ドイツ映画賞(2019)で作品賞、監督賞を含む6部門で最優秀賞を獲得。
東ドイツの秘密警察(シュタージ)に協力していた実在のシンガー・ソングライター、ゲアハルト・グンダーマンの生涯を描き、ドイツで最も権威のあるドイツ映画賞(2019)で作品賞、監督賞を含む6部門で最優秀賞を獲得した話題作『グンダ―マン 優しき裏切り者の歌』。
映画『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』は、2021年5月15日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開となります。
そしてこの度、東ドイツでシュタージの協力者だったグンダーマンの苦悩や、その時代に生きる人々のリアルな姿が映し出された予告映像が完成致しました。
映画『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』について
ベルリンの壁崩壊に先立つ1980年代から東ドイツで活躍していた実在のシンガー・ソングライター、ゲアハルト・グンダーマン(1955~98年)。
グンダーマンは、昼間は褐炭採掘場でパワーショベルを運転する労働者ですが、仕事が終わるとステージに上がり、自ら作った曲を仲間とともに歌います。
彼の希望や夢、理想に満ちた歌は、多くの人々に感動を与え人気者になっていきました。その一方、当時の秘密警察(シュタージ)に協力するスパイとして友人や仲間を裏切っていたんです。
1990年の東西ドイツ統一後、自身も友人にスパイされていたことを知り、その矛盾を自らに問うこととなり…。
監督は、現在ドイツで最も注目されている東ドイツ出身のアンドレアス・ドレーゼン。
絶大な信頼をおく脚本のライラ・シュティーラーとともに、10年の歳月をかけて、人間と国家の断末魔の叫びをユーモア溢れるリアルで繊細なタッチで掬い取り、ドイツで最も権威のあるドイツ映画賞(2019)で作品賞、監督賞含む6部門で最優秀賞を獲得しました。
東ベルリン生まれの主演俳優アレクサンダー・シェーアは、グンダーマン本人と見間違うほどの神がかり的な演技を見せ、劇中で演奏される全15曲を自らカバーして歌っています。
グンダーマンの妻コニーを演じるのは可憐なアンナ・ウンターベルガー。
本作は、2つの時代から東ドイツの過去を厳しく見つめ、問い直そうとする東ドイツ独特の“ふるさと映画”でもあります。
分断されていた国に生きた人物の複雑な生涯と、現在を生きる人々との橋渡しをするように響く哀しくも美しい歌とともに紡がれる、新しいドイツ映画であり、音楽映画の傑作が誕生しました。
映画『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』の作品情報
【日本公開】
2021年(映画)
【監督】
アンドレアス・ドレーゼン
【脚本】
ライラ・シュティーラー
【キャスト】
アレクサンダー・シェーア、アンナ・ウンターベルガー
【日本語字幕・資料監修】
山根恵子
映画『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』のあらすじ
東ドイツのボブ・ディランと言われたシンガー・ソングライター、ゲアハルト・グンダーマンは、ベルリンの壁が崩壊し、東ドイツが消滅した後もカリスマ的な人気を博していました。
しかし、彼は人には言えない過去を抱えていたんです。
昼間は炭鉱でパワーショベルを運転、仕事が終わると仲間と共にステージに上がり、自作の歌で人々に感動を与えていたグンダーマン。
ですが、東西統一後、シュタージに協力した人々の多くが、その事実をひた隠し、公になることを恐れていました。
かつて、バンド仲間や友人たちの行動を報告していた過去が脳裏を過ります。そして、友人の妻となった幼なじみコニーへの諦めきれない想い。優しかった父との確執と再会。
そんなある時、かつてシュタージに協力した著名人たちが次々と告発されるのをテレビ報道で知ります。
彼は友人たちを訪ね、過去の自分とシュタージとの関わりを告白。
しかし、逆に「俺もお前を監視し、報告してた」と告げられてしまいます。
驚きと失望に苛まれながら、コニーとの間に生まれた娘リンダの前で、自分がやるべきことは何なのかに気付くグンダーマン。
そして、新しいバンドの仲間にシュタージに協力していたことを告げ、観衆の待つステージに上がってゆき……。
まとめ
失われた国、最大のスキャンダルとなった――。“東ドイツのボブ・ディラン”と呼ばれ、スパイだった男の真実の物語。
多くの顔をもち、矛盾に満ち溢れたグンダーマンの人生を通して、ようやく東ドイツという国を理解することができることでしょう。
東ドイツの秘密警察に協力していた実在のシンガー・ソングライターの生涯を描いた映画『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』は、2021年5月15日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開です。