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中村倫也が奇跡を起こした映画『長いお別れ』の本編映像解禁!中野量太監督の撮影秘話も

  • Writer :
  • 石井夏子

“持ってる男”中村倫也が起こした奇跡とは

中野量太監督が、中島京子の同名小説を映画化した『長いお別れ』が2019年5月31日(金)に全国ロードショーとなります。

蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山﨑努という、日本映画界が誇る豪華実力派俳優陣の共演で贈る本作の本編映像が解禁とされました。

映画『長いお別れ』の本編映像

今回解禁された映像は、蒼井優演じる東(ひがし)家の次女:芙美と、彼女の中学時代の同級生である、中村倫也の演じる道彦がばったり再会を果たすシーン

父である昇平が家を抜け出し、徘徊しているという知らせを受けて必死でその姿を探しまわっていた芙美が、偶然にも父を見つけてくれていた道彦と再び出会い、中学時代の懐かしい思い出話に花を咲かせる様子が描かれています。

すべてを忘れていくはずの昇平も当時の記憶が甦ったのか、2人の会話に加わる姿が茶目っ気たっぷりに映し出されていて、原作を映画化する上でのこだわりでもあった、おかしみやユーモアを交えた映像となっています。

また、この再開をきっかけに芙美と道彦は恋人同士になるんですが、道彦はバツイチ子持ちという複雑な事情があり…。

父の病と向き合い、自分を見つめ直して行く中で、芙美は2人の関係にどう答えを出していくのか。

夢と恋愛に思い悩み、人生の岐路に立たされる彼女の変化にも注目です。

中野監督から見た中村倫也


(C)2019『長いお別れ』製作委員会

中野監督は中村倫也に対し、「とても自然体なお芝居をされる方です。中村さん自身のリズムで自由に演じていただきました。」と全幅の信頼を寄せていると語りました。

しかしその中村にはこんな秘密があったそう。

「実は中村さんの出演シーンで雨が降ることが多く、3回撮影が流れたことがあったんです。それはすごく苦労しました。中村さんは雨男かもしれないですね(笑)。」と冗談交じりに当時の苦労話を暴露。

しかし、話題作への出演が目白押しの超人気俳優はそれだけでは終わりません。

中野監督曰く、「でも、今日こそ撮らなきゃ!という日には、雨という天気予報すらも蹴散らして太陽を呼んでくれました“持ってる”方です(笑)。」と、奇跡のエピソードを明かしています。

この奇跡によって仕上がったのが今回解禁されたシーンであり、雨によって3連敗を喫した中、最後は雲間から照らし出される陽射しによって微かな陰影が生まれる奇跡的なショットに仕上がったんだとか。

中村倫也プロフィール

本作で道彦役を演じる中村倫也(なかむら ともや)は1986年12月24日生まれ、東京都出身

誕生日がクリスマスイブだなんて、それだけでも“持ってる男”ですね。

高校1年生のときに所属事務所トップコートからスカウトを受け、養成所にて演技を学びました。

2005年、映画『七人の弔』で俳優デビュー。

2006年には舞台『黄昏』で初舞台を踏み、以降は舞台作品をはじめNHK大河ドラマ『天地人』(2009)、TVドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』(2011年)、『高校入試』(2012)などに出演。

映画では『俺は、君のためにこそ死ににいく』(2007)や『沈まぬ太陽』(2009)などに出演し、『SPINNING KITE』(2011)で初主演を務めました。

2014年に小川絵梨子演出の『ヒストリーボーイズ』にて舞台初主演し、第22回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞します。

2018年、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』で朝井正人役で出演し、さらに知名度が上がるきっかけとなりました。同年、yahoo検索大賞俳優部門受賞

2019年、オーディションによって実写版『アラジン』で主人公アラジンの吹き替えを担当することが決定しました。

起用の決め手となったのは中村の「ホール・ニュー・ワールド」の歌声だったということで、その歌唱力にも期待が高まります。

出演する作品によって全く違う“顔”を見せ、観客を魅了する中村倫也。

本作ではバツイチ子持ちという事情を持った道彦役を演じます。

蒼井優扮する芙美とともに、彼に翻弄されましょう!

映画『長いお別れ』の作品情報


(C)2019『長いお別れ』製作委員会

【公開】
2019年(日本映画)

【原作】
中島京子『長いお別れ』(文春文庫刊)

【監督】
中野量太

【脚本】
中野量太、大野敏哉

【主題歌】
優河「めぐる」

【キャスト】
蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山﨑努、蒲田優惟人、中村倫也、北村有起哉、杉田雷麟

【作品概要】

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督が、直木賞作家・中島京子氏による同名小説を映画化しました。

認知症になった父を取り巻く“東(ひがし)家”の次女・芙美役は、『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)で第41回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得するなど、2017年度の主演女優賞を総なめにした蒼井優、長女・麻里役には、日本アカデミー賞を4度受賞し、映画・ドラマ・舞台・CMと活躍、日本を代表する人気女優の竹内結子。

母親・曜子役は、日活三人娘の一人として一世を風靡し、『ゆずの葉ゆれて』(2016)でソチ国際映画祭主演女優賞に輝いた松原智恵子が演じます。

そして認知症を患う父親・昇平役には、紫綬勲章、旭日小綬賞を受章した名優であり、『モリのいる場所』(2018)など、現在も精力的に話題作に出演し続ける山﨑努。

また、麻里の息子・崇役には蒲田優惟人が、成長した崇役には杉田雷麟が、どちらもオーディションでの抜擢で決定しました。

映画『長いお別れ』のあらすじ


(C)2019『長いお別れ』製作委員会

父の70歳の誕生日。

久しぶりに帰省した娘たちに母から告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実でした。

それぞれの人生の岐路に立たされている姉妹は、思いもよらない出来事の連続に驚きながらも、変わらない父の愛情に気付き前に進んでいきます。

ゆっくり記憶を失っていく父との7年間の末に、家族が選んだ新しい未来とは…。

まとめ


(C)2019『長いお別れ』製作委員会

近い将来65歳以上の1/5が発症するという病、認知症。(出展:厚生労働省)

決して他人事ではなく、いつ、誰にでも起こりうる家族の日常を、あたたかな眼差しをもって、優しさとユーモアたっぷりに描いた本作。

悲しむだけではない、新しい認知症の捉え方に、誰もが心温まる物語となっています。

また、蒼井優演じる芙美と、彼女の中学時代の同級生である、中村倫也の演じる道彦がどういった結末を選ぶのかも気になりますね。

中野量太監督の映画『長いお別れ』は2019年5月31日(金)に全国ロードショーです。

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