ミヒャエル・ハネケ監督の映画『ハッピーエンド』は、3月3日より角川シネマ有楽町ほか全国順次公開!
『白いリボン』『愛、アムール』と2作連続でカンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最高金賞)を受賞した奇才ミヒャエル・ハネケの5年ぶりの新作。
同じ屋根の下に住む裕福な3家族の関係性を描く中で、SNSや移民などの現代社会の問題を描き出します。
監督が「”不快”な映画を作ろうとした」と語った今作の意図するところとは?
CONTENTS
1.映画『ハッピーエンド』の作品情報
【公開】
2018年(フランス・ドイツ・オーストリア合作映画)
【原題】
HAPPY END
【監督】
ミヒャエル・ハネケ
【キャスト】
イザベル・ユペール、ジャン=ルイ・トランティニャン、マチュー・カソヴィッツ、ファンティーヌ・アルドゥアン、フランツ・ロゴフスキ、ローラ・ファーリンデン、トビー・ジョーンズ
【作品概要】
『白いリボン』と『愛、アムール』の2作品連続してカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した名匠ミヒャエル・ハネケ監督。
フランスの北部カレーに住む裕福なブルジョワジーの家族。弟が前妻との子を呼び寄せたたことにより、この少女と祖父との奇妙な関係が始まる。
SNSや移民問題といった現代社会の闇に切り込む人間ドラマ。
『愛、アムール』で親子を演じたジャン=ルイ・トランティニャンとイザベル・ユペールは、本作でも家長とその娘を親子役で共演。
2.ミヒャエル・ハネケ監督のプロフィール
参考映像:カンヌ国際映画祭でパルム・ドール作品『白いリボン』(2009)
名匠ミヒャエル・ハネケ監督の代表作は、『ファニーゲーム』(1997)、『ピアニスト』(2001)、『白いリボン』(2009)、『愛、アムール』(2012)。
画面の細部やカメラワークが精緻に計算された芸術的な映画を生み出す映像作家です。
彼はその優れた映画の構成を用いて、現代社会に疑問を投げかける衝撃的なテーマは、観る者の心の奥底にある“闇”の部分を鋭くついてきます。
幾度となく物議を醸してきた彼の作品ですが、それほどに凄まじい作品を作り上げることのできる数少ない監督だといえるでしょう。
参考映像:『愛、アムール』(2012)
ハネケ監督が自身2度目となるカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞。
さらには第85回アカデミー賞の外国語映画賞を獲得した『愛、アムール』から5年ぶりとなる待望の作品が本作『ハッピーエンド』です。
3.映画『ハッピーエンド』のキャスト紹介
イザベル・ユペール(アンヌ役)
前作『愛、アムール』に引き続きハネケ作品に出演。
イザベル・ユペールはハネケ監督の『ピアニスト』(2006)でカンヌ国際映画祭で女優賞を獲っています。
2016年公開の『ELLE』でもその怪演を評価され、ゴールデングローブ賞女優賞を受賞。ハネケ作品常連の実力派女優の演技に期待です。
ジャン=ルイ・トランティニャン(ジョルジュ役)
イザベル・ユペールと同様、前作に引き続き出演を果たし、今回も親子役を演じています。
1966年に、クロード・ルルーシュ監督の『男と女』や、1982年にフランソワ・トリュフォー監督の『日曜部が待ち遠しい!』など、フランス映画で主演を数多く務めてきた大御所です。
表情だけで微かな感情を伝えてくる彼の演技は静かですが、迫力を感じられます。
マチュー・カソヴィッツ(トマ役)
2001年にジャン=ピエール・ジュネ監『アメリ』のニノ役でご存知の方も多いのではないでしょうか。
1990年頃から俳優だけではなく監督も行い、1995年の『憎しみ』では、フランスのスラム街に住む若者を姿を描き、セザール賞やカンヌ国際映画祭監督賞などを獲得しています。
本作『ハッピーエンド』ではイザベル・ユペールの演じたアンヌの弟トマを演じています。
ファンティーヌ・アルドゥアン(エヴ役)
2017年に火本で公開された『少女ファニーと運命の旅』の主人公の妹を務めたファンティーヌ・アルドゥアン。
彼女はハネケ監督に重要な役割を担う13歳のエヴに大抜擢されました。
本作『ハッピーエンド』では、ジャン=ルイ・トランティニャンの演じた家長ジョルジュの孫という役どころで、彼と不思議な関係を結びます。
透き通るまっすぐな瞳で何を訴えかけてくるのでしょうか。
4.映画『ハッピーエンド』のあらすじ
フランスの北部カレーに住むブルジョワジーのロラン家は、邸宅に3世帯が暮らしています。
家⻑ジョルジュは建築業を営んでいましたが、年齢とともにすでに引退。
その娘アンヌが家業を後を継ぎ、取引先銀⾏の顧問弁護⼠を恋⼈してビジネスで手腕を振るっています。
また専務職を任されているアンヌの息⼦ピエール。しかし彼はビジネスマンに徹しきれていません。
使⽤⼈や移⺠労働者の扱いも、祖⽗や⺟の世代への反撥があるものの、⼦ども染みた反抗しかできないウブで世間知らずな⻘年です。
さらにアンヌの弟トマは家業を継がずに医師として働いています。彼は再婚した若い妻アナイスとの間に幼い息子ポールがいました。
そのほかにも幼い娘のいるモロッコ⼈のラシッドと、その妻ジャミラは住み込みで⼀家に仕える使用人でした。
ロラン一家は同じテーブルを囲みながら⾷事をしても、それぞれの個人のことには無関⼼です。
SNSやメールに個々の秘密などを打ち込むだけでした。ですから血も繋がらず、ましてや移民の使⽤⼈のことなど、まったく人としての関心などありませんでした。
このような家族のなか、心を閉ざす孫娘エヴと老いたジョルジュの再会と二人が持つ“秘密”とは…。
5.『ハッピーエンド』の公開される劇場は
北海道・東北地区
札幌 シアターキノ(3/17(土)〜)
関東地区
東京 角川シネマ有楽町(3/3(土)〜)
横浜 シネマ・ジャック&ベティ(4/28(土)〜)
千葉 千葉劇場(3/3(土)〜)
群馬 シネマテークたかさき(4/28(土)〜)
中部地区
愛知 伏見ミリオン座(3/3(土)〜)
静岡 シネ・ギャラリー(4/28(土)〜)
浜松 シネマイーラ(4/28(土)〜)
近畿地区
大阪 シネ・リーブル梅田(3/3(土)〜)
京都 京都シネマ(3/3(土)〜)
兵庫 シネ・リーブル神戸(順次公開)
九州・沖縄地区
福岡 KBCシネマ1・2(3/3(土)〜)
那覇 桜坂劇場(4/28(土)〜)
*掲載した『ハッピーエンド』の公開される劇場は2月12日現在のものです。順次公開される劇場が増えることも予想されます。劇場にお出かけの際は必ず公式ホームページをご覧ください。
まとめ
カンヌ国際映画祭では常連のミヒャエル・ハネケ監督の『ハッピーエンド』は、移民やSNSなどの現代が抱える“闇”がテーマ。
『愛、アムール』から5年という空白期間の後、実力派の俳優を迎えてハネケ監督が撮りたかったものとは?
過去作『ピアニスト』など予習して劇場に臨みたいですね。
映画『ハッピーエンド』は、3月3日より角川シネマ有楽町ほか全国順次公開です。