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Entry 2021/10/30
Update

【映画ネタバレ】ハロウィンKILLS 2021|結末感想とあらすじ評価考察。最後の続編Endsでマイケルとローリーの因縁は決着する

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

「ブギーマン」マイケル・マイヤーズの、新たな恐怖は加速する!

1978年にジョン・カーペンターにより制作され、不気味なマスクを被った殺人鬼マイケル・マイヤーズの恐怖を描いたホラー『ハロウィン』は、現在も根強い人気を持つ作品です。

1978年版『ハロウィン』の正当な続編として公開された2018年版『ハロウィン』のラストでは、40年前にマイケル・マイヤーズに襲われたローリー・ストロードが、街に戻って来たマイケル・マイヤーズを、ショットガンで狙撃した後に地下室に閉じ込め、家ごと燃やし撃退。

不死身の殺人鬼マイケル・マイヤーズも、これで終わりかと思われましたが、その直後の出来事を描いたのが『ハロウィン KILLS』です。

生きていたマイケル・マイヤーズは、次第に街を混乱状態に陥れていきます。前作ではローリーとマイケル・マイヤーズの戦いがメインでしたが、果たして『ハロウィン KILLS』では、どのような展開が起きるのでしょうか?

映画『ハロウィン KILLS』の作品情報


(C)UNIVERSAL STUDIOS

【公開】
2021年公開(アメリカ映画)

【原題】
Halloween Kills

【製作総指揮】
ジョン・カーペンター、ジェイミー・リー・カーティス、ダニー・マクブライド、ライアン・フレイマン

【製作】
マレク・アッカド、ジェイソン・ブラム、ビル・ブロック

【監督・脚本・製作総指揮】
デビッド・ゴードン・グリーン

【共同脚本】
スコット・ティームズ、ダニー・マクブライド

【キャスト】
ジェイミー・リー・カーティス、ジュディ・グリア、アンディ・マティチャック、ジェームズ・ジュード・コートニー、アンソニー・マイケル・ホール、カイル・リチャーズ、ウィル・パットン、トーマス・マン、ナンシー・スティーブンス、ニック・キャッスル、ディラン・アーノルド

【作品概要】
1978年にジョン・カーペンターにより制作され、今なおホラー映画の金字塔として名高い『ハロウィン』。その40年後に続編として制作された2018年版『ハロウィン』の続編となる『ハロウィン KILLS』は、前作ラストから数時間後、生きていたマイケル・マイヤーズが、街全体に恐怖と混乱をもたらします。

マイケル・マイヤーズと因縁ある女性ローリー役は、1978年版と2018年版に引き続きジェイミー・リー・カーティス。その他にも、ローリーの娘カレン役をジュディ・グリア、カレンの娘アリソンをアンディ・マティチャックが演じるなど、前作メインキャラクターのキャストは続投となっています。

そして前作に続きデヴィッド・ゴードン・グリーンが、監督と脚本を務めています。

映画『ハロウィン KILLS』のあらすじとネタバレ


(C)UNIVERSAL STUDIOS

ニュージャージー州の田舎町、ハドンフィールド。この街では、1978年に住民を恐怖に陥れた連続殺人事件が起こりました。

6歳の時に姉を理由なく殺害し、15年間精神病院に収監されていたマイケル・マイヤーズが脱走し、無差別の連続殺人に及んでいたのです。

新米警官のフランクは、マイケルの幼馴染である同僚の警官と共に彼の生家へと向かいます。

手分けをして屋敷内を捜査していた際に、突然現れたマイケルに同僚の警官が襲われます。駆け付けたフランクはマイケルを狙撃しますが、誤って同僚の警官を撃ってしまいます。

やがてマイケルは逃亡しますが、周囲を包囲していた警官に囲まれ、そのまま連行されます。

その40年後。再び精神病院へと収容されていたマイケルでしたが、脱走してハドンフィールドへ戻って来ます。

マイケルは次々に連続殺人を起こしますが、40年前マイケルに襲われ、復讐の時を伺っていた女性ローリーと、その娘のカレンと孫娘のアリソンにより、地下室に幽閉され家ごと燃やされます。

ローリーはマイケルとの戦いの際に重傷を負ったことで病院に収容され、カレンとアリソンも付き添います。

完全に死んだと思われたマイケルでしたが、実は無傷で燃え盛る屋敷の中から姿を現しました。

消火活動をしていた消防隊を皆殺しにしたマイケルは、市街地へと歩いていきます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ハロウィン KILLS』ネタバレ・結末の記載がございます。『ハロウィン KILLS』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)UNIVERSAL STUDIOS

ハドンフィールドでは、あちこちでハロウィンのイベントが開催されていました。

40年前にマイケルに襲われ、寸前の所で助かった過去を持つトミーは、バーのステージに上がってマイケルの犠牲になった人々へ、冥福を捧げるように呼びかけます。

ですが、市街地へと戻って来たマイケルにより、次々に犠牲者が出ており、その事件がニュースで報道されます。また報道によると、精神病院から逃げ出したのはマイケルの他に、もう1名いるとのことでした。

危機を感じたトミーは、同じく40年前にマイケルに襲われ、逃げ出した経験を持つロニーと共にマイケルに対抗することを決意。

トミーは街中を歩き「マイケル・マイヤーズが街に潜んでいる」「警察は頼りにならない、自分たちで街を守るぞ」と呼びかけ、自警団を結成します。

その一方、事情聴取のために病院を訪れた警官により、マイケルが生きていることを知ったカレンとアリソン。

アリソンは、元恋人であるキャメロンに誘われる形で、マイケルを探す自警団に参加します。

カレンは、ローリーにマイケルが生きていることを隠していました。ですが、病院にやって来たトミーが、ローリーにマイケルが生きていることを伝えてしまいます。

ローリーの病室には、今やベテランの警官になり、マイケルの捜査中に負傷したフランクも運び込まれていました。

フランクは、1978年にマイケルを射殺するチャンスがあったが、良心の呵責から悩み殺すことができず、そのまま精神病院へと送った過去を語ります。

フランクは「あの時の自分の決断が、街をパニックにさせている」と後悔します。ローリーは「街に闇を広げたのは自分の責任である」と語ると、マイケルを探すために病室を出ようとします。

ですがローリーが目の当たりにしたのは、マイケルへの恐怖と怒りによって、暴徒と化した人々の姿でした。警察ですら鎮めることができず、暴徒と化した市民が集まった病院の待合室は封鎖され、誰も外に出れなくなっていました。

そこへ、精神病院から逃げ出した患者が現れます。

患者は怪我をしており、治療を求めて来たのですが、トミーを始め暴徒と化した市民により「あいつがマイケル・マイヤーズだ!」と誤解され、追いかけられます。

病院の屋上に逃げ出した患者は、暴徒と化した市民に恐れを感じ、飛び降りて自ら命を絶ちました。自分たちが無関係の人間を、死に追い込んだことを後悔したトミーは、冷静さを取り戻します。

また病院から抜け出そうとしたローリーも、傷口が広がり動けなくなったことで、再び病室に戻ります。

一方、アリソンはキャメロンとロニーと共に、マイケルの生家に来ていました。

マイケルの足取りから「ここに戻って来ている」と確信したロニーは、アリソンとキャメロンを車内に残し、1人で屋敷の中に入ります。

ですが、異変を感じたアリソンとキャメロンも結局、マイケルの生家へと入ります。そこで目の当たりにしたのは、マイケルの生家に住んでいた男性2人と、ロニーの死体でした。

その直後にキャメロンも、マイケルに襲われ殺されてしまいます。

1人残され絶体絶命となったアリソンでしたが、助けに来たカレンがマイケルに槍を刺します。倒れたマイケルのマスクを脱がしたカレンは、マスクを持って走り去り、マイケルも追いかけて来ます。

逃げ出したカレンが辿り着いた先には、自警団が待機しており、追いかけて来たマイケルを包囲します。

自警団はマイケルに銃弾を撃ち込み、持っていた武器で滅多打ちにします。とどめにカレンが、マイケルの胸に包丁を刺します。

カレンは後を自警団に任せ、負傷したアリソンの所へ戻ります。ですが、マイケルは生きており、自警団は全滅してしまいます。

アリソンは警察に保護され、カレンは安心した表情を見せます。ですが、マイケルの生家に人影が見えたカレンは、屋敷の中に入ります。

窓から外の景色を見ていたカレンは、背後に現れたマイケルに喉を切り裂かれ死んでしまいます。

窓から外を見つめるマイケル。その視線を感じるかのように、ローリーも病室のガラス扉から、何かを見つめていました。

映画『ハロウィン KILLS』感想と評価


(C)UNIVERSAL STUDIOS

1978年に公開され、今でも高い人気を誇るホラー映画『ハロウィン』。

『ハロウィン』最大の魅力はなんと言っても、「ブギーマン」こと殺人鬼マイケル・マイヤーズのキャラクターです。

白い不気味なマスクを被っているため、一切の感情を読み取ることができないマイケルが、次々に人を殺していく様子を淡々と描いており、目的も正体も不明のマイケルはかなり不気味な存在です。

そして殺人鬼マイケル・マイヤーズの最大の特徴は、人並み越えた怪力と、どれほど攻撃をしても死なない、不死身であるという点です。

ホラー映画ではジェイソンやフレディなど、「不死身の殺人鬼」というキャラクターは多数存在しますが、マイケルには「精神病院から脱走し、街の何処かに隠れながら殺人を繰り返す」という、やたらリアルな恐怖性があります

1978年公開の『ハロウィン』以降、さまざまな続編やリメイクが制作されましたが、正式な続編として公開されたのが2018年版の『ハロウィンです。

1978年版『ハロウィン』でマイケルに襲われた女性ローリーと、再び姿を現したマイケルの40年越しの戦いを描いた2018年版『ハロウィン』は、ラストでマイケルは家ごと燃やされ、完全に葬り去られたと思われました

ホラー映画にありがちな「まだ、終わっていなかった」的な場面もなかったため、2018年版の『ハロウィン』でシリーズ終了かと思われましたが、「マイケルは実は生きていた」という所から『ハロウィン KILLS』は始まります。そのため『ハロウィン KILLS』は、やはり少なくとも2018年版『ハロウィン』を観ることで、そのストーリーや面白さがより強まるでしょう。

2018年版『ハロウィン』の前半は、マイケルの精神病院からの脱獄や街に戻るまでと、周囲から変人扱いされながらも、復讐に燃えるローリーの姿が重点的に描かれていました。

そのため少し静かな展開が続いたのですが、『ハロウィン KILLS』では、マイケルは次々に殺人を繰り返し、最初からその恐怖が存分に味わえます。2018年版『ハロウィン』はあくまでも「序章」であり、『ハロウィン KILLS』から「本番」に入ったというわけです。

また2018年版『ハロウィン』では、ローリーとカレン、アリソンの母娘がマイケルに立ち向かいますが、『ハロウィン KILLS』では街全体でマイケルに対抗しようとします

40年前にマイケルによって恐怖を与えられたのはローリーだけではなく、トミーやロニーも幼少期に襲われており、戦うための準備をしていたのです。

トミーは街の住民たちに、一緒に戦うように呼びかけますが、これがキッカケで、街全体がパニック状態になっていきます。

マイケルへの恐怖と怒りから住民たちは暴徒と化し、警察さえも抑えられなくなり、やがて秩序が崩壊していきます。その結果、全く無関係だった人間を死に追いやってしまうのです。

この場面では、冷静さを失った群集心理、集団で間違った方向に進んでしまった、人間の恐ろしさが生々しく描かれています

ロニーは「俺達がモンスターになってしまった」と呟きますが、善良に見える人達の奥底にも、誰しもモンスターとも呼べる、恐ろしい部分が潜んでいるわけです。

マイケル・マイヤーズという存在は、そうした人間の持つ「モンスター」の部分のみで行動しており、本作の監督であるデヴィッド・ゴードン・グリーンは彼について「完全なる悪」と語っています。

今や殺人鬼の恐怖を描いたホラー映画は「古典的」であり、もはやパロディ映画の対象になっているほどです。

しかし『ハロウィン KILLS』は、マイケルを「完全なる悪」にして「街が抱える闇の本質」として具現化した存在のように描いており、「悪や闇の存在」に対する人間の複雑な心理描写が描かれた、かなり奥の深い作品となっています。

マイケル・マイヤーズは「ブギーマン(伝説・伝承の中では幽霊とも怪物とも妖精とも語られる、「恐怖」を象徴する「何か」)」と呼ばれていますが、まさに「完全なる悪」を象徴する存在として描かれている彼にふさわしいあだ名といえます。

まだ未見の方は、1978年版『ハロウィン』と2018年版『ハロウィン』と併せて観賞すると、奥の深さを実感できるのではないでしょうか?

まとめ


(C)UNIVERSAL STUDIOS

40年越しの因縁に決着がつくかと思われた『ハロウィン KILLS』ですが、実際はカレンの死というかなり後味の悪いラストで締めくくられています。

実はすでに第3作目となる『Halloween Ends(原題)』が企画されており、デヴィッド・ゴードン・グリーンが引き続き監督を務める予定になっています。2018年に蘇った『ハロウィン』は、まさかの3部作だったのです

『ハロウィン KILLS』では、不死身の殺人鬼マイケル・マイヤーズの化け物ぶりがエスカレートしており、これまでのシリーズ作品では「武器さえ揃えば勝てそう」と思える程度だった彼は、もはやそのようなレベルをとうに過ぎてしまいました

この化け物に対抗できるのは誰よりも復讐心を燃やすローリーだけであり、マイケルに両親を殺されてしまったアリソンも共に戦うのでしょうが、どうやったら彼を倒せるのでしょうか?

タイトルが「Ends」ということは、次回作で「ハロウィン」シリーズは終わり?」などなど、いろいろな考えながらも、第3作目の公開を楽しみに待ちたいですね。




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