映画『月極オトコトモダチ』は、2019年6月8日から「新宿武蔵野館」ほか全国で順次公開!
「男女の間に友情は存在するのか?」というテーマを、「レンタルフレンド」などの現代の要素を踏まえながら描くラブコメディ映画『月極オトコトモダチ』
6月8日から「新宿武蔵野館」ほか全国で順次公開される、本作をご紹介します。
映画『月極オトコトモダチ』の作品情報
【公開】
2019年公開
【監督・脚本】
穐山茉由
【キャスト】
徳永えり、橋本淳、芦那すみれ、野崎智子、師岡広明、三森麻美、安保優一、市川昂一郎、山田佳奈
【作品概要】
ファッション業界で働きながら、映画制作も行う新鋭、穐山茉由の長編デビュー作。
数々の名作を世に送り出している事で知られる映画祭「MOOSIC LAB」2018年度の長編部門で「グランプリ」「最優秀男優賞」「女優賞」「ミュージシャン賞」の4冠に輝き「第31回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門」に正式出品された注目作。
主役の望月那沙を、ドラマ『恋のツキ』で主演を務めるなど、大注目の女優、徳永えりが演じ、レンタルフレンドを仕事にしている青年、柳瀬草太を、NHK連続テレビ小説『ちりとてちん』などで知られる、橋本淳が好演。
映画『月極オトコトモダチ』あらすじ
WEBマガジンのライターとして働く望月那沙は、後輩のユリと、あるイベントに参加します。
イベントで、那沙達に話しかけてきた男性、柳瀬草太と知り合った那沙は、会話の中で「男女関係にならないスイッチ」があるという話を聞きます。
「男女関係にならないスイッチ」という言葉が気になった那沙は、帰ろうとする柳瀬を引き止め、LINEを交換します。
次の日、柳瀬はLINEから退出しており、連絡が取れない状態となっていました。
また、ユリから「草太がレンタルフレンドをしている」という話を那沙は聞きます。
「男女関係にならないスイッチ」という言葉から、那沙は次のWEB記事のテーマを「男女の間に友情は成立するか?」に決めます。
自身を小説家志望と偽り、柳瀬をレンタルフレンドとして指名した那沙は「月極コース」を選択します。
レンタルフレンドの契約時間は2時間で、2時間が経過すればスタンプを押して終了、柳瀬は「また、連絡して」と言って去っていきます。
那沙は柳瀬と過ごした時間を元に、「男女の間に友情は成立するか?」という記事を作成し、アクセス数トップを記録します。
ある日、那沙は体調を崩し、レンタルフレンドとして呼んだ柳瀬に、自宅で看病をしてもらいます。
そこへ、那沙と同居生活をしている小野珠希が、帰宅します。
音楽活動をしている珠希は、楽曲制作をしている柳瀬と意気投合し、エレクトーンで合奏を始め、一緒に曲を作る約束をします。
那沙は、その様子を、布団の中から眺めていました。
男女の友情をテーマにした、那沙の記事は好評で、那沙は柳瀬とレンタルフレンドの関係を続け、記事にしていきます。
ですが、次第に那沙と柳瀬は、お互いの秘密を話すようになるなど、距離を縮めていくようになります。
ある日、WEBマガジンの編集長から「レンタルフレンドと、一晩を共にしても、男女の仲にならないか?」を検証して記事にするように提案されます。
那沙は戸惑いながらも、柳瀬の部屋に泊まる事になります。
そして、柳瀬の部屋で起きた「ある出来事」と、柳瀬と珠希の「関係の変化」に、那沙の心境は変化していくようになります。
柳瀬と那沙、そして珠希の「男女の友情」の行き着く先は果たして…。
永遠のテーマとも言える「男女の友情」
『月極オトコトモダチ』のテーマは「男と女の間に友情は成立するか?」という、過去にさまざまな人が何度も議論したであろう、永遠とも言えるテーマを描いています。
そもそも男性と女性では、価値観が違う為、友情に関しても成立しないという話をよく耳にします。
例えばですが、男性が好きな「少年漫画」の王道の展開として、友情の力で協力して敵を倒すというのがありますが、これは女性からみると「恋愛関係」と捉える人もいるようです。
しかし、WEBサイトなどで「男女の友情は成立する?」というアンケートを取ると、結果として「成立する」と思う人が半数以上のようです。
「成立する」理由として、「異性として見れないが、一緒にいて居心地が良い人がいる」などの意見があります。
おそらく、誰もが納得する答えが出ないであろう「男女の友情」というテーマ。
このテーマに、真っ向から挑んだ作品が『月極オトコトモダチ』です。
友達とは何なのか?
そもそもですが、友達とは、どういう存在で、何を持って友達と呼ぶのでしょうか?
本作の監督、穐山茉由は「人はいつから、どうやって友達になるんだろう」という疑問から、本作を制作しました。
本作では、2種類の「男女の友情」の形を描いています。
1つは「レンタルフレンド」というビジネスを通した、那沙と柳瀬の関係。
ビジネスである以上、那沙が柳瀬と過ごす時間は決まっています。
ですが、次第に人間同士として向き合い、少しづつお互いの事を知るようになります。
そして、もう1つは、音楽制作を通した柳瀬と珠希の関係。
音楽という共通のツールを通して、柳瀬と珠希はお互いの事を知っていきます。
一見すると、ビジネスではない、柳瀬と珠希に純粋な友情を感じます。
ですが、柳瀬目線で見ると、実はどちらも、柳瀬という人間を構築するのに大切な関係なのです。
一言で友達と言っても「あいつとは、どんな悩みも相談できる」「あいつとは、一緒にいるだけで楽しい」など、接し方や過ごし方が違ったりしませんか?
友達によって、求める事も違うはずです。
では、那沙と珠希、柳瀬の友情が交わる事は無いのでしょうか?
その答えは、本作の後半で描かれています。
受け取り方が観た人によって変わる作品
「男女の友情」を描いた本作は、どのようなラストを迎えるのでしょうか?
前述したように、男性と女性では価値観が違い、また、これまで歩んできた人生とか、その人の性格などで、本作の受け取り方は違ってくるでしょう。
ラストの那沙と柳瀬のやりとりが、男女の友情と捉えるかどうかは、人によって変わると思います。
個人的には「純粋な友情は、やっぱり難しいのかな?」という感想です。
こういった、意見の分かれる映画を観賞し議論できる存在が、自分にとっての友達なのかと思います。
まとめ
本作は「男女の友情」という、難しいテーマを扱っていますが、全体的に明るい印象を受ける作風となっています。
主演の徳永えりが、明るい性格ながらも、仕事や柳瀬との関係に悩む那沙を等身大で演じており、作品を引っ張っています。
また、後半はシリアスに、男女関係のややこしさを描いており、「友達関係」について、考えさせられる展開となっています。
ラストは、男女の間に友情が成立するなら、おそらくこういう事だろうと、1つの着地を見せますが、前述したように、人によって受け取り方が変わる作品です。
「男と女の間に友情は成立するか?」という、恐らく答えが出ないであろうテーマを、コメディタッチに、でもラストはシリアスに描いた作品『月極オトコトモダチ』。
「レンタルフレンド」という要素も、現代の空気を感じる作品です。
皆さんも、あらためて「友達とは?」「男女の友情とは?」という、永遠のテーマに向き合ってみてはいかがでしょうか?