Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2021/11/30
Update

洋画『リライフRe:LIFE』ネタバレあらすじ結末と感想評価。ヒューグラントがマリサトメイと共演で魅せる人生の再スタート

  • Writer :
  • 秋國まゆ

落ちぶれたアカデミー賞脚本家が人生をやり直すヒューマンドラマ。

マーク・ローレンスが脚本・監督を務めた、2014年製作のアメリカのヒューマンドラマ映画『Re:LIFE/リライフ』。

かつてアカデミー賞脚本賞に輝き、ハリウッドのトップ脚本家となったものの落ちぶれてしまった脚本家が、片田舎で大学講師になって人生をやり直そうとする姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

どん底生活を送る脚本家の心が、生徒たちの映画への熱い思いを受けて少しずつ変わり始めていく、アメリカのヒューマンドラマ映画『Re:LIFE/リライフ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『Re:LIFE/リライフ』の作品情報


(C)2014 PROFESSOR PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2015年(アメリカ映画)

【脚本・監督】
マーク・ローレンス

【キャスト】
ヒュー・グラント、マリサ・トメイ、ベラ・ヒースコート、J・K・シモンズ、クリス・エリオット、アリソン・ジャネイ、アニー・Q、アヤ・ナオミ・キング、エミリー・モーデン、スティーヴン・カプラン、ダマリス・ルイス、マギー・ゲハ、ニコール・パトリック、ローレン・マックリン、アンドリュー・キーナン=ボルジャー、オリヴィア・ルッカルディ、キャロライン・アーロン、ジェイソン・アントゥーン、マーク・ネルソン、フランク・ハーツ

【作品概要】
「デンジャラス・ビューティー」シリーズや『ラブソングができるまで』(2007)のマーク・ローレンスが、脚本・監督を務めたアメリカのヒューマンドラマ作品です。

『ラブソングができるまで』(2007)や『噂のモーガン夫妻』(2009)、『フレイザー家の秘密』(2020)などに出演している、ラブコメ俳優ヒューグラントが主演を務めています。

共演は、「スパイダーマン」シリーズのマリサ・トメイや、『セッション』(2014)や「スパイダーマン」シリーズのJ・K・シモンズら豪華俳優陣です。


映画『Re:LIFE/リライフ』のあらすじとネタバレ


(C)2014 PROFESSOR PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

アメリカ・ロサンゼルスに暮らす脚本家キース・マイケルズは、『間違いの楽園』という作品で若くしてアカデミー賞最優秀脚本賞を受賞し、ハリウッドのトップ脚本家となりました。

しかしここ15年間、ヒット作に恵まれず、いつしかキースは、ハリウッドにも見捨てられてしまっていました。

そんなキースに彼の妻ティナは愛想を尽かし、息子アレックスを連れて家を出て行ってしまい、息子と会えなくなってしまいました。おまけに家の電気も止められてしまいました。

そんなキースに唯一残された道は、エージェントのエレンが紹介してくれた、彼女の義理の弟が教授をしている、片田舎の公立大学「ビンガムトン大学」の文学部脚本クラスの客室講師になることでした。

ニューヨーク州ビンガムトン。キースは渋々この仕事を引き受けたからか、着任早々生徒のカレン・ギャブニーを手を出したり、受講希望者が書いた脚本を見ずに選り好みで決めたり、1ヶ月の休講を言い渡してクラスを解散させたりなど好き勝手な振る舞いばかりで全くやる気を出そうとしません。

70人いた受講希望者の中から、キースが選んだ脚本家志望の生徒は、フロー・ベイとアンドレア、カレンとレイチェル・アンズロー。ビリー・フレイジャーとクレム・ロンソン、サラとローザとマヤ、ジェシカの10人ですが、そのほとんどが美人ばかりです。

そんなキースに喝を入れたのは、規律を重んじる元海兵隊出身の学科長ハロルド・ラーナー。懇親会で比較文学を教えているメアリー・ウェルドン教授を侮辱し、怒らせてしまったキースは、このままではクビになるかもしれないからです。

クビは避けたいキースは、メアリーが好きなイギリスの小説家ジェーン・オースティン原作映画の全DVDと、自分が好きな映画『クルーレス』のDVDなどを贈り、彼女の怒りを鎮めようとします。そのおかげか、キースは何とか首の皮一枚繋がりました。

そして、メアリーの助言で受講希望者の脚本をちゃんと読んだ結果、新たに心理学専攻の生徒ホリー・カーペンターが、11人目の生徒として加わることになりました。

ただ、キースには生徒たちに何を教えるべきか、まだ何も考えていませんでした。ホリーが加わってから真面目にした最初の授業は、生徒の自己紹介と、キースが今もトップ脚本家として活躍しているという嘘で何とか持たせました。

講義の後、キースはカレンと懇意にしているところを、隣人であり同僚のジム・ハーパー教授に知られてしまいました。

キースはジムに、「生徒と親しくしていることは大学の規則に違反することになるかな?」と尋ねると、「バレたらクビになること間違いなしだ」と言われ、愕然とします。

次の授業では、キースは自身の講義を受講希望した際、生徒たちが書いた30ページの脚本を最後まで書かせ、その脚本の発表と批評会をすることにしました。

その際、「脚本を書くという作業は海に飛び込むようなもの。“衝動”という救命艇がないと死んでしまうように、その物語を書きたいという“衝動”が必要だ」と説いたキース。

彼は生徒たちから「“間違いの楽園”を書いた理由は?」と尋ねられ、こう答えました。「息子に聞かせていた物語だ」

「今スタンフォード大学に通っている息子と別れた妻と一緒に暮らしていた時、僕の父が死んだ」

「すると当時5歳の息子が、暗闇や死を恐れ始めた。僕はそんな息子を慰めるために、天国の話を作ったんだ」

「でも息子は信じてくれなくて、毎晩鋭い質問を受けて修正した結果、生まれたのが2人のドジな天使の物語。少女の魂を救うために、地獄へ行く話“間違いの楽園”だ」

「“間違いの楽園”は元々、5歳の息子を寝かせるために作ったおとぎ話だったんだ」

そう話すキースは、最後に『間違いの楽園』の続編を作るとしたら、どんな構想が良いと思うかというたらればの話をしました。

生徒たちからのアイデアに刺激を受けたキースは、講義後、カレンから食事に誘われます。

キースは規則違反になるから、教師と生徒以上の関係にならないようにと注意しますが、結局カレンに上手く丸め込まれてしまいました。

しかし、2人がディナーに行ったレストランで、従業員として働いていたホリーに身分証の偽造を追及されたことと、それを庇ってくれなかったキースにカレンは激怒。怒って帰ってしまいました。

1人取り残されたキースは、1人で食事を済ませ、帰路につこうとします。するとそこへ、仕事終わりのホリーが声を掛けてきました。

飲酒運転は危ないからと、自宅まで車で送ると言ってくれたホリー。元ダンサーであり、今は2人の娘を育てるシングルマザーでもある彼女は、キースにビンガムトンの名所であるメリーゴーランドへ案内してくれました。

その時、キースはホリーから、「カレンが書く主人公は父親の愛に飢えている。つまりあなたは、彼女の欲求の単なる捌け口だっただけ」と教えられます。

翌日。ホリーに送ってもらったおかげで、無事家に帰れたキースは授業開始早々、これまでの態度を豹変させたカレンから、厳しい指摘を受けました。

「“間違いの楽園”以外は批評も興行成績も悪いのに、それでも先生の助言を聞くべき?」

痛いところを突かれてしまったキースは、「聞くべきじゃない、何故なら脚本にルールはないからね。自分の声で誠実に語れたらそれでいい」と言って切り抜けました。

その日以降、キースは真面目に生徒たちと、生徒たちが手掛けた脚本と向き合うようになっていきました。

以下、『Re:LIFE/リライフ』ネタバレ・結末の記載がございます。『Re:LIFE/リライフ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2014 PROFESSOR PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

客室講師としての仕事を全うする傍ら、キースは生徒たちの脚本にかける真摯な思いに触れ、たらればで言った『間違いの楽園』の続編を執筆していきました。

そしてキースは、完成した『間違いの楽園』の続編の脚本をエレンに送り、彼女に映画会社に売り込んでもらおうとします。

それに加え、キースはある生徒が手掛けた脚本も送り、自身がそれをプロデュースしたいと、エレンに電話で話しました。

エレンとその話をしていると、キースの前にカレンが現れます。キースはカレンに個人面談を行い、カレンの脚本について話し合いました。

「将来有望なカレンの脚本に足りないのは、主人公に欠陥がないことだ」と言い、我儘で遊び歩いている不良少女にしたらどうだと提案するキースでしたが、自分のことを言われたと思ったカレンは激怒。キースとの親密な関係に終止符を打ちました。

散々な目に遭ったキースを励ましてくれたのは、ジムとラーナーと3人で食事したこと。2人の恋愛事情や家庭環境を聞いて、互いに苦労していることを分かち合いました。

後日。キースはホリーと、彼女が書いた脚本について話し合います。その際、キースが元妻が再婚して以来、1年以上息子と話していないことを知ったホリーは、「授業で息子のことを話題にしていた時、あなたの顔は輝いていたわ」と言いました。

これに対しキースは、「(息子のことを)可愛がっていたからな」と答え、自分の弱音を吐きだします。

「ハリウッドの賛辞ほど怖いものはない。雑誌に載っている連中に絶賛され、友達になる。まるで夢の世界だ」

「だがその後、失敗が続くと、瞬く間に周囲からの信用が地に墜ち、妻は成功作の監督だった男に走る」「“間違いの楽園”の監督で、今もヒット作連発の監督ナイルズ・ケリーだ」

「お陰さまで僕は酒量が増えて、世間知らずの若い女優たちと遊ぶうちに、息子に電話しなくなった。息子に嫌われていると思ったからだ」

「継父は自家用ジェットでハワイに連れて行ってくれるが、実の父親は“ピラニア3D”から降ろされた」「元々、大した父親でもなかったしな」

そう話すキースの話を聞いて、ホリーはこう言いました。「“生きている限り、許しは与えられる。死んだら非常に難しい”、私の大好きな作品である“間違いの楽園”の言葉。息子に電話するべきよ」

このホリーの言葉が、キースに勇気を与えてくれたのでしょう。帰宅後、キースは思い切って、アレックスに電話をかけてみましたが、留守電でした。

そこでキースは、アレックスへの正直な気持ちを留守電に残すことにしました。「この声をもう忘れてしまったかもしれないけれど、僕だよ。父さんだよ」

「どうしてるのかなって思って電話した。それと、“愛してる、会いたい”と伝えたくて」

「もし折り返しの電話を貰えたら凄く嬉しい、番号は前と同じだ。以上パパでした」

翌日。キースは出勤して早々、ラーナーに呼び出しを受けます。それは、先日キースとカレンが言い争っているのを見たメアリーが、ラーナーにキースが生徒と関係を持っていることを話したからです。

黙って辞職するか、それとも非公開の審問会を開いてネットに流れるか。その2択をラーナーから迫られたキースに、さらに追い風となる知らせがエースから届きます。

「スタジオは続編の製作に乗り気なものの、新しい視点で“間違いの楽園”の続編を書いて欲しいから、別の脚本家に頼みたいと言ってきた」

代わりに、キースがもう1つ売り込んで欲しいと頼んだ生徒、クレムの脚本家としての道が開かれることになりました。

これを受け、自暴自棄になってしまったキースは、授業で生徒たちに、何故脚本家なんて目指すのかと尋ねます。

「プロの脚本家になっても書き直され、捨てられ、忘れられる」「永遠の命や幸せが手に入ると思ったら大間違い。脚本家なんて目指さない方が良い」

この日の夜。キースはホリーの職場を訪ね、彼女に授業では言えなかったことを話しました。

「カレンとの関係を知って、ラーナーが“辞めろ”と」「辞職を拒めば倫理委員会の審問会にかけられ、ロサンゼルスにも息子にも伝わる」

「残れるものなら残りたい。ここに来たのは続編のための取材なんかじゃない、仕事がないからだ」

「教師は向いていないし、もうクビになった」「努力だけで仕事は入らないし、息子は電話してこない」………そう話すキースに、ホリーは倫理委員長でもあるメアリーと交渉するしかないと助言しました。

キースはそれに聞く耳を持たず、ホリーに八つ当たりをして喧嘩してしまいました。その後、帰りの車内でキースはエレンに、何でもいいから仕事をくれとお願いしましたが、業界全体が厳しいせいでキースに振れる仕事はありませんでした。

翌日。キースは開口一番に、昨日急性アルコール中毒で倒れたビリー以外の生徒全員に、「今日この町を出る。このクラスを最後まで受け持てない」と言いました。

キースはこの町を去る自分の代わりに、英文科の客員講師クララがこのクラスを受け持つと話し、先日の授業で発した失言を謝罪しました。

「昔描いた映画の中で、11歳の少女が自分は天使になったと気づいた時、家族や友達に会えないことを嘆き悲しむんだ」

「だが年上の天使が、“11歳はいい年だ”と言う。11歳の時は好きも嫌いも、本気の感情だから」

「だが長く生きていると、いろんな妥協を強いられる。それは書くことも同じだと思う」

「11歳の自分はハッキリと、“面白い”とか“バカだ”とか言う。人によって方向性が違うのも真実だ」

「とにかく、ありがとう。君たちを教えられて光栄だった」………そう話すキースに、生徒たちは1人ずつ、彼に感謝と別れの言葉を告げ、教室を立ち去っていきました。

キースは最後に残ったホリーに、これからも関係を続けたい旨を伝えようとしましたが、彼女に上手く躱され、何も伝えられませんでした。


(C)2014 PROFESSOR PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

そんなキースに、エレンから吉報が届きます。クレムが書いた脚本を、キースのファンだと言いながら続編を書かせなかった映画スタジオ、「パラゴン・スタジオ」が買うことになったのです。

キースがプロデュースしたい旨も伝えたところ、製作総指揮ではないですが、キースの名前を入れてくれることになりました。

「今夜、マンハッタンでクレムとあなたに会いたいと言っている」と話すエレンに、キースは二つ返事で答え、大急ぎで荷物をまとめ、ロサンゼルスへ戻っていきました。

キースはロサンゼルスに戻って早々、クレムを連れてマンハッタンの高級レストランで、パラゴン・スタジオのスタッフ2人に会いに行きました。

しかし、パラゴン・スタジオのスタッフ2人はキースに目もくれず、クレムにばかり目を輝かせて話しかけます。

それは彼らが、キースが書きたがらない強い女が主人公のエッジの利いた作品を、クレムが書いてくれたからです。

もう業界は自分を求めていない。そう悟ったであろうキースは、クレムを呼び出し、あとは自分1人でやるよう指示します。

「1人だけじゃ心細い」と縋るクレムに、キースはこう言いました。「かつては僕も君と同じ立場だった、栄光を素直に楽しめばいい」

「相手は君以上に必死だ。それに主役は君だ、僕じゃない」………その言葉を真摯に受け止めたクレムは、胸を張って席に戻り、そんな彼を見送ったキースはビンガムトン行きのバスに飛び乗りました。

キースは熟考の末、メアリーに面会を申し込み、脚本クラスの講師に戻る方法はないか交渉してみることにしたからです。

翌日。キースはラーナーが手配してくれたおかげで、メアリーと面会することが出来ました。

メアリーから厳しい指摘を受ける中、キースはこう言いました。「昨日ビンガムトン空港の手荷物検査で、僕のオスカー像を見た手荷物検査所の女性に“才能がないから脚本を書けない”と批評された時、僕は無意識のうちに彼女に脚本について教えようとしていた」

「教師なんて負け犬だと思うほど、教師嫌いだった僕が、いつの間にか教師の仕事が癖になっていた」

「これから努力すれば、いい教師になり、評価も上がるはず」「それに学生を見ていたら、初心を思い出せた」

「何よりも他の誰かに、僕の代わりを任せたくない」………そう訴えるキースに対し、メアリーは最後のチャンスをあげることにしました。

「いい教師になるには、自分も常に何かを学ぶことよ」と助言したメアリーは、キースに文学教師としての自分の半生を描いた脚本を渡し、忌憚のない意見を求めました。

無事講師に戻ることが出来たキースは、クレムがパラゴン・スタジオと契約したことを知らせてきたエレンに、こう言いました。

「落ちぶれた脚本家が、田舎の大学で教えるって話はどうかな?」………それを聞いたエレンは、その脚本に見合う俳優を手配しようとします。

エレンとの通話後、キースはその足で、ホリーが働いている雑貨屋に向かいました。キースはホリーに、初めてこの店で買った時と同じ傘をレジに出し、こう言いました。

「しばらくここで教師を続けることになった」「働いて子供を育てて、勉強もする君のことを素直に尊敬している」

「大学を離れた途端、君が恋しくなった。一時的な感傷だったかもしれないが、君に生徒以外の感情を持っているのは確かだ」

これはキースなりのホリーへの愛の告白でした。ホリーは仕事終わりに、キースと一緒に店を出て、大学へ向かいました。

学期末まではキースとホリーの関係は、教師と教え子ですが、学期末が終われば………と約束して。

大学へ戻ったキースは、復帰したビリーを加えた11人の生徒に、再び脚本について教えることになりました。

真剣に生徒の話を聞き、授業を始めたキースの携帯には、アレックスからの待望のボイスメッセージが届いていました。

映画『Re:LIFE/リライフ』の感想と評価


(C)2014 PROFESSOR PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

どんな著名人であろうと、アカデミー賞に輝いたトップ脚本家であろうと、いつか否応なしにその業界から消え去らなければならない時があります。

一度栄光を掴んだ者にとってそれは、とても残酷な運命です。映画業界が求める作品を書かないと意固地になったばっかりに、キースは脚本家として求められることはなくなってしまいました。

落ちぶれた脚本家であるキースの姿、言わなくても表情だけで彼の心情が伝わってくるような沈痛な表情を見ているだけで、胸が苦しくなります。

絶望のあまり、自暴自棄になってしまったキースを変えたのは、彼が渋々受け持った脚本家クラスの生徒たちでした。

短い期間であったものの、生徒たちの脚本に対する熱い思いに真摯に向き合ってきたからこそ、キースは失くしてしまっていた脚本に対する情熱を取り戻すことが出来ました。

業種は違ったとしても、夢を目指す者、夢を叶えた者に必ずしも訪れる挫折・苦悩・希望が描かれており、キースと生徒どちらにも感情移入できて感動します。

特にホリーとの出会いは、キースの今までの価値観を変えるものでした。新たな関係を築いていくキースとホリーの姿は、とても微笑ましいです。

落ちぶれた脚本家が人生をやり直そうとする姿は、「人生のシナリオは、いつだって書き直せる」というキャッチコピーを体現したものであり、彼の物語は特に大人が感動させられます。

まとめ


(C)2014 PROFESSOR PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

一度栄光を掴んだトップ脚本家が、ヒット作が出ないばかりに落ちぶれてしまい、大学の講師として生徒に教える道を選んだという、アメリカのヒューマンドラマ作品でした。

本作の見どころは、落ちぶれた脚本家と脚本家志望の生徒の出会いと、キースが人生をやり直していく姿を描いた場面です。

エンドクレジットでは、再び隣人となったジムが新しい恋人、保険外交員のジョーンをキースに紹介している映像。

カレンとサラが完成した脚本を発表しているところ。冷遇されていたラーナーの家庭環境が変わり始め、ラーナーの膝の上に座った娘が本読みを頼んできたことを、ラーナーがキースとジムと昼食に出かけた際に話しているところ。

『ダーティ・ダンシング』を馬鹿にしていたサラが、皆に内緒でこっそり図書室で鑑賞し、それをキースに見られたところが描かれていました。

落ちぶれた脚本家と脚本家志望の生徒が、同じ夢を熱く語り合い、人生をやり直していくヒューマンドラマ映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。

関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』あらすじ感想と評価解説。ロケ地福島で高畑充希×タナダユキが描く社会と“創作”の関わり

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は2021年9月10日(金)より全国ロードショー! 閉館の危機に瀕した映画館の存続をめぐって、さまざまな人の思いが交錯する姿を描いた『浜の朝日の嘘つきどもと』。 福島県に …

ヒューマンドラマ映画

韓国映画『スウィング・キッズ』ネタバレ感想とレビュー評価。タップダンスでミュージカルのごとくバンドとの掛け合いが必見!

朝鮮戦争の最中、捕虜収容所で結成された国籍も身分も異なる5人のタップダンスチーム! 『サニー永遠の仲間たち』で知られるカン・ヒョンチョル監督待望の新作『スウィング・キッズ』。 1951年、朝鮮戦争最中 …

ヒューマンドラマ映画

映画『きらきら眼鏡』の犬童一利監督インタビューとあらすじ。上映館情報も

映画『きらきら眼鏡』は、9月7日(金)TOHOシネマズららぽーと船橋にて先行上映。 また、9月15日(土)より有楽町スバル座、9月29日(土)よりシネマート新宿ほか全国順次公開。 映画『きらきら眼鏡』 …

ヒューマンドラマ映画

映画『ブレスレス』ネタバレ感想と結末までのあらすじ。フィンランドのSM世界に生の意味を見出した男の悲喜劇

再生とも堕落とも受け取れる男の人生を描く『ブレスレス』 妻を喪って以降、生きる目的を失っていた男が、人を痛めつける事だけに喜びを感じる女と出会った事で始まる、危険な物語を描いた映画『ブレスレス』。 人 …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】マイ・ニューヨーク・ダイアリー|感想解説と結末考察レビュー。サリンジャーを題材にした原作をシガニー・ウィーバーとマーガレット・クアリーで描く

ニューヨークで夢追う女性の掛け替えのない日々を描く 90年代のニューヨークを舞台に、老舗出版エージェンシーで働くことになった新人アシスタントの日々を綴る映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』。 ジョア …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学