Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2021/12/07
Update

ボブという名の猫2 |あらすじ感想と評価解説。猫からの贈り物である‟幸せのギフト”が観客を魅了する|映画という星空を知るひとよ81

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第81回

映画『ボブという名の猫2 幸せのギフト』は、2022年2月25日(金)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー!

原作はジェームズ・ボーウェンのノンフィクション。その日暮らしの青年が1匹の猫との出会いを通して人生の再生をしていく姿を描いた『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』(2017)の続編です。

出版記念パーティーに出席した帰りに、警察官に連行されそうになるホームレスの青年をジェームズが助け、自分とボブの路上で過ごした最後のクリスマスの話をします。

ホームレスのストリートミュージシャンからベストセラー作家に転身を果たしたジェームズと、茶トラの彼の飼い猫ボブとの心温まる物語。

前作に続きルーク・トレッダウェイが主演で、監督はチャールズ・マーティン・スミスが務めます。

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

映画『ボブという名の猫2 幸せのギフト』の作品情報


(C)2020 A Gift From Bob Production Ltd. All Rights Reserved.

【日本公開】
2022年(イギリス映画)

【原作】
ジェームズ・ボーウェン

【脚本】
ギャリー・ジェンキンス

【監督】
チャールズ・マーティン・スミス

【撮影】
デビッド・コネル

【美術】
アントニア・ロウ

【編集】
クリス・ブランデン

【音楽】
パトリック・ニール・ドイル

【キャスト】
ルーク・トレッダウェイ、クリスティーナ・トンテリ=ヤング、ファルダット・シャーマ、アンナ・ウィルソン=ジョーンズ、ボブ(猫)

【作品概要】
本作『ボブという名の猫2 幸せのギフト』は、ホームレス同然のストリートミュージシャンが一匹のノラ猫との出会いによって再生していく姿を描いた前作『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』(2017)の続編。

その日暮らしの主人公が、最も困難で苦しい選択を迫られた忘れられない路上生活最後のクリスマスの話をホームレスの青年に語ります。

前作に続き主役は、『アタック・ザ・ブロック』(2011)『タイタンの戦い』(2010)のルーク・トレッダウェイ。本作の監督はチャールズ・マーティン・スミスが務めます。

映画『ボブという名の猫2 幸せのギフト』のあらすじ


(C)2020 A Gift From Bob Production Ltd. All Rights Reserved.

ホームレス同然の生活を送っていた青年ジェームズのもとへ、ある日足を怪我した茶虎のノラ猫がやって来ました。ボブと名付けられた猫はそのままジェームズの飼い猫となります。

いつしかライブを行うジェームズのそばにボブも居るようになり、ボブとジェームズは有名になりました。そのかいあって、ジェームズはベストセラー作家への転身を果たしたのです。

出版社のクリスマスパーティに出席した彼らは、その帰り道で、路上演奏違反で警察官に取り押さえられたホームレスの男性を助けました。

ジェームズは自暴自棄になっているその男性に、路上で過ごした自分の最後のクリスマスの話を語り出します。

それはジェームズにとって、最も困難で苦しい選択を迫られた忘れられない日でした。

映画『ボブという名の猫2 幸せのギフト』の感想と評価


(C)2020 A Gift From Bob Production Ltd. All Rights Reserved.

ボブとの暮らしにさす暗い影

ベストセラー作家に転身してやっと夢を叶えたジェームズ。そんな彼が自暴自棄になっているホームレスの青年に語ったのは、自分が最も辛い選択を迫られたクリスマスの話でした。

前作『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』では、怪我をしたボブを手厚く看病したジェームズに恩返しをする猫のボブの姿が見られます。

前作から一人と一匹がしっかりとお互いの存在を確かめあい、信頼を築いて、離れられない絆を作り上げてきました。本作で語られるのは、信頼を築いてから現在に起った、彼らにとって最もつらい出来事です。

ボブとジェームズに何があったというのでしょう。

悪い予感がわきおこる展開ですが、ツンデレを決め込んでいるのに、時々ジェームズを気遣う素振りをみせるボブの愛らしさが、作品を心温まるものにしています。

何が幸せと言えるのか


(C)2020 A Gift From Bob Production Ltd. All Rights Reserved.

言葉を話せない猫が自分の意志を伝えるのは、並大抵のことではありません。人の勝手な見識や想像によって、ボブも無理やり飼われている可哀想な猫と思われたりします。

ボブの幸せは、いえ、ボブだけに限らず、ペットの幸せというのは、彼らが今置かれた状況に満足しているかどうかで決まるのではないでしょうか。

言葉は話せなくても、飼い主の孤独感や傷ついた心を察して癒してくれる存在のペットは、飼い主にとっては無くてはならない相棒です。

たくさんの友人、ハリのある毎日、満ち足りた笑顔……。

作中でボブがジェームズに与えてくれたもののなんと多いことでしょう。

お互いの存在を確認しあってボブと一緒にいられること。これがジェームズにとっては最高の幸せなのに違いありません。

まとめ


(C)2020 A Gift From Bob Production Ltd. All Rights Reserved.

前作は、猫の恩返しともいうべきストーリー。ノラ猫のボブがジェームズに人生巻き返しのチャンスをくれました。

続編となる本作では、奇跡を呼んだボブの境遇を傍から見て、彼が幸せなのかと問われているようです。

大好きな人と一緒に居心地の良い暮らしができるなら、ボブも何も望まないと思われます。猫のボブにとっては、人間のすることは大きなお世話かもしれません。

ストーリーが展開するにつれ、本作では「いつも一緒に笑顔でいられること」が、ボブとジェームズの最強バディの幸せなのだと確信できます。

幸せを招いてくれるボブ。そんな猫が本当にいるのなら、きっと一緒に暮らしたくなることでしょう。

映画『ボブという名の猫2 幸せのギフト』は、2022年2月25日(金)より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー!

次回の連載コラム『映画という星空を知るひとよ』もお楽しみに。


星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。

関連記事

連載コラム

映画『ギャンブラー・ゲーム』ネタバレ結末評価とあらすじ感想。ギャンブルで家族を守る天才ギャンブラーの姿を描く【B級映画 ザ・虎の穴ロードショー88】

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第88回 深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞す …

連載コラム

Cosmetic DNA主演女優:藤井愛稀さんについて【自主映画監督・大久保健也のニッポン頂上作戦6】

連載コラム『自主映画監督・大久保健也のニッポン頂上作戦』 第6回「『Cosmetic DNA』主演女優:藤井愛稀さんについて」 皆様、お疲れ様です。『Cosmetic DNA』の監督の大久保健也です。 …

連載コラム

トルコ映画『ブラック・ウォリアーズ 』あらすじネタバレと感想。“デリラ”の意味と時代背景を解説|未体験ゾーンの映画たち2020見破録8

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」第8回 様々な映画が大集合して紹介される「未体験ゾーンの映画たち2020」が、今年もヒューマントラストシネマ渋谷で開催。2月7日(金)からはシネ・リー …

連載コラム

『アステロイド・シティ』あらすじ感想と評価解説。ウェスアンダーソン監督がSFコメディを独特の世界観で生み出す|山田あゆみのあしたも映画日和12

連載コラム「山田あゆみのあしたも映画日和」第12回 今回ご紹介するのは、『ムーンライズ・キングダム』(2012)や『フレンチ・ディスパッチ』(2021)などで唯一無二の世界観を誇る監督ウェス・アンダー …

連載コラム

『ジャッジメントフライ』ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。チャリオット計画と飛行機内の密室で目覚めた7人|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー6

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第6回 深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信サービス【U-NEXT …

Cinemago|想像力の海へ、シネマダイビング。
ACT1|次の物語は、人からはじまる。
Cinemagoオンラインショップ|DVD・鑑賞チケット・オリジナルグッズ
『血を吸うスマトラオオコンニャク』
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学