映画『悪の華』2019年9月27日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー!
押見修造の同題人気コミックに惚れ込んだ井口昇監督が映像化した、暗黒青春劇。
累計発行部数300万部を記録し、テレビアニメ化もされた押見修造の『悪の華』。
フランスの詩人ボードレールに耽溺する主人公の春日高男に伊藤健太郎が演じ、彼を振り回すヒロイン・仲村佐和に玉城ティナが務めました。
中学と高校のそれぞれのパートで重要な役どころで新鋭の秋田汐梨と飯豊まりえがと出演します。
カルト的な人気映画『片腕マシンガール』の井口昇監督が演出を務め、アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の岡田麿里が脚本を担当しています。
映画『悪の華』の作品情報
【公開】
2019年(日本映画)
【原作】
押見修造
【脚本】
岡田麿里
【監督】
井口昇
【キャスト】
伊藤健太郎、玉城ティナ、飯豊まりえ、秋田汐梨、坂井真紀、鶴見辰吾、高橋和也
【作品概要】
鬱屈した青春の暗黒面を描いた、押見修造の原作に惚れ込んだ井口昇監督が念願の映画化。ダブル主演で伊藤健太郎と玉城ティナ暗黒青春劇。
共演に飯豊まりえ、秋田汐梨、坂井真紀、高橋和也、鶴見辰吾が脇を固めています。
映画『悪の華』のあらすじとネタバレ
山に囲まれた閉塞感のある町で暮らす青年・春日高男。彼はフランスの詩人シャルル=ピエール・ボードレールの「悪の華」を心のよりどころする、陰鬱とした生活を送っています。
ある日の放課後、春日は誰もいない教室で想いを寄せる佐伯奈々子の体操服を発見、思わず持ち帰ってしまいます。
その姿を仲村佐和に見られてしまっていました。佐和は教師に暴言を吐き、家庭でも暴力的な態度をとるような問題児でした。
黙っている代わりに言うことを聞くことを約束された高男は、佐和から変態と罵られながらも逆らえない日々を送ることになりました。
高男を変態と罵る一方で、佐和は自分も同じ変態なんだと告白します。
佐和の思惑もあって佐伯奈々子と交際するようになった高男。しかし体操服の一件を言い出せず苦しい思いが募ります。
ある夜、佐和に全てを告白したいと語った高男に対して、今までの悪行を全て黒板に書き出せと言い放ちます。
最初は黒板だけだった高男の告白は、やがて墨汁をぶちまけ教室中に自分の中の暗部をぶちまけます。
翌朝、騒動について問い詰められて高男は佐和と共に家を飛び出します。街を囲む山を乗り越えようとした二人でしたが結局向こう側には行けずに終わりました。
夏休みになり秘密基地を作った高男は、佐和と暗い密会に没頭していきます。
佐伯奈々子は二人の間に割って入ろうとしますが、高男はそれを拒みます。
高男に拒絶された奈々子は基地に火を放ちます。
その場を後にした高男と佐和は、夏祭りのやぐらを占拠し心中騒動未遂を起こします。
映画『悪の華』の感想と評価
若き俳優・伊藤健太郎の演技力
本作は“若きテクニシャン”伊藤健太郎の実力を、改めて感じることができる作品です。
この人が出ると、映画自体はちょっという時も彼が出てくると、映画の中のクオリティを一段、二段上に跳ね上げてくれます。
この作品では、主人公の中学生と高校生を演じています。
どちらも“陰キャ”であることは変わりませんが、ある事件の前後ということで、全く違うタイプを陰キャになっていて、その演じ分けに注目です。
一般的に言えば2018年秋のドラマ『今日から俺は‼︎』の出演で、一気認知度が上がったかもしれませんが、その前の作品も見返して見ると面白いものが多いかもしれません。
ちなみにデビュー時の芸名は健太郎でしたが、『今日から俺は‼︎』の役名が本名と同じ“伊藤”だったこともあって、21歳になったタイミングで今の芸名“伊藤健太郎”にしたとのことです。
まとめ
主役の伊藤健太郎と玉城ティナはすでに『サクラダリセット』や『うぃらぶ。』などで共演済みということもあって、互いに信頼関係があるのでしょう。
シビアなシーンも互いに変な遠慮をしている感じがなく、むき出しの荒々しさ、若々しさを存分に発散させます。
また、オーディションで大抜擢された秋田汐梨の捨て身の暴走や、逆に一歩引く演技を見せる飯豊まりえという、中学生パート・高校生パートそれぞれのヒロインの演技も物語にメリハリを与えてくれます。
監督が海外ファンタスティック映画祭界隈では大人気の井口昇監督で、原作に惚れ込んだと言っているだけあって、細部まで密度が濃いドラマとなっています。
基本的に爽やかさゼロ、青春時代のどろどろとした暗く黒い部分だけを抽出したような物語なので、見るのに多少の体力が必要かもしれませんが、見ごたえたっぷりの作品に仕上がりました。
映画『悪の華』2019年9月27日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー!