Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2021/04/09
Update

映画『83歳のやさしいスパイ』あらすじ/上映館。老人ホームへ潜入する高齢調査員のドキュメンタリー!

  • Writer :
  • 大塚まき

第93回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞ノミネート作品。

2020年の第33回東京国際映画祭、第17回ラテンビート映画祭にて『老人スパイ』のタイトルで上映され、第93回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞にノミネートされたことでも話題のドキュメンタリー映画『THE MOLE AGENT(原題)』。


(c)2021 Dogwoof Ltd – All Rights Reserved

邦題を『83歳のやさしいスパイ』とし、2021年7月よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開することが決定しました。

また、公開情報に合わせてポスタービジュアルも解禁されました。

映画『83歳のやさしいスパイ』について

本作は、2020年の第33回東京国際映画祭、第17回ラテンビート映画祭にて『老人スパイ』のタイトルで上映され、本年の第93回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされたことでも話題となりました。

第68回サン・セバスティアン国際映画祭で観客賞・最優秀ヨーロッパ賞を受賞、辛口映画批評サイトでも評価が高く、世界中で絶賛される感動作です。

80~90歳のスパイを募集する不思議な求人に応募した83歳の男性セルヒオが、老人ホームに潜入し、調査を行う過程を捉えたドキュメンタリー。

初スパイの仕事に張り切る心優しいセルヒオがいつしか悩み多き入居者たちの良き相談相手となっていく様子を、ユーモアたっぷりに映し出すと同時に、家族と離れて暮らす入居者たちが漏らす本心から、現代の介護施設の在り方を問う作品となっています。

監督は、小さな世界で起こった日常の物語を通じて登場人物に密着し、問題を描き出すという独自のスタイルを築き上げてきたマイテ・アルベルディ

私立探偵についてのドキュメンタリーを作りたいという思いから、ホームの許可を得てスパイとは明かさずに3か月間撮影されました。

当初は探偵業の調査結果に注目していたが、取材を進めるうちに、多くの依頼が、依頼主とその家族のコミュニケーション不足によるものだと知ります。

やがて相互理解の欠如の背景にはどのようなことがあるかといった、結果報告以上のことに興味を持ち、最終的に調査事そのものではなくその背後にある社会的な理解に焦点が当てられました。

マイテ・アルベルディ監督コメント

参考動画:『老人スパイ』本国予告

アカデミー賞ノミネートを受けてマイテ・アルベルディ監督は以下のようなコメントを寄せています。

このような並外れた注目すべき映画賞の候補に選ばれたことを光栄に思います。選んでいただいたアカデミーとドキュメンタリー部門に心から感謝しています。ラテンアメリカ女性の製作チームにとって、この種の夢は不可能に思っていましたが、今年は人生を新たな観点から見ることができました。この度のノミネーションは、世界が常に高齢者たちを大切に思っていることを示し、平均寿命を延ばすことだけでなく、生きたいという意欲を高めることが重要であることを私たちに思い出させてくれます。昨年は非常に多くの損失がありましたが、私たちは高齢者に改めて目を向け、彼らが「孤独のパンデミック」という、新型コロナウイルス流行前のパンデミックに直面していたことに改めて気づかされました。この映画が、高齢者とその家族たちの交流に役立ったことをとても誇りに思います。

映画『83歳のやさしいスパイ』の作品情報

【日本公開】
2021年(チリ・アメリカ・ドイツ・オランダ・スペイン合作映画)

【原題】
THE MOLE AGENT

【監督・脚本】
マイテ・アルベルディ 

【キャスト】
セルヒオ・チャミー ロムロ・エイトケン

映画『83歳のやさしいスパイ』のあらすじ

妻を亡くしたばかりで、新たな生きがいを探していた83歳の男性セルヒオがスパイに採用されます。

依頼内容はある老人ホームの内偵。依頼人は母が虐待されているのではないかという疑念から、毎日、ホームでの生活の様子を誰にも気づかれずに報告してほしいという調査を要望。

セルヒオはスパイとなって老人ホームに「入居」することに。誰からも好かれる心優しいセルヒオは、調査を行うかたわら、いつしか、悩み多き入居者たちの良き相談相手となっていき…。

まとめ

80~90歳のスパイ募集!?人生初スパイの仕事は、老人ホームへの潜入だった!実際の新聞広告から生まれた、じんわりと泣けて心温まるドキュメンタリーの誕生です。

マイテ・アルベルディ監督は「鑑賞後に、親や祖父母に連絡したいと思ってもらえたら」と語っています。

ドキュメンタリー映画『83歳のやさしいスパイ』は、2021年7月よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショーです。


関連記事

新作映画ニュース

韓国映画『チャンシルさんには福が多いね』キャスト/日本公開日/上映館。女性監督キムチョヒ、尊敬する小津安二郎監督の国での上映に歓喜を寄せる

韓国のミニシアターで異例の2万人越えスマッシュヒット。 新風を巻き起こす女性監督たちの台頭が著しい韓国映画界。 (C) KIM Cho-hee All RIGHTS RESERVED/ ReallyL …

新作映画ニュース

映画『きみの鳥はうたえる』柄本佑×石橋静河×染谷将太の演技力が見られる予告編解禁

再評価の波が続く佐藤泰志の初期最高傑作『きみの鳥はうたえる』がついに映画化! 8月25日(土)函館シネマアイリス先行公開。 9月1日(土)新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペースほかロードショーされ、以降全国 …

新作映画ニュース

映画『かぞくあわせ』あらすじとキャスト。『カメラを止めるな!』で大ブレイクのしゅまはるみ初主演の存在感

しゅはまはるみ初主演映画が公開! 「しゅはまはるみと藤田健彦W主演」「撮影期間:合計72時間(各作品 24 時間)」「撮影場所:結婚式場」を条件に、気鋭の三監督が持てる力をすべて注ぎ込んだオムニバス三 …

新作映画ニュース

【映画祭のむコレ情報】ドニー・イェン新作からLGBTQ作品まで11月15日よりシネマート新宿・心斎橋にて

劇場発信型映画祭「のむらコレクション」(通称:のむコレ)。 2019年もスケールアップして開催! 2018年、超速で日本公開を実現し大ヒットした『魔女/The Witch』や、個人の自主配給ながら全回 …

新作映画ニュース

映画『空白』キャスト松坂桃李は店長・青柳直人役!演技評価とプロフィール解説

映画『空白』は2021年9月23日よりロードショー 『ヒメアノ~ル』の吉田恵輔監督による、主演・古田新太、共演・松坂桃李の映画『空白』が、2021年9月23日(木・祝)より公開されます。 『ヒメアノ~ …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学