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Entry 2018/03/24
Update

大杉漣映画おすすめ5選!代表作は北野作品だけじゃない名脇役を調査

  • Writer :
  • Yasu

公開が待ち遠しい、大杉漣の主演映画で遺作となった『教誨師』
劇場公開日は2018年10月6日


(C)「教誨師」members

2018年2月21日に惜しまれつつ、お亡くなりになられた名バイプレーヤーとしても高い演技力を見せた大杉漣。

今回は動画配信サービスで、今すぐ見られる俳優・大杉漣のおすすめ出演作品を5選選んでピックアップしてみました。

ズバリ!映画ライターのyasuが「名バイプレーヤー大杉漣」と銘打って大杉漣の名脇役の演技が見られる映画5作品を紹介します。

1.大杉漣の名脇役が見られる映画①『ツレがうつになりまして

超マジメで几帳面な男がうつ病になった。家庭の危機を夫婦力を合わせて乗り越えようとする日々を描いたヒューマンドラマ

映画『ツレがうつになりまして』の作品情報


(C)2011「ツレがうつになりまして」製作委員会

【公開】
2011年(日本映画)

【原作】
細川貂々

【監督】
佐々部清

【脚本】
青島武

【キャスト】
堺雅人、宮﨑あおい、津田寛治大杉漣、余貴美子、田村三郎、中野裕太、梅沢富美男、田山涼成、吹越満、犬塚弘

【作品概要】
作者である細川貂々の実体験を基にしたコミカルエッセイを実写映画化。うつ病になった夫と、売れない漫画家の妻とが、共に過ごす闘病生活を描いたヒューマンドラマで、監督は『半落ち』で知られる佐々部清。

大杉漣は理髪店主で漫画家の妻ハルの父親である栗田保男役を好演しています。

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映画『ツレがうつになりまして』のあらすじ

パソコン関連の会社でクレーム処理を仕事にしている夫は、ある朝「死にたい」「仕事に行きたくない」と言い出します。

うつ病にかかってしまったのでした。

「仕事辞めれば」と、売れない漫画家で唯一の連載も打ち切りが決まった妻が言い出します。

超がつくほどのマジメな夫は、仕事を辞めずに耐え続けますが、更に病状は悪化し、遂に会社を辞める事に。

「今度は私が夫を支える番!」と妻は、漫画の企画執筆に精を出し……

大杉漣の脇役の見どころ

うつ病になった夫を支える妻ハルに対して、「がんばらなくていいんだよ」と思いやりを傾ける言葉が語られます。

この言葉を発したのは、マイペースで娘想いの父親役を演じた大杉漣のセリフです。

大杉漣は理髪店の店主。お客の顔ぞりを失敗して、「ごめん、失敗しちゃった」で済ませてしまうような、“がんばってない”人を演じています。

それでも顔ぞりを失敗しているにも関わらず、あっけらかんとしていても、理髪店をやっていけてるのは、人柄が良いと信頼があるからなのかなと思いを巡らせることのできる人物です。

超マジメで几帳面な娘の夫とは、まったく大違いですね。

また、演出なのかは不明ですが、顔ぞりを失敗した際に、自分のつむじ周りの髪の毛がピョコンとはねているんです。

理髪店の店主でいながら髪型が乱れている、というのも“がんばってない”という、イイ感じを醸し出しています。

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2.大杉漣の名脇役が見られる映画②『GO

宮藤官九郎の脚本で日本アカデミー賞14冠に輝いた作品

映画『GO』の作品情報

【公開】
2001年(日本映画)

【原作】
金城一紀

【監督】
行定勲

【脚本】
宮藤官九郎

【キャスト】
窪塚洋介、柴咲コウ、大竹しのぶ、山﨑努、山本太郎、新井浩文、村田充、細山田隆人、キム・ミンミョン・ゲナム、大杉漣、塩見三省、萩原聖人

【作品概要】
監督は『世界の中心で愛を叫ぶ』や『パレード』の行定勲。第25回日本アカデミー賞にて、最優秀主演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞など14冠に輝きました。この他にも数多くの映画賞を獲得しました。

名バイプレーヤーの大杉漣は、ユニークなタクシー運転手として脇役としての存在感を見せて出演しています。

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映画『GO』のあらすじ

朝鮮人学校時代に韓国籍か朝鮮籍かの選択を迫られる杉原。

そして、韓国籍を選び日本の学校に進学し通うのですが、“在日”と言われ、苛立ち、在籍していたバスケ部で暴力沙汰を起こし、退部させられます。

元日本ランキング7位の元プロボクサーである父親の血の影響か、杉原はケンカで無敵を誇っていました。

杉原は仲良くなった友の加藤に連れられパーティに行った際に、桜井という女の子と出会います。

その後、桜井とデートを重ねるようになりますが、杉原には、どうしても言い出せないことがありました。

彼は自分自身の在日コンプレックス、“在日”に関係する些細なことがきっかけで命を失った親友への思い、桜井への恋心、親への反発心など、誰にも言い出せない葛藤を抱えていたのです…。

大杉漣の脇役の見どころ

普段は勇ましく常に戦闘モードの杉原の父は、タクシーの中で杉原に対し、死んだ父の弟の思い出話を悲しみに暮れながら話し出します。

弱音を吐く父に対して息子の杉原は、「だせぇ~。そんな話で泣ける時代は終わったんだよ。っていうかてめぇらの世代でケリつけろよ。あんたら1世や2世がグズグズしてっから、俺らがぱっとしねぇんだろうが」と感情をぶつけます。

急に停まるタクシー。すると、タクシー運転手は「親に向かってなんという口の利き方をしてるんだ。お父さん、殴っていいですか」と思わず言い出します。

このタクシー運転手が大杉漣です。

杉原と元日本ランキング7位である父の決闘のゴングがなり、タクシー運転手が親子決闘のレフェリーを務めます。

本気で殴り合う父と子を、“もっとやれと言わんばかりに見守る”タクシー運転手。

勝った父親の片腕を掴み、誇らしげに父親の片腕をかかげるタクシー運転手。

顔が見るも無残にボロボロになった杉原の抜けた歯を探して見つけると、「あった!」と喜ぶタクシー運転手。

出演シーンは短いながらも、大杉漣という俳優の存在感を余すとこなく発揮しています。

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3.大杉漣の名脇役が見られる映画③『極道の妻たち 決着

情にアツい井出組の姐さんのラスト映画!

映画『極道の妻たち 決着』の作品情報


©︎東映

【公開】
1998年(日本映画)

【原作】
家田荘子

【監督】
中島貞夫

【脚本】
高田宏治

【キャスト】
岩下志麻、かたせ梨乃、とよた真帆、藤田朋子、中野若葉、細川ふみえ、名古屋章、大杉漣、竹内力、金山一彦、野口貴史、橋本さとし、柴田耕作、岩尾正隆、村木勲、加地凌馬、稲辺浩志、山本太郎、小瀬川理太、永島慶造、中尾彬、石倉英彦、安部譲、二トミーズ雅、小嶋ゆか、中条きよし、愛川欽也

【作品概要】
『極妻(ごくつま)』の略で親しまれ、シリーズ化された第10作とある最終章。主演の姐さん役は十朱幸代、高島礼子なども務めつとめ、岩下志麻は、本作『決着』が最後の姐さんとなる。

演出は『新極道の妻たち』(1991)と『極道の妻たち 危険な賭け』(1996)を手掛けた名匠・中島貞夫監督。脚本は「まむしの兄弟」シリーズなど任侠や時代劇の名手・高田宏治。撮影は『蘇る金狼』『セーラー服と機関銃』の名カメラマン仙元誠三。

杉漣は井出組傘下の番水組の組長役を熱演しています。

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映画『極道の妻たち 決着』のあらすじ

やくざ組織の井出組の傘下には、秋葉組、番水組、名越組が名を連ねています。

ある日、秋葉組の組長・秋葉吟二はジムで筋トレ中に銃で狙撃され命を落とします。

各組のとりまとめている井出組mの井出が秋葉殺しの犯人として、逮捕されますが、井出の妻、春日は「井出が息子のように可愛がっていた秋葉を殺すはずがない」と、真実を探り…。

大杉漣の脇役の見どころ

井出組傘下の番水組組長を大杉漣が演じています。かたせ梨乃とは夫婦役です。

怖いですねぇ、大杉漣とかたせ梨乃の夫婦

まぁ、この映画に出てくる人は皆、怖い風貌の人たちなので、若干、大杉漣夫妻の怖さは緩和されているのですが…。

これも俳優の大杉漣というのを超えた本人の人柄でしょうか。

やはり、名バイプレーヤーとして彼が演じるのは、すごく怖い人か、すごく穏やかな人ですね。それこそが大杉漣の魅力かもしれません。

しかし、まぁ、役柄が組長なだけにベースにあるのは、怖い人の方だと思うので、怖い大杉漣をご覧ください!

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4.大杉漣の名脇役が見られる映画④『ぶどうのなみだ』

北海道の自然と共に生きる兄弟と亡き父親の思い

映画『ぶどうのなみだ』の作品情報


(C)2014「ぶどうのなみだ」製作委員会

【公開】
2014年(日本映画)

【脚本・監督】
三島由紀子

【キャスト】
大泉洋、安藤裕子、染谷将太、田口トモロヲ、前野朋哉、りりィ、きたろう、小関裕太、内川蓮生、高嶋琴羽、大杉漣、江波杏子

【作品概要】
大ヒットした『しあわせのパン』のスタッフによって製作され、三島有紀子監督と主演の大泉洋ふたたびタッグを組んだヒューマンドラマ。

監督・脚本は『幼子われらに生まれ』にて、モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞、また報知映画賞で監督賞を獲得した三島由紀子。

兄アオ役を北海道出身の大泉洋が演じ、弟ロク役を『WOOD JOB!』や『ヒミズ』の染谷将太、その父親役を大杉漣が好演しています。

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映画『ぶどうのなみだ』のあらすじ

アオと弟ロクの父親は、北海道空知で小麦を栽培していました。また1本だけ、ぶどうの木も植えていました。

そして、父親が亡くなってからはロクが小麦畑を引き継いでいます。

アオは5年前に空知に戻って来てからは、ワイン作りのためのぶどうの栽培にチャレンジしています。

アオが空知に戻ってきた理由、それは、突発性難聴の発症でした。

いまだ、現実を受け入れられないでいるアオが、不思議な女性との出会いをきっかけに未来へ歩みを進めます……。

大杉漣の脇役の見どころ

大杉漣が演じた役は、自分が教えたハーモニカがきっかけとなり、音楽家になるという夢を持つようになった息子アオの父親。

しかし、もう、この世にはいない親父という役柄です。

人は生きていけなければどうにもならない」そう言って、息子の夢に反対します。

この作品の父親役は、先ほどご紹介した映画『ツレがうつになりまして』の娘を持った父親とはまた違った印象を大杉漣歯見せています。

厳しさというだけでもなく、無条件の優しさのみでもなく、ちょっと大げさかもしれませんが、神々しい雰囲気で息子に語りかけていました。

ある程度、年齢がいってから役者として認められてきた大杉漣。

彼が発する「人は生きていかなければどうにもならない」というセリフ。

大杉漣の言葉なのか、アオの父親の言葉なのか、大杉漣の人生にも重なり合いような素晴らしいものなのではないでしょう。

本人か役柄か分からなくなってしまう魅力も大杉漣ならではかもしれませんね。

▼『ぶどうのなみだ』の詳細な情報とあらすじネタバレ感想はこちらの記事を参照ください。

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5.大杉漣の名脇役が見られる映画⑤『天の茶助』

天界には必死に生きる人間たちの人生のシナリオを執筆している脚本家がいる⁈

映画『天の茶助』の作品概要


(C)2015「天の茶助」製作委員会

【原作・脚本・監督】
SABU

【キャスト】
松山ケンイチ、大野いと、大杉漣、伊勢谷友介、田口浩正、玉城ティナ、今野浩喜、オラキオ、Ryo、寺島進

【作品概要】
『ポストマン・ブルース』や『アンラッキー・モンキー』などの作品で知られるSABU監督が執筆した小説『天の茶助』を自身の手で映画化。

第65回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。

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映画『天の茶助』のあらすじ

天界では下界で生きる人間たちの人生のシナリオを書いている脚本家たちがいます。

その脚本家たちが書いたシナリオ通りに下界の人間たちは時過ごしています。

脚本家にお茶を配る仕事をしている茶助は、それぞれの脚本家たちが書くシナリオを興味深く見ていました。

ある時、茶助が下界にいる口を効くことの不自由な女性ユリが、交通事故で命を落とす運命にある事を知った茶助は、下界に降り、ユリを助けることにします。

沖縄に降り立った茶助でしたが…。

大杉漣の脇役の見どころ

この作品の大杉漣は、俳優を目指していましたが、50歳を目処に諦めると、警備員などの仕事など職を転々とした後に、ホームレスとなった種田潤一を演じています。

種田は水難でおぼれかかているところをレスキュー隊に救助されるなど、波乱の人生を過ごします。

しかし、波乱の人生を過ごしながらも、下を向かずに明るく人生を生きているところが、大杉漣本人を彷彿させる見どころです。

その種田の両親は、息子の生活を見るにみかねてお金の都合をつけてあげます。

そこで種田は、その資金と両親が収集した骨董品を売る骨董品店を開きました。これもまたらしいと言えばらしいかな。

また、天界から降りてきたばかりで、困っている茶助を助ける様子も大杉漣ならではの説得力のあるキャラクターとなっています。

でも、逆に茶助を困らせたりもします。これもらしい!

そんな、だらしないけど愛があって憎めないおじさんを、さすがの名バイプレーヤーといった感じで、とても見事に演じています。

▼映画『天の茶助』の詳細な作品情報とあらすじネタバレ感想は下記の記事を参照ください。

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まとめ

映画『天の茶助』の種田潤一役を演じる大杉漣

(C)2015「天の茶助」製作委員会

今回は名バイプレーヤーの大杉漣が、いかに脇役で重要な役割を果たしているかを知ることのできる作品を5本ピックアップしてみました。

もちろん、北野映画の『HANA-BI』や『アウトレイジ 最終章』などに出演したことで、俳優・大杉漣のファンになった方も多いとは思います。

そんな大杉漣の俳優としてのブレイクのきっかけは、40歳代に入った頃。

北野武監督の『ソナチネ』(1993)のオーディションを受けて見事に合格。しかし、その際の大杉漣は、審査会場に遅刻したにも関わらず合格というのも有名な話ですね。

当初、北野武監督から与えられたのは、やくざ事務所の電話番でした。

撮影現場で北野監督から、全部アドリブでやってという演出の指示を受けた大杉漣は、見事にサラ金の役柄をアドリブで演じきりると、北野監督は脚本を書き換えて、配役を大きなものにしてもらたというエピソードもあります。

また、今回最後にご紹介した『天の茶助』のSABU監督作品では、他にも『弾丸ランナー』や『ポストマン・ブルース』に出演している大杉漣。

この演技が評価されると、おおさか映画祭や報知映画賞を受賞します。

その後、ぐんぐんと脇役の仕事を依頼されるようになり、“300の顔を持つ男”や“カメレオン”などの異名を持つ名バイプレーヤーに成長しました。


(C)2015「天の茶助」製作委員会

俳優・大杉漣の映画やドラマは、彼が亡き後も観ることができます。

ぜひ、今一度、大杉漣の脇役を素晴らしさに注目してみてはいかがでしょうか。

また、2018年には大杉漣が出演した映画が2本公開されます。

1本は2018年10月6日より公開の映画『教誨師』。こちらは自らエグゼクティブプロデューサーを買って出て、主演の佐伯役を演じています

また、脇役で映画『恋のしずく』の蔵元役としても出演しています。

いつまでも名バイプレーヤーの大杉漣が出演した作品を見続けていきたいですね。

※紹介している情報は2018年3月時点のものです。配信作品の状況が変わっている可能性もありますので、詳細は公式ホームページにてご確認ください。

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