Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

まとめ記事

ゾンビ映画おすすめ5選!日本の有名コメディから洋画B級までヒット作を一覧【糸魚川悟セレクション】

  • Writer :
  • 糸魚川悟

Cinemarche内で連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」を担当連載させていただいている、糸魚川悟です。

ハロウィンの定番の仮装であり、映画をほとんど観ないと言う方にも今や馴染みの深いゾンビ映画の数々。


(C) 2009 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC ALL RIGHTS RESERVED.

今回は【糸魚川悟セレクション】として、「ゾンビ映画おすすめ5選!日本の有名コメディから洋画B級までヒット作を一覧」と銘打ってご紹介。

それぞれ違ったコンセプトを持ち、普通のゾンビ映画以外の楽しみ方が出来る5作品を選んでみました。

おすすめのゾンビ映画①『28日後…』


(C)2002 TWENTIETH CENTURY FOX

映画『28日後…』の作品情報

【原題】
28 Days Later

【公開】
2002年(イギリス映画)

【監督】
ダニー・ボイル

【キャスト】
キリアン・マーフィー、ナオミ・ハリス、ブレンダン・グリーソン、クリストファー・エクルストン

【作品概要】
『トレインスポッティング』(1996)で世界的に有名となり、2008年に監督を勤めた『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞を受賞したダニー・ボイルが手掛けたゾンビ映画。

主演を務めたのは後に、クリストファー・ノーランの手掛けた「ダークナイト」シリーズの1作目『バットマン ビギンズ』(2005)でスケアクロウを演じることになるキリアン・マーフィー。

映画『28日後…』のあらすじ

凶暴性を引き出すウイルスが人に感染してから28日後、無人のロンドンで目を覚ましたジムは凶暴化した人間に襲われます。

生き残りであるセリーナ(ナオミ・ハリス)とマーク(ノア・ハントレー)に助けられたジムは、2人と行動を共にすることになり…。

圧倒的な色彩美とメッセージ性


(C)2002 TWENTIETH CENTURY FOX

数十分だけ作り出すことの出来た、無人のロンドンを使ったシーンが印象的なイギリスゾンビ映画の金字塔である『28日後…』。

以前、自身のコラムでも本作の持つ深い「メッセージ性」を語らせていただきました。

「凶暴性」を引き出され暴走した人間たちと、政府機能が崩壊した後にむき出しとなる欲望を秘めた人間たち。

より恐ろしく醜悪なのはどちらなのか。

赤・黄・青と言った原色を強く出したダニー・ボイルらしい映像と共に「人間の闇」を感じることの出来る名作です。

おすすめのゾンビ映画②『高慢と偏見とゾンビ』


(C)2016 PPZ Holdings, LLC

映画『高慢と偏見とゾンビ』の作品情報

【原題】
Pride and Prejudice and Zombies

【公開】
2016年(アメリカ・イギリス合同作映画)

【監督】
バー・スティアーズ

【キャスト】
リリー・ジェームズ、サム・ライリー、ジャック・ヒューストン、ベラ・ヒースコート

【作品概要】
映画の脚本や制作に関わる傍ら、小説も執筆するセス・グレアム=スミスが2009年に発表した同名小説を実写化した作品。

主演は軽快な音楽と派手なカーアクションで話題となった『ベイビー・ドライバー』でヒロインを演じることになるリリー・ジェームズ。

映画『高慢と偏見とゾンビ』のあらすじ

1800年代初頭、父の命令で習得した武術によりイングランドで蔓延るゾンビを日夜討伐するエリザベス(リリー・ジェームズ)たち5姉妹。

ある日、エリザベスは近所に越してきた資産家のチャールズ・ビングリー(ダグラス・ブース)が開催した舞踏会の場で、ビングリーの友人ダーシー(サム・ライリー)と出会いますが…。

名作との融合が意外にもマッチした奇作


(C)2016 PPZ Holdings, LLC

恋のすれ違いを描いた名作小説が、まさかの「ゾンビ」と融合し話題となった『高慢と偏見とゾンビ』。

実は本作は、「ゾンビ」と言うある意味で全てを台無しにしかねない要素を加えながらも、「恋愛作品」としての良さを決して損ねていない奇作。

元々『高慢と偏見とゾンビ』の執筆者であるセス・グレアム=スミスは、「奴隷解放の父」とも呼ばれる偉人リンカーンと「吸血鬼」を融合させた映画『リンカーン/秘密の書』(2012)の原作者としても有名であり、この手のジャンルはお手の物。

めちゃくちゃな要素を入れ、原作にはないアクションを盛り込みつつも、「時代背景」や第一印象から来る「偏見」が起こす恋のすれ違いを巧みに描いています。

「ゾンビ映画が観たいけど、キュンとする恋愛映画も観たい」と言うコアな要望に答えられる異色の1作です。

おすすめのゾンビ映画③『カメラを止めるな!』


(C)ENBUゼミナール

映画『カメラを止めるな!』の作品情報

【公開】
2017年(日本映画)

【監督】
上田慎一郎

【キャスト】
濱津隆之、秋山ゆずき、しゅはまはるみ、真魚、長屋和彰

【作品概要】
映画人養成スクールである、ENBUゼミナールの映画プロジェクト第7弾。

低予算で制作された作品ながら口コミで評判が広がり、全国の映画館で満席が相次ぐほどの人気を見せました。

映画『カメラを止めるな!』のあらすじ

ゾンビ映画を撮影するため、片田舎のロケ地に集まった俳優と撮影メンバーたち。

しかし、ディティールやリアリティを求める狂気の監督が、その地に伝わる呪いを復活させてしまい…。

ネタバレ厳禁!優れた脚本で魅せる低予算映画の成功作


(C)ENBUゼミナール

2016年に上映されたアニメ映画『この世界の片隅に』が、口コミによってロングラン上映を達成するなど、少ない上映館でのみの公開映画がSNSによって拡散されることが多くなりはじめた昨今。

しかし、2018年の夏には、普段はそこまで映画を観ない人ですら足を運ぶほどに話題となった作品がありました。

上田慎一郎の初の長編映画監督作である『カメラを止めるな!』はおよそ300万以下と言う超低予算な製作費ながら、興行収入30億円を突破すると言う異例の大ヒットを遂げます。

本作は序盤に「あれ?」と思った部分に全て説明がつく優れた脚本。

何もかもがネタバレになってしまうので詳しくは語れませんが、軽いスプラッター要素(低予算なので直接は見えません)に耐えられる方は前情報無しで鑑賞して欲しい作品です。

おすすめのゾンビ映画④『ゾンビランド』


(C) 2009 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC ALL RIGHTS RESERVED.

映画『ゾンビランド』の作品情報

【原題】
Zombieland

【公開】
2009年(アメリカ映画)

【監督】
ルーベン・フライシャー

【キャスト】
ジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソン、エマ・ストーン、アビゲイル・ブレスリン

【作品概要】
マーベルコミックスの有名ヴィランを主演にした映画『ヴェノム』(2018)の監督を勤めたルーベン・フライシャーが2009年に制作したゾンビ映画。

『ソーシャル・ネットワーク』(2010)のジェシー・アイゼンバーグを始め、『スリー・ビルボード』(2017)のウディ・ハレルソンや『ラ・ラ・ランド』(2016)のエマ・ストーンなど有名俳優が出演しています。

映画『ゾンビランド』のあらすじ

全世界にゾンビウイルスが蔓延し、人類はほぼ絶滅状態となってしまいます。

しかし、自らの決めたルールを守ることで生き延びていたコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、ゾンビに執念を燃やす粗暴なタラハシー(ウディ・ハレルソン)と出会い…。

無法地帯と化した世界で信じたい絆


(C) 2009 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC ALL RIGHTS RESERVED.

ゾンビ映画を始めとした「政府機能の停止した世界」を題材とした作品では、生き残った人同士の「疑心暗鬼」や「殺し合い」が多く描かれて来ました。

本作では他人を利用したり、異性を遠ざけるルールを順守することで命を長らえている青年を主人公に、彼の出会いと葛藤を描いています。

他人と過ごす中で生まれる「絆」と、生き残るための「ルール」。

どちらをより大切にすべきなのか、と言う問いかけを、決して暗くならないようにコメディを随所に交えることによって鑑賞後の後味もかなり爽やかな作品。

アメリカでは『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)の興行収入を越えるスマッシュヒットを記録し、一時ゾンビ映画の頂点を取った「ゾンビ」+「友情」映画である『ゾンビランド』はイチオシの作品です。

また、続編となる『ゾンビランド2(原題)』が2019年10月に全米公開の予定と発表され、再注目されています。

引き続きルーベン・フライシャーが監督し、主要キャストであるジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソン、エマ・ストーン、アビゲイル・ブレスリンも出演とのことで、期待が高まります。

おすすめのゾンビ映画⑤『アイアムアヒーロー』


(C)映画「アイアムアヒーロー」製作委員会 (C)花沢健吾/小学館

映画『アイアムアヒーロー』の作品情報

【公開】
2016年(日本映画)

【監督】
佐藤信介

【キャスト】
大泉洋、有村架純、長澤まさみ、吉沢悠

【作品概要】
ビッグコミックスピリッツで連載された花沢健吾による同名漫画を「図書館戦争」シリーズの佐藤伸介が実写化した作品。

演劇グループTEAM NACSのメンバーであり、俳優業だけでなくバラエティでも活躍を続ける大泉洋が主演を務め話題となりました。

映画『アイアムアヒーロー』のあらすじ

噛まれることによって感染し、人が凶暴化するウイルスが日本中に蔓延。

アシスタントで食いつなぐ冴えない漫画家の鈴木英雄(大泉洋)は、逃亡の最中に女子高生の早狩比呂美(有村河水)と出会い共に安全な場所を目指しますが…。

英雄はヒーローになれるのか?邦画最高峰のゾンビ映画!


(C)映画「アイアムアヒーロー」製作委員会 (C)花沢健吾/小学館

一部の撮影地に韓国を起用し、実銃を使った発砲シーンや大規模な撮影を行ったことで大迫力の映像を完成させた『アイアムアヒーロー』。

日本のみならず海外でも数々の賞に輝いたこの作品は、まさに邦画最高峰のゾンビ映画と言えます。

ゾンビ作品の代名詞とも言えるショッピングモールでの立て籠もりを日本風にアレンジした「アウトレットモール」での籠城や、コミュニティでの不穏な人間関係の数々。

そして、現代社会の日本では冴えない生き方しか出来なかった英雄が本物の英雄(ヒーロー)へと覚醒していく様子はアクション映画としての「熱さ」も兼ね揃えています。

意外にも完璧なモデル体型を持った大泉洋演じる鈴木英雄に後光が刺し、ヒーローとなる瞬間はとにかく格好良いの一言ですので「邦画でゾンビか」と敬遠している人にこそオススメしたい作品です。

まとめ

【糸魚川悟セレクション】は、いかがでしたか。

ゾンビ映画に深いメッセージ性を求める人友情や恋愛を描いた作品が観たい人あっと驚かされる作品が観たい人など、それぞれのニーズに合うような作品を選出致しました。

あまりゾンビ映画を観たことがない、と言う方にも自信を持ってオススメできる作品ばかりです。

興味を持った方は、ぜひぜひ週末のお供としてみてはいかがでしょうか。

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

関連記事

まとめ記事

2018年お正月映画公開オススメ邦画洋画5選!新春はじめの作品は?

2018年の新春も映画館では、お正月映画の公開が目白押し。ちょっと散歩がてら外に出かけてみませんか⁈ 2018年お正月公開作品と、新年に先駆け公開中のオススメ映画5選をご紹介します。 ©︎yamash …

まとめ記事

ユアン・マクレガー映画おすすめ5選!スターウォーズだけじゃない!

(C)Sigma Films Limited/Zentropa Entertainments5 ApS/Subotica Ltd/BBC 2010 スコットランド出身のユアン・マクレガー。『スター・ウ …

まとめ記事

女優永夏子(旧芸名:小林夏子)の出演映画歴詳細とあらすじ。スティルライフオブメモリーズの紹介も

俳優・小池徹平との結婚が発表された女優・永夏子(はるなつこ・旧芸名小林夏子)。 舞台・テレビ・映画と様々な場所で活躍されています。 また、心理カウンセリングスペシャリストの資格を持ち、女優業と並行して …

まとめ記事

是枝裕和監督映画おすすめ5選!最新作を見る前にチェック!

『そして父になる』や『海街diary』など多くの作品が海外でも高い評価を受ける是枝裕和監督。 まるで日常の風景を切り取ったような、半ドキュメンタリー的な作品作りをすることで知られています。 是枝監督は …

まとめ記事

【ニコラス・ケイジ映画代表特集】アカデミー賞俳優から怪優へと波乱万丈な転身⁈

11月10日から日本公開されているバイオレンス・スリラー、『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』。 妻を殺された主人公の復讐劇を描くこの作品は、主人公を演じるニコラス・ケイジの常軌を逸した演技が話題と …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学