Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2019/03/09
Update

映画『嵐電』鈴⽊卓爾監督の舞台挨拶と開幕セレモニーリポート|OAFF大阪アジアン映画祭2019見聞録1

  • Writer :
  • Cinemarche編集部
  • 石井夏子

連載コラム『大阪アジアン映画祭2019見聞録』第1回

2019年3月8日(金)から3月17日(日)まで開催される、第14回大阪アジアン映画祭。

本コラムではCinemarcheの専属ライターたちのレポートを通して、今のアジアを存分に堪能することができる「大阪アジアン映画祭」で上映された映画の作品解説や見どころ、また会場の様子などを報告していきます。

2019年3月8日(金)18時30分から大阪市北区の阪急うめだホールにて、第14回大阪アジアン映画祭(OAFF)のオープニング・セレモニーと、オープニング作品である日本映画『嵐電』の世界初上映が行われました。

オープニング・セレモニーでは、『嵐電』の鈴木卓爾監督、出演の井浦新さん、大西礼芳さん、金井浩人さんをはじめ多数のゲストが登壇。

本記事ではオープニング・セレモニーと、引き続き⾏われたオープニング上映『嵐電』の舞台挨拶の様子をお届けします。

【連載コラム】『大阪アジアン映画祭2019見聞録』記事一覧はこちら

大阪アジアン映画祭オープニング・セレモニー

オープニング・セレモニーでは、『嵐電』の鈴⽊卓爾監督、出演の井浦新さん、⼤⻄礼芳さん、⾦井浩⼈さん、特集企画<ニューアクション!アジア>『群山:鵞鳥を咏う』のチャン・リュル監督、特集企画<Special Focus onHong Kong 2019>『⼥は⼥である』のメイジー・グーシー・シュン監督をはじめ、多数のゲストが登壇。

登壇者を代表して『群山:鵞鳥を咏う』のチャン・リュル監督から開幕の挨拶がありました。

「今回、初めて⼤阪を訪問しました。この10年間はアジアフォーカス・福岡国際映画祭に来ていました。

皆さんが私の映画を気に⼊ってくだされば、私はこれから⼤阪に10年、通うつもりです。映画祭の期間中、たくさんの喜びと楽しみと幸せな時間を過ごしてください」

チャン・リュル監督の和やかな雰囲気と、温かい挨拶により、本映画祭は明るく幕を開けました。

オープニング上映『嵐電』舞台挨拶

引き続き⾏われたオープニング上映『嵐電』の舞台挨拶では、出演の⽯⽥健太さん、窪瀬環さん、福本純⾥さん、川島千京さん、町⽥愛さん、若井志門さん、上原優⼈さん、早川聡さん、および⾳楽のあがた森魚さんも登壇し、チーム『嵐電』で舞台が“満員”に。

京都・嵐山を⾛る市街電⾞、通称“嵐電”を舞台に、3組の各年代に分かれたラブストーリーが展開するこの作品。

鈴⽊監督は、「⻄日本にあまり縁のない⼈⽣だったので、⼤阪アジアン映画祭のオープニングに⽴っているということにかなり驚いています」と最初にその驚きを伝えます。

そして「(僕のように)京都の外からやってきた⼈間と、京都の中にいる⼈が出会い、何が⽣まれるのかを描いたラブストーリーです。皆さんに、もっとニコニコしていただきたいという思いでつくりました」と続け、作品に込めた想いを語りました。

東京から京都にやってきた役者を演じた⾦井浩⼈さんは、「現実の中に突如ファンタジーが出てくるのですが、台本を読んだ時も物語として気持ちよく⼊ることができましたし、観客の皆さんにもそう感じてもらえるのではないかと思います。近くや遠くにいる誰かを思いたくなるような映画です」と観客に向けて話します。

⾦井さんの相⼿役となる、嵐電沿線在住の⼥性を演じた⼤⻄礼芳さんは、「(京都造形芸術)⼤学時代4年間を京都で過ごし、あちらこちらにいっぱい思い出がある街で撮影できたので、特別な気持ちになりました。在学中よりもこの作品の撮影を終えた時の方が、京都のことを好きになりましたし、皆さんも、もっと京都のことが好きになってもらえると思います」と撮影を振り返りました。

鎌倉からやってきたノンフィクションライターを演じた井浦新さんは、「これから嵐電の世界を⾃由に楽しんでいただきたいです」と第一声。

そして「今⼀緒に登壇している両サイドの若者たちは鈴⽊卓爾監督のもとで映画を学んでいる⽣徒で、この作品に参加しています。彼らと⼀緒にこの映画をやらせてもらえたのが⼀番の宝です」と続けて、共演者との絆の深さを感じさせました。

その後、登壇者⾃身が役名と名前を順番に紹介し、世界初上映ならではの感動的なシーンとなった舞台挨拶。

最後に鈴⽊監督は「⼤阪アジアン映画祭では日頃なかなか⾒る機会がない映画がたくさん上映されます。きっと忘れられない記憶、⾃分だけの物語が⽣まれるいい機会になるはずです」と多様な映画を⾒ることの意義についても触れました。

映画『嵐電』特報第2弾

第14回大阪アジアン映画祭とは

優れたアジア映画の鑑賞機会を市民へ提供すること、大阪での映像制作活動促進を支援すること、およびアジア映画人の来阪を促進すること等を通じて、人材育成と交流、大阪経済圏の活性化、都市魅力の向上を図る、大阪アジアン映画祭。

14回目を迎えた2019年は、3月8日(金)から3月17日(日)まで、ABCホール、シネ・リーブル梅田、阪急うめだホール、国立国際美術館にて開催されます。

まとめ


(c)Migrant Birds OMURO Kyoto University of Art and Design

2019年3月8日(金)に行われた、第14回大阪アジアン映画祭(OAFF)のオープニング・セレモニーと、オープニング作品である日本映画『嵐電』の世界初上映とその舞台挨拶の様子をお届けしました。

第14回⼤阪アジアン映画祭は3月17日(日)までシネ・リーブル梅⽥(梅⽥)、ABCホール(福島)などで51作(うち、世界初上映10作、海外初上映6作)を上映。

詳細は⼤阪アジアン映画祭ホームページをご参照ください。

【連載コラム】『大阪アジアン映画祭2019見聞録』記事一覧はこちら

関連記事

連載コラム

実在の心霊スポット⁈ホラー映画『ウィンチェスターハウス』『死霊館』の超常現象の怪|SF恐怖映画という名の観覧車4

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile004 例年以上に暑い初夏が終わり、ついに夏本番。冷たい飲み物やアイスなどが恋しくなる季節がやってまいりましたね。 映画好きな私としては、クーラ …

連載コラム

Netflix『全裸監督』第8話あらすじネタバレと感想。シーズン1ラストはテレビで脇毛見せ!|パンツ一丁でナイスですね〜!8

連載コラム『パンツ一丁でナイスですね〜!』八丁目 Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』が2019年8月8日より配信中です。 伝説のAV監督村西とおるを描いた本シリーズ。 このコラムでは1話づつ …

連載コラム

【細野辰興の連載小説:前語り】戯作評伝『スタニスラフスキー探偵団~日本俠客伝・外伝~』

CONTENTS【細野辰興の連載小説  2018年10月下旬掲載号】戯作評伝『スタニスラフスキー探偵団~日本侠客伝・外伝~』「前語り」細野辰興のプロフィール 【細野辰興の連載小説  2018年10月下 …

連載コラム

『マリウポリの20日間』あらすじ感想と評価解説。ロシアの侵攻開始から壊滅までの経過を捉えたアカデミー賞受賞作|だからドキュメンタリー映画は面白い82

連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』第82回 今回紹介するのは、2024年4月26日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかで緊急公開される『マリウポリの20日間』。 ロシアによるウクライナ東 …

連載コラム

映画『バッド・ヘアー』ネタバレあらすじと感想。ラスト結末の解説も【ホラー”呪いの髪”の奇妙な恐怖】|未体験ゾーンの映画たち2021見破録15

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2021見破録」第15回 世界各国から発掘された映画、特にホラー映画が次々登場する「未体験ゾーンの映画たち2021見破録」。第15回で紹介するのは、呪われた&#822 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学