壮大なスケールと予算で映像化された
大人気コミックの実写ドラマシリーズ!
「最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定され、多くのファンを持つ尾田栄一郎による漫画『ONE PIECE』。
海外でも累計発行部数は1億部を超えており、国内外でもその人気は留まることがありません。
そして2023年、実写化は困難とされていた壮大なファンタジー冒険譚である『ONE PIECE』が映像配信サービス「Netflix」によって映像化。
今回は、世界が注目する実写ドラマシリーズとなった『ONE PIECE シーズン1』をネタバレあらすじを含めご紹介いたします。
CONTENTS
ドラマ『ONE PIECE シーズン1』の作品情報
【配信】
2023年8月31日(Netflix独占配信)
【原作】
尾田栄一郎『ONE PIECE』(集英社)
【製作総指揮】
尾田栄一郎、マーティ・アデルスタイン、ベッキー・クレメンツ、マット・オーウェンズ、スティーヴン・マエダ
【監督】
マーク・ジョブスト
【脚本】
スティーヴン・マエダ、マット・オーウェンズ
【キャスト】
イニャキ・ゴドイ、新田真剣佑、エミリー・ラッド、ジェイコブ・ロメロ・ギブソン、タズ・スカイラー
【作品概要】
全世界累計発行部数5億部を突破した世界的コミックス『ONE PIECE』を、原作者である尾田栄一郎が製作総指揮に加わり映像化したドラマシリーズ。
メキシコの俳優イニャキ・ゴトイが主人公のルフィを演じ、「ちはやふる」シリーズに出演した新田真剣佑、Netflix映画『フィアー・ストリート』に出演したエミリー・ラッドが共演として本作に参加しました。
ドラマ『ONE PIECE シーズン1』のあらすじとネタバレ
【ローグタウン:22年前】
《海賊王》ことゴールド・ロジャーが世界政府に拘束され処刑されました。
ゴールド・ロジャーは死の寸前に自身の財宝を広大な海のどこかに隠したと言い残し、世は「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を求める大航海時代を迎えることになります。
【東の海(イーストブルー):現在】
海賊王を目指すルフィは自作の船で漂浪していました。
船は崩壊し、泳げないルフィは樽の中に避難していたところを「金棒のアルビダ」が率いる海賊団の船員コビーに拾われます。
海賊の明るい夢を語るルフィに対し、アルビダに奴隷のように扱われるコビーは海賊に明るい未来を見出せていませんでした。
コビーはアルビダの船からルフィを逃がそうとしますが、アルビダに見咎められてしまい金棒で殺害されそうになります。
しかし、ルフィは身体がゴムで出来ているためアルビダの攻撃も銃撃も効かず、腕を伸ばし殴りつける「ゴムゴムの銃」でアルビダを倒し、アルビダの海賊船を奪いコビーと共に旅立ちました。
【フーシャ村:10年前】
村によく現れるルフィの憧れの海賊「赤髪のシャンクス」が隠し持っていた「悪魔の実」を食べてしまったルフィは、ゴム人間になってしまいます。
ある日、ワンピースを探すために街を出て行くことにしたシャンクスのことを聞いたルフィは、酒場を荒らす山賊に立ち向かったことで拐われてしまい、海に落とされてしまいます。
「悪魔の実」を食べた人間は海水に触れると力を失ってしまうため、ルフィは溺れかけますがそこにシャンクスが現れ、ルフィを喰おうとする「近海の主」を追い返しルフィを救いました。
しかし、その代償としてシャンクスは左腕を失ってしまいます。
村を去っていくシャンクスに、いつか自分の海賊団を作りシャンクスを超えると約束すると、シャンクスは約束の証として自身の麦わら帽をルフィに託しました。
【シクシス島:現在】
秘密結社「バロックワークス」のMr.7と名乗る男に組織に勧誘される海賊狩りの剣士ロロノア・ゾロでしたが、勧誘を断るとMr.7はゾロに襲いかかり、逆に返り討ちにされます。
海賊王を目指すルフィと海軍を目指すコビーはお互いの目的から、海軍の街シェルズタウンを訪れていました。
街の酒場で食事をしていたルフィとコビーは、少女に対し酷い仕打ちをした男を打ちのめしたゾロを目にします。
ゾロは懸賞首であるMr.7の死体を引き渡しに街を訪れていましたが、ゾロが打ちのめした男・ヘルメッポは街を支配するモーガン大佐の息子であり、ゾロは7日間飲まず食わずの磔の刑に処されることになりました。
海賊から盗みを行う盗賊のナミは騒動に紛れ海軍の基地に紛れ込んでおり、一方でルフィは海図を盗むために基地へ侵入。
しかし、道に迷い磔にされたゾロの前に来てしまったルフィは、少女を守るために奮闘したゾロを仲間に誘うためゾロの拘束を解きました。
その後、ルフィは基地に忍び込むと同じく海図を盗もうとしていたナミと遭遇し、一時的に行動を共にします。モーガンの部屋に侵入した2人でしたが侵入が露見し、基地内の兵士が総勢で2人に襲いかかります。
モーガンも加わり多勢に無勢となった時、ヘルメッポから剣を取り戻したゾロがルフィに加勢。3人は協力しモーガンたちを倒すと、世界を一周する「ワンピース」のありかとされる「偉大なる航路(グランドライン)」の海図を奪い、自分たちの船へと乗り込みます。
ルフィとの出会いによって夢を追う決心のついたコビーは、立場上は敵になるもののずっと友達であることを約束し別れました。
海図が奪われた報告を受けた海軍のガープ、そして海賊「道化のバギー」は「麦わら帽の海賊」の存在を知ります。
船旅を続けるルフィたちはバギー海賊団の襲撃を受け囚われてしまいます。囚われる寸前にルフィは海図を飲み込み、体内に海図を隠しました。
「東の海」で最大の海賊団を率いるバギーは、街を襲撃し街の人間を奴隷にする非道な海賊でした。海図を手に入れるためバギーはルフィを拷問しますが、奴隷の子供に手を出そうとしたことに激怒したルフィは、拘束を解きバギーを殴ります。
バギーの頭が胴体から取れたことでルフィは驚きますが、バギーは「バラバラの実」を食べた能力者であり、ルフィを再び昏睡させました。
シェルズタウンを訪れたガープは海軍の見習いとなったコビーを基地を襲撃した海賊の仲間だと看破し、真実を聞き出すとコビーに誠実であることを求めつつ海軍として受け入れます。
ルフィは海水の水槽に入れられ拷問を受けていましたが、拘束を解いたルフィとゾロが水槽を破壊。バラバラになるバギーの身体を宝箱や樽に詰め、手足と頭だけにしたルフィは「ゴムゴムのバズーカ」でバギーを吹き飛ばしました。
奴隷たちを解放したルフィは海図を取り戻すと、海図をナミに渡し3人で再び船を進めます。
【シロップ村:7年前】
海賊の父親が帰ってきたと伝え、病気の母親を元気づけるために「海賊が来る」と毎日嘘をつき続けた村の少年・ウソップ。
しかし、その代償としてもはや村では誰も彼の言葉を信じるものはいませんでした。
【シロップ村:現在】
壊れ始めた船の代わりを見つけるため、造船技術が有名なシロップ村を訪れたルフィたち。
一方、ガープが率いる海軍の船に乗った見習いのコビーとヘルメッポは、真面目に雑事をこなすコビーは評価を受けますが、雑事を嫌がるヘルメッポは冷遇されます。
シロップ村で目当ての船を見つけたルフィは、船の清掃担当のウソップと知り合います。ウソップは造船所を所有する貴族のカヤと知り合いであると言い、一行を彼女の館に招待。
カヤはウソップたちを快く受け入れますが、執事のクラハドールと使用人のブチとシャムはウソップがカヤに近づくことを快く思いませんでした。
ウソップは病弱なカヤのために嘘の冒険譚を日夜話して聞かせており、身分は違えど信頼関係を築いていました。晩餐会に招かれたルフィたちでしたが、ゾロはクラハドールの顔に見覚えがあると疑問を覚えます。
夜、晩餐会にカヤの亡き両親の造船所を管理しているメリーが招かれます。
カヤは0時をもって成人となるため、自身が造船所の単独所有者となることを話しますが、0時を前に体調を崩して部屋に戻ってしまいます。
メリーはカヤが造船所の所有権をクラハドールに移そうとしていることを疑問に思い、クラハドールを問い詰めようとしますが、本性を現したクラハドールによって刺殺。
バギーは「ノコギリのアーロン」が支配していた村を襲ったことでアーロンに拘束されます。
眠りにつくことができずに館で盗みを働いていたナミはカヤに見咎められ、一方で同じく眠れないルフィとゾロはウソップと会いました。
ウソップの父親はシャンクスの仲間であり、ルフィとの会話が盛り上がりますが、酒を探すゾロとウソップは地下の貯蔵庫でメリーの死体を目撃。ゾロはクラハドールがクロネコ海賊団の船長「百計のクロ」であることに気づきます。
ゾロはクロと対峙しますが、使用人のブチとシャムもクロの味方であり、ゾロは不意を突かれ失神させられ、井戸に捨てられます。
ウソップは館を抜け出し村の人間に助けを求めますが、日々の嘘のせいで誰もウソップを信じる人間はおらず孤立。そこにルフィを追って村に現れたコビーとヘルメッポが駆けつけました。
ウソップの語る言葉を聞いたヘルメッポは、クロを逮捕した海軍がモーガンであることを理由に、彼の言葉を信用しませんでした。
カヤの館に同行したコビーとヘルメッポでしたが、クロは執事のクラハドールとしての受け答えに終始した上で、ブチがカヤを病死に見せかけるために作った毒のスープを飲み干し、生き絶えたルフィをコビーに引き渡し扉を閉めます。
自分の言葉を誰も信じてくれないことに絶望したウソップはひとりでカヤのもとを訪れ、クラハドールが悪人だと伝えます。カヤもウソップの言葉を信じませんでしたが、ウソップは安全になるまでカヤのもとを離れないことを誓います。
0時を回り、カヤが成人になったことでクロはブチとシャムと共に正体を表し、館の装置を起動し全ての出入り口を封鎖。
隠れてクロの言葉を聞いていたナミがカヤとウソップに合流し真実を話すと、カヤはついに館から逃げ出す決心をします。
【シモツキ村:7年前】
剣技が盛んな村で剣技に励むゾロでしたが、同年代の少女くいなに歯が立ちませんでした。
くいなは自身が女性であることで、大人になればなるほど男女の身体的な差で弱くなることに怯えていましたが、ゾロは2人で世界最強の剣士になることを誓います。
しかしある日、くいなは事故であっさりと死亡し、残されたゾロはくいなの刀を譲り受け、最強の剣士を目指し始めたのでした。
【シロップ村:現在】
井戸で目を覚ましたゾロは自力で井戸を脱出。コビーとヘルメッポに運ばれるルフィは息を吹き返し毒を吐き出します。
ルフィは仲間を助けるために館に戻ることを求めますが、ヘルメッポはルフィを拘束しようとします。
その場に現れたゾロがヘルメッポを気絶させると、コビーが反対する中ルフィはゾロと館へ戻って行きました。館に戻ったゾロはブチとシャムと対峙し、ルフィはクロと対峙。
素早い相手の動きに翻弄されますが、ゾロはブチとシャムを下すと、ルフィはクロを「ゴムゴムの鐘」で館の外へ吹き飛ばしました。
カヤから感謝の印として「ゴーイング・メリー号」を貰った3人は、新たな仲間にウソップを加え航海を続けます。ガープにルフィ確保の失敗を告げるコビーでしたが、ガープはルフィたちを炙り出すことに成功したと言います。
砲撃の音に気づいたルフィは、自身たちを砲撃する海軍の船に乗るガープを見て「おじいちゃん」と呟きました。ガープは砲弾をメリー号に撃ち込みますが、ルフィが身体を使って砲弾を撃ち返し、海軍の船を撤退に追い込みました。
霧の中、ルフィの嗅覚を頼りに船を進める一行は、海上レストラン「バラティエ」にたどり着きます。
予約で埋まる大人気のレストランの厨房では、片脚が義足のオーナーシェフのゼフが絶大な権力を振りかざし、自身の好きな料理を作らせてもらえないシェフのサンジは辛酸を噛み締めていました。
ガープはルフィの捕獲を世界最強の剣士と呼ばれる「王下七武海」の「鷹の目のミホーク」に依頼。ミホークは暇つぶしとして「首領・クリーク」の海賊団を始末するとルフィの捕獲に向かいます。
バラティエで飲食した代金を払う金がなく、ゼフに引っ立てられたルフィは店で雑用として働くことになりました。
ドラマ『ONE PIECE シーズン1』の感想と評価
莫大な予算で映像化された人気漫画
漫画やアニメの映像化、いわゆる「実写化」と呼ばれる作品は映画やドラマの歴史上古くからあり、映像の歴史とは切っても切れない関係にあります。
ただ、生身の人間が演技を行う「実写化」作品は実物での代用が難しい「ファンタジー」な漫画とは相性が悪く、演出や舞台のすべてを「CG」や「セット」で補う必要があり、莫大な予算を必要としてしまいます。
技術の進歩によって掛かる費用は抑えられるようになったものの、総時間の長いドラマシリーズとしては敷居の高さがあり、半端なCGでは多くのファンから批判を受けかねない「ファンタジー」作品。
「実写化」作品として注目を集めていた『ONE PIECE』も、原作が壮大な「ファンタジー冒険譚」であるがゆえに、期待と共に不安視もされていました。
しかし、本作は1エピソードあたり1800万ドルと言うドラマシリーズとしては異色の予算をかけて制作されていることが明かされ、作中では原作の世界観を実写作品として大きな違和感なく再現。
ファンの期待に確実に応えると言う製作陣の強い意気込みと、莫大な予算をかけることによる本気の「実写化」を見ることができる作品となっていました。
原作者が徹底的に監修した「実写化」
本作は原作者の尾田栄一郎が製作総指揮に携わっており、自身の作品の世界観を損ねないために徹底的な監修を行いました。
監修の一端として尾田栄一郎はキャスティングの選考にも参加しており、本作の主要なキャストは俳優個人の知名度に関係なく起用されただけでなく、日本語吹替版では「麦わらの一味」をアニメ版と同じ声優が担当するなど、原作との親和性がとことん追求されました。
その効果もあり、本作は尺の都合上で仕方のない改変はありつつも、概ね原作準拠で物語が展開されただけでなく、コビーとヘルメッポという本編では扉絵での1コマでしか描かれなかった後の重要人物が、序盤からメイン級の登場人物として登場します。
序盤の端役が中盤にメインの舞台に上がる熱さをより効果的に演出しており、この展開は原作者が関わっているからこそと感じさせてくれました。
まとめ
「東の海編」の「アーロンパーク編」までを映像化したNetflix実写ドラマ『ONE PIECE シーズン1』。
物語のラストでは「ローグタウン編」での重要人物となるスモーカー大佐らしき人物の後ろ姿も登場し、実写版『ONE PIECE』は評判次第で長く続くシリーズとなることも期待されます。
1997年から連載され、広い世代で親しまれる『ONE PIECE』の新たなる媒体での出航をぜひその目で確かめて欲しいと心の底から思う、強くオススメしたいドラマシリーズでした。