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Entry 2018/09/22
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映画『恐怖の報酬』オリジナル完全版の上映館情報。フリードキン監督幻の傑作とは

  • Writer :
  • かりごめあき

押井守、町山智浩も賛辞を贈る、40年間見ることが出来なかったウィリアム・フリードキン監督伝説の超大作が日本初公開!

映画『恐怖の報酬【オリジナル完全版】』は今秋11月24日(土) シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー

スティーブン・キングやタランティーノ監督も称賛している幻の傑作映画『恐怖の報酬』をご紹介します。

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映画『恐怖の報酬』とは

制作費100億円の超大作


© MCMLXXVII by FILM PROPERTIES INTERNATIONAL N.V. All rights reserved.

『恐怖の報酬』(1977)は、『フレンチ・コネクション』(1971)でアカデミー5部門受賞、『エクソシスト』(1973)で全世界にオカルト・ブームを巻き起こした巨匠ウィリアム・フリードキンによる、手に汗握る緊張と興奮のサスペンス巨篇です。

仏映画の名作、H=G・クルーゾー監督の『恐怖の報酬』(1953)のリメイクというフリードキンの大胆かつ入魂の企画に、ユニバーサルとパラマウントの2大メジャー・スタジオが破格の2000万ドル(現在の100億円相当)の巨費を共同出資します。

撮影は3大陸5ヶ国で行われ、2年を超える製作期間を費やした超大作です。

著名人も熱狂するほどの傑作


© MCMLXXVII by FILM PROPERTIES INTERNATIONAL N.V. All rights reserved.

南米奥地の油井で大火災が発生。祖国を追われ、その地に流れてきた4人の犯罪者は、1万ドルという多額の報酬と引き換えに、消火用ニトログリセリンの運搬を引き受けます。

人生の底から這い上がるために命を賭けてジャングルの奥へと道なき道を進んでいく男たちの運命を、冷酷非情なリアリズムで描き切った本作。

ホラー作家スティーブン・キングは、本作を「人生で最も好きな映画」(2017.12.8付、bfi.org.ukより)と公言しています。

また、クエンティン・タランティーノ監督も自身のオールタイム・フェイバリット12本の1本に選出するなど、熱狂的なファンが多い作品です。

「失われた傑作」を監督自ら修復し再公開へ


© MCMLXXVII by FILM PROPERTIES INTERNATIONAL N.V. All rights reserved.

本作は、1977年6月の全米初公開時、空前の『スター・ウォーズ』ブームの直撃を受け興行的に失敗してしまいます。

日本をはじめ北米以外では、監督に無断で約30分カットされた92分の【短縮版】が配給され、正当な評価を受けることなく公開が終了しました。

さらには、ユニバーサルとパラマウントという2大メジャーの共同出資が原因で権利者不明状態に陥り、長きにわたって全世界的に上映不可、北米以外ではDVDも発売されませんでした。

こうして本作は、長らく「失われた傑作」と謳われ、観ることのできない幻の作品となりました。

しかし、そんな状況に業を煮やしたフリードキン監督は、2011年に自らスタジオ2社を提訴し権利者を特定。2013年には121分【オリジナル完全版】の4Kデジタル修復に着手し、同年のヴェネツィア映画祭でのプレミア上映を果たします。

以後、2014年LA、2015年パリ、2016年カンヌ映画祭、2017年ロンドンで上映され、欧米各地で再評価の嵐を巻き起こしました。

そして2018年、フリードキン監督がそのキャリア史上最も心血を注ぎ、コッポラの『地獄の黙示録』(1979)と双璧を成す映画作家の狂気と執念が刻まれた渾身の一作『恐怖の報酬』は、【オリジナル完全版】として遂にその真の姿を日本に現すことになりました。

映画『恐怖の報酬』の作品情報


© MCMLXXVII by FILM PROPERTIES INTERNATIONAL N.V. All rights reserved.

【公開】
1977年、2018年(アメリカ映画)

【原題】
SORCERER(魔術師)

【原作】
ジョルジュ・アルノー

【監督・製作】
ウィリアム・フリードキン

【脚本】
ウォロン・グリーン

【音楽】
タンジェリン・ドリーム

【キャスト】
ロイ・シャイダー、ブルーノ・クレメル、フランシスコ・ラバル、アミドゥ

【作品概要】
監督は、『フレンチ・コネクション』(1971)でアカデミー5部門受賞、『エクソシスト』(1973)で全世界にオカルト・ブームを巻き起こした巨匠ウィリアム・フリードキン。

1997年、約30分もカットされた【短縮版】で公開されて以来、複雑な権利問題で日本では再公開もDVD発売もできなかった屈指の超大作。

2011年、ウィリアム・フリードキン監督自ら再上映に向けて動き出し、2013年に121分【オリジナル完全版】の4Kデジタル修復に着手。同年のヴェネツィア映画祭を皮切りに、毎年欧米各地で上映され、再評価の嵐を巻き起こしてきた作品。

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映画『恐怖の報酬』のあらすじ


© MCMLXXVII by FILM PROPERTIES INTERNATIONAL N.V. All rights reserved.

南米奥地の油井で大火災が発生。

祖国を追われ、その地に流れてきた4人の犯罪者は、1万ドルという「報酬」と引き換えに一触即発の消火用ニトログリセリンの運搬を引き受けます。

2台のトラックに分乗した男たちは、道なき道を300キロ、ジャングルの奥へと進んでいきますが、その先に待ち受ける彼らの運命とは…。

まとめ


© MCMLXXVII by FILM PROPERTIES INTERNATIONAL N.V. All rights reserved.

1978年の日本公開時は、約30分カットされた92分の【短縮版】が配給され、黙殺同然に公開終了となった本作『恐怖の報酬』。

それから40年、フリードキン監督自ら監修した4Kデジタル・リマスター、121分の【オリジナル完全版】が遂に日本初公開となります。

今回の【オリジナル完全版】の再公開に対して、映画監督の押井守と、映画評論家の町山智浩は次のように賛辞を贈っています。

「今回の【オリジナル完全版】は、フリードキンという監督が単なるヴィジュアリストに留まらない優れたドラマ演出家であることを証明しています。

登場人物の過去を描いた冒頭部分の手際の良さは見事というしかなく、人物描写に奥行きを与えることに大きく貢献しているだけでなく、この作品の時代背景にスケール感を与えています。

リメイク作品は評価されにくいものですが、私はクルーゾーの『恐怖の報酬』よりもフリードキンの『SORCERER』を選びます。

フリードキン自ら監修した4Kデジタル・リマスター版で、是非ともこの傑作を堪能して戴きたい」

押井守(映画監督)

「完全版はさらに非情!殺伐!絶望!

悪党どもの『オズの魔法使い』!

黄色いレンガ道は地獄の吊り橋だ!」

町山智浩(映画評論家)

映画『恐怖の報酬【オリジナル完全版】』は、今秋11月24日(土) シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショーです!

ぜひ劇場で本作の「真なる姿」を確かめてください。

本作を上映する劇場情報

【北海道地区】
札幌市 ディノスシネマズ札幌劇場 近日

【関東地区】
新宿区 シネマート新宿 11月24日~
千代田区 ヒューマントラストシネマ有楽町 11月24日~
立川市 立川シネマシティ 近日
横浜市 シネマ・ジャック&ベティ 近日

【中部地区】
松本市 松本CINEMAセレクト 12月
名古屋市 名古屋シネマテーク 近日
金沢市 シネモンド 近日

【近畿地区】
大阪市 シネマート心斎橋 11月24日~
大阪市 第七藝術劇場 近日
京都市 京都シネマ 近日
神戸市 神戸アートビレッジセンター 12月8日~

【中国地区】
広島市 横川シネマ 近日

*上記の情報は2018年9月22日現在のものです。作品の特性からセカンド上映や全国順次公開されることが予想されます。お近くの劇場をお探しの際は必ず公式ホームページを閲覧してください。

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