ドキュメンタリー映画の鬼才、原一男監督待望の最新作。
令和に突如現れた話題の政党に、原一男が迫る――。
『ゆきゆきて、神軍』(1987)の原一男監督の最新作ドキュメンタリー映画『れいわ一揆』が、2020年4月17日(金)より、アップリンク渋谷ほかにて全国順次公開されます。
映画公開に先がけ、予告編、ティザービジュアル 、場面写真が到着しました。
追記:当初2020年4月17日公開予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑みて延期となりました原一男監督最新作『れいわ一揆』は、改めまして、9月11日(金)からアップリンク渋谷ほか全国順次公開が決まりました。
映画『れいわ一揆』について
本作『れいわ一揆』は、『ゆきゆきて、神軍』、『全身小説家』(1994)『極私的エロス・恋歌1974』(1974年)といった作品で日本映画史にセンセーションを巻き起こしてきた、原一男監督の新作ドキュメンタリー映画です。
令和元(2019)年夏、参議院選挙で話題を呼んだ「れいわ新選組」から出馬した安冨歩を中心とする個性豊かな10名の候補者たちに、原が鋭く迫った4時間8分の大作となっています。
2019年の東京国際映画祭ではワールドプレミアとして上映され、全上映作品で唯一Twitterトレンドワードに。
さらに、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で毎年開催されている、世界各国の優れたドキュメンタリー映画を上映するイベントDoc Fortnight 2020にも選出。
それを報じたニューヨーク・タイムズが、「中でも観るべき作品」として挙げた2作品の中に本作も含まれるなど、すでに大きな注目を集めています。
映画『れいわ一揆』の予告編
映画公開に先がけ、本作の予告編も公開されました。
今回、解禁された予告では、冒頭でのれいわ新選組代表の山本太郎による演説を皮切りに、安冨歩を筆頭とする10名の候補者たちの選挙活動の模様が映し出されます。
その一方で、「このままではこの国が壊れてしまう」という刺激的なフレーズとともに、街頭演説に対するヤジや抗議をする一般市民の姿を映すことで、日本の現状に危機感を抱かせる内容となっています。
候補者の木村英子を取り囲むマスコミ陣や、マイケル・ジャクソンの『スリラー』のダンスをする集団など、混とんとした選挙の実態が白日の下にさらされます。
映画『れいわ一揆』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本映画)
【監督・撮影】
原一男
【製作】
島野千尋
【撮影】
島野千尋、岸建太朗、堀井威久麿、長岡野亜、毛塚傑、中井献人、田中健太、古谷里美、津留崎麻子、宋倫、武田倫和、江里口暁子、金村詩恩
【編集】
デモ田中、小池美稀
【キャスト】
安冨歩、野原善正、蓮池透、木村英子、辻村千尋、渡辺照子、三井義文、大西恒樹 、舩後靖彦、山本太郎
映画『れいわ一揆』のあらすじ
東京大学東洋文化研究所教授の安冨歩は、2013年以来、「もっとも自然に生きる事ができる」スタイルとして、女性服を着る「女性装」を実践する人物。
そんな彼女は、山本太郎代表率いる「れいわ新選組」からの擁立を受け、2019年の参議院選挙への出馬を決めます。
選挙活動を通して彼女が一貫して訴えるのは、「子どもを守ろう」。
サラリーマンが多い新橋SL広場、東京駅赤レンガ駅舎前、阿佐ヶ谷駅バスターミナルといった都内各地から、旭川、沖縄、京都と、相棒の馬である「ユーゴン」とともに全国を巡っていく安富。
そして故郷である大阪府・堺市駅前に立った彼女ですが、そこで見たのは、かつての美しい田園風景が無個性な住宅街に変貌した街並み。
さらには母校の校舎も取り壊されていたことを知り、喪失感を吐露し始めます。
さらに、野原善正や蓮池透、木村英子といった他の候補者たちにも密着。
声を荒げて傍観者たちに訴え続けた、暑くて熱すぎる彼らの令和元年の夏を切り取ります。
まとめ
2019年夏の参議院選挙に挑んだ、れいわ新選組の候補者たちを追った本作『れいわ一揆』。
当然ながら、選挙結果がどうなったのかは、多くの人が知るところでしょう。
しかしながら、過激な登場人物たちを通じて昭和・平成の時代を抉ってきたドキュメンタリー映画界の鬼才が、なぜ令和に突如現れた話題の政党に着目したのか?
「『れいわ一揆』は、れいわ新選組から製作費用を出してもらって作った映画だ」というネットの中傷に対し、原一男はツイッターで「一円たりとも貰っていない」と否定しています。
本作の宣伝文句には、こう書かれています。
庶民の怒りと叫びを描いた『ニッポン国 VS 泉南石綿村』で新境地を開いた原一男が魅せる、新たな選挙エンターテイメント作品である。
もし、れいわ新選組から製作費を受け取っていたら、選挙活動を“エンターテイメント”とカテゴライズすることは不可能でしょう。
本作は、れいわ新選組のプロパガンダ映画でもなんでもなく、純粋な原一男の新作映画として観るのが適切。
令和元年の暑い夏に繰り広げられた、熱い選挙エンターテイメントをお見逃しなく。
原一男監督最新作『れいわ一揆』は、2020年9月11日(金)からアップリンク渋谷ほか全国順次公開です。