映画『500ページの夢の束』は、9月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー。
天才人気子役から大人の女優になったダコタ・ファニングと、『JUNO/ジュノ』や『マイレージ、マイライフ』のプロデューサーが贈る、人生をあきらめないあなたを応援する映画が、今、話題になっています。
ダコタ・ファニング演じるウェンディを待ち受ける旅の行方と、彼女が書いた“オリジナルの『スター・トレック』脚本”に込めた想いとは?
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映画『500ページの夢の束』の作品情報
【公開】
2018年(アメリカ映画)
【原題】
PLEASE STAND BY
【監督】
ベン・リューイン
【キャスト】
ダコタ・ファニング、トニ・コレット、アリス・イヴ
【作品概要】
『セッションズ』で知られるベン・リューイン監督が、スタート・レック好きのウェンディ役に、『I am Sam アイ・アム・サム』などの子役時代を経て活躍する女優ダコタ・ファニング迎え、人生をあきらめないためのハートフル・ストーリー。
共演に『リトル・ミス・サンシャイン』のトニ・コレット、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のアリス・イヴが脇を固めます。
映画『500ページの夢の束』のあらすじ
ウェンディの大好きなものは、不滅のSFドラマとして知られる『スター・トレック』。
彼女は好き過ぎ、その知識なら誰にも負けないことを自負しています。
そんなウェンディの趣味といえば、自分なりにカーク船長やスポックが活躍する『スター・トレック』の脚本を書くことでした。
しかし、自閉症を抱える彼女は、ある理由があることから、唯一の肉親である姉と離れて暮らしていました。
ある日、ウェンディにとって最も良い知らせが舞い込みます。
それは大好きな『スター・トレック』脚本コンテストが開催されることを知ったのです。
ウェンディは渾身の作品を書き上げましたが、もう、郵送では締切に間に合わないと気付きます。
そこで脚本コンテストの開かれるハリウッドまで、愛犬ピートとともに数百キロの旅に出ることを決意します。
ウェンディは書き上げた500ページにも及ぶ脚本と、胸に秘めた“ある願い”を携えて…。
映画『500ページの夢の束』の感想と評価
見どころ1:ウェンディの個性を引き立てる衣装と内装
独特の日課を持つウェンディ。彼女の服装へのこだわりは、曜日毎に異なるセーターの色。
月曜日はオレンジ、火曜日はラベンダー、水曜日は青、…。
ウェンディの服をみたら今日が何曜日だか、自然とわかっていまいます。
ざっくりとした手編みのセーターは、ウェンディの個性を引き立てています。
編み物という規則的な運針が、ウェンディの心を落ち着かせる効果があるのかも。
映画の中には、時折無心に編み物をするウェンディの姿が映ります。
そして愛犬ピートもウェンディお手製の手編みの衣装を着ています。その柄はもちろん、リュックと同じ。例の……。
小柄なピートがウェンディとお揃いののリュックを背負って歩いているよう。二人ともとってもキュートなのです。
彼女の部屋にも注目です。落ち着いた色調は、まるで宇宙空間を彷彿とさせます。
見どころ2:『スター・トレック』の配役と重ね合わせると??
参考映像:『スター・トレック(宇宙大作戦)』
この作品と『スター・トレック』の配役を重ね合わせると、物語の隠されたメッセージが見えてきます。
『スター・トレック』に登場する宇宙船USSエンタープライズの乗組員、カーク船長は、行動力と決断力に優れた指揮官です。
副長のスポックは、バルカン人と地球人とも間に生まれ、論理と理性で感情を制御しているため、人の気持ちを理解できません。
そして、人情味溢れるドクターマッコイ。
カーク船長、スポック、マッコイ。この3人が、今回の物語の設定と関連づけられます。
そう、物語の主人公ウェンディは、バルカン人の血を持つスポックと同じ。障がいを持つウェンディは、どうしても人の目を見ることや、心を理解したり、空気を読むことが苦手。
でもそのスポックこと「ウェンディ」を暖かく見守るのが、「カーク船長」、「マッコイ」とその「娘」なのです。
まとめ
ウェンディは、脚本を書くことを通じて、自身の持つ“障がい”を自らの手で乗り越えようとしていきます。
その道のりは決してやさしいものではありません。
障がいを抱える人が直面する問題を、監督は厳しい視点で描いていきます。
でもふとした出会いによって、「人間の繋がりもまだまだ捨てたもんじゃないな」と思わせてくれます。
勇気を出して、前に向かって行くこと。『Please Stand By(原題:そのまま待機)』を飛び越えて進むウェンディに、いつの間にか私たちも勇気をもらっているのです。
映画『500ページの夢の束』は、9月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー。