Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2018/12/25
Update

映画『デイアンドナイト』あらすじネタバレと感想。山田孝之がキャストでなくプロデューサーに徹した意欲作

  • Writer :
  • 村松健太郎

映画『デイアンドナイト』は、2019年1月26日より全国公開!

俳優の阿部進之助と監督の藤井道人が映画化を念頭に置いていた企画『デイアンドナイト』に、『クローズZEROⅡ』『十三人の刺客』で阿部と共演した俳の優山田孝之がプロデューサーとして参加。

山田孝之はプロデューサーに専任しており、『デイアンドナイト』では完全に裏方に回っています。

主演の阿部を囲む存在として清原果耶、田中哲司、安藤政信、小西真奈美、佐津川愛美、渡辺裕之、室井滋といった豪華な俳優陣が顔をそろえています。

映画『デイアンドナイト』の作品情報


(C)「デイアンドナイト」製作委員会

【公開】
2019年(日本映画)

【プロデューサー・脚本】
山田孝之

【企画】
阿部進之介

【監督】
藤井道人

【脚本】
小寺和久

【キャスト】
阿部進之介、安藤政信、清原果耶、小西真奈美、佐津川愛美、深水元基、藤本涼、笠松将、池端レイナ、山中崇、淵上泰史、渡辺裕之、室井滋明、田中哲司

【作品概要】
俳優の山田孝之がプロデューサーに専念し、彼と同じ事務所「スターダストプロモーション」に所属する俳優の阿部進之介が企画・原案した作品。

阿部は長編映画に初主演であり、山田は俳優として出演はせずにプロデューサーに専念したほか、脚本にも務めています。

映画『デイアンドナイト』のキャラクターとキャスト


(C)「デイアンドナイト」製作委員会

明石幸次(阿部進之介)
大企業の不正を告発したのちに自殺した父親の負債を返すために故郷に帰ってきた。

北村健一(安藤政信)
幸次の亡き父と交流のあった人物で孤児院の経営者。

大野奈々(清原果耶)
北村の孤児院風車の家で暮らす女子高生。絵を描くことが好き。

三宅良平(田中哲司)
地元を支配する大手自動車メーカーの社員。

トモコ(小西真奈美)
役所の戸籍課の職員。

友梨佳(佐津川愛美)
風車の家の職員。

明石和幸恭子(渡辺裕之・室井滋)
幸次の両親。地元で自動車修理工場を営んでいた。

映画『デイアンドナイト』のあらすじとネタバレ


(C)「デイアンドナイト」製作委員会

東京で働いていた幸次は、父親の自殺の一報を聞いて故郷に帰ってきました。

故郷は大手自動車メーカーの企業城下町で、工事の父和幸もその下請けの自動車工場を経営しています。

しかし、ある部品の強度不足をとデータの改ざんを告発します。

ところが和幸の告発はもみ消され、逆に工場は仕事を請けられなくなり倒産の憂き目にあいました。

事情を知った幸次は、何とかして父親の負債を片付けようとします。

そんな彼の前に、父親の生前に世話になっていたと語る北村という男が現れます。

北村は和幸への恩返しも含めて、自分の仕事を手伝わないかと幸次を誘います。

北村の経営する孤児院風車の家を訪れた幸次、てっきり孤児院の手伝いをするものと思っていた幸次を北村は、夜の街に連れ出します。

北村は自動車泥棒や、外国人の不法就労などのあっせんなどのダークサイドの仕事を生業としていて、その収入で孤児院を経営していました。

以下、『デイアンドナイト』ネタバレ・結末の記載がございます。『デイアンドナイト』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
盗んだ自動車を解体する場所として、和幸が自身の工場を提供していたこと知った幸次は、犯罪行為と知りつつもの北村の仕事を手伝っていきます。

風車の家には奈々という画家志望の高校生がいました。

周りは絵の才能を認めていますが、一方で今の環境を分かっていた奈々は、画家をあきらめようとします。

北村は何とかして奈々の希望をかなえようとします。

実は北村と奈々には特別な繋がりがありました。

かつて北村の妻はある男に殺害され、そこに駆け付けた北村は犯人を絞め殺しました。

そしてその犯人こそが奈々の父親でした。

事情を知った北村と奈々が対峙します。

その後、何があったかは誰も知りませんが、北村は冷たい川の中で死体となって発見されました。

北村の死で夜の犯罪にも緻密さが無くなりメンバーたちが次々と逮捕されていきます。

そこには和幸の告発をもみ消した三宅の暗躍もありました。

最終的に三宅と一対一で対決する幸次ですが、最後のあがきでしかありません。

やがて、工事も逮捕されます。

一方で、北村と幸次の希望の担い手の奈々は東京の美大へと進学していきます。

映画『デイアンドナイト』の感想と評価


(C)「デイアンドナイト」製作委員会

創り手に回る役者たち

ハリウッドで言えばクリント・イーストウッドやロバート・レッドフォード、ウディ・アレンなどの人気俳優がアカデミー賞を取るまでの実績を築き上げています。

最近でもジョージ・クルーニーやブラット・ピット、マーゴット・ロビーやシャーリズ・セロンなどのスター俳優も、監督・プロデューサーを兼ねています。

レディガガの初主演映画として話題の『アリー/スター誕生』の監督も、人気俳優のブラッドリー・クーパーです。

日本では『blank13』で斎藤工が監督デビューを飾りました。

小栗旬も『シュアリー・サムデイ』を監督。この時、俳優として参加した中に『西郷どん』の鈴木亮平がいて、この盟友関係は小栗旬脚本協力の『HK変態仮面』に鈴木が主演し、『西郷どん』では鈴木からのラブコールに応えて坂本龍馬役として小栗旬が出演しました。

『散り椿』では岡田准一が殺陣師としてクレジットされ、クリストファー・ドイル監督の『宵闇真珠』でオダギリジョーが撮影にクレジットされていたりします。

日本で俳優兼監督をメジャー体制のなかで、継続して作品を発表し続けられている人と言えば北野武=ビートたけしぐらいしかいないのが現状。

カウントの仕方によっては、宮藤官九郎や松尾スズキが入るかもしれませんが、今回の阿部進之介、山田孝之のような若手俳優の創り手側の参入がもう少しあってもいいかもしれませんね。

まとめ


(C)「デイアンドナイト」製作委員会

本作品『デイアンドナイト』は、“善と悪はどこからやってくるのか”を作品テーマに、家族の命が奪われ、善と悪の狭間で揺れ動く人間の姿を見つめた意欲作

父の自死をきっかけに故郷へと戻った明石幸次役を阿部進之介が演じ、彼に手を差し伸べる児童養護施設のオーナーの北村健一役を安藤政信が務めます。

またオーディションで500人の中から選ばれ、プロデューサーの山田孝之も絶賛の女優である清原果耶

清原が17歳の少女奈々役をみごとに演じ切る姿は要チェックです。

演出は『青の帰り道』などを手がけた藤井道人監督。ぜひ、劇場でのご鑑賞をオススメします!

映画『デイアンドナイト』は、2019年1月26日より全国公開!


関連記事

ヒューマンドラマ映画

いつか、いつも‥‥‥いつまでも。|あらすじ感想と評価解説。高杉真宙がラブコメディで抜群の魅力を発揮した演技を披露!

映画『いつか、いつも……いつまでも。』は2022年10月14日(金)より全国ロードショー! ある男女が出会いと家族とのふれあいを通して、自身の失ったものを取り戻していく姿を描いた『いつか、いつも‥‥‥ …

ヒューマンドラマ映画

佐藤健映画『サムライマラソン』あらすじネタバレと感想。“洋の東西の懸け橋”ジェレミー・トーマスに注目!

史実に基づく幕末エンタテインメント作品に豪華オールスターキャストと、アカデミー賞スタッフが集結! 映画『サムライマラソン』2019年2月22日(金)全国ロードショー。 日本で最初のマラソンと呼ばれる“ …

ヒューマンドラマ映画

映画『エレファント』ネタバレ感想とラスト結末のあらすじ。タイトルの意味解説とガス・ヴァン・サントは日常の闇を如何に描いたか

“キスも知らない17歳が銃の撃ち方は知っている”…ガス・ヴァン・サント監督の代表作のひとつ映画『エレファント』。 ガス・ヴァン・サント監督の演出による映画『エレファント』は、2003年の第56回カンヌ …

ヒューマンドラマ映画

映画『おろかもの』評価解説と考察。笠松七海演じる女子高校生の“おバカな兄”への愛を描く

映画『おろかもの』が、テアトル新宿では2020年11月20日〜12月10日、シネ・リーブル梅田では12月18日~24日に開催される「田辺・弁慶映画祭セレクション2020」にて上映 映画『おろかもの』は …

ヒューマンドラマ映画

映画『MISS ミス・フランスになりたい!』あらすじ感想と評価解説。ジェンダーレスモデルのアレクサンドル・ヴェテールが自分らしく生きる“自由を解放”する

映画『MISS ミス・フランスになりたい!』は2021年2月26日よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー 映画『ミス・フランスになりたい!』は、主人公のアレックスが、少年のころ抱いた「ミス・フラ …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学