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Entry 2019/05/05
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映画『ザ・ハミングバード・プロジェクト』キャスト【ジェシー・アイゼンバーグとアレクサンダー・スカルスガルドのインタビュー】FILMINK-vol.10

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  • FILMINK

オーストラリアの映画サイト「FILMINK」が配信したコンテンツから「Cinemarche」が連携して海外の映画情報をお届けいたします。


© 2018 Earthlings Productions Inc./Belga Productions

「FILMINK」から連載10弾としてピックアップしたのは、日本では2019年9月27日に公開予定の映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち(以下原題のザ・ハミングバード・プロジェクト)』出演のジェシー・アイゼンバーグとアレクサンダー・スカルスガルドのインタビュー

映画『ザ・ハミングバード・プロジェクト』では、光ファイバー事業での成功を夢見る肉体派のビンセントと頭脳派のアントンという従兄弟を演じました。

本作は、アレクサンダー・スカルスガルドが役作りのため、髪の毛を額から後頭部中程まで剃りあげ、両サイドとバックに少しだけ残すというヘアスタイルにしたことでも話題になっています。

【連載レビュー】『FILMINK:list』記事一覧はこちら

『ザ・ハミングバード・プロジェクト』について

今日、最も注目すべきパフォーマーと言っても過言ではない、ジェシー・アイゼンバーグとアレクサンダー・スカルスガルド。

2人は、出演するインディーズスリラーの魅力、役作りの過程を話してくれました。

『ザ・ハミングバード・プロジェクト』は2人の高頻度取引トレーダーでいとこ同士のヴィンセント・ザレスキー(ジェシー・アイゼンバーグ)とアントン・ザレスキー(アレクサンダー・スカルスガルド)が、彼らの昔の上司エヴァ・トーレス(サルマ・ハエック)と戦い、光ファイバーケーブルを開通させて数百万ドルを稼ぐ、という物語です。

移民が生きるための必死さ

──あなたをこのプロジェクトに引きつけたのは何でしたか?

ジェシー・アイゼンバーグ(以下ジェシー):初めて脚本を読んだ時、監督兼脚本のキム・グエンはユダヤ系移民の第二世代について書こうとしているな、と感じました。

それは私(ジェシーはユダヤ系アメリカ人)が知らなかったとしても、彼はこの文化の何かについて伝えようと、必然的に意図していることでした。それはアメリカの文化に同化しようと、移民たちを駆り立てる感情、動機です。

同化しようと必死になっている時は、皆極端なことをしますし、それは私の家族がポーランドから移ってきた時にしたことでもあります。何人かの人々は富裕層の地域へ行き、富裕層が捨てた不良品を貰いそれを作り変え、貧しい人々へ売ったりもしていました。豊かな文化へ同化しようとする時、移民はそのようなことをするのです。

私はこの映画は、自暴自棄なまでに必死な人々、最後には自分たちがとんでもない行動に走ったと気がつく、そんな人々を描いた物語だと思いました。

© 2018 Earthlings Productions Inc./Belga Productions

成功までの道のり

──本作は成功までの極端な道のりについての映画、ということでしょうか。また、あなたは人生で成功するまでにどのような道を辿りましたか。

ジェシー:演じるにあたって思い浮かべたのは、戯曲を書いていた時代や俳優をしていた若い頃の、必死だった思い出です。演劇に集中するために本当に色々なことをしたんです、それは個人的な関係が壊れたり、健康が取り戻せないぐらいの状態になったり。

振り返ってみると無茶で危険なこともしましたが、しっかりと目標を見据えていました。それがこの映画が描くポイントであり、また特に私のキャラクターは物語を通してかなり悲劇的なことを経験するんです。

アレクサンダー・スカルスガルド(以下アレクサンダー):私が演じるキャラクター、アントンの動機はジェシーのキャラクターとは少し違います。アントンは、成功や他の人々や社会からの承認、金銭にも全く興味を持っていません。彼がなぜこのプロジェクトを行うかというと、従兄弟に頼まれたからというだけ。

私自身、それはとてもロマンチックなことだと思います。本作で描かれているのはかなり狂気的なプロジェクトですが、アントンはただ「あ、従兄弟は俺にやって欲しいんだな、じゃあやろう」という動機で動きます。その個人的な挑戦から、1ミリ秒を切る試みという狂気に飛び込むことになります。

ですがアントンの最終目標は、家族を救うため300万ドルを集める…ということでは無いんです。これは通常、映画の登場人物の動機となるものですが、そのような動機ではなく、彼が「ただこれをやる」というキャラクターであるのが爽快だと感じました。

映画も演技も過程を楽しむ

──映画が観客に提示するテーマの一つに“ゴールではなく、その過程を楽しむこと”があるかと思います。それは演技にも当てはまることでしょうか?

ジェシー:私は10年前に、自分が出演した映画を見るのはやめました。

その頃は最終形態について考えておらず、演技がただ単純に好きでした。自分自身とキャラクターを面白く興味深くするために何ができるのかばかりを考えていたんです。そして、それらの映画を見ないと決心すると、そこにいる間に感じていた不安は消えました。

本作では彼ら(キャラクター)の追求が失敗すると、彼らはとてもハッピーになるんです。おそらく自分自身にプレッシャーをかけてはいけないということに気がつくと、私たちは自由になれるんだと思います。

──あなたは今までインテリタイプのキャラクターを演じることが多かったと感じています。それらの役柄は意識的に探しているものなのでしょうか、それともその役のために声をかけられるのでしょうか?

ジェシー:いいえ、私はどちらかというと明るくないキャラクターに引き寄せられます。この脚本を最初に読んだ時、アレクサンダーと私は、どちらの役を演じるのか互いに分からなかったんです、なぜなら両方のパートを読むように伝えられましたから。

私は詐欺師でちょっと間抜けなヴィンセントの方を気に入りました(笑)。その時は2週間前に別の映画(The Art of Self-Defense)の撮影を終えたばかりだったので、機会があれば演じたいということを伝えました。私自身あまり陽気な人間ではないですし…。

私は脚本を読んで、自分自身を面白い存在にするために何か他のものを探す、という瞬間が好きです。それは時にどんな小さな役柄、あまり良くない映画であっても、自分自身を変える楽しい機会になります。

役作りのルールは


© 2018 Earthlings Productions Inc./Belga Productions

──役作りをする上でのルールはありますか?キャラクターの特定のオブジェクトや特徴を探すんでしょうか?

アレクサンダー:私には1、2、3、というような決まったプロセスはありません。資料を読んで参加したいという旨を伝え、脚本を1日1回読み、その度に新しいことを発見するという流れになっています。

そうするとゆっくりキャラクター像が頭の中で作られ、色々なアイディアを得て…。それらのほとんどは機能しないのですが、それでもその後頭の整理をして、うまくいけば数日後にはキャラクターの基盤を作ることができます。ただ読み続けて、内側からキャラクターを形成していきます。

例えば「ホテルへ戻る時、汚れた道から帰る」それはキャラクターの性格の側面についてのアイディアを与えてくれます。後は髪の毛が無くなってきたとか(アレキサンダーは役作りのため髪をそり落とした)、心理的なものももちろんアイディアの糧となります。

アントンの、社会的に扱いにくいキャラクターという面は、私はスウェーデンにいる友人からインスピレーションを受けました。

FILMINK【Jesse Eisenberg and Alexander Skarsgård: Fitting in to The Hummingbird Project

英文記事/Reuben Lazarus and Gill Pringle
翻訳/Moeka Kotaki
監修/Natsuko Yakumaru(Cinemarche)
英文記事所有/Dov Kornits(FilmInk)www.filmink.com.au

本記事はオーストラリアにある出版社「FILMINK」のサイト掲載された英文記事を、Cinemarcheが翻訳掲載の権利を契約し、再構成したものです。本記事の無断使用や転写は一切禁止です。

映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』の作品情報

【製作】
2018年(ベルギー・カナダ合作映画)

【日本公開】
2019年9月27日

【原題】
The Hummingbird Project

【脚本・監督】
キム・グエン

【キャスト】
ジェシー・アイゼンバーグ、アレクサンダー・スカルスガルド、サルマ・ハエック、マイケル・マンド

【作品概要】
脚本・監督はアカデミー賞外国語賞にノミネートされた『魔女と呼ばれた少女』(2012)のベトナム系カナダ人キム・グエンが務めました。

「ゾンビランド」シリーズや『ソーシャル・ネットワーク』(2010)『カフェ・ソサエティ』(2017)のジェシー・アイゼンバーグが若く精力溢れるヴィンセント役。

俳優一家の長男として生まれ、その長身と演技力、端麗な容姿でファンを増やし続けているアレクサンダー・スカルスガルドが、本作では髪を剃り落とし、頭は切れるが毛の薄いアントンを演じます。

彼らに立ち向かうエヴァ役は『デスペラード』(1995)『フリーダ』(2002)『五日物語 3つの王国と3人の女』(2015)のサルマ・ハエック。

映画『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』のあらすじ

© 2018 Earthlings Productions Inc./Belga Productions

従兄弟の2人組ヴィンセントとアントン。

彼らはタッグを組んで、高速・高頻度で大量の株売買を行う高頻度取引にて大量のお金を儲けようと企みます。

計画としては、カンザスからニュージャージーまでの光ファイバーケーブルを通し、誰よりも早く株の取引を行うこと。

その取引がほかのトレーダーよりも早ければ早いほど、その分得る利益が多くなるんです。

しかし、大掛かりな彼らの計画は他の人にバレ始めてしまいます。

とくに、ヴィンセントの昔の上司で、周りから恐れられるほど冷酷で優秀なトレーダーのエヴァは、自分の会社が負けないよう、計画の邪魔を図ろうとし…。

【連載レビュー】『FILMINK:list』記事一覧はこちら

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