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韓国ドラマ『秘密の森』ネタバレ感想と結末まであらすじ。考察は犯人とラストの真相を深掘り!

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  • 20231113

チョ・スンウとペ・ドゥナ主演。海外からも高い評価を受けた、極上の韓流ミステリードラマシーズン1を紹介

1つの殺人事件を発端に検察や警察内部、さらに財閥や政府要人を含む社会に巣食う腐敗と向き合うことになる、敏腕検事と女刑事を描いたドラマ『秘密の森』。

2017年に韓国で放送されたシーズン1は、韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれる第54回百想芸術大賞で、TV部門大賞を受賞しました。

さらにチョ・スンウはTV部門男最優秀演技賞を、脚本を手掛けたイ・スヨンはTV部門脚本賞を受賞する快挙を成し遂げています。

またニューヨーク・タイムズが選ぶ、2017年国際TVドラマTOP10賞にも選ばれ、このドラマはNetflixを通じ全世界に配信されました。

韓流ドラマの枠を越え、優れた社会派サスペンスドラマの評価を獲得した『秘密の森』。そのシーズン1の魅力に迫ります。

映画『秘密の森 シーズン1』の作品情報


Netflix 秘密の森

【韓国放送】
2017年(韓国ドラマ)全16話

【原題】
비밀의숲

【演出】
アン・ギルホ(안길호)

【脚本】
イ・スヨン(이수연)

【出演】
チョ・スンウ(조승우)、ぺ・ドゥナ(배두나)、ユ・ジェミョン(유재명)、イ・ジュニョク(이준혁)、シン・ヘソン(신혜선)

【作品概要】
子供時代に脳手術を受けた結果、感情を失い、理性のみで行動する孤高の検事ファン・シモク(チョ・スンウ)。検察の内部不正の追及に動いた彼の前に、贈賄事件の容疑者が死体となり現れました。

事件の容疑者は、刑事のハン・ヨジン(ぺ・ドゥナ)によって逮捕されました。しかし容疑者の自殺で、事件は社会の注目を集めます。

シモク検事はヨジン刑事と真相の究明に当たりますが、検察と警察内部に汚職に関わった人物がおり、さらに新たな事件が起き捜査は混迷を深めました。

やがて事件は政界や財閥を巻き込む、韓国社会を揺るがす事態に発展していきます…。

『風水師 王の運命を決めた男』(2018)に出演したチョ・スンウと、山下敦弘監督の『リンダ リンダ リンダ』(2005)や、是枝裕和監督の『空気人形』(2009)に出演したぺ・ドゥナが主演を務めます。

名バイプレーヤーとして名高いユ・ジェミョン、ドラマ『怪しい三兄弟』(2009~)や『裸の消防士』(2017~)で人気のイ・ジュニョク、ドラマ『ドキドキ再婚ロマンス 子どもが5人』(2016)で注目を集めたシン・ヘソンらが共演を務めます。

映画『秘密の森 シーズン1』のあらすじとネタバレ(全16話)


Netflix 秘密の森

脳の異常な発達の影響で、音などの周囲の刺激に痛みを感じ暴力的に振る舞う幼いファン・シモク。

治療のために脳の一部を切除する手術を受けます。その結果彼は、感情を失ってしまいます…。

現在。ソウル市の西部地検の検事となったファン・シモク(チョ・スンウ)。

彼は検察内部にはびこる不正の情報を持つ、検事に接待や口利きをしていた、破産した元会社経営者パク・ムソンの家を訪ねます。

シモクが家に入った時、ムソンは殺害されていました。通報で現れた龍山警察署の女刑事、ハン・ヨジン(ぺ・ドゥナ)が逃げた容疑者、ジンソプを逮捕します。

ヨジン刑事に断りなく、ジンソプを検察に連行するシモク検事。

西部地検の次長検事、イ・チャンジュン(ユ・ジェミョン)は、腹心の検事ソ・ドンジェ(イ・ジュニョク)の進言で、事件を見習い女検事ヨン・ウンス(シン・ヘソン)に担当させます。

ソ検事のアドバイスに従い裁判に臨むウンス。ジンソプの有罪は確定しますが、彼は無罪を訴える嘆願書を出し自殺しました。

検察が証拠を捏造したと疑われ、マスコミの追及に窮地に立つウンス検事。

シモクはヨジン刑事と協力し、真相の解明に当たります。次々現れる証拠に、何か裏があると考える2人。

殺されたムソンはイ次長検事と汚職の関わりがあるようで、ヨジンの上司ウギョン警察署長はイ次長の友人。

汚職事件は検察・権力上層部に深く関わっていると思い知らされます。

一方シモクをライバル視するソ検事は、シモクに責任を押し付け、失脚させようとしますが次長は拒みました。

シモクは次長検事と関係が疑われる女の存在を、直接にイ次長に指摘しますが否定されます。しかしソ検事が探す女クォン・ミナこそ、その女と気付くシモク。

シモク検事は自らTV番組に出演し、責任は自分にあると説明、車載カメラの映像に映る人物こそ真犯人と語り、2ヶ月以内の逮捕を約束します。

ウンス検事と、3年前汚職の疑いで引退した彼女の父、ヨン前長官はシモクの行動に感謝します。ヨン前長官は、当時イ次長の追及で失脚していました。

またシモク直属の部下キム捜査官とチェ実務官は、TV出演で上司が世間の人気者になったと大喜びします。

一方シモクの上司カン部長検事は彼の勝手な行動をとがめ、検察に内部監査の動きがあると伝えました。

イ次長検事の妻、イ・ヨンジェの父は韓国の財閥、ハンジョグループのイ・ユンボム会長。

ユンボム会長は娘婿のイ次長に、早く犯人を仕立て上げ、騒ぎが大きくなる前に解決しろと指示します。

世間の注目を集めたシモクの、少年時代の暴力事件が報道されます。シモクに隠された過去があると知り、事件課に復帰したユン課長に彼を調査させるカン部長。

世間から攻撃されるシモク検事を、SNSで擁護する書き込みをする者もありました。

それはシモクの中学時代の友人、人権団体のNGOで活動し今は弁護士事務所の職を失ったキム・ジョンボンでした。彼はシモクと再会します。

シモクとヨジン刑事は当初、イ次長らが関わった汚職事件の口封じにムソンが殺されたと考えていました。

しかし事件の結果、検察上層部の汚職に注目が集まります。犯人の意図はイ次長検事を陥れることかも、と考え始める2人。

汚職の口利き役で殺されたムソンとイ検事次長と、彼の義父で財閥の会長イ・ユンボムの関係。

彼らに陥れられ失脚したと恨みを抱く、ヨン前長官とその娘ウンス検事。

シモク検事はこれらの人物と、その周囲の人間の複雑な利害関係に気付き、誰もが怪しく思われます。

一方検察組織を信用できないハン・ヨジン刑事には、シモクすら疑わしく思えます。同時に上司の署長やその指示で動くキム刑事ら、同僚にも不信を覚えました。

ソ検事が探す女クォン・ミナとイ次長との接触が、ホテルの防犯カメラの映像で確認されます。

シモクから彼女との関係を追及され、イ検事次長は強く否定します。その映像を見て上司の警察署長が、ミナと親しげに語る姿を確認するヨジン刑事。

ムソンの指示で有力者と関係を持っていたミナは、未成年と気付くシモクとヨジン。彼らもソ検事も、彼女の行方を掴むことが出来ません。

そしてムソンの殺害現場となった家で、傷つけられ瀕死状態のミナが発見されます。

マスコミは事件をムソン殺害事件と結び付け、報道は世間の注目を集めました。

犯人が彼女を殺害せず、晒し者にした意図を図りかねるシモク検事とヨジン刑事。

一方ソ検事は証拠を集め、2つの事件の犯人にシモクを仕立て上げようと画策しますが、ヨジン刑事の証言で企ては失敗します。

クォン・ミナと名乗った女の正体は、女子高生のキム・ガヨンで、ムソンの息子ギョンワンと同じ学校に通っていました。

イ検事次長のため犯人を仕立てあげ、事件を解決し鎮静化させたいソ検事。

彼は軍務中、所属部隊の師団長に私的に使われた結果アリバイの無い、ギョンワンを犯人にしようと動きます。

その頃、入院し意識の無いガヨンを何者かが殺そうとします。異変に気付いた看護婦が目撃したのは、イ検事次長の妻イ・ヨンジェでした。

軍の不正を発表しギョンワンを容疑者として逮捕するソ検事。しかしギョンワンは強く無実を主張します。

そんな中、イ検事次長は検事長に昇進します。

ギョンワンを犯人とする証拠は乏しく、警察署長の指示でに暴行を加え、自供を取ろうとするキム刑事たち。

しかしギョンワンのアリバイは証明され、軍部から圧力を受けたイ検事長は追及を断念し、ソ検事を切り捨てようと動きます。

隠し持っていたガヨンの携帯を、密かに処分しようとしてシモクとヨジンに暴かれるソ検事。

ソ検事は、2人に事件の真犯人はイ検事長と訴えます。シモクが彼を検事長の元に連れて行くと、ソが証拠を捏造したと激怒するイ検事長。

辞職を求められたソ検事と、無実のギョンワンを暴行した龍山警察署の刑事たちは、窮地に立たされます。

ソ検事が真犯人とも思われましたが、ウンス検事に厳し追及に、小心者の振る舞いを見せたソ検事の犯行とも思えません。

事態が混迷する中、新聞のソンムン日報が匿名の通報を元に、殺されたムソンが西部地検の検事に賄賂を贈っていたと報じます。

これを受けイ検事長は、検察本庁が主体となる、検察の不正を追及する特任検事を任命すると宣言しました。

特任検事に選ばれたのはファン・シモクです。そして事態の責任をとり、辞職を宣言するイ検事長。

シモクは自分と共に検察内部を捜査する、特任チームを編成します。

そのメンバーは西部地検からは、彼直属の部下キム捜査官とチェ実務官、カン部長の部下で事件捜査に長けた元海兵隊員のユン課長。

外部からはシモクの旧友で、人権を守るNGO団体職員として、警察に暴行されたギョンワンのために働いたキム・ジョンボン。

龍山警察署からはシモクが信頼するハン・ヨジン刑事と、彼女の同僚チャン・ゴン刑事が加わります。

こうして事件と、検察内部と権力上層部を巻き込む、根深い不正を追及することになるシモクとヨジン…。

以下、『秘密の森 シーズン1』のネタバレ・結末の記載がございます。『秘密の森 シーズン1』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


Netflix 秘密の森

特任検事のシモクに追及されるソ検事。彼は入院した病院を抜け出し、辞職したイ検事長の義父、財閥ハンギョグループのユンボム会長に助けを求めます。

負傷したガヨンが意識を取り戻しますが、回復していない彼女から証言は得られません。

ガヨンが襲われた日の、病院の防犯カメラの映像はキム刑事が押収しています。彼女の証言が都合の悪い者が口封じ動くと、警戒を強めるシモクとヨジン。

そんな中、ヨン・ウンス検事は父ヨン前長官に賄賂を運んだ男を捕えます。その証言と前長官の捜査に関わったカン部長によって、前長官への疑いは晴らされました。

殺されたムソンに紹介され、ガヨンと関係を持っていたと追求されるウギョン警察署長。彼はイ元検事長やユンボム会長から切り捨てられます。

ユンボム会長の働きで、大統領から首席秘書官に任命されたイ元検事長。政界入りした元検事長の追及は難しくなりました。

捜査が難航する中、ヨジン刑事はイ元検事長の妻、ヨンジェを追求します。しかし財閥の令嬢の彼女から、冷たくあしらわれるヨジン。

事態が急変する中、シモクにイ元検事長の内部情報を伝えると持ち掛け、ユンボム会長には捜査情報を報告すると約束し、両者の間を渡り歩くソ検事。

今一つ信用のおけないソ検事を、イ大統領首席秘書官は、自分の秘書に任命し手元に置きます。

身辺の保護の目的で、転院するガヨンを連れ出そうとするウギョン署長。しかし彼はシモクたちの計略に引っ掛かります。悪事が暴かれ、部下の前で逮捕される警察署長。

ようやく口を開いたガヨンの証言で、彼女は傷つけられる前、ムソンの家の地下室に監禁されていたと判明します。そして彼女は、「0」と「7」の数字を口にします。

ガヨンを傷付けた犯人は、彼女を殺さず発見させたと確信するシモクとヨジン。

イ首席秘書官の妻ヨンジェを訪ねたシモクは、彼女から入院中のガヨンを襲ったのはウギョン署長と証言を得ます。

イに仕えた結果、ハンジョグループが海外を経由した取引で日本製武器を韓国軍部に購入させ、不正に利益を得ようとしていると知るソ秘書。

そしてシモクは、ソンムン日報の社長を訪ねます。

社長は本来、ヨンジェの夫となる人物でした。検察の不正を新聞に流したのは、イ秘書官長とユンボム会長に恨みのある人物と判断するシモク。

シモクは新聞に情報提供した者を教えてもらう代わりに、ソから得たハンジョグループの武器取引を伝えました。

これが記事になった結果、不当な武器取引は阻止されます。しかしユンボム会長の働きかけで、特任チームを解散させる動きが起こります。

ウンス検事の父、ヨン前長官の潔白を証明する再捜査も認められず、カン部長の抵抗もかなわず、特任チームは解散されます。

直接会ったシモクに、自分は生きている限り被告にはならないと宣言するイ秘書官長。

特任チームのメンバーは、ヨジンの家に集まり宴会を開きます。後から加わったウンスは、ユン課長の背中のタトゥーに気付きます。

宴会の前にシモクの留守宅を訪れたウンス。彼女は中に誰かいる気配を感じ、マンションから出てくる傘で顔を隠す、怪しい人物を目撃していました。

シモクが帰宅すると、部屋の中に切り裂かれた彼のスーツが吊るされていました。彼を邪魔に思う何者かの仕業でしょうか。

特任チームが解散すると、検察と政財界を巻き込む汚職捜査は打ち切られます。

ウギョン署長は裁判にかけられ、キム刑事はギョンワン暴行の責任を取らされ免職されます。しかし関わった他の者は責任を問われず、釈然としないヨジン刑事。

ウンス検事の目撃した、シモクの家に入ったと思われる男の正体もつかめません。

そんなシモクに、ウンスが殺されたとの報告がもたらされます。

ウンスの殺害現場には、ユン課長がいました。目撃者の証言で、彼が犯人ではないと判明しました。

捜査のためウンスの解剖に立ち会うシモク検事。しかしショックを受けた彼は倒れてしまいます。

シモクを診た医師から、彼が治療のため脳外科手術を受けていたと聞かされたヨジン刑事。

責任を感じたのかユン課長は辞職し、ウンスの葬儀に人々が集まります。

現れたシモクを、娘を守らなかったと責めるヨン前長官。しかしシモクは前長官を、法を武器に不正を働く者と戦わず、逃げていたと指摘します。

現れたイ大統領首席秘書官こそ、娘の仇と杖で打つ前長官。ソ秘書がそれをかばい、葬儀場から立ち去るイ秘書官。

改めてヨン前長官を訪ねたシモク。前長官はイ秘書官の義父、ユンボム会長の不正の証拠を持っていましたが、それは紛失していました。

証拠を持ち出したのは、殺されたウンスでした。ウンスはガヨンが目撃した「0」と「7」の数字は、アルファベットの「D」と「T」と気付いていました。

それは元海兵隊特殊部隊に所属していた、ユン課長の背にあるタトゥーの一部です。

空港に現れたユン課長を発見し警察は出動します。逃走するものの、ヨジン刑事を前に抵抗を諦め、逮捕されたユン課長。

取り調べでユンはシモクに、全ての発端であるパク・ムソン殺しを認めました。

彼の幼い息子はバスの事故で死んでいました。しかしムソンの口利きで当時の検事長は手心を加え、多くの者が処罰されずにいたのです。

復讐でムソンを殺したユン課長。しかし彼が検察上層部しか知らない、事件の裏側を知った理由は謎でした。

ムソン殺しの工作は彼1人で出来ると思えず、またガヨンを襲い、殺さず傷付けた狙いも納得できません。

ユンは逃走のために空港に現れたのではなく、誰かを探していたと気付くシモク。

同じ頃、妻ヨンジェの財団に金を移した後、彼女と会ったイ首席秘書官。彼は妻を娘の元に送り出します。

ソ秘書は首席秘書官の部屋で、ヨン前長官が集めたユンボム会長の不正を示す証拠を探していました。

そこにイ秘書官が現れます。ソを咎めず彼に用を申し付け、何者かに連絡するイ首席秘書官。

シモクはユン課長を取り調べ、彼の背後に検察の汚職を知る共犯者がいると悟ります。

ユンが空港で探していたのは共犯者ではなく、彼と共犯者が追う人物だと気付いたシモク。

彼が追っていたのはユンボム会長の側近、ウ室長です。シモクの部屋に侵入し、会長にとって邪魔な彼を脅す警告を残し、殺されたウンス検事が目撃したのも彼でした。

出国したウ室長を追い、台湾へ向かうヨジン刑事とチャン刑事。

その頃ユンボム会長は、金を動かした娘婿のイ秘書官の振る舞いを怒り、彼に電話します。その最中にシモクから電話がかかり、会長の電話を切るイ秘書官。

イは建築中のビルでかつての部下、ファン・シモク検事に会います。

事故で死んだ子の復讐にムソンを狙うユン課長を、1人殺すだけでなく、共に検察内部の腐敗を根から絶とうと説得したイ秘書官長。

彼はユン課長を実行犯にムソンを殺害させ、要人と関係を持ったガヨンを傷付けさせ、世間の注目を集めさせます。

そして検察内部を捜査せざるを得ない状況を作り、腐敗を一掃させる計画でした。

若い頃に接待を受け、財閥の会長の娘を愛し妻にした結果、検察や政財界の腐敗と関わる立場になった若きイ検事。

しかしヨン前長官に指導された彼の正義感は生きていました。彼は自分の見知った不正の証拠を集め、カバンに入れ持っていました。

この証拠を提出しても意味を成さない、しかし正義を追求する検事に追われた容疑者から押収したものなら、真実の証拠として扱われると告げたイ秘書官長。

自分は被告にはならないと宣言したイ秘書官長は、話を終えると腐敗の追及をシモクに委ね、ビルから身を投げました。

到着したヨジン刑事とソ秘書の前に、イ秘書官長の体が落ちてきます。

イは部下のソ秘書に、お前はまだ正しい道を進むことが出来る、自分と同じ道を歩むなと告げ、息を引き取りました。

イ秘書官長の残した証拠により、ユンボム会長は拘束されました。

ヨジン刑事とチャン刑事に逮捕されたウ室長は、ウンス検事の殺害は目撃した彼女の口封じが目的で、会長の関与を否定します。

シモクはイ秘書官長の妻、ヨンジェに彼の残した遺書を渡します。

そこには彼の妻への愛と、それでも世を正すため動かざるを得ない思いが綴られていました。

結果としてかつて宣言した通り、2ヶ月以内にムソン殺害犯を逮捕したシモクは、再度TV番組に出演します。

イ秘書官長について聞かれ、不正を正すためとはいえ、殺人に手を染めた彼を、時代が生んだ怪物と表現するシモク。

罪を認めたユン課長は、面会に現れた殺害したムソンの息子ギョンワンに、自分の行為を詫びました。

事件を解決したシモクですが、正義を貫いた結果検察内で孤立し、検事長となったカン部長から地方への異動を命じられます。

それは今は追及されても、いずれは復職する汚職検事を追求する備えでもありました。

罪に問われなかったソは検事に復帰し、シモクの部下キム捜査官とチェ実務官の新たな上司となります。

しかしイ秘書官長の遺した言葉にも関わらず、以前のように様々な業者と関係を持ち始めるソ検事。

ヨジン刑事はチャン刑事と共に昇進します。財閥のハンジョグループはヨンジェが引き継ぎ、事件は風化していきました。

10ヶ月後、かつて新任検事の自分を指導した、当時のイ検事の言葉を思い出すシモク。

彼はカン検事長から、検察や政財界にはびこる汚職を正す役割を命じられました…。

映画『秘密の森シーズン1』の感想と評価


Netflix 秘密の森

我々がイメージする韓流ドラマの枠を越えた、本格的サスペンスドラマ『秘密の森』。

シーズン前半は登場人物全員が怪しく、全く犯人が読めない状態。明らかになる新たな事実と人間関係を、巧みに積み重ねエピソードが進みます。

本作が海外で高く評価されたのも、ストーリーが高く評価された結果でした

類似作を探すなら、弁護士と権力者の法廷内外での駆け引きを描き、政財界の暗部を取り上げつつ、優れた謎解きサスペンスであった、アメリカのドラマ『ダメージ』(2007~)でしょうか

サスペンスドラマが好きな方なら、絶対に見るべき作品と言えるでしょう。

韓流ドラマファンには実力派俳優、主役のファン・シモク検事役のチョ・スンウの存在感が注目です。

そしてイケメンでありながら、コミカルな演技を得意とするイ・ジュニョク。彼の演じたソ検事は嫌われ疎まれながらも、それでも敵味方の間を立ち回る、厚かましくも憎めない人物。

まさに『ゲゲゲの鬼太郎』の、ねずみ男的な存在であるソ検事。そのキャラクターに、イ・ジュニョクの魅力が発揮されています。

まとめ


Netflix 秘密の森

極めて完成度の高いサスペンスドラマ『秘密の森』のシーズン1。ですが唐突に政財界の悪役として日本が登場することに、違和感を覚える方もいるでしょう。

本作も視聴者受けを狙う反日要素のあるドラマ、と感じた方に少し解説を加えます。

韓国で政治的に利用され、その結果感情的な反応も引き起こしている反日運動。

その背景に現在の韓国で特権を握る層が、軍事政権下で日本の援助を利用し今の地位を築いた事に対する、国民的な反感が存在します。

『秘密の森』に登場する腐敗した特権階級、検察や軍部は日本統治時代の影響を色濃く残しています。

対する反発は根深く、韓国では検察改革が望まれています。これを本作はテーマに取り上げました。

さて、『秘密の森シーズン1』の最終話で、唐突に韓国の歌謡曲「椿姫」のエピソードが登場します。

1965年に行われた日韓国交正常化。冷戦下に結ばれ、日本からの有償無償の援助を得て韓国経済は発展し、現在の特権階級が生まれました。

日韓国交正常化が行われた当時、韓国国内では条約の内容や、日本に対する弱腰姿勢に対する反発が、国民に不満を巻き起こします。

そこで韓国政府は日本に強硬姿勢をとっているアピールとして、国交正常化以降に日本の大衆文化流入制限を、より厳しく運用します

それは日本文化を禁止するだけではありません。体制側が日本風である、例えば日本の演歌に似ていると指摘し、韓国の歌を禁止することもありました。

これは恣意的に運用され、日本風との理由で体制側が都合が悪いと判断した、根拠のあいまいな基準で禁止された韓国の歌謡曲もあります。

それが1964年の韓国映画の主題歌として生まれた「椿姫」でした

このエピソードは軍事政権下の権力の横暴を伝えるもので、ドラマ内で描いた検察の不正と対を成すものです。

同時に現在も起きている「反日」とは、日本と癒着していた軍事政権も行っていた、常に権力者が都合の良く利用するものだと示しています

韓国の民主化と共に日本文化の開放が始まり、まだ制限はあるものの、広く親しまれるようになりました。

そうして育った若い世代は日本文化から大きな影響を受けています。ぺ・ドゥナ演じるハン・ヨジン刑事が漫画風の絵を描くのも、そうした世代だからでしょう。

第8話で「鉄腕アトム」を引き合いに出して、後輩の刑事を諭すヨジン刑事

彼女は新たな姿勢で日本と触れ、そこから影響を受けている人物です。

脚本家イ・スヨンの書いた『秘密の森シーズン1』は優れたサスペンスであり、韓国の検察改革などを背景に描かれた現代劇です。

同時に従来の政治信条に左右されない、韓国の新たな世代の姿を描いた作品でもあるのです




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