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Entry 2018/02/07
Update

映画『リバーズ・エッジ』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も【二階堂ふみ×行定勲監督】

  • Writer :
  • 村松健太郎

蜷川実花監督&沢尻エリカ主演で映画化された『ヘルタースケルター』などで知られる、伝説的な女流漫画家の岡崎京子の同題原作を、行定勲監督が二階堂ふみ主演で映画化。

二階堂ふみは作品に触れたことで映画化を行定に打診。

90年代を生きたものとして岡崎京子を無視できないと語る行定監督が映画化に動き、映像化されました。

1.映画『リバーズ・エッジ』の作品情報


(C)2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

【公開】
2018年(日本映画)

【原作】
岡崎京子

【監督】
行定勲

【キャスト】
二階堂ふみ、吉沢亮、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨、森川葵

【作品概要】
1993年に雑誌CUTiEに連載されていた岡崎京子の原作同名コミックを、『GO』や『世界の中心で、愛をさけぶ』で知られた行定勲監督が、二階堂ふみと吉沢亮の出演で映画化。


(C)2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

2.映画『リバーズ・エッジ』の配役キャラクター


(C)2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

若草ハルナ(二階堂ふみ)

物語のヒロイン。母子家庭で暮らす。観音崎と交際中。

山田一郎(吉沢亮)

学校でいじめを受けている。周りに隠しているが実はゲイ。

観音崎(上杉柊平)

ハルナの恋人で、山田を執拗にいじめている。

吉川こずえ(SUMIRE)

ハルナの一年後輩。現役のモデル。

ルミ(土居志央梨)

ハルナの友人。観音崎を含めて多くの男性と交友している。

田島カンナ(森川葵)

山田の恋人。山田にとっては自分の指向をカモフラージュする存在。

3.映画『リバーズ・エッジ』のあらすじとネタバレ


(C)2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

若草ハルナインタビュー

カメラを向けられたハルナは、自分の家庭事情や、これまで過ごした人生を語ります。

部屋はなぜか焼け焦げていて、子供ころから手放せないでいたクマのぬいぐるみもところどころ焼け焦げています。

ハルナは深夜の学校に急いで向かっています。

友人経由でイジメを受けている山田が、学校に閉じ込められたままということ知り、助けに向かったのです。

ガムテープで縛られた旧校舎のロッカーから、手足をしばられ猿ぐつわをはめられた山田を発見。何とか助け出しました。

河口近くの川べりを歩く二人。ここの若者たちは川べりで青春を過ごしている。

ハルナとルミ、ヨシエのいつもの三人組は朝から学校でだるそうにたむろしている。

そこへハルナの恋人の観音崎が登校してきます。

山田をイジメたリーダー格が観音崎ということを知ったハルナは、観音崎に問い詰めます。

ところが深夜に山田を助けに行ったことで、かえって山田との変な関係を疑われ藪蛇に…。

そのことが観音崎の癇に障ったのか、山田はより一層苛烈なイジメを受けることになり、ハルナは助けに行きます。

そこにいた観音崎とつるんでいた面々も、最近の観音崎の暴力性の過激化に徐々に引き気味になっていることをハルナに告げます。

また、助けてもらった山田は、お礼に自分の宝物をハルナに見せると言い出しました。

夜に改めて待ち合わせしたハルナと山田。

ハルナは山田に女生徒からも人気があることを伝えますが、山田は自分はゲイであることを伝えます。

田島カンナという彼女がいますが、その存在はあくまでもカモフラージュでしかないと話しました。

そして二人が行き着いた先いつも生活圏の一角として見ている川べりでした。

そこで山田がハルナに見せたの素性不明の白骨化した死体でした。

山田は自分が生きているか実感できない日々を過ごしている中で、この死体を見ること生きていることを実感できるというのです。

そしてこの死体の存在を知っている人間がもう一人いることを教えます。

それは一年後輩で、現役モデルとしても活躍している吉川こずえでした。

一方、そのころ観音崎はルミと密会、薬物をつかった性行為に溺れていました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『リバース・エッジ』ネタバレ・結末の記載がございます。『リバース・エッジ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

吉川こずえインタビュー

キッズモデルから始まった自分の芸歴を語り、そして自分は決して美しいとは思えず、なぜ気持ちの悪い自分がここまで持ち上げられることが不思議ではならないと語ります。

ハルナの保健室や屋上で授業をさぼっていると、こずえと一緒になる機会が増えていきます。

そしてグランドでサッカーを楽しんでいる一人の男子生徒を指さし、その生徒こそが山田の本命だと教えます。

こずえが空き教室でさぼっていると、そこに観音崎とルミが入ってきて絡み始めます。

学校では死体のある河原に独居老人の残した遺産が埋まっているという、根も葉もない噂が広まっていました。

河原に人が集まることを知ったハルナは、河原に向かおうとしますが観音崎に止められてしまいます。

さっきまでのルミとのことなどなかったかのように、観音崎はハルナを自分のいうことをきかせようとします。

山田はカンナとデート中でしたが、河原に集まる群衆に一人駆け込んでいきます。

真夜中死体を隠すために山田、ハルナ、こずえが河原に集まります。

死体を見ることができなくなるのは、残念だと思いながらも簡単に掘り返されては困るので、深くより深く大きな穴を掘っていきます。

観音崎インタビュー

自分の家庭が崩壊していること語り、ハルナとの関係には絶対の自信をのぞかせます。

休みの一日、ハルナと観音崎はホテルで性行為を、山田はカンナと水族館デートを楽しんでいます。

観音崎とカンナは満足げですが、ハルナはさっさと帰り支度をはじめ、山田は中年男性に抱かれていました。

こずえは過食と吐くことを繰り返しています。

小山ルミインタビュー

奔放な男性関係を語ります。なぜか彼女は病院着でベッドにいます。

休みが明けてルミは観音崎を呼び出し生理が止まっていることを伝えます。

一方で山田はカモフラージュとして付き合っていたカンナが、まとわりつくことに苛立ちを感じ始めなどと罵声を浴びせ、その場でカンナを置き去りにしてしまいます。

カンナは急に親しくなったハルナと山田との関係を疑いだし、その一方で山田に恋をする自分だけの世界に埋没していきます。

そんなある日、こずえに呼び出されたハルナはショッキングなものを見せつけられます。

それは山田と一緒にこっそりと校舎裏で育てていた子猫の遺骸が入ったビニール袋でした。

ショックのあまりハルナはその場で泣き崩れてしまいます。

山田インタビュー

山田はカンナへの態度を悪く感じながらも、自分の抱える思いのほうを重要視しています。

また子供ころからUFOが見たかったと語ります。

その日の夜、河川敷でルミが観音崎を呼び出しています。

ルミは中絶の費用を出すように観音崎に迫りますが、逆に観音崎は責任逃れを始めます。

その姿に苛立ったルミは、ハルナとの関係や観音崎の家庭が崩壊していることに触れます。

観音崎は逆ギレ気味にルミに襲いかかり、殴り倒して馬乗りになってルミの首を絞めます。

一方ハルナは泣かせてしまったということのお詫びだということで、こずえの家に招かれます。

そこにはとても食べきれないほどの多くの豪華料理が並んでいました。

こずえはハルナへの恋愛感情を吐露します。

河川敷で埋めた遺体の様子を見に来た山田と、倒れたルミを呆然と見下ろしている観音崎とばったり出会います。

何もできないでいる観音崎を学校に連れてきた山田は、スコップなど遺体を埋める道具を集めて観音崎に持たせます。

さらに人手がいるとハルナとこずえを呼び出します。

ところがルミは失神していただけで、死んでは生きていませんでした。

そして観音崎たちが戻ってくる前に這うように家に帰ります。

しかし、自分の部屋で姉が日記を読んでいる姿を目撃して激怒します。

ルミの姉は引きこもり気味で肥満症でBL漫画を描く日々を過ごしていて、そのことはルミの誰に言えない恥部でした。

ところがその姉に複数の男性と関係を持ち、そのうえ妊娠したことを知られると、それまでたまっていたイライラを全て姉にぶつけます。

その罵倒をうけた姉は逆上してカッターナイフでルミに切りかかってきます。

あっという間にルミの部屋は血の海が広がります。

ルミの姿が消えて落胆と混乱する4人。観音崎はそのまま泣きながらハルナを押し倒して体を求めてきます。

ハルナはもう何も感じずそれに応じます。山田とこずえはあきれてその場を後にします。

二人を消防車が追い抜いていきます。そこはハルナの住む団地の一角でした。

火だるまになった何者かが高層階から飛び降りたのでした。

死体は一見すると誰なのかわからないほどの状態でしたが、現場に落ちていたベレー帽から、それがカンナであることが分かりました。

田島カンナのインタビュー

山田と付合い始めるきっかけと、山田への熱い思いを語ります。

山田とカンナの関係を誤解したカンナは、ハルナの自宅に乱入して、彼女の家に火をつけて回りました。

そしてその火が自分に燃え移り、彼女は飛び降りたのです。

数日後、焼け焦げた部屋で引っ越しの準備をしているハルナに、観音崎と山田が別れを告げに来ました。

別々の生活が始まろうとしています。

2.映画『リバーズ・エッジ』の感想と評価


(C)2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

本作『リバーズ・エッジ』の原作は、1993年から1994年にかけ、雑誌「CUTiE」で岡崎京子が連載したコミックです。

行定勲監督は90年代の漫画を2010年代に映画化する中で、オリジナルの空気感を換えないために映画の設定は90年代のままにしてありました。

まだスマートホンもインターネットもない世界です。

そこで暴走した青春時代を過ごす登場人物たちを、行定勲監督は現代に焼き付けるために映画にしかできない、メイン登場人物6人のインタビュー・シーンを挿入するという手法を見せます。

参考映像:『ピンクとグレー』(2016)

行定勲監督は、ジャニーズのアイドルNEWSのメンバーの加藤シゲアキによる小説を映画化した、2016年の『ピンクとグレー』でも、物語の時間軸をずらした方法を使っていいました。

今回の『リバーズ・エッジ』でも、インタビューも物語の時勢とは関係なく挿入されています。

ここで映画の物語の進行とは独立させて、キャラクターの深堀りを進めるのです。

また画面には登場しないもののインタビューの聞き手は行定監督が務めていました

これによって今の若者と比べて発生する齟齬(くいちがい)を意外な方法で埋めて描いています。

このような原作と映画の約20年の時間を埋める手法もまた、行定作品の見どころです。

まとめ


(C)2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

岡崎京子の原作漫画を行定勲監督より映画化した『リバーズ・エッジ』。

二階堂ふみ、吉沢亮、森川葵ら若手実力派よる岡崎ワールド&行定ワールドを見事に体現された作品です。

ぜひ、お見逃しなく!

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