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Entry 2020/08/12
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映画『ファナティック』感想レビューと内容考察。ラストまでガチ怖なハリウッドの狂愛者が最恐の来日|SF恐怖映画という名の観覧車115

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile115

猛暑や連日続く暗いニュースがある現代社会で、好きになれるものがあることは人生を潤す原動力になります。

しかし、行き過ぎた「好き」と言う感情は時に恐怖に成りえます。

今回は「好き」を募らせた1人の映画ファンが、その行動を徐々にエスカレートさせていく恐怖映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』(2020)の魅力をご紹介させていただきます。

本作『ファナティック ハリウッドの狂愛者』は、2020年9月4日(金)より全国映画館でロードショーされます。

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』の作品情報


(C)BILL KENWRIGHT LTD, 2019

【原題】
The Fanatic

【日本公開】
2020年(アメリカ映画)

【監督】
フレッド・ダースト

【キャスト】
ジョン・トラボルタ、デヴォン・サワ、アナ・ゴーリャ、ジェイコブ・グロドニック、ジェームズ・パクストン

『ファナティック ハリウッドの狂愛者』のあらすじ


(C)BILL KENWRIGHT LTD, 2019

大の映画好きでありハリウッドでストリートパフォーマンスを行い日銭を稼ぐムース(ジョン・トラボルタ)は、ハリウッドスターのハンター・ダンバー(デヴォン・サワ)の熱狂的なファンでもありました。

ある日、行きつけの映画ショップで行われたダンバーのサイン会でハンターからサインを貰えなかったムースは、徐々にハンターへの行き過ぎた接触を行うようになり…。

エスカレートしていく純愛


(C)BILL KENWRIGHT LTD, 2019

アメリカのメタルバンド「リンプ・ビズキット」のボーカルであり監督業も行うフレッド・ダーストは、ファンたちによる大ブーイングや恋人との性行為の動画の流出など自身のバンド活動内で様々な体験をしてきました。

そんなフレッド・ダーストが監督として制作した最新映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』は、主演のジョン・トラボルタが演じるムースが愛のあまり暴走していく様子を描いています。

「ストーカー」と呼ばれると強く拒否反応を示すムースは自身は純粋な「ファン」であると自負しており、ハリウッドスターであるハンターを付け回そうとも家に侵入しようとも自身の行為を「悪」とは思っていません。

誰よりも純粋に愛してるからこそ、狂気に染まっていく最凶の恐怖映画といえる作品でした。

狂愛を描く映画


(C)BILL KENWRIGHT LTD, 2019

「ファン」による行き過ぎた「狂愛」を描いた映画といえば、ロブ・ライナーがスティーブン・キングの小説を実写化した『ミザリー』(1991)が思い浮かびます。

しかし、「狂愛」の対象となった小説家のポール視点で物語を描いた『ミザリー』と異なり、本作は「狂愛」を募らせるムース視点で物語が展開されます。

そのため、明らかに道義的にも法律的にも間違った行為を繰り返すムースに全く感情移入が出来なくなっていきますが、「これ以上間違った行為に身を染めないでくれ」と言う気持ちも生まれます。

ムースの純粋さが「恐怖」と同時に、「バッドエンドで終わってほしくない」という不思議な感情をも持たせる作品でした。

「愛」と「恐怖」のあまり狂い始める日常


(C)BILL KENWRIGHT LTD, 2019

いちファンでは絶対に手の届かない存在であるハリウッドスター。

しかし、サイン会というイベントと、ハリウッドスターの住所であっても簡単に特定されてしまうような「現代社会」がファンとスターの接触を生み、巻き起こる悲劇の物語。

『ファイナル・デスティネーション』(2001)で「死の恐怖」に立ち向かう主人公を演じたデヴォン・サワが、本作でハリウッドスターのハンター・ダンバーを演じています。

ハンターからすれば全く面識のないムースに付きまとわれますが、ハリウッドスターである彼はよくある事だとムースの存在と行動を軽く見ていました。

しかし、元妻との息子がハンターの家に泊まるようになり始めてから、ハンターの家にすら現れるようになったムースに初めて「恐怖」を感じるようになり、ハンターはムースに対し執拗以上に攻撃的になります。

付きまとい行為は繰り返すうちに加害者の行動をエスカレートさせるだけでなく、被害者の精神を深刻なほどに蝕んでいくということが分かるデヴォン・サワの見事な演技が映える作品でした。

七変化を見せるジョン・トラボルタ


(C)BILL KENWRIGHT LTD, 2019

主人公のムースを演じたジョン・トラボルタと言えば『サタデー・ナイト・フィーバー』(1978)での演技により世界的に有名となったスター俳優。

一時期は役に恵まれず俳優として伸び悩んでいた時期もありましたが、『パルプ・フィクション』(1994)での復活後は骨太で横暴な役柄や、ミュージカル映画『ヘアスプレー』(2007)での特殊メイクを使っての主人公の母親役など役柄を選ばない俳優として今やハリウッドでは欠かせない俳優となっています。

そんなジョン・トラボルタが本作『ファナティック ハリウッドの狂愛者』では強烈な見た目のムースを熱演。

自閉症であり大の映画ファンであるムースが愛情ゆえに狂気へと駆られていく様子は、ジョン・トラボルタファンには必見であると言えます。

まとめ


(C)BILL KENWRIGHT LTD, 2019

主人公ムースにとってハリウッドスターのハンターの存在は「救い」であったと言えます。

しかし、自身の中で「偶像」であったハンターと実際に会える距離になってしまったことで、ムースの抑えきれない愛情が暴走を始める本作は、何かに対して「好き」と言う感情を持つ全ての人に見て欲しい作品。

映画『ファナティック ハリウッドの狂愛者』は2020年9月4日(金)より全国映画館でロードショーされます。

アーティストのフレッド・ダースト監督の描く独特な映像表現も必見である本作を、ぜひ映画館でご覧になってください。

次回の「SF恐怖映画という名の観覧車」は…

いかがでしたか。

次回のprofile116では、5分間だけ超人的能力を得ることの出来る薬を巡る捜査劇を描いたNetflix映画『プロジェクト・パワー』(2020)をネタバレあらすじを交えご紹介させていただきます。

8月19日(水)の掲載をお楽しみに!

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら



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