映画『ジャンプ、ダーリン』は2024年1月19日(金)よりヒューマントラスト渋谷ほかで全国順次公開!
カナダの片田舎で暮らす祖母とドラァグクイーンの孫の関係を、温かな視線で見つめたヒューマンドラマ『ジャンプ、ダーリン』。
海外のLGBTQ+映画祭で多数受賞・ノミネートを果たした本作は、数々の短編映画を制作してきたフィル・コンネルが初の⾧編映画監督を務めました。
米テレビ業界最高峰のエミー賞を8回獲得したオスカー女優クロリス・リーチマンと、初の⾧編映画出演となるトーマス・デュプレシが、濃密な関係性を持つ祖母と孫を見事に演じ切りました。
胸を打つ人間ドラマの魅力をご紹介します。
映画『ジャンプ、ダーリン』の作品情報
【日本公開】
2024年(カナダ映画)
【監督・脚本】
フィル・コンネル
【キャスト】
トーマス・デュプレシ、クロリス・リーチマン、リンダ・キャッシュ、ジェイン・イーストウッド、タイノミ・バンクス
【作品概要】
『Chest of Doors(原題)』(2005)など数々の短編映画を制作してきたフィル・コンネルの初⾧編監督作品。監督自身の祖母との「エンド・オブ・ライフケア」に関する会話、自身が表現者として生きる選択をした経験を基に、ドラァグというクィア・カルチャーの中で描いたヒューマンドラマです。
主演は、初の⾧編映画出演作ながら今作で賞を多数受賞したトーマス・デュプレシ。そして人気ドラマ『メアリー・タイラー・ムーア・ショー』(1970〜1977)で知られ、米テレビ業界最高峰のエミー賞を8回獲得したオスカー女優クロリス・リーチマンが出演。2021年に逝去した名優が「老い」を等身大の姿で表現しました。
ロサンゼルス・ゲイ・レズビアン映画祭でクロリス・リーチマンが審査員大賞を受賞するなど、数々の映画祭で高い評価を受けています。
映画『ジャンプ、ダーリン』のあらすじ
俳優から転身しドラァグクイーンとなったラッセルは、大切なショーの直前に⾧年付き合っていたボーイフレンドから「俳優に戻ってほしい」と伝えられました。舞台から逃げ出したラッセルは、彼氏と同棲していた家を飛び出します。
無一文で帰る家もないラッセルは、祖母マーガレットのもとに身を寄せました。以前彼女は、ラッセルに「自分の車を譲る」と書いたカードを送っていました。
再会を喜び合うふたりでしたが、彼は久しぶりに会った祖母の様子がどこか違うことに気づきます。ラッセルは祖母の家をすぐに出ようとしましたが、祖母に呼び止められ、シャワーを浴びたいので手伝ってほしいと頼まれます。
マーガレットは自分の衰えを自覚しつつも、娘エネから勧められる地元の老人ホームへの入居を拒み続けていました。
祖母のために、ラッセルはしばらく一緒に暮らすことを決心しますが……。
映画『ジャンプ、ダーリン』の感想と評価
生きづらさを抱えるドラァグクイーンの青年ラッセルと、彼が身を寄せた祖母マーガレットとの心の交流を温かく描く作品です。
ドラァグクイーンのステージを放り出して逃げ出したラッセルが、無一文のまま祖母の家を訪れたところから物語が始まります。
久しぶりに会った祖母が、年月を重ねて変わってしまっていることに気づいたラッセルは、すぐに出て行こうとしました。しかし祖母は孫を「ダーリン」と呼び続け、自分が施設に入れられそうになっていることを話します。
認知症となっていても、祖母から自分への変わらぬ愛情を感じたラッセルは、彼女をひとり残して去ることができませんでした。
情にあつく心優しいラッセルと、彼を慈しむマーガレットとの絆は、観る者の心を温めてくれます。
マーガレットの老いてゆく哀しみを見事に体現し、2021年に逝去したオスカー女優クロリス・リーチマン。そして長編作品初出演ながらラッセルを繊細に演じたトーマス・デュプレシの見事な演技から目を離せなくなることでしょう。
ラッセルとマーガレットの二人は、どのような結末を迎えるのでしょうか。どうぞ最後までお楽しみください。
まとめ
ドラァグクイーンとして生きていくかどうか悩みながら恋人に別れを告げた青年と、認知症が現れ始めた祖母との絆を描くヒューマンドラマ『ジャンプ、ダーリン』。
自分が変わっていくことを理解している祖母マーガレットの抱く歯がゆさと哀しみ、そしてラッセルが抱く生への苦しみが胸に迫ります。そして映画は苦しみながら身を寄せ合う二人の姿を、尊く美しく映し出します。
自分の人生に正面から向き合う二人の放つ強い光が、感動を呼ぶ一作です。
映画『ジャンプ、ダーリン』は2024年1月19日(金)よりヒューマントラスト渋谷ほかで全国順次公開!