アニメーションの神様ユーリー・ノルシュテインの深部に迫る!
ドキュメントタリー映画『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』は、2019年3月下旬にシアター・イメージフォーラムほかで全国順次ロードショー!
世界中のアニメーション作家たちから敬愛されているロシアを代表するアニメーション作家ユーリー・ノルシュテイン。
彼が30年以上の歳月をかけても未だ完成に至ってないアニメーション『外套』制作の裏側と苦悩のドキュメンタリー映画『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』の公開が2019年3月下旬に決まりました。
本作の予告編とポスタービジュアルが解禁となりました。
CONTENTS
映画『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』のポスタービジュアル
モノクロームで構成された白と黒の2色で表現されたポスターは、スタイリッシュなデザインとなっています。
ユーリー・ノルシュテインの描いてきた世界観の静寂さを、すぐに思い起こさせるのも、ユーリーファンにはたまりません。
また彼が30年の長きにわたり、一心に《外套》という作品と向き合って、考え続けたこともていることも感じさせてくれますね。
映画『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』の予告編
本作の予告編は、ユーリー・ノルシュテインが作成した《外套》の一部分から始まります。
そしてユーリー・ノルシュテインの作品の紹介。
このドキュメンタリーの監督でもある才谷遼監督が、ユーリ・ノルシュテインに話しかけています。
ユーリー・ノルシュテインがアニメーションを作る際に使う人物の手や口なども映し出され、制作の一過程も見ることができます。
ユーリー・ノルシュテインはこの予告編で、“全く違う作品になるはずだった”と話しています。
彼自身が完成させたいと思っている《外套》とはいったいどういうものだったのでしょうか…。
ユーリー・ノルシュテインと『外套』
ユーリー・ノルシュテインという人物
ユーリー・ノルシュテインは、1941年に生まれたロシアを代表する映像作家です。
主にセルロイドに緻密に描き込まれた切り絵を用いる短編アニメーションを制作しています。
手塚治虫、宮崎駿、高畑勲監督ら日本の巨匠をはじめとして、世界中のアニメーション作家たちから敬愛されています。
2014年のソチオリンピックでは、開会式で「ロシアを代表するモチーフ」の一つして、彼の制作した『霧につつまれたハリネズミ」が取り上げられました。
1980年から現在において、ロシアの小説家ニコライ・ゴーゴリ原作の『外套』を幾度となく中断させながら制作中です。
参考映像:霧につつまれたハリネズミ(1975)
ニコライ・ゴーゴリの小説『外套』のあらすじ
近代ロシア文学の先駆けとなり、多くのロシア作家に影響を与えたこの作品。帝政ロシア時代のサンクト・ペテルブルグが舞台の物語です。
真面目で貧しい下級役人アカーキー・アカーキエヴィッチは、生活を切り詰めて貯めたお金で念願の新しい外套を手に入れました。
新品の外套を手に入れ、アカーキーは幸せな気持ちでした。
しかしある夜、追剝ぎにその新しい外套を盗まれてしまいます。
アカーキーは外套取り戻そうと奔走しましたが、失意のうちに死んでしまいました。
死んでしまった彼は幽霊となり、夜な夜な盗まれた外套を捜しに現れます――。
映画『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』の作品情報
【公開】
2019年(日本映画)
【監督】
才谷遼
【キャスト】
ユーリー・ノルシュテイン、ラリーサ・ゼネービチ、マクシム・グラニク、ターニャ・ウスバイヤスカ、ミハイル・アンダーシン、ミハイル・トゥメーリャ
【作品概要】
ロシアを代表するアニメーション作家ユーリー・ノルシュテインが 30年以上かけても未だ完成に至っていない『外套』の制作の裏側を映したドキュメンタリーです。
監督はユーリー・ノルシュテインと古くから交流のある才谷遼。
『おくりびと』(2008)で日本アカデミー賞を受賞した川島章正が構成・編集で参加しています。
映画『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』のあらすじ
ロシアを代表するアニメーション作家ユーリー・ノルシュテイン。
彼は30年以上の歳月をかけて、ロシアの文豪ゴーゴリの名作『外套』のアニメーション作品を制作しています。
しかし、未だ完成に至っていません。それどころか、近年は撮影が止まっているといいます。
2016年6月、カメラはモスクワにあるノルシュテイン・スタジオ“アルテ”に向かいました。
そこにはおびただしい数のスケッチ、キャラクターパーツ、埃をかぶった撮影台が……。
世界が待望する『外套』はいつ完成するのか、なぜ『外套』なのか。未完の映像を織り交ぜながら、ノルシュテインが自身の心の内を語ります。
まとめ
『外套』を30年以上幾度となく中断しながら制作を続けるユーリー・ノルシュテイン。
彼が予告編の中で語った“全く違う作品になるはずだった”といった意図は何なのでしょう。
アニメーションの神様の苦悩は、私たちには想像もつきません。
しかし、彼が作品と真摯に向きあっていることは理解できます。
彼の苦悩と情熱、そしてアニメーションを創造していく姿を劇場の大きなスクリーンでご覧ください。
映画『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』は2019年3月下旬にシアター・イメージフォーラムより全国順次ロードショー!
また、この作品の公開に合わせて『ユーリー・ノルシュテイン監督特集上映~アニメーションの神様、その美しき世界~』の同時再上映も決定しています。
どちらもお見逃しなく!