子どもたちを取り巻く社会にはびこる闇を
見事にあぶりだした映画が誕生
企画プロデュースは寺脇研、企画協力に前川喜平の元文部科学省コンビが強力タッグを組み、『ワルボロ』(2007)の隅田靖監督によって描かれる、子どもたちの日常に潜む戦場を繊細に、そして鋭く描いた傑作が誕生しました。
子どもたちを取り巻く社会に瀰漫する闇を見事にあぶりだした映画『子どもたちをよろしく』が2020年2月29日より渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開されると決定しました。
また、メインビジュアルも合わせて解禁されましたのでご紹介します。
映画『子どもたちをよろしく』について
主演はNetflixにて配信の園子温監督『愛なき森で叫べ』での熱演ぶりに話題になっていた鎌滝えりが抜擢されました。
文部科学省で長らく日本の子どもたちの実態と向き合ってきた企画・統括プロデューサーの寺脇研、企画協力に前川喜平がタッグを組み、映画という形に仕上げたのは隅田靖。
脚本・監督の隅田靖は本作についての思いを以下のようにコメントしています。
オリンピック、カジノ、万博…世の中が浮足立つなかで、子どもを巡る事件が、毎日のように報じられる。しかし、子どもたちの世界に目が向けられることは少ない。いじめに苦しみ、そのために死を選んでしまう少年、性的虐待を受け自らを「汚れた存在」と思い込んでしまい風俗産業に身を沈める少女、そんな彼らに、われわれ大人は手を差し伸べることができるのか。いや、アルコール依存、ギャンブル依存、対人依存、同調圧力など、大人社会にはびこる闇こそが問題の源なのではないのか。その問いかけを、観客の皆さんに投げかけたい――。それがこの映画を作った一番の狙いだ。映画の中の子どもたちは、悩み、苦しみ、他人を追い詰め、自分を追い詰めていく。子どもたちの心の中の闇を振り絞るような叫び!この叫びがあなたの胸に届くだろうか。
映画『子どもたちをよろしく』のポスタービジュアル
解禁されたビジュアルポスターには、3人の少年、少女がそれぞれ悩みを抱えているような表情が印象的に映し出さています。
そして、「ぼくたちの叫びが聞こえますか」というキャッチコピーに子どもたちが抱えている闇の正体は一体何だろうかと想像を膨らませます。
また、製作者のコメントにもあった“子どもたちの心の中の闇を振り絞るような叫び!この叫びがあなたの胸に届くだろうか”と綴った言葉が本作の映画のすべてが込められているかのようです。
ぜひ、そのメッセージをスクリーンで見届けてください。
映画『子どもたちをよろしく』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本映画)
【監督・脚本】
隅田靖
【キャスト】
鎌滝えり、杉田雷麟、椿三期、川瀬陽太、村上淳、有森也実
【作品概要】
企画プロデュースには寺脇研、企画協力に前川喜平の元文部科学省コンビが強力タッグを組みました。
監督を務めたのは、『ワルボロ』(2007)の隅田靖。
主演に『愛なき森で叫べ』(2019)の鎌滝えりを迎え、椿三期、『半世界』(2019)『長いお別れ』(2019)の杉田雷麟、『ゴーストマスター』(2019)の川瀬陽太、『ある船頭の話』(2019)の村上淳、『いぬむこいり』(2017)の有森也実が結集。
映画『子どもたちをよろしく』のあらすじ
東京にほど近い北関東のとある街。デリヘルで働く優樹菜(鎌滝えり)は、実の母親・妙子(有森也実)と義父・辰郎(村上淳)そして、辰郎の連れ子・稔(杉田雷麟)の四人家族で暮らしています。
辰郎は酒に酔うと、妙子と稔には暴力、血の繋がらない優樹菜には性暴力を繰り返しました。
母の妙子は、まったくなす術なく、見てみぬふり。義弟の稔は、父と母に不満を感じながら優樹菜に淡い想いを抱いていました。
優樹菜が働くデリヘル「ラブラブ48」で運転手をする貞夫(川瀬陽太)は、妻に逃げられ重度のギャンブル依存症。
一人息子・洋一(椿三期)をほったらかし帰宅するのはいつも深夜。洋一は暗く狭い部屋の中、帰ることのない母を待ち続けていました。
稔と洋一は、同じ学校に通う中学二年生。もとは仲の良い二人だったが、洋一は稔たちのグループからいじめの標的にされていました。
ある日、稔は家の中で、デリヘルの名刺を拾います。
姉の仕事に疑問を抱いた稔は、自分も洋一と同じ、いじめられる側になってしまうのではないかと、一人怯えるようになります。
稔と洋一、そして優樹菜。家族ナシ。友だちナシ。家ナシ。居場所をなくした彼らがとった行動とは…。
まとめ
子どもたちはそれぞれの状況のなか、いかに傷ついて、なぜ〈いじめ〉をはじめ、くり返し、他人を追いつめ自分を追いつめて行くのか…。
その子どもたちが抱えている闇に目を背けることなく、本作は真っ直ぐな眼で映画のスクリーンに映し出されます。
映画『子どもたちをよろしく』は2020年2月29日より渋谷・ユーロスペースほか全国順次ロードショーです。