1993年制作のスティーブン・スピルバーグ映画『ジュラシック・パーク』
続編を製作すると年間興行収入ランキングで必ず上位に入る、とさえ言われる「ジュラシック」シリーズ。
長年続く大人気のこのシリーズは、1993年に公開された第1作目が始まりでした。
今回は、長寿シリーズの原点である『ジュラシック・パーク』(1993)の詳細なあらすじと感想レビューを紹介いたします。
映画『ジュラシック・パーク』の作品情報
【原題】
Jurassic Park
【日本公開】
1993年(アメリカ映画)
【監督】
スティーヴン・スピルバーグ
【キャスト】
サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、リチャード・アッテンボロー、アリアナ・リチャーズ、ジョゼフ・マゼロ
【作品概要】
『アンドロメダ病原体』や『ライジング・サン』などの映画化された著作を持つ小説家、マイケル・クライトンが1990年に発表した同名小説を実写化した作品。
監督を務めたのは『ジョーズ』(1975)や『未知との遭遇』(1977)などの監督作品で大ヒットを記録していたスティーヴン・スピルバーグ。
映画『ジュラシック・パーク』のあらすじとネタバレ
ヌブラル島で建設予定のテーマパークの準備段階で施設の準備を行っていた従業員が死亡します。
恐竜の白骨の採取を行う学者のアランと古植物学者エリーのもとにテーマパークを建設する会社の社長ハモンドが現れます。
ハモンドは遺族の要望と投資家の心象を下げないためにテーマパークの安全性を調べる査察団のチームに加わってほしいと、2人に発掘資金の提供を約束して島へ招待します。
テーマパークで働くプログラマーのネドリーは島からある動物の胚を別会社に持ち出す裏取引を計画していました。
ヘリコプターで島へ向かうアランたちはマルコムと言うカオス理論の学者と合流し、遂にジュラシックパークへと到着します。
周囲80キロに高圧電流フェンスが張り巡らされた島内を車で移動するアランはそこで生きた草食恐竜を目にします。
そう、ジュラシックパークは恐竜を題材としたテーマパークだったのです。
ジュラシックパークの科学者たちは樹液の固まった琥珀の中で死んだ恐竜の血を吸った蚊から恐竜のDNAを採取しクローンを作り出すことに成功していました。
恐竜復活の説明を受けるアランたちは研究所で卵から恐竜が孵化する現場を目撃します。
次に査察したヴェロキラプトルの檻では恐竜監視官のマルドゥーンがヴェロキラプトルの学習能力の高さによる危険性を示唆していました。
ハモンドとの食事の際、マルコムは自然を弄ぶようなテーマパークの趣旨が危険であると苦言を口にしますが、ハモンドは科学の大きな進歩であるとまるで聞き入れようとしません。
ハモンドの孫であるティムとレックスが到着すると、本格的にパークのツアーが始まります。
ティムは恐竜に詳しく、専門家であるアランのことを知っており、子供が苦手なアランに付きまといます。
レールの上を自動で走る電気自動車に乗るアランたちは様々な恐竜の住処を回りますが、病気のトリケラトプス以外に会うことはありませんでした。
一方、中央では一部のシステムが上手く作動しないなどのトラブルが頻発し、ハモンドはシステム構築のネドリーを叱責しますが、ネドリーは賃金の文句を言うばかりでした。
島に暴風雨が迫りツアーは中止となります。
ネドリーが何かのプログラムを起動した後に、自販機に行くと言い席を外しました。
映画『ジュラシック・パーク』の感想と評価
恐竜のテーマパークと言う心くすぐる舞台で巻き起こる騒動と島からの脱出劇を描いたパニックサスペンス映画『ジュラシック・パーク』。
本作は「恐竜が暴れる島から脱出する」と言う見たままのモンスターパニックとして楽しむことももちろん出来ますが、他にも様々な楽しみ方の出来る映画です。
医学博士の称号を持つ原作者マイケル・クライトンが、実際に研究を進める研究者と連絡を取り物語を書いた本作は、「科学」の描写がとても理知的であり、「恐竜の復活」と言う非現実的なモチーフでありながら強い現実味を帯びています。
また、パーク崩壊の元凶とも言える登場人物ネドリーは悪党ではあるのですが、彼が何故このような行動に出たかに注目すると現代の日本でも問題となる「労働」と「賃金」の問題に強く紐づいて行きます。
このように、非現実的な物語のように見えて、当時としては最新の科学技術の理論と社会問題を取り入れ「リアリティ」を削ぐ部分を徹底的に排除したことで、どの年代の人でも楽しめる究極の娯楽映画となりました。
本作のテーマである「生命の行き着く先」は現在のシリーズでも続き、新3部作である「ジュラシック・ワールド」の最終作では、どのような「生命の行き着く先」を見せてくれるのか、今から楽しみでもあります。
まとめ
フルCGで描かれたティラノサウルスを始めとし、CG技術の発展と言う点でも映画の歴史において重要な位置づけとなる『ジュラシック・パーク』。
公開から20年以上が経過した現在でもなお、色褪せることのない名作の輝きを、未見の方も鑑賞済みの方も今一度見直してみてはいかがでしょうか。