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Entry 2021/05/26
Update

映画『場所はいつも旅先だった』あらすじ/公開日/上映館。松浦弥太郎の初監督ドキュメンタリー

  • Writer :
  • 大塚まき

世界5カ国・6都市でロケを敢行したエッセイ集のような作品

文筆家・書店オーナー・「暮しの手帖」元編集長など様々な肩書きを持つ松浦弥太郎が初めて監督した劇場用映画。


(c)Mercury Inspired Films LLP

映画『場所はいつも旅先だった』が、2021年10月29日(金)より渋谷ホワイトシネクイントほかにて公開することが決定しました。

併せて、松浦弥太郎監督、朗読担当の小林賢太郎、主題歌のアン・サリーから、それぞれコメントも到着しましたのでご紹介します。

映画『場所はいつも旅先だった』について


(c)Mercury Inspired Films LLP

本作は文筆家・書店オーナー・『暮しの手帖』元編集長など様々な肩書きを持つ松浦弥太郎が初めて監督を務めました。

松浦自身が2011年に著した旅にまつわる自伝的エッセイ集『場所はいつも旅先だった』と同名のタイトルながら、内容は映画オリジナルで、松浦が世界5カ国・6都市を自ら旅して、一本のドキュメンタリー映画としてまとめあげたものです。

ロケ地に選んだのは、サンフランシスコ(アメリカ)、シギリア(スリランカ)、マルセイユ(フランス)、メルボルン(スペイン)、台北・台南(台湾)。

いずれも「現地の人々の日常の営みを感じられる」からと、撮影は主に早朝と深夜に行い、そこで起こる出会いとかけがえのない日々を、飾らない言葉でひとつひとつ綴るエッセイ集のような映画に仕上がりました。

また、朗読で参加したのは脚本家・演出家の小林賢太郎

主題歌にはアン・サリーによる「あたらしい朝」が使用されています。

松浦弥太郎のプロフィール

松浦弥太郎の公式インスタグラム

松浦弥太郎は、クリエィティブディレクター、エッセイストとして活動。2002年セレクトブック書店の先駆けとなる『COWBOOKS』を中目黒にオープン。

2005年から15年3月までの9年間、創業者大橋鎭子のもとで『暮しの手帖』の編集長を務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げます。

Dean & Delucaマガジン編集長。ユニクロの『LifeWear Story 100』の責任編集を手掛けます。

ベストセラーに『今日もていねいに』『しごとのきほん くらしのきほん100』他著書多数。

監督:松浦弥太郎からのコメント

「ただいま」と言うと、
「どうだった? 旅」と聞かれる。
「うん、よかったよ」と答えるけれど、
何がよかったのかを話すのはむつかしい。
家族や友に、あの日あのときあの場所のひとときを話したいけれど、
よかったこととは、目の前で起きたことではなく、
僕の心のなかで起きた、静かな安らぎや、ほんのささやかな喜び、
やわらかくしなやかな気分とか、
そして、すべてへの感謝といういのちの灯火、
心地よい風に包まれたほんとうの自由、というような。
僕の旅は、そういうなんと言ったらよいか、
予定をつくらず、ただちがった街へゆく、
何をしにでもなく、何のためでもない、
ちがった街のちがった一日のなかにいるだけのしあわせ。
忘れていたひとりの自分に出会うために歩く、
まるで「針のない時計」のような旅だと思う。
そんな旅を伝えたくて、いつものように文章や言葉ではなく、
映画という、僕にとって新しい手段で作ってみようと思いました。
あなたと一緒に歩いているかのように。
旅の終わりの早朝、
その街のいちばん高いところへゆき、
遠くかなたにいるあなたへ大きく手を振る僕なのです。

朗読:小林賢太郎からのコメント

こんなふうに世界を旅すれば、不安や怖さを感じることもあるはず。けれどこの映画には、常に変わらない安心感がある。それはきっと、松浦監督の視点の軸が、自分じゃなくて相手にあるからだと思った。この安心感をそのまま観る人に手渡す。そんな気持ちで、声を添えさせてもらいました。

主題歌:アン・サリーからのコメント

予定を決めず気の向くまま流れに身を任せる旅。
大人の身動き取りづらさに加え、さらにコロナの世界になったことで、自由に旅することは夢のようにさえ想える。
そんな今だから一層、かつての松浦さんの美しい旅の日々、早朝と深夜の街歩きを追体験すると、その情景と紡がれる言葉は深く胸に響いてくる。
もうコロナ以前の世界に戻ることはないのではないかと、振り返れば無邪気だった日常への胸の疼きもどこかにある。
でも映画の最後、夜明けの場面と共に「あたらしい朝」が流れたとき、信じられる気がした。
今、この瞬間にもあの旅する日々は地続きで続いているのだと。

映画『場所はいつも旅先だった』の作品情報

【日本公開】
2021年(日本映画)

【監督】
松浦弥太郎

【朗読】
小林賢太郎

映画『場所はいつも旅先だった』のあらすじ

松浦弥太郎が世界5カ国・6都市を自ら旅します。

巡るは、サンフランシスコ(アメリカ)、シギリア(スリランカ)、マルセイユ(フランス)、メルボルン(スペイン)、台北・台南(台湾)。

そこで起こる出会いとかけがえのない日々を、飾らない言葉でひとつひとつ綴るエッセイ集のようなドキュメンタリーです。

まとめ

参考:映画『場所はいつも旅先だった』公式インスタグラム

文筆家・松浦弥太郎の初監督ドキュメンタリー映画『場所はいつも旅先だった』。

世界5カ国6都市の早朝と深夜の人間の美しい営みを切り取った本作は、昼間はホテルにいて出歩かず早朝5時頃と深夜2時頃に街に繰り出していく一風変わった旅先でのスタイルをカメラが追います。

松浦弥太郎の「いつものように文章や言葉ではなく、映画という、僕にとって新しい手段で作ってみようと思いました。あなたと一緒に歩いているかのように。」というコメントのように、映画の中で旅をしてみたいですね。

映画『場所はいつも旅先だった』は、2021年10月29日(金)より渋谷ホワイトシネクイントほかにてロードショーです。

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