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映画『トーナメント(2018)』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

『ウォーキング・デッド』の監督ジュリアス・ラムゼイが手がけた映画『トーナメント』

本作の上映は渋谷ヒューマントラストシネマにて、2018年7月21日から7月27日まで、2018年9月9日からシネ・リーブル梅田で公開されます。

今回はホリブル国際映画祭で最高賞を受賞した、映画『トーナメント』をご紹介します。

映画『トーナメント』の作品情報


(C)2017 Twentieth Century Fox

【公開】
2018年(アメリカ映画)

【原題】
Midnighters

【脚本・監督・製作】
ジュリアス・ラムゼイ

【キャスト】
アレックス・エッソー、パーラ・ヘイニー=ジャーディン、ウォード・ホートン、アンドリュー・ローゼンバーグ

【作品概要】
『ウォーキング・デッド』の監督、ジュリアス・ラムゼイの長編デビュー作。

大晦日の夜に、ひき逃げをした若い夫婦が、謎の男の登場により、命がけの戦いを始める事になる恐怖を描く、ホリブル国際映画祭の最優秀作品賞など数々の賞を受賞したスリラー。

映画『トーナメント』のあらすじとネタバレ


(C)2016 New Year Productions LLC All Rights Reserved
大晦日の夜。

妻のリンジーの職場で開かれたパーティーに参加したジェフは、乗り気ではありませんでした。

ジェフは失業中で、リンジーの同僚達と騒ぐ気分になれなかったのです。

リンジーと車で帰宅する事にしたジェフは、飲酒した状態で運転をし、道路の真ん中に立っていた男をひいてしまいます。

取り乱したジェフは、男を病院に連れて行こうとしますが、男は息絶えてしまいます。

ジェフはリンジーと共に、事件を無かった事にする為、自宅に連れて行き処分しようとします。

自宅のガレージに男を置いたジェフとリンジーは、男のポケットにメモが入っている事に気付きます。

そのメモには、リンジー達が住んでいる自宅の住所が書かれていました。

メモの内容を不気味に思うジェフですが、車のナンバープレートが外れていた事に気づき、リンジーを置いて再び事故現場に戻ります。

事故現場には、警察が到着しており、現場の検証をしていました。

逮捕される事を恐れたジェフは、その場から逃げるように立ち去ります。

リンジーの妹、ハンナはジェフとリンジーの自宅に居候していました。

帰宅したハンナは、ガレージに置き去りにされ、息を吹き返した男に足を掴まれます。

驚いたハンナは、拳銃で男を射殺しますが、警察には届けず、ジェフとリンジー、ハンナの3人で秘密にする事にします。

次の日、警察官2人がジェフとリンジーを訪ねます。

殺人がバレたと思い取り乱すリンジーですが、警察官は落としたナンバープレートを届けて立ち去ります。

ハンナは、ガレージの男が自宅のメモを持っていた事に、心当たりがありました。

ハンナが過去に付き合っていた資産家の男が、仲間にそそのかされて、詐欺を働いていましたが、詐欺から抜ける事を望みます。

ですが、ハンナの恋人は詐欺グループの仲間に殺害されてしまいます。

目の前で恋人が殺害された事に取り乱したハンナは、部屋にあった恋人のバッグを持って逃げ出したのでした。

ハンナの部屋に隠してあった恋人のバッグを開けると、そこには謎の引き換え番号が書かれた、チケットが入っていました。

ジェフとハンナは、チケットに書かれている住所に向かいます。

1人で留守番をしていたリンジーの元に、スミスと名乗る刑事が現れます。

再び話を誤魔化そうとしたリンジーに、スミスは襲いかかり、「昨夜、殺した男は何処だ?」と問い詰めてきます。

チケットに書かれた住所にある、屋敷に到着したジェフとハンナ。

ハンナは1人で引き換えに行き、5万ドルが入った鞄を持って戻って来ます。

突然手に入った大金に喜ぶジェフ、ですがその頃、リンジーはスミスに縛られ拷問を受けていました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『トーナメント』ネタバレ・結末の記載がございます。『トーナメント』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
スミスに縛られたリンジーですが、隙をついて抜け出す事に成功、油断していたスミスの後頭部を鈍器で殴り、椅子に縛りつけて監禁します。

戻って来たジェフとハンナに、リンジーはスミスの事を教え、怒ったジェフはスミスに暴行を加えます。

スミスに暴行を加えるジェフとリンジーを置いて、ハンナは逃げるようにその場を立ち去ります。

スミスは暴行を受けながらも、言葉巧みにはぐらかそうとする為、業を煮やしたリンジーは、ジェフに命じてスミスの足の指に釘を打ち込みます。

リンジーの拷問に耐えられなくなったスミスは、自分が資産家である事と、ハンナが持っている鞄を回収に来た事を白状します。

事実を知ったジェフとリンジーは、スミスを始末し、ガレージの男と共に捨てに行く事を計画します。

スミスを始末する為に、拳銃を取りに行ったジェフですが、引き出しに入れた5万ドルと拳銃が消えている事に気付きます。

ジェフが部屋に戻ると、リンジーが何処かに電話をしていました。

不審に思ったジェフが問い詰めると、ジェフが5万ドルの為に、ハンナも殺害しようとしていると感じたリンジーが、ジェフに拳銃を向けます。

一方、拷問を受けたスミスを、ハンナは助け出します。

ハンナが過去に付き合っていた恋人はスミスでした。

ですが、スミスはハンナの首を締めて殺害し、部屋を抜け出します。

ジェフとリンジーはガレージで揉めていました。

「お前の事を愛している」とリンジーに語るジェフですが、スミスに串刺しにされてしまいます。

落ちていた拳銃を奪い取り、リンジーに暴行を加えながら勝ち誇るスミス。

リンジーは逃げながら、最後の力を振り絞りガレージのシャッターを開けます。

そこには警察が、銃を構えていました。

警察は銃を持っているスミスを射殺し、リンジーを助け出します。

警察署から帰宅したリンジーは、チケットに書かれていた屋敷を1人で訪ねます。

ハンナが持っていたチケットを、屋敷にいた男に渡すリンジー、すると男はハンナが受け取らずに保管していた大金をリンジーに渡します。

リンジーは大金を手にして、ベッドに横たわり至福の表情を見せます。

映画『トーナメント』の感想と評価


(C)2016 New Year Productions LLC All Rights Reserved
突然巻き起こる、命をかけた争いを描いた本作、事前の情報などから『SAW』シリーズのような、いわゆるデスゲームのような内容を想像していましたが、実際の内容は、疑心暗鬼から巻き起こる、醜い争いを描いています。

映画序盤から、ジェフはリンジーに劣等感を抱き、リンジーはジェフに不安感、ハンナはジェフとリンジーに反発心を抱いており、スミスと大金が登場した事で、3人が隠していた感情があらわになり、微妙なバランスで成り立っていた関係が崩れていきます。

正直、派手な展開はありませんが、ゆっくりと確実に崩れていく人間関係の様子は、リアリティを感じる展開となっています。

登場人物全員が、嘘を吐いている為、観賞中は「誰が本当の事を言っているのか?」「誰の行動が正しいのか?」が全く読めず、後半は終始ハラハラし続ける映画となっています。

まとめ


(C)2016 New Year Productions LLC All Rights Reserved

本作を語る中で避けて通れない問題が、ポスターの印象と作品内容が違うんじゃないかという点です。

特に、キャッチコピーの「罪人たちで殺し合う世界一過酷なデス・ゲーム開幕」ですが、「登場人物は犯罪者という程でもない」と感じる人も多いのでは無いでしょうか?

ですが、この作品は語られていない部分が多く、そこを深読みすると、作品の印象も変わると思うので、残されている謎を見ていきましょう。

まず、ジェフとリンジーが車でひいてしまった男は何者だったのか?ですが、この男の正体に関して、ハンナとスミスの会話の中で、スミスがハンナの生存を確認する為に寄越したと語っています。

では、男はスミスに雇われたのでしょうか?

また、スミスがハンナの恋人だった資産家だとすると、命を狙われているはずですので、命を落としかねない程の重傷を負っているはずですが、スミスにその様子はありません。

逆に、ジェフとリンジーがひいてしまった男は、車にぶつかる前から、傷だらけの容姿でした。

もしかするとですが、男が資産家で、ハンナとスミスは資産家の男から資産を奪い、命を奪おうとしたのではないでしょうか?

そして、資産を取り戻す為に、男はハンナの住む家を訪ねたのかもしれません。

また、作品最大の謎として、リンジーは何者なのか?という点があると思います。

銀行員という事ですが、椅子に縛られた状態から脱出し、手慣れた様子でスミスを拷問していました。


(C)2016 New Year Productions LLC All Rights Reserved

映画のラストも、リンジーは大金がある事を確信しているような行動をとっています。

ジェフが無職の状態で新居に引っ越していますが、その不可解な行動から、今回の一連の出来事は、リンジーが仕組んだ事ではないのかとすら思います。

このように映画観賞後に、いろいろと深読みする事も、映画の楽しさではないかと思います。

映画『トーナメント』は、渋谷ヒューマントラストシネマで、7月27日に公開終了、9月9日からシネ・リーブル梅田にて公開となっています。

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