ハリウッドを代表する名俳優、トム・ハンクス。世界で最も愛されている俳優といっても過言ではありません。
かつては軽妙なコメディ映画を得意としていましが、今ではどんな役でもこなせるオスカー俳優として数々の話題作や大作映画に主演を重ねています。
トム・ハンクスは、1984年『スプラッシュ』に出演し注目を集め、1988年『ビッグ』でアカデミー賞に初ノミネート。1993年の『フィラデルフィア』、翌年の『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー主演男優賞を2年連続で受賞する快挙を成し遂げました。
ロン・ハワード監督の『アポロ13』やスティーヴン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』、スティーブン・キング原作の『グリーンマイル』、レオナルド・ディカプリオと共演した『キャッチミー・イフ・ユー・キャン』など多くの映画に出演しました。
また、『トイ・ストーリー』の声優を務め、監督・製作業に進出するなど幅広いジャンルで活躍しています。
今回は、抜群の演技力をもつトム・ハンクスの出演映画からおすすめの5作品をピックアップしてお届けします!
CONTENTS
1.トム・ハンクスの最高傑作!『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)
『フォレスト・ガンプ/一期一会』の作品概要
1994年のアメリカ映画。監督は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『キャスト・アウェイ』などのロバート・ゼメキス。出演は、トム・ハンクス、サリー・フィールド、ロビン・ライト、ゲイリー・シニーズ、ミケルティ・ウィリアムソン、ハーレイ・ジョエル・オスメントほか。
第67回アカデミー賞で作品賞ほか6部門を受賞。トム・ハンクスは前年の『フィラデルフィア』に続き2年連続で主演男優賞を受賞。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』のあらすじ
知能指数は人よりも劣っていたが、母親に普通の子どもと同じように育てられたフォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)は、小学校で優しく美しい少女ジェニー(ロビン・ライト)と運命的な出会いを果たします。
彼は俊足を買われてアメフト選手として入学した大学ではスター選手として活躍します。
卒業後は軍隊に入り、ベトナム戦争で仲間を救って勲章をもらい、除隊後はエビ漁を始めて大成功を収めます。
しかし、幼い頃から思い続けているジェニーとは再会と別れを繰り返し…。
物語は、バス停のベンチに座るフォレストが、バスを待つ人々に話しかけながら過去を回想するという形で進行します。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』のおすすめポイント
知能指数は人より低いけど、足の速さと誠実さはだれにも負けないという一風変わった主人公フォレスト・ガンプ。出会いと別れを繰り返しながら波乱に満ちた人生をつむいでいく姿を、アメリカの現代史とヒットナンバーを交えて描いたヒューマン・ファンタジーです。
トム・ハンクスが出演してきた作品の中でも1位2位を争うくらいの最高傑作ではないでしょうか。
フォレスト・ガンプのお母さんは、常に“人生はチョコレートの箱のよう、食べてみなければわからない”と彼に言い聞かせます。
彼はその言葉を信念として、様々なことに挑戦し続けていきます。
彼のその真っすぐな生き方にとても心が揺さぶられます。クスクス笑わせてくれる場面もあれば、涙を誘うような場面も。
人生って、頭の良し悪しではなく、優しさや思いやりが大切なんだなと改めて気づかされます。
ちなみに、少年時代のフォレストがスクールバスに乗るシーンに、ロバート・ゼメキス監督の息子さんとトム・ハンクスの娘さんが出演しているそうですよ。
2.空港に閉じ込められた男を好演!スピルバーグ監督作『ターミナル』(2004)
『ターミナル』の作品概要
2004年のアメリカ映画。監督は、『プライベート・ライアン』『ジュラシックワールド』などのスティーヴン・スピルバーグ。出演は、トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、スタンリー・トゥッチ、シャイ・マクブライドほか。
『ターミナル』のあらすじ
東ヨーロッパの小国からニューヨークの空港に着いたビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)は、祖国で起きたクーデターのためパスポートが無効になり入国を拒否されてしまいます。
しかし、彼にはどうしてもニューヨークで果たさなければならないある誓いがあったのです。彼は入国を目指して空港内に住み着き、さまざまな人々と出会っていきます。
『ターミナル』のおすすめポイント
スティーヴン・スピルバーグ監督が“空港から出られなくなった男”にスポットをあて、彼がターミナル内の従業員との交流や恋模様を描いたヒューマンドラマです。
トム・ハンクスは、祖国のクーデターにより空港で長い間足止めされてしまい、やむなくターミナルで生活することになってしまう不運の男を演じています。
言葉も通じないのに、彼の素直で楽天的な性格が功を奏して様々な人との交流が生まれていきます。空港内で本を購入し英語をマスターし、映画の終盤にはほぼ話せるようになっています。また、空港で仕事を探し、友達もできて、恋もして…。
意外と空港でも暮らせるものだな、と思わず感情移入して見入ってしまいます。
クスッと笑えて、最後には泣ける、おすすめのヒューマンドラマです。
3.見た目は35歳、中身は12歳!コメディ映画の傑作『ビッグ』(1988)
『ビッグ』の作品概要
1988年のアメリカ映画。監督は、『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』『シンデレラマン』などのペニー・マーシャル。出演は、トム・ハンクス、エリザベス・パーキンス、ロバート・ロジア、ジョン・ハード、ジャレッド・ラシュトンほか。
第46回ゴールデングローブ賞最優秀主演男優賞(コメディ・ミュージカル)受賞。
『ビッグ』のあらすじ
12歳のジョッシュ(デヴィッド・モスコー)は年に一度のカーニバルに足を運びますが、身長が低くてジェットコースターに乗れず落胆してしまいます。
そんなとき願いを叶えるという不思議な機械「ゾルダー」を見つけ、大きくなりたいと願い硬貨をいれます。
すると翌朝ジョッシュは35歳の大人の姿(トム・ハンクス)になっていたのです。
親友のビリー(ジャレッド・ラシュトン)にはジョッシュであることを認めてもらった彼は家を出て、「ゾルダー」の行方が分かるまで待ちつつ、ニューヨークに向かい、大好きなおもちゃ会社に就職します。
子供なりの発想で次々とおもちゃを開発し、マクミラン社長に気に入られ、また、重役であるスーザン(エリザメス・パーキンス)と大人の恋をし、とんとん拍子に成功していきますが…。
『ビッグ』のおすすめポイント
早く大人になりたいと願う12歳の少年が、突然35歳の大人に変身して巻き起こる騒動を描いた、心温まるコメディ映画です。
トム・ハンクスのコメディ映画といえば、この映画です。
見た目は大人、でも中身は子供、という主人公をトム・ハンクスが見事に演じています!コミカルで、無邪気で、本当に12歳の少年にしか見えない演技は素晴らしいです。
突然大人に変身してしまって、どうやって生きるのかと思いきや、いきなりおもちゃ会社に就職。おもちゃ屋さんで本気で遊ぶシーンや足で踏むと音が出るピアノでセッションするシーンは印象的です。
大人が忘れてしまった事を取り戻してくれる、また、子供も大人の世界を垣間見ることが出来るという素敵な映画です。
4.スティーブン・キング原作!善と悪、生と死を描く感動作『グリーンマイル』(1999)
『グリーンマイル』の作品概要
1999年のアメリカ映画。監督は、『ミスト』『ショーシャンクの空に』のフランク・ダラボン。出演は、トム・ハンクス、デビット・モース、ボニー・ハント、マイケル・クラーク・ダンカン、ジェームズ・クロムウェルほか。
第72回アカデミー賞作品賞など4部門ノミネート。
スティーブン・キング原作小説を映画化。
『グリーンマイル』のあらすじ
大恐慌時代の1935年。ポール(トム・ハンクス)は刑務所の看守主任を務めていました。
“グリーンマイル”と呼ばれる通路を通って電気椅子に向かう受刑者たちに、安らかな死を迎えさせてやることが、彼の仕事でした。
ある年、この刑務所に身長2メートルを越える黒人の大男、コーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)が送られてきます。彼は双子の少女を殺害した罪で死刑囚となった男。しかしその風貌に似合わず繊細で純粋な心をもっていました。
ところがこの男は、ある日不思議な力でポールが患っていた病気を治してしまいます。その後も、パーシー(ダグ・ハッチソン)に重傷を負わされたネズミのミスター・ジングルスの命を救い、これを見た看守たちは、彼はその不思議な力を神から授かった特別な存在なのではと考え始めます。
『グリーンマイル』のおすすめポイント
アメリカ南部の死刑囚舎房を舞台に、不思議な力を持つ死刑囚と看守たちとの心の交流を描いたヒューマンドラマです。
トム・ハンクスは、刑務所で働いているベテラン看守のポールを演じています。コーフィの印象が強すぎますが、トム・ハンクスもかなり素晴らしい演技をしています。
人間の身勝手さや嫌らしさ、世の理不尽さ…といった嫌な部分がたくさん描かれています。最後はバッドエンドのようなハッピーエンドのような終わり方ですが、見る人に様々なことを考えさせてくれます。
この作品を理解するには1回見ただけでは足りません(笑)。歳を重ねて、もう一度見たいと思わせる秀作です。
5.ベストセラー小説の映画化!ラングドンシリーズ第1弾『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)
『ダ・ヴィンチ・コード』の作品概要
2006年のアメリカ映画。監督は、『ビューティフル・マインド』『インフェルノ』などのロン・ハワード。出演は、トム・ハンクス、オドレイ・トトゥ、イアン・マッケラン、アルフレッド・モリーナ、ポール・ベタニーほか。
ダン・ブラウンの小説「ダ・ヴィンチ・コード」が原作。「ロバート・ラングドン」シリーズの第一作。
第59回カンヌ国際映画祭でオープニング作品として上映。
『ダ・ヴィンチ・コード』のあらすじ
ルーヴル美術館の館長の死体が発見され、その周りには不可解な暗号が…。その暗号の中には館長がその日に会うことになっていたハーヴァード大学のラングドン教授(トム・ハンクス)の名前が含まれていて、疑いを掛けられたラングドンは現場に呼び出されます。
事件の調査を依頼されたラングドンは、暗号解読官のソフィー(オドレイ・トトゥ)とともに死体に隠された暗号を解読してゆく中で、カトリック教会が隠蔽してきたキリスト教史上最大の謎に行き当たります。
『ダ・ヴィンチ・コード』のおすすめポイント
世界中でベストセラーになったダン・ブラウンの同名小説を映画化したミステリー超大作です。
トム・ハンクスは、謎を解くラングドン教授をタフに演じています。
原作で著者は「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」…と述べています。ノンフィクションとフィクションが混ざっていて、映画の話がまるで事実であるかのような錯覚さえ感じてしまいます。
ほぼ原作どおりなのですが、なにしろテンポがものすごく速い!よりこの作品を楽しむには、原作を読むことをおすすめします。
しかし、ルーヴル美術館で実際に撮影がおこなわれたり、歴史的価値の美術品が続々登場したりと、見逃せないポイントがいっぱいです。
まとめ
名俳優トム・ハンクスの出演映画からおすすめの5作品をピックアップしてお届けしました。
毎年のように映画に出演しているトム・ハンクス。演技力がとにかく素晴らしく、これまで出演した作品は本当に名作が多いので、どの作品を見ても楽しめるのではないかと思います。
現在60歳を過ぎているトム・ハンクスですが、これからもどんな作品で映画ファンを楽しませてくれるのか期待したいですね!