動画で見る渡辺紘文監督インタビュー映画『蒲田前奏曲』
中川龍太郎、穐山茉由、安川有果、渡辺紘文という4人の監督による連作スタイルの長編映画『蒲田前奏曲』。新しいスタイルのこの作品が、2020年9月25日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、キネカ大森ほか全国順次公開されます。
今回は、映画『蒲田前奏曲』の連作第4番「シーカランスどこへ行く」の渡辺紘文監督のインタビュー動画を紹介。
出演者は、ほぼ渡辺監督自身と子役のリコの2人だけのモノクロ作品。渡辺監督は住まう栃木県大田原市から、いかにして“東京中心主義への批判”の作品を制作に至ったか。また、地元のプロ俳優ではない出演者や子供たちをどのように演出しているのかなど。
渡辺監督のこだわりを知ることができるインタビュー動画です。
渡辺紘文監督インタビュー:5分51秒
渡辺紘文監督プロフィール
1982年生まれ、栃木県大田原市出身。日本映画学校(現・日本映画大学)卒業。
2008年の卒業制作作品『八月の軽い豚』は第9回フジフィルムラヴァーズフェスタ・グランプリ、京都学生映画祭・入選、佐藤忠男賞など多くの賞を獲得しました。
2013年には故郷である栃木県大田原市にて、実の弟で映画音楽家の渡辺雄司とともに映画制作集団「大田原愚豚舎」を旗揚げ。そして第一作にして自身初の長編監督作『そして泥船はゆく』は第26回東京国際映画祭をはじめ世界各地の映画祭・コンペティションに出品されて大きな反響を呼びました。
その後も2015年に『七日』、2016年に『プールサイドマン』、2017年に『地球はお祭り騒ぎ』を発表。また2019年の第32回東京国際映画祭にてワールドプレミア上映された『叫び声』は日本映画スプラッシュ部門にて監督賞を受賞しました。
映画『蒲田前奏曲』第4番「シーカランスどこへ行く」の作品情報
【公開】
2020年(日本映画)
【英題】
Kamata Prélude
【監督・脚本】
渡辺紘文(大田原愚豚舎)
【キャスト】
久次璃子、渡辺紘文
【作品概要】
映画『蒲田前奏曲』は、4人の監督による連作スタイルの長編映画です。中川龍太郎(第1番「蒲田哀歌」)、穐山茉由(第2番「呑川ラプソディ」)、安川有果(第3番「行き止まりの人々」)、渡辺紘文(第4番「シーカランスどこへ行く」)という監督たちが、各自の手法でコミカルに手掛けることで長編作へと仕上げていった意欲作。
売れない女優・マチ子を通し、女性が人格をうまく使い分けることが求められる社会への皮肉を、周囲の人々との交わりを介しながら描いています。
第4番「シーカランスどこへ行く」の監督を務めるのは、渡辺紘文(大田原愚豚舎)。映画音楽家の渡辺雄司と共に映画製作集団 大田原愚豚舎作品を旗揚げし、映画『叫び声』(2019)が東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門監督賞に輝きました。第22回ウディネ・ファーイースト映画祭では大田原愚豚舎作品、渡辺紘文監督特集が組まれるなどしています。
映画『蒲田前奏曲』第4番「シーカランスどこへ行く」のあらすじ
女優の蒲田マチ子の実家は大田原にあります。
大田原に住むマチ子の親戚の小学5年生のリコは、映画に出演するために大田原の撮影現場にいました。
待機場所でじっと雑誌を見ながら出番を待っていると、映画監督の渡辺が挨拶にやって来ます。
「リコさんにちょっとまた別の僕の作品に出てもらいたいなと思っているんですけどね。今度東京で活躍している蒲田マチ子を起用したオムニバス映画を企画しているんです。4人の映画監督が蒲田マチ子に関する映画を撮るというオムニバス映画なんですよ、要は。4人の監督が4本の映画をとって、1本のオムニバス映画にするっていうもので、僕もその一人の監督として依頼を受けたんですけど……」
渡辺監督は挨拶もそこそこに、リコを相手に長々と自分の話を始めます。どうやら、リコが蒲田マチ子の親戚とは知らないようでした。
「リコさんは、ああいうオムニバス映画とかどう思います? 正直言って」何回も尋ねる監督の質問を、リコは笑顔か頷きだけで返答します。
その後も、渡辺監督目線の東京中心主義、映画業界、日本の社会問題についての考えが、延々と続きます。
そのたびに、監督は「ねぇ、リコさんはどうお考えですか?」と尋ねてきます。リコは無視はしませんが、黙っています。
そのうちに、いよいよ撮影に入りますが…。
*本記事に使用したインタビュー動画は、《映画メディア「アマゴチャン MOVIE A GO GO」》で制作された動画で、本サイト「Cinemarche」と業務提携をおこなっている姉妹サイトです。