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Entry 2021/12/07
Update

呪術廻戦0|漫画原作ネタバレ感想とあらすじ内容考察。ラスト結末まで乙骨憂太のストーリーの原点を解説

  • Writer :
  • 薬師寺源次郎

『呪術廻戦』の原点、待望のアニメ化!

2018年の連載開始から爆発的人気を誇り、2020年に放送されたテレビアニメで社会現象まで引き起こした『呪術廻戦』。

“ポスト鬼滅”との呼び声高い本作はテレビアニメ1期放送終了の興奮冷めやらぬ中、劇場版アニメの制作が発表。本編の前日譚であり、原作コミックでも屈指の人気キャラクター・乙骨憂太を主人公とした『呪術廻戦0』の劇場アニメ化は大きな話題となりました。

2021年12月24日の映画『劇場版 呪術廻戦0』公開に向け、本記事では原作コミック『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』のをネタバレ有りあらすじを交えて紹介・解説します。

漫画『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』のあらすじとネタバレ


芥見下々『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』(2018年、集英社ジャンプコミックス)

第1話「呪いの子」

16歳の少年・乙骨憂太は拘束されていました。

強力な呪いを宿す彼を危険視する者たちによって、死刑に処されようとしていた憂太。彼自身も、これまで無関係の人間を傷つけてきたことからそれを受け入れていました。

しかし、呪術高専の講師にして特級呪術師でもある五条悟は憂太の身柄を預かり、高専へ編入させます。

乗り気ではなかった憂太ですが、自身の力を操る術を学ぶため、それ以上に五条の「一人は寂しいよ?」という言葉に抗えず、呪術高専東京校へ向かいます。そこで同学年の高専生である禪院真希、狗巻棘、パンダと出会います。

憂太に宿る呪いにすぐさま気づき敵意を向ける三人。すると、憂太に宿る呪いが姿を現します。

憂太に宿る呪いとは、生前憂太と親しくしていたが交通事故により死亡した際、憂太への想いの強さから呪いと化した少女・祈本里香。彼女は憂太を傷つけようとする存在を守るために憂太へ宿り、時に一般人に危害を加えることもありました。

何とか里香を諫めた憂太を、五条は早速生徒たちの実習へと伴います。その実習にて、憂太は真希とペアを組むことになります。

実習に向かった二人は、とある小学校に巣食う呪いを祓うことに。襲ってくる呪いを次々と祓っていく真希ですが、呪いの動きが鈍いことに気がつきます。

憂太の影響と考えた真希は、憂太に呪術師としての等級を尋ねますが彼にはわかりません。憂太から学生証を取り上げ、確認した真希は「特級」と記されていることに驚きます。

その時、巨大な呪いが現れ、二人は飲み込まれてしまいます。

二人は巨大な呪いの腹の中で、同様に飲み込まれた児童に遭遇。真希は児童が呪いの影響を受け、命が危ないことに気がつきます。

また真希自身も、飲み込まれる際に負った傷から呪いの影響を受けていました。

動揺する憂太ですが、真希からの自信を持ちたければ呪いを祓えという言葉に覚悟を決め、里香を呼び出し、呪いの腹の中から脱出。結果的に呪いを祓い、真希や児童を救出することに成功します。

運び込まれた病院で、五条から真希や児童の無事を知らされた憂太は、里香について「里香が呪いをかけた」のではなく「自分が里香に呪いをかけた」のではと考えていました。

しかし五条は人間の「愛」ほど歪んだ呪いはないと語り、憂太の言葉を否定。憂太は里香の想いの強さを改めて実感し、里香の呪いを解くことを決意します。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには漫画『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』ネタバレ・結末の記載がございます。漫画『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

第2話「黒く黒く」

呪術高専へやってきて3ヶ月が経過した中、憂太は里香の呪いを解く方法として、五条から刀に呪いを移す方法を教わり、そのために日々鍛錬に打ち込んでいました。

ほかの仲間とも少しずつ打ち解けていく憂太ですが、「呪言師」と呼ばれ発する言葉に呪いがかかる棘とは最低限の会話しか出来ないこともあり、うまく関係を築くことができていませんでした。

そんな時、憂太は棘と共に呪いを祓う任務に赴くことに。引率する補助監督の伊地知潔高により、外部干渉を遮断する結界「帳」が張られ、二人は呪いを祓いに向かいます。

商店街に入るとすぐさま低級の呪いの群れが現れますが、棘の呪言で全滅。無事任務が終了したかと思いきや、帳が解除されず、商店街から出ることができません。

いぶかしむ二人の前に、突如新たな呪いが現れます。

その呪いは事前の情報にない高位の呪いであり、二人に対し攻撃してきます。棘は反撃しますが、先ほどの呪言の反動で喉にダメージを負っており、思うように効果が出ません。

二人は一旦、呪いから逃げることに成功しますが、棘は事前に準備していたのど薬を落としてしまいます。憂太は呪いから逃げる手段を考えますが、傷ついた棘は一人、呪いへ立ち向かおうとします。

引き留めようとする憂太に棘は一人で戦う意思を伝えますが、その姿に覚悟を決めた憂太は二人で呪いを祓う決意をします。

二人を探す呪いの前に一人躍り出た憂太は里香の力を宿した刀で攻撃しますが、呪いには大きな傷を与えることはできません。しかし呪いに生じた隙をつき、棘が落としたのど薬を拾うとすぐさま棘へ投げ渡します。

薬を受け取り即座に飲んだ棘は呪言を発動、呪いを祓うことに成功します。

憂太は思うように会話はできないものの、棘が人一倍自分を気遣っていることや、優しい心の持ち主であることに気づき、二人の距離が縮まるのを感じていました。

この出来事を後から知った五条は、裏で糸を引いている人間がいると予想した上で心当たりがあると語ります。

その人物こそ、かつて特級呪術師であったが、一般人を大量虐殺したことで呪術界を追放された特級呪詛師・夏油傑だと五条は断言します。

第3話「弱者に罰を」

夏油は宗教団体を隠れ蓑に、人々から呪いと資金を集めていました。その目的は呪術師優位の社会を築くことであり、そのために呪術高専を陥落させようと目論んでいました。

宣戦布告のため、呪術高専に姿を現した夏油。

夏油の出現に驚く高専の面々でしたが、12月24日、日没と同時に東京と京都に千の呪いを解き放つ「百鬼夜行」を行うと宣言した夏油はその場を去っていきます。

夏油の宣戦布告に対応を協議する呪術界の重鎮たちに、呪術高専東京校・学長の夜蛾正道は可能な限りの呪術師を集め総力戦を行う構えを見せます。

一方の夏油は、夜蛾の考えを見抜いており、戦力差の不利を認めたうえで、逆転の手段を考えていました。それは憂太を殺し、里香を手に入れることでした。

「百鬼夜行」当日、高専で待機している憂太と真希は突如「帳」が張られたことを感知。何者かの襲撃に気がつきます。

一方、新宿で大量の呪いと対峙する五条は、夏油の姿が見当たらないことに気がつきます。夏油の目的が初めから憂太であると理解した五条は同行していた棘とパンダを高専へ送り、憂太を守るよう指示します。

高専に侵入した夏油は、現れた真希や五条に送られた棘、パンダを次々と排除。様子を見に現れた憂太は倒れている仲間たち、そして仲間を傷つけた夏油の姿を見て激高。里香を呼び出します。

第4話「眩しい闇」

夏油がけしかける呪いを次々と祓い、隙をついて仲間を救出した憂太は呪力により治療を施します。

その後、憂太と夏油は激しい戦いを繰り広げます。しかしその最中、里香の呪いを移し替える器である刀が憂太が送る呪力に耐え切れず、破損します。

それでも自身の拳で戦闘を継続する憂太に、夏油は自身が使役する最強の呪いである特級仮想怨霊「化身玉藻前」を呼び出し、くわえて手持ちの呪いすべてを一体にします。

対して、憂太は自身の肉体と魂を差し出すことで里香の制限を解除。完全な姿となった里香をもって夏油と対峙します。

激しい戦いの後、憂太は夏油を退けることに成功。重傷を負った夏油は逃亡を図りますが、夏油の前に五条が現れます。

五条は高専時代の同級生であり、かつては信頼し合っていた夏油に最後に何かを語りかけ、引導を渡します。

真希、棘、パンダらの呼びかけで目覚めた憂太は待っている里香に約束通り、自身の命を差し出そうとしますが、里香は禍々しい呪いの姿ではなく、かつての少女の姿に変化します。

状況を理解できない憂太たちの前に五条が現れ、以前憂太が語っていた「自分が里香に呪いをかけた」と言う仮説が正しかったことを説明します。

かつて里香が交通事故に遭いその命が失われようとしていた時、憂太は里香の死を拒んだことにより、呪いとして里香を使役していました。そして夏油との戦いの際、能力を解放するにあたって契約を破棄した形になったため、里香の魂は解放されたのでした。

自分が里香を束縛していたことを知り、涙を流す憂太ですが、里香は呪いとなった6年間を憂太と過ごすことができ幸せだったと語り、感謝の言葉を残して消えていきます。

里香の解放という目的を果たした憂太は、仲間の元へ歩いていきます。

漫画『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』の感想と評価


(C)2021「劇場版 呪術廻戦0」製作委員会 (C)芥見下々/集英社

本作においての憂太はただ、呪いに振り回される人生であった自身の運命を呪術高専の仲間たちと出会いや自身との葛藤を経て、クライマックスでの夏油との決戦へ至り、やがて呪術界を代表する呪術師へ成長していく様子が描かれています。

その中でも、憂太が触れる様々な“想い”が印象的です。

呪術高専で出会う仲間たちの“想い”や激闘を繰り広げることになる夏油の“思想”、様々な“想い”が劇中に登場します。

どれもが形は違えど、憂太にとって勇気をくれたり成長のきっかけになっていたりしますが、それらの中でも象徴的だったのが、呪いとなってしまった里香の“想い”と憂太が里香へ抱く“想い”ではないでしょうか。

初めは、憂太を苦しめるだけの存在であった里香ですが、憂太自身を単純に苦しめるだけでなく何かしらの害意から守ろうとする“想い”があることが察せられます。そして物語の序盤ではそれに気がつかず、ただ苦しむだけであった憂太は、やがて里香を解放することを望み始めます。

クライマックスでは窮地に陥る憂太が何のためらいもなく、里香の能力を解放する依り代として差し出す場面は、里香はもちろん仲間を守りたいという”想い”を感じることができます。

また夏油との決戦後における里香の呪いが解ける場面では、自身の呪いにより里香を束縛してしまったことを悔やみますが、里香自身の感謝の言葉から互いの“想い”の強さが感じられる感動的な場面となっています。

本作では人のマイナスな感情に由来する“呪い”に対峙する呪術師の活躍を描くにあたって、対照的に描かれた、これらの強い“想い”を感じることができ、人間の感情は常に表裏一体である様を象徴しているようにも感じられます。

映画『劇場版 呪術廻戦0』の作品情報


(C)2021「劇場版 呪術廻戦0」製作委員会 (C)芥見下々/集英社

【公開】
2021年12月24日

【原作】
芥見下々

【監督】
朴性厚

【キャスト】
緒方恵美、花澤香菜、小松未可子、内山昴輝、関智一、櫻井孝宏

【作品概要】
2018年より「週刊少年ジャンプ」で連載中の芥見下々の人気漫画『呪術廻戦』のプロトタイプとして発表され、のちに正式に前日譚としてコミックス化された『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』を劇場版アニメ化。

監督の朴性厚をはじめ、2020年から放送されたテレビアニメ1期のスタッフが再集結。アニメーション制作もテレビアニメ同様にMAPPAが担当します。

かつて将来を誓い合った少女・里香の死をきっかけに彼女の呪いに取りつかれてしまった少年・乙骨憂太が呪術高専で出会う仲間や闘いの日々を通じて成長し、やがて呪術界を震撼する事件に身を投じていく姿を描きます。

まとめ


(C)2021「劇場版 呪術廻戦0」製作委員会 (C)芥見下々/集英社

『呪術廻戦』の前日譚が描かれる本作『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』。

元々は全4話の読み切り作品として掲載され、連載の予定は当初なかった本作ですが、その人気の高さから長期連載が決定。しかし作者である芥見下々があえて「続き」を描かなかったことで、本作は『呪術廻戦』の前日譚として位置づけられました。

それゆえ本作の主人公・乙骨憂太は、本編にあたる『呪術廻戦』でも序盤からその存在が仄めかされており、後々登場することとなるため、憂太の始まりの物語となる本作はファンの間でも高い人気を誇っています。

そんな本作は、2021年12月24日に劇場作品として公開が予定されており、奇しくも公開日が劇中で「百鬼夜行」が決行された日付と同じであることから話題を呼んでいます。

すでに各キャストも発表され、乙骨憂太役には『幽☆遊☆白書』蔵馬役、『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ役で知られる緒方恵美が、祈本里香役には「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズの常守朱役、『鬼滅の刃』では恋柱・甘露寺蜜璃を演じる花澤香菜が演じます。

また、本作はページ数や連載回数の制限があるため若干バトルシーンが淡白でありましたが、今回の劇場版アニメ化では迫力あるバトルシーンが描かれることが期待されています。それに応えるかのように、すでに公開されている予告編ではクライマックスの夏油戦を含めた圧巻のバトルシーンが詰め込まれ、ファンの期待はさらに上昇しています。

今や遅しと公開が待ち望まれる『劇場版 呪術廻戦0』。劇中でアニメ化された憂太がどのような活躍を見せてくれるのか楽しみでなりません。





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