と共に帰る。たとえ死んだとしても」

レオニダス率いる300のスパルタ軍は、北にある灼熱の門へ向かう道中、ダクソスという男が率いるアルカディアの軍勢に遭遇。

焼き物師・彫刻師・鍛冶職人など、兵士とは別の職に就いている者が多いアルカディア兵は最初、300人しかいないのにその倍以上のペルシア軍と戦う気なのかと、訝しげに見ていました。

これに対しレオニダスは、アルカディアの軍勢よりも、戦地で死ぬ覚悟が出来ている兵士の数が多いことを証明します。

その熱き闘志に気圧されたアルカディアの軍勢は、そんなレオニダスたちの援軍に加わり、彼らと共に灼熱の門へ向かいました。

アルカディアの軍勢からの助けを得たスパルタ軍。彼らの後ろには、スパルタを出立してからずっと尾行している、怪しい男がいました。

灼熱の門への道中、レオニダスたちは焦土と化した村を発見。唯一生き残っていた少年も、レオニダスの腕の中でメッセージを遺し、息絶えてしまいます。

「暗黒の獣たちが、その鉤爪と牙で村人全員を捕まえた。もう誰もいない」

少年の言葉通り、村には生存者が1人もいません。それどころか、村を襲ったであろうペルシア兵によって、少年を除いた村人は全員、その亡骸を木に磔にされていました。

それはペルシア兵でも、クセルクセス王の身辺に侍る、選りすぐりのアジアの死の戦士、「不死の軍団」による仕業でした。

「不死の軍団」とは、目は夜のごとく暗く、鋭い牙のような歯を持ち、恐ろしい仮面をつけた魂を持たぬ者。

500年にわたりペルシアの王に仕え、敵国でさえ恐れる兵士たちです。

その惨状を見て、すぐに不死の軍団による仕業だと悟ったレオニダスたち。強い肉体と心を持つ彼らでも、その惨状に愕然としました。

村を後にし、灼熱の門に辿り着いたレオニダスたちは、狭き山間の道の先にある海に、海面を埋め尽くすほどいるペルシア軍の船を発見。

レオニダスたちの目の前で、神のゼウスによる稲妻が空を貫き、ペルシア軍の船を嵐で打ち据えました。

それでもなお、生き残った100万のペルシア軍が海岸に集結。

偵察しに来たダクソスは恐怖で体を振るわせましたが、それとは対照的に、レオニダスの心と体は、世界最強の敵と戦える喜びに満ちていました。

レオニダスたちはその後、十数人のペルシア兵の死体と岩を使い、灼熱の門の前に石垣を築きました。

そこへ現れたペルシア軍の使節率いる偵察隊。使節は最初、十数人仲間を失ってもなお、強気でレオニダスたちと対峙していましたが、石垣の材料に仲間が使われたと知って激怒。

これはレオニダスたちによる、同じやり方を使ったペルシアへの報復でした。

使節が奴隷に振るっていた長い鞭を、スパルタ軍に向かって降り下ろすよりも先に、前に躍り出たスパルタ兵が彼の腕を切断。スパルタ軍は見事ペルシア軍の偵察隊を退けさせました。

スパルタ軍は石垣を完成させ、着々と敵を灼熱の門へ誘い込む準備を進めます。

そこへレオニダスたちをずっと尾行していた者、エフィアルテスという男が現れ、レオニダスと隊長にこう提案しました。「西の尾根の、古いヤギの道を使えば、敵の背後に回り込める」

他のスパルタ兵よりも体が小さく、弱く醜い外見をしたエフィアルテスは、スパルタで生まれたものの捨てられそうになり、母親の愛によって国を逃れた男でした。

エフィアルテスは父親から譲り受けた兜・盾・槍・剣を持ち、レオニダスに自分を兵士として一緒に戦わせてほしいと懇願。

しかし、エフィアルテスは体が弱いため、スパルタ兵に必要な膝上から首へ盾を持ち上げ、左隣にいる仲間を守る重要なスパルタ軍の隊形をとることができません。

そのため、レオニダスはエフィアルテスの申し出を拒絶。エフィアルテスは、立ち去るレオニダスの背中に向けて、自分を見捨てたことへの恨みを叫びました。

その直後、レオニダスたちに地震のような大きな揺れが襲います。それは地震ではなく、ペルシア軍の大群が海岸から侵攻してくる足音でした。

スパルタ軍は兜を被り、石垣の前で隊形を組み、ペルシア軍を待ち構えます。

ペルシア軍の先頭に立ったペルシア兵が、スパルタ兵が投擲した槍によって絶命したことを合図に、戦いの火蓋は切って落とされました。

以下、『300 スリーハンドレッド』ネタバレ・結末の記載がございます。『300 スリーハンドレッド』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

(C) 2007 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

スパルタ軍は隙間なく埋めた盾で、ペルシア軍の攻撃を防ぐだけではなく押し返し、建ての隙間から突き出した槍で、ペルシア兵を殺していきます。

スパルタ軍が歩む道には、ペルシア兵の死体が転がり、彼らが歩む先にある崖では、追い詰められたペルシア兵が為す術なく転落していきました。

ペルシア軍による1回目の侵攻を、ほぼ無傷で退けたレオニダスたち。そんな彼らへ、対岸にいたペルシア軍による、空を埋め尽くすほどの夥しい数の矢の雨が降り注ぎます。

スパルタ軍はそれを全て、頭上に掲げた盾で防ぎ、襲い掛かってきたペルシア軍の騎馬隊を槍で仕留めました。

一方王妃ゴルゴは、セロンがレオニダスへの反目を企んでいることに勘づいて、レオニダスを支持する評議員を味方につけます。

そして王妃ゴルゴは、セロンの裏切りを評議会で明らかにさせ、300人しかいないスパルタ軍へ援軍を送るよう、評議会で訴えるつもりでした。

しかしセロンは、王妃ゴルゴの動きに気づき、レオニダスの命を人質に取って彼女を脅し、「愛する王を殺されたくなければ、自分に体を捧げろ」と脅してきたのです。

その日の襲撃を退けたレオニダスたちスパルタ軍。仲間と喜び合うレオニダスの元へ、少数のペルシア兵と共に、装飾華美な輿に乗ったクセルクセス王が訪ねてきます。

クセルクセス王はレオニダスと対面し、こう要求しました。「富とギリシアの王という名誉をやろう。その代わりペルシアの旗を掲げ、私に跪け」

レオニダスはクセルクセス王の2度目の要求を拒否。怒ったクセルクセス王は、スパルタ軍に自軍の最強の切り札である不死の軍団、鎖と手錠で拘束された凶暴な怪物のようなペルシア兵、巨大なサイやゾウを使った部隊を仕向けます。

ところが、クセルクセス王の思惑とは異なり、スパルタ軍とアルカイダの軍勢は多少の死傷者は出したものの、これら全てを倒して退けました。

アジアの100もの国の軍からの爆撃も退けたスパルタ軍とアルカイダの軍勢。彼らは思わず、「灼熱の門さえ守れば、果てなき大軍相手でも勝機はある」と希望を抱きます。

そんな彼らを襲った悲劇。それは、煙に隠れて近づいたペルシア兵によって、アスティノスが隊長の目の前で、首を刎ねられてしまったことです。

愛する我が子の亡骸と死を目の当たりにした隊長は、我を失って血に飢えた獣のように、単独でペルシア兵に斬り込んでいきました。

そんな隊長を3人がかりで引き戻したスパルタ軍。この日の彼らの勝利に、祝いの歌はありませんでした。

その夜、エフィアルテスはクセルクセス王の下に招かれ、兵士という身分と金と女を好き放題にできる権利を与える代わりに、スパルタ軍の背後につける抜け道を教えろと言われました。

エフィアルテスはレオニダスとは違い、自分を兵士として受け入れてくれたクセルクセス王のもとに下ることを決め、ペルシア軍に灼熱の門の抜け道を教えてしまいます。

死傷者は日に日に増え、強い心とは裏腹に疲弊していくスパルタ軍。そこへ偵察に出ていたダクソスが現れ、彼らに「裏切り者が敵を我々の背後に案内した。このままじゃ全滅してしまう。その前に今すぐ撤退するか、降伏しよう」と言いました。

絶望的な状況に追い込まれ、恐怖に足を竦んだアルカディアの軍勢。彼らに対し、レオニダスはこのままペルシア軍と最後まで戦うことを決めます。

スパルタ人にとって、戦地での死は栄誉あるもの。それを目前に控えたレオニダスの強い意志は、他のスパルタ兵も同じです。

レオニダスはダクソスが立ち去った後、戦いで左目を失ったスパルタ兵ディリオスを、人気のない場所まで連れて行き、最後の命令を告げます。

「我々の死を忘れるな。そしてスパルタ軍の灼熱の門での戦いや、私の勝利の物語を、スパルタの人々や評議会に知らせよ」

最後までレオニダスと共に戦いたかったディリオスでしたが、彼の説得に折れ、彼から託された命令と首飾りを持って、アルカディアの軍勢と共に撤退しました。

一方王妃ゴルゴは、セロンたち評議員を集めて開いた評議会で、自国のために戦うスパルタ軍への援軍を要請します。

王妃ゴルゴの訴えを聞いた評議員は、スパルタ軍へ援軍を送ろうとしますが、セロンが割って入ったことにより、事態は一変。

セロンはレオニダスのせいで戦争になった挙句、王妃ゴルゴは自分に体を使って誘惑させ、スパルタ軍への援軍要請を執拗に迫ってきたと主張したのです。

ざわつく評議会。王妃ゴルゴは虚言を吐くセロンに激怒し、他の評議員が持っていた剣を奪い、彼の腹を刺し殺します。

地面に倒れたセロンの懐からは、服で隠していた大量のペルシアの金貨が出てきて、それを見た評議員は彼の裏切りを知りました。

エフィアルテスはペルシア軍の新たな指揮官となり、不死の軍団の生き残りとペルシア軍を率いて、クセルクセス王と共にスパルタ軍の背後を取ります。

スパルタ軍は追い詰められてもなお、レオニダス含めスパルタ兵の心は、恐怖に染まるどころか、強敵と戦う高揚感に満ちていました。

そうだとは知らないペルシア軍は、スパルタ軍に同盟の話を持ちかけます。

「クセルクセス王に跪き、ペルシアと同盟を結べば、スパルタの民は皆殺しを免れ、富を得て栄える」「レオニダスはギリシア全土の王となり、世界の裏の支配者であるクセルクセス王と同格になれる」

レオニダスは後ろに隊形を保ったまま控えるスパルタ兵と共に、戦地で死ぬ覚悟を決めていました。

それ故、レオニダスは兜と盾、槍を地面に投げ捨てて跪き、まるでペルシア軍に屈したかのように錯覚させます。

それにまんまと騙されるクセルクセス王率いるペルシア軍。そんな中、エフィアルテスは自分の裏切りを知ってもなお、「永遠に生きろ」と言ってくれたレオニダスに罪悪感を覚え、思わず顔を背けました。

レオニダスはスパルタ兵ステリオスの名を叫び、自らの背中を踏み台にさせ、彼に目の前にいるペルシア兵を槍で殺させます。

それを合図に、開戦したペルシア軍とスパルタ軍の最終決戦。レオニダスが兜を捨てたのは息苦しく、遠くにいる敵を見据えるのに邪魔だったからです。

さらにレオニダスが重い盾を手放したのは、その遠くにいるクセルクセス王に槍を投擲するのに、体勢が崩れるからでした。

レオニダスは槍を拾い、クセルクセス王目掛けて投擲。槍はクセルクセス王の顔を掠めます。

レオニダスや憎しみで心を満たしてしまった隊長、ステリオスらスパルタ軍は、頭上から降り注ぐペルシア軍の矢の雨に体を射抜かれていきました。

隊長は、自らの腹を槍で貫いたペルシア兵を剣で殺した直後、駆けつけた不死の軍団の凶刃に倒れて死亡。

瀕死のレオニダスは、神のヘラクレスの子孫であるスパルタ人の血筋を証明するように、長く轟く雄たけびを上げます。

レオニダスは地面に横たわるスパルタ兵たちと共に、降り注ぐ矢の雨に撃たれて死亡ました。

ディリオスはスパルタに帰還し、王妃ゴルゴにレオニダスから託された首飾りを渡します。

それでレオニダスの死を悟った王妃ゴルゴは、駆け寄ってきた息子を抱きしめました。

ディリオスはスパルタの民を集め、レオニダスの最後の命令を遂行すべく、彼と彼らの物語を語り継ぎます。

それから1年後。ディリオスやスパルタの民によって、レオニダスたちの物語はギリシア全土に広がりました。

そしてディリオス率いる1万のスパルタ軍と、レオニダスたちの遺志に共鳴した3万のギリシア軍。

彼らは岩だらけの険しい地「プラタイアイ」で、レオニダスたち300人のスパルタ兵のために、ペルシア軍を全滅させ、輝く未来をもたらそうと誓いました。

映画『300 スリーハンドレッド』の感想と評価

(C) 2007 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

100万のペルシア軍に挑む、300のスパルタ軍の勇姿が格好良い

アジアの100もの国を征服し、味方につけた100万のペルシア軍。それに挑むのは、たった300人のスパルタ軍の兵士です。

この圧倒的な戦力差に、アルカディアの軍勢でなくても、思わず撤退してしまうほど恐怖するのにも関わらず、レオニダスたちスパルタ兵は、世界最強の敵と戦う高揚感に満ちています。

そんなレオニダスたち、スパルタの戦士社会がもたらした地上最強のスパルタ兵士たちが、ギリシアの地を利用して敵を圧倒していく様は、本当に格好良いです。

どんな劣勢を強いられても、スパルタ人に裏切られようと、熱き闘志と魂は一切折れないスパルタ兵。

レオニダスたちの一糸乱れぬ、盾を使ったスパルタの隊形、そこから繰り出される槍の猛攻撃。それらがどんな敵をも倒していく場面は、アクション映画好きにはたまりません。

他の歴史スペクタクル映画にはない、観ているこちらまで戦いの高揚感を得られる本作は、世界史に詳しくない人でも充分楽しめます。

まさかの展開に言葉を失う

300のスパルタ軍と100万のペルシア軍が、ギリシアの灼熱の門で白熱とした戦いを見せている裏で、スパルタ内部でも違う戦いが起こります。

それは、レオニダスの失脚させ、自ら王になろうと企む評議員セロンと、彼からレオニダスとスパルタを守ろうとする王妃ゴルゴの戦いです。

セロンの企みを知った王妃ゴルゴは、評議会でそれを明らかにさせ、スパルタ軍への援軍を要請しようと画策します。

しかしずる賢いセロンが、王妃ゴルゴの作戦を逆手に取り、彼女を脅して一夜を共にさせただけでなく、売女として罵り有利に事を進めようとするのです。

そんなセロンが、王妃ゴルゴだけではなく、レオニダスと王の座をかけて戦うのかと思いきや、激怒した王妃ゴルゴに腹を刺されて呆気なく死んでしまいます

セロン対レオニダスの戦いや、セロンがもっと暗躍するところを期待していた人にとって、このまさかの展開に唖然としてしまうことでしょう。

まとめ

(C) 2007 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

スパルタの王、レオニダス率いる300のスパルタ軍が、クセルクセス王率いる100万のペルシア軍を迎え撃つ、歴史スペクタクル・アクション作品でした。

ジェラルド・バトラー演じるレオニダス。彼の勇姿と気高き戦士の心や魂は観ているこちらも魅了されるほど、格好良いです。

レオニダスと志を共にする、隊長やステリオスたちスパルタ兵もまた、レオニダスと負けず劣らず格好良いので、彼らの勇姿も最後まで見逃さないことをオススメします。

しかし、ペルシア軍による残虐な行為は、強い戦士たるレオニダスたちでさえ、愕然とした場面です。15歳以上でも、心の準備を整えてから観ることをオススメします。

まだまだ続くスパルタ軍とペルシア軍の戦い。本作を観た人は、続けて『300 スリーハンドレッド』の続編も鑑賞したくなること間違いなしです。

レオニダスたち、熱きスパルタの兵士の熱き戦いが描かれた歴史スぺクタル・アクション映画が観たい人に、オススメな作品となっています。

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