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Entry 2018/10/07
Update

映画『クジラの島の忘れもの』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

  • Writer :
  • もりのちこ

過去を乗り越え、未来へ進む勇気をクジラがつなぐ奇跡。

日越国交樹立45周年記念映画『クジラの島の忘れもの』は、悲しい過去に縛られ夢を失くした女性と、夢を追いかけ日本に来たベトナム青年との国境を越えた愛の物語です。

沖縄、座間味島、ベトナムを舞台に、二人はどのように愛を育んで行くのか?二人が選んだ未来とは?映画『クジラの島の忘れもの』をご紹介します。

映画『クジラの島の忘れもの』の作品情報


(C)クジラの島の忘れもの製作委員会

【公開】
2018年(日本映画)

【監督】
牧野裕二

【キャスト】
大野いと、森崎ウィン、幸地尚子、嘉手納良智、神田青、宮島真一、黒田よし子、はるか、グエン・ニュー・クイン、北川彩子

【作品概要】
実話をベースに生み出された『クジラの島の忘れもの』は、日本人女性とベトナム青年が運命に導かれるように出会い、国境を越えて愛を育む、ヒューマン・ラブストーリーです。

心に影を落とすヒロイン・愛美を演じるのは、『高校デビュー』で主演をはたし、『愛と誠』『雨にゆれる女』など話題作に多数出演が続く大野いと。そして愛美に恋心を抱くベトナム青年役には、スティーブン・スピルバーグ監督作『レディ・プレイヤー1』の出演がまだ新しい、森崎ウィン(PrizmaXメンバー)。新星、二人の共演にも注目です。

映画『クジラの島の忘れもの』のあらすじとネタバレ


(C)クジラの島の忘れもの製作委員会

幼い頃、震災で母を亡くした愛美は、叔母に引き取られ沖縄で暮らすことになりました。母との思い出に寄り添い、悲しみから抜け出せない愛美は、未来への夢も希望も抱くことができません。

そんな愛美は、就職先の旅行代理店で取引先のベトナム研修生・コアと出会います。

「ベトナムの人々の暮らしを、少しでも自分の力で豊かにしたい」と夢を語るコア。「愛美の夢は?」と聞かれ「10歳の時母と一緒に見たクジラのブリーチをもう一度見たい」と答える愛美。

コアは愛美に、ベトナムではクジラは神様と言われていると教えてくれます。

日本とベトナムの文化の違い、考え方の違いを感じながらも、紳士的で前向きに生きるコアに、愛美はだんだんと心を許すようになっていきます。

そんな中、コアの会社の社員旅行を愛美が任されることになります。ツアーの行き先は、幼い頃、母とクジラをみた思い出の島「座間味島」。宿泊先も、偶然にもその時と同じ民宿でした。

寂しそうな愛美を心配するコアは、この島で彼女の過去を知ることになります。

12年前の誕生日、愛美は母と座間味島に旅行に来ていました。一緒に、クジラの大ジャンプを見て感動し、キレイな海を眺め幸せな時間を過ごしました。

「愛美にはこれから素敵な未来があるのよ」母が残した言葉です。

幸せな旅行から帰った次の日、阪神淡路大震災が起こります。愛美の母は帰らぬ人となりました。

自分だけ生き残ってしまった。思い出も何もかも焼けて無くなった。なんで自分だけ生き残ったのか?生きる理由があるのか?壮絶な悲しみと喪失感に、愛美は心を閉ざし続けてきたのでした。

「素敵な未来って限られた人にだけあるのかな」と、前に進めない愛美にコアは、「過去は変えられないけど、未来は自分の手で変えられる」と告げます。

座間味島の思い出に、クジラのストラップをプレゼントするコア。コアのまっすぐで温かな心に、愛美は惹かれていくのでした。

二人の距離は縮まるかに見えましたが、そこにはやはり国境の問題がありました。

叔母は自分の経験から、外国人とだけは付き合わないで欲しいと、愛美とコアの関係を許してくれません。また、コアの研修終了時期があと3カ月と迫ります。

コアは愛美に自分の故郷、ベトナムを見て欲しいと飛行機のチケットを手渡します。愛美は、本当にこの恋に走り出していいのか、勇気がでません。

でも、常に前向きなコアにも辛い過去があり、ベトナム人として生まれてきたことに後悔し、生まれ変わりたいと何度も思ったこと。

そんな自分の過去の感情に打ち勝ち、今を完全燃焼で生きることを決めたコアの強さに、愛美は自分も変わりたいとベトナム行きを決めるのです。

以下、『クジラの島の忘れもの』ネタバレ・結末の記載がございます。『クジラの島の忘れもの』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
舞台はベトナムへと移ります。

コアの故郷、ベトナムを訪れた愛美は、初めての経験や美しい景色に触れ笑顔が増えていきます。

ベトナム最後の日に、コアはサプライズで愛美のバースデーパーティーを用意します。

何年間も嫌いだった誕生日が、幸せの瞬間へ変わります。自分も変わりたい。前に進みたい。自分を好きになりたい。愛美の心が叫び出します。

再び日本に戻り、いよいよ二人の関係も未来へ向けたものになると思いきや、ランという女の登場です。のちにコアの妹だったと誤解は解けるのですが、ランがもとで二人はすれ違います。

傷心で座間味島を訪れる愛美。誤解を解きたいコアも追いかけます。無事、誤解の解けた二人に、まるで祝福するかのような奇跡が起こります。

それは、民宿の「お客様ノート」に、12年前の愛美と母の写真とメッセージが残されていたのです。

震災で全部なくしたと思っていた母との写真が、1枚だけ残されていたのです。愛美の幸せな未来を願う母のメッセージは、愛美の背中を押してくれました。

本島に戻るフェリーの上で、愛美はコアに自分の気持ちを告げます。

好きな気持ちをまっすぐ告げる愛美に、コアからもプロポーズをします。その時、「クジラだっ!」と乗客から声があがります。

二人の目の前で、クジラが大ジャンプ!美しいブリーチを描きます。

ベトナムでは、クジラは神様だと言われています。愛美の未来を祝福する母からのプレゼントだったのかもしれません。

いよいよ、コアがベトナムへと帰る日。二人は、結婚はあせらずに、お互いの暮らしを大事にしながら、将来の約束をします。心が通じ合っているからこその決断でした。

映画『クジラの島の忘れもの』の感想と評価


(C)クジラの島の忘れもの製作委員会

震災は決して忘れてはいけない記憶ですが、そのことで今も苦しんでいる方々がいると思うと胸が痛みます。

この映画の中でコアの「悲しい過去は変えることは出来ないけど、未来は自分の手で変えられる」という言葉があります。

過去を忘れるのではなく、その記憶ごと抱え未来へと進む心の強さを感じられた映画でした。

愛する人を失った悲しみから立ち直ろうとする愛美を演じた、大野いとさんの繊細な演技と、紳士的で深い愛情の持ち主コアを演じた、森崎ウィンの爽やかな演技にも注目です。


(C)クジラの島の忘れもの製作委員会

まとめ


(C)クジラの島の忘れもの製作委員会

映画『クジラの島の忘れもの』のあらすじと結末、感想を紹介してきました。

心に悲しみを抱いた女性が、ひとりの青年との出会いで前向きに成長していく姿、そして母からの奇跡のプレゼントに感動すること間違いなしです。

世界が恋する海と言われる座間味島の海の景色、クジラのブリーチ、ベトナムの夕日など美しい景色にも癒されます。

そして、この映画の主題歌を手掛けているのは、長淵剛さんの息子さんでもあるReNさんです。主題歌「Umbrella」は、映画の二人の純粋な愛を歌うかのように心に響きます。

悲しみから前に進めない時、映画『クジラの島の忘れもの』をご覧ください。少しでも前に進めるきっかけになれる映画です。

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