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映画『カルロス・カイザー サッカー史上最も奇妙な成功者』あらすじ感想と評価解説。ドキュメンタリーで描く“サッカーをしない最も有名な選手”の物語|映画という星空を知る人よ298

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第298回

1980年代~1990年代にジーコやベベト、ロマーリオらのチームメイトとして、フラメンゴ、フルミネンセ、ヴァスコ・ダ・ガマなどのプロのサッカーチームを渡り歩いたカルロス・エンヒキ・ラポーゾ。

サッカーボールに触れることなくチームに所属し、サッカー選手としての名声を欲しいままにした彼は、皇帝をもじった‟カルロス・カイザー”と呼ばれました。

映画『カルロス・カイザー サッカー史上最も奇妙な成功者』は、カルロス・カイザーが嘘で塗り固めた自らの半生を暴露した作品です。

選手登録しながら一度も試合にでたことのないカイザーが、サッカーが下手なことは彼を知る人たちの間ではわかっていました。

ですが、2010年に彼自身が明らかにするまで、誰一人として、カイザーの嘘を暴露しなかったのです。

それに気づいたルイス・マイルズ監督は、人を魅了するカイザーの魅力に触れ、彼の嘘を暴く形で本作を作り上げました。

『カルロス・カイザー サッカー史上最も奇妙な成功者』は、2026年8月14日(金)よりキノシネマ新宿、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開です。

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

映画『カルロス・カイザー サッカー史上最も奇妙な成功者』の作品情報


(C)2017 NODS AND VOLLEYS PRODUCTIONS. ALL RIGHTS RESERVED

【日本公開】
2026年(イギリス、ブラジル合作映画)

【原題】
Kaiser! The Greatest Footballer Never to Play Football

【監督】
ルイス・マイルズ

【ポルトガル語字幕監修】
鈴木國弘

【出演】
カルロス・エンヒキ・ラポーゾ(カイザー)、ジーコ、ベベト、レナト・ガウショ、アレクシャンドレ・トーレス、リカルド・ローシャ

【作品概要】
元ブラジル代表のレナト・ガウショが「サッカーをしなかった最も偉大なサッカー選手」と呼ぶカルロス・エンヒキ・ラポーゾ(カイザー)。

本作は、‟サッカー史上最も奇妙な成功者”として語り継がれるカイザーの実録を、ルイス・マイルズ監督が映像化しました。

1990年代に、その話術と数々の策でプロのサッカークラブを次々と渡り歩いたカイザーの数々の逸話が、本人や当時を知るサッカー関係者らの口から語られます。

映画『カルロス・カイザー サッカー史上最も奇妙な成功者』のあらすじ


(C)2017 NODS AND VOLLEYS PRODUCTIONS. ALL RIGHTS RESERVED

サッカーをしなかった最も偉大なサッカー選手”カルロス・エンリケ・ラポーゾ”。

人々から”カイザー”と呼ばれた男は、巧みな話術や人脈を駆使してブラジルや海外のクラブと契約を結び続け、プロサッカー選手としての経歴を積み続けます。

ですが、クラブチーム加入後は故障を装い、練習中にトラブルを起こすなどして公式戦でプレーする状況を徹底的に回避。

さらには、海外クラブやエージェントからのオファーを装うため、偽の携帯電話を使うなどして自らを演出、周囲を欺き続けました。

カイザーは、2003年に26年のプロサッカー選手としてのキャリアを終え、2010年から自らのストーリーを話し始めます。

そして、イギリスのドキュメンタリー監督であるルイス・マイルズに、さらなる嘘を突きつけられ、遂に他人の人生を生きた理由を自ら語り始めました。

映画『カルロス・カイザー サッカー史上最も奇妙な成功者』の感想と評価


(C)2017 NODS AND VOLLEYS PRODUCTIONS. ALL RIGHTS RESERVED

サッカー好きなら誰もがプロサッカー選手に憧れを抱き、サッカー選手になる夢を持つことでしょう。

特にサッカー王国ブラジルでは、プロになることが貧困からの抜け道と言え、サッカー熱は盛んです。

その反面、サッカー人気が高ければ高いほど、プロを夢見る者は多く、その道は険しく遠いものです。

またそこには、身体能力や運動神経の良い者、卓越したボールセンスを持つ者など、人一倍優れたサッカー技術が求められます。

そんな厳しい登竜門をボール扱いが大の苦手とするカルロス・カイザーがやすやすと潜り抜け、選手としての名声と人気で栄華の極みを堪能します。

その秘密は、彼の話術と社会情報を巧みに操る作戦にありました。

詐欺師のような手口で、スター選手になりすまし、マフィアのボスまでをも味方につけて、試合をしたことがないのに有名なサッカー選手の座に君臨したのです。

嘘がバレかけて危うい目にあったことも幾度かありました。そのたびに、自身が持っている強い運気が彼を救います。

本作では、ベベトが「笑える1日」と語る事件を始めカイザーの数々の武勇伝と言うべき逸話が、本人や当時を知るサッカー関係者らの口から次々と語られます。

笑ってしまうようなエピソードもあり、カイザーの生活スタイルを守ろうとする涙ぐましい努力に驚くことでしょう。

彼が繁栄を得たのは、インターネットで情報が入手できるようになる前の1980年代〜1990年代です。

情報が簡単に入手できなかった時代とはいえ、なぜカイザーがこのようなことが出来たのか。

数々の証言からなる本作で、その理由を探ってみてはいかがでしょう。

まとめ


(C)2017 NODS AND VOLLEYS PRODUCTIONS. ALL RIGHTS RESERVED

元ブラジル代表のレナト・ガウショが「サッカーをしなかった最も偉大なサッカー選手」と呼ぶ男、カルロス・エンリケ・ラポーゾ。人は彼をカルロス・カイザーと呼んでいます。

レナトの友人となり、彼の名を語っての名声と富を手に入れたカルロス・カイザーは、1980年代~1990年代にプロのサッカー選手として、有名なサッカークラブを渡り歩きます。

詐欺師やペテン師と呼ばれても仕方のないほど、周囲の人間に嘘をついて生きて来たカルロス・カイザーが、2010年に自らこの事実を明らかにしました。

なぜこれまで誰一人として、彼の大嘘を暴露しなかったのでしょう。映画には、彼が自分の立場を守るために必死になる様子も描かれています。

笑いを誘うエピソードも描かれた本作からは、大好きなサッカーで有名になりたかった一人の男の純粋な思いが伝わってくることでしょう。

『カルロス・カイザー サッカー史上最も奇妙な成功者』は、2026年8月14日(金)よりキノシネマ新宿、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開されます。

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星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。



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