全世界を舞台に描いた、劇場版「僕のヒーローアカデミア」シリーズ第3弾。
長崎健司が監督を務めた、2021年製作の日本のヒーローアクションアニメ映画、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』。
先天性の超常能力「個性」を持つ人々の殲滅を目論む謎の集団に、全世界のプロヒーローたちとヒーローの卵たちが立ち向かっていく姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
原作者の堀越耕平が総監修を務めた、劇場版「僕のヒーローアカデミア」第3弾、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』の作品情報
【公開】
2021年(日本映画)
【原作】
堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』
【監督】
長崎健司
【キャスト】
山下大輝、岡本信彦、梶裕貴、稲田徹、河内美里、本名陽子、佐倉綾音、悠木碧、八木かおり、安野希世乃、真堂圭、西田雅一、増田俊樹、沖野晃司、上村祐翔、吉野裕行、興津和幸、松田修平、畠中祐、古島清孝、広橋涼、北田理道、名塚佳織、宮園拓夢、細谷佳正、中村悠一、井上麻里奈、悠木碧、三宅健太、吉沢亮、林原めぐみ、中井和哉、伊瀬茉莉也、梅原裕一郎、榎木淳弥、坂田将吾、野島裕史
【作品概要】
「劇場版ガンダム00」シリーズや「劇場版僕のヒーローアカデミア」シリーズなどを手掛けた、長崎健司が監督を務めた、日本のヒーローアクションアニメ作品です。
「週刊少年ジャンプ」連載の同名コミックを原作とする、人気アニメ『僕のヒーローアカデミア』の劇場版第3弾となる作品でもあります。
人気アニメ「僕のヒーローアカデミア」シリーズに出演する、山下大輝や岡本信彦ら豪華声優陣と、『キングダム』(2019)の吉沢亮が共演しています。
映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』のあらすじとネタバレ
世代を経るごとに深く混ざり合った「個性」が、人類史を終焉に導くとする思想「個性終末論」を掲げ、世界中の個性保持者の撲滅を目論む謎の集団「ヒューマライズ」。
ヒューマライズの指導者フレクト・ターンと、彼の直属の部下であるヒューマライズの団員たちは、個性を強制的に暴走させ崩壊に導く爆弾「個性因子誘発爆弾(イディオトリガーボム)」を使って、無差別テロを行いました。
これを受け、全世界のプロヒーローたちと、彼らのもとでインターン中だった雄英高校ヒーロー科の生徒が招集され、「世界選抜ヒーローチーム」を結成。
日本から遠く離れた国「オセオン」には、爆炎を放つ強力な個性を持つNo.1ヒーロー、エンデヴァーと彼の事務所のプロヒーローたち。そして、彼のもとでインターン中だった雄英生、緑谷出久・爆豪勝己・轟焦凍。
フランスには、巨大なドラゴンに変身するドラグーンヒーロー、リューキューと彼女のもとでインターン中の雄英生、麗日お茶子や蛙吹梅雨。波動ねじれ。
アメリカには、人気と実力を兼ね備えた若きプロヒーロー、ホークス。彼のもとでインターン中の雄英生、常闇踏陰。
日本には、大阪で活躍しているプロヒーロー、ファットガム。彼のもとでインターン中の雄英生、切島鋭児郎や天喰環、鉄哲徹鐵。
その日本では、さらにプロヒーローのプレゼントマイクと、ギャングオルカと彼の事務所。彼のもとでインターン中の雄英生、耳郎響香と障子目蔵が索敵を担当。
シンガポールには、シンガポールのNo.1ヒーロー、ビック・レッド・ドットと、日本のプロヒーローのマジェスティック。
エジプトには、エジプトのNo.1ヒーローであるサラームと、彼と共に作戦に参加する雄英生、瀬呂範太と峰田実。
そして、世界選抜ヒーローチームの指令室には、元No.1ヒーローのオールマイトと、世界選抜ヒーローチームを統括する長官がいました。
彼ら世界選抜ヒーローチームは、個性因子誘発爆弾から人々を救うため、まずヒューマライズの支部への突入作戦を決行。
しかし、支部にいた団員たちは個性因子誘発爆弾の存在すら知らないことが判明。これにより、無差別テロを起こしたのは、フレクトとヒューマライズの幹部たちによる仕業だということが分かりました。
個性因子誘発爆弾の設置場所が分かるまで、各地で待機を命じられた世界選抜ヒーローチーム。突入作戦の翌日、緑谷・爆豪・轟の3人は、オセオンの中心部にある街に、買い出しに来ていました。
その際、彼らは偶然、街で宝石泥棒を働いた男2人と遭遇。さらに男たちが持っていたケースは、仲間と思われるオセオンに暮らす少年、ロディ・ソウルの手にわたり、そのまま逃げられてしまったのです。
緑谷たちが宝石泥棒3人を追跡していた頃、高速道路では別の事件が発生。ヒューマライズの団員アラン・ケイが、本部から何かをケースに入れて持ち出し、車で逃げようとしていたのです。
それを追うヒューマライズの傭兵敵(ヴィラン)べロスは、バイクに乗りながら自身の個性「ロング・ボウ」を使い、アランが乗る車に矢を次々と放ちます。
それが被弾し、制御不能になったアランの車はフェンスに激突。その衝撃で、車内からケースが外に飛び出し、フェンスなどの瓦礫と共に下へ落下。
ちょうど緑谷から逃げていたロディが巻き込まれそうになり、彼は瓦礫を回避した際にケースを手放してしまいます。
慌ててケースを持ち逃走するロディを、緑谷はオールマイトから受け継いだ個性、「ワン・フォー・オール」を駆使して追跡。ところが、ロディが持っていたケースには、宝石は入っていませんでした。
ロディは内心、運び屋の仕事として宝石を運ぶはずだったのが、取り違えによって失敗しそうなことに焦りまくり、事故現場に戻ろうとします。
そんなロディを追いかける緑谷。ところが、そうして地下鉄の駅から地上へ出てきた2人を、オセオン警察の警官たちは待ち伏せし包囲。
そして問答無用で、彼らは銃を発砲してきたのです。緑谷はそんな警官たちを不審に思いつつ、ロディを抱えてその場を逃走。
そこへ、ケースの中身が目的のものでなく、宝石が入っていたことに気づいたべロスが襲撃。緑谷はロディを守りながら、電車が走る鉄橋や電車内を走って逃げ、鉄橋の下の川へ飛び込み回避しました。
その後、オセオン警察は民間人12人を殺した殺人犯として、逃走した緑谷を全国に指名手配します。実はオセオン警察の長官は、ヒューマライズの団員だったのです。
このニュースは、轟やエンデヴァーたちオセオンチームだけでなく、世界各地で待機中のヒーローチームにも指令室にも知れ渡ってしまいます。
緑谷のことを良く知る雄英生に説得された、リューキューたちプロヒーローは、オセオンチームが何とかしてくれるだろうと信じ、吉報を待つことにしました。
緑谷は轟に電話をかけた際、彼から自分が指名手配されたことを知りました。緑谷はとりあえず、警察の目から逃れるため、隣国クレイドにロディと一緒に向かいます。
その道中、緑谷は轟に暗号メールを送りました。これを受け取った轟は、緑谷がクレイドに向かったことを知り、爆豪と一緒に山岳列車に乗ってクレイドへ向かいました。
その道中、轟たちは警官たちの尾行に気づき、「警察内部に、ヒューマライズの団員がいるのではないか」と推測しました。
一方緑谷たちは、オセオンとクレイドの国境を目指して、その道中で食料や服を調達しながら、ひたすら長い道のりを歩いていきました。
馬小屋のような廃屋で、一晩明かすことにした緑谷たち。その時ロディは、懐かしい夢を見ました。
母親を亡くした後、男手一つで育ててくれた父親と、4人で幸せに暮らしていた日々。それが、ヒューマライズの団員であった父親が失踪後、3人だけで辛く苦しい日々を送る羽目になった日の夢を。
ロディは幸せが崩れ去った日、運び屋の仕事やどんなに汚いことをしてでも、弟ロロと妹ララを守ると誓いました。
ロディは、無実だと証明しロロたちの元へ一刻も早く戻るべく、公衆電話を使って警察に通報。しかし現れたのは、ヒューマライズの傭兵敵ロゴンとべロスでした。
ケースを渡そうとしないロディに痺れを切らし、自身の個性「アイアン・クラブ」で襲い掛かってくるロゴン。そこへ緑谷が駆けつけ、必殺技「エアフォース」と「スマッシュ」を繰り出し、ロディを救出。
ロゴンはヘリまで吹き飛ばされてしまい、代わりにべロスがロディを攻撃。それも緑谷が身を挺して守り、スマッシュで巻き上げた土煙を煙幕代わりにし、ロディを抱えてその場を立ち去ります。
ロディは、裏切ろうとした自分を、何故身を挺してまで守ったのか。そのまま自分を見捨てて、ケースを持って逃げればいいじゃないかと、緑谷に尋ねました。
それに対し緑谷は、「困っている人を放っておけない」の一言で返します。これに毒気を抜かれ、自嘲気味に笑ったロディは、緑谷に自分の全てを曝け出しました。
ヒューマライズの団員だった父親の失踪、パイロットになることが夢だったけど、今は弟と妹を養うことで精一杯だということを。
それを聞いた緑谷も、これまでの苦難な日々を語り、オールマイトのように、笑顔で人を助けるヒーローになりたいことを話しました。
翌日、2人はロディが近くの牧場から調達してきたジープに乗り、国境へ向かいました。その道中、ロディは緑谷に、自分の個性を明かします。
映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』の感想と評価
緑谷・爆豪・轟の奮闘
オセオンで待機中だった緑谷が、爆豪と轟と一緒に街に現れた宝石泥棒を追跡していた時、運び屋を生業とするオセオンの少年ロディと出会います。
警察に命を狙われたロディを守る緑谷は、ケース奪取を目的とするヒューマライズの工作により、全国指名手配されてしまうのです。
それでも、困っているロディを放っておけない緑谷が、次々と襲い掛かってくるヒューマライズの傭兵敵を、個性「ワン・フォー・オール」で何度も退けていく姿。
緑谷と合流した爆豪と轟が、ヒューマライズ本拠地で強力な敵相手に繰り広げる戦闘。どんなに傷を負い、苦戦を強いられてもなお、自身の個性で敵を打倒しようとする姿。
3人の勇姿とその個性を使った戦いは、大迫力でハラハラドキドキする、スリリングなアクションとして描かれており、彼らヒーローの格好良さを物語っています。
フレクトの真の目的
世界選抜ヒーローチームを翻弄し、苦しめるヒューマライズの指導者、フレクト・ターン。
個性「リフレクト」によって、誰とも触れ合えず愛し合うこともできず、孤独に苛まれてしまったフレクトは、常時発動型の自身の個性を呪いました。
その反動で、無個性であることに憧れ続けたフレクトは、個性因子誘発爆弾によって個性保持者を絶滅させ、無個性だけの世界を作ろうとしたのです。
個性のせいで孤独を味わい、個性を呪った男の告白は、悪者ながら観ているこちらの胸がグッと締めつけられるほど、辛く悲しいものでした。
まとめ
個性を呪い、無個性になることに憧れた敵に、世界各地のプロヒーローとヒーローの卵が立ち向かう、ヒーローアクションアニメ作品でした。
本作の見どころは、緑谷とロディの間に築かれた友情の絆と、緑谷・爆豪・轟vsヒューマライズの傭兵敵とフレクトによる激闘です。
物語の前半は、緑谷の個性を使ったアクション場面がメインでしたが、物語の後半では、爆豪と轟の個性が火を噴きました。
不器用なロディの回想には涙し、緑谷とコントのようなやり取りには笑いを、彼らの友情と信頼関係には感動します。
緑谷・爆豪・轟の個性はもちろん格好良いですが、本作に登場した敵たちもまた、彼らに苦戦を強いらせるほど強く、格好良いものばかりです。
敵も味方も格好良い個性を持ち、それが激しくぶつかり合う戦いと、人々を救うために奔走するヒーローたちの勇姿が観られるヒーローアクションアニメ映画が観たい人に、特にオススメな作品となっています。