エドワード・ノートンは、アメリカのマサチューセッツ州ボストン出身のハリウッド俳優です。
彼は作品ごとに全く印象が違う演技を見せ、“天才俳優”や“怪物俳優”といわれるほど演技の上手い俳優のひとりです。
エドワード・ノートンは、1996年『真実の行方』で映画デビューし、多重人格障害の疑いがある殺人容疑者を演じてアカデミー助演男優賞にノミネート。さらにゴールデングローブ賞では最優秀助演男優賞を受賞しました。1998年には『アメリカン・ヒストリーX』でアカデミー主演男優賞にノミネートされました。
1999年に主演した『ファイト・クラブ』は大きな話題を呼び、2001年に『僕たちのアナ・バナナ』では監督業にも進出しました。
2014年の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で再びゴールデングローブ賞とアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされています。
その他の出演作に『25時』『レッド・ドラゴン』『インクレディブル・ハルク』『素晴らしきかな、人生』などがあります。
今回は、ハリウッドきっての演技派俳優、エドワード・ノートンの出演映画から厳選した5作品をピックアップしてお届けします!
CONTENTS
1.世界で数々の映画賞を獲得したダーク・ファンタジー『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の作品概要
2014年のアメリカ映画。監督は、『バベル』『21グラム』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。出演は、マイケル・キートン、ザック・ガリフィアナキス、エドワード・ノートン、アンドレア・ライズボロー、エイミー・ライアン、エマ・ストーンほか。
第87回アカデミー賞で同年度最多タイの9部門でノミネートされ、作品賞、監督賞を含む4部門を受賞。エドワード・ノートンは、助演男優賞にノミネート。
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のあらすじ
かつてスーパーヒーロー映画「バードマン」で一世を風靡した俳優リーガン・トムソンは、落ちぶれた今、自分が脚色と演出、主演を務めるブロードウェイの舞台に再起を懸けていました。
しかし、けがで降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナーの才能がリーガンを追い込みます。さらに娘のサムとの不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始めます。
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のおすすめポイント
かつてヒーロー映画で一世を風靡した主人公の転落からの奮闘を描いた作品です。
第87回アカデミー賞でマイケル・キートンが主演男優賞、エドワード・ノートンが助演男優賞、エマ・ストーンが助演女優賞にそれぞれノミネートされたこともあり、役者たちの迫真の演技が大きな見どころとなっています。
エドワード・ノートンは、ブロードウェイの有名俳優であり主人公リーガンと対立するマイク・シャイナーを演じています。
映画はノーカットで撮影したように場面が繋がれていき、「バードマン」の幻影が主人公につきまとうシーンではCGが効果的に使われていて、技巧を凝らした演出に目を奪われます。劇中にドラム音が多く使われているのも主人公の心理をうまく表していて印象的です。
ブロードウェイの舞台裏ものぞけるので、興味がある人にもおすすめです。
2.口コミで人気が広まった隠れた名作『幻影師アイゼンハイム』(2006)
『幻影師アイゼンハイム』の作品概要
2006年のアメリカ・チェコ合作映画。監督は、『ダイバージェント』のニール・バーガー。出演は、エドワード・ノートン、ポール・ジアマッティ、ジェシカ・ビール、ルーファス・シーウェルほか。
ピューリッツァー賞作家スティーブン・ミルハウザーの短編映画化。全米公開時には口コミで人気が広がり大ヒットを記録した作品。
『幻影師アイゼンハイム』のあらすじ
19世紀末のウィーン。魅惑的なイリュージョンで大衆の心をつかむ天才幻影師・アイゼンハイムの評判を聞きつけた皇太子は、婚約者であるソフィを連れて劇場を訪れます。
実はアイゼンハイムとソフィの間には、幼いころ愛し合いながらも身分違いのために引き裂かれた過去があったのです。ほどなくしてソフィが皇太子邸で謎の死を遂げ…。
『幻影師アイゼンハイム』のおすすめポイント
天才幻影師と公爵令嬢の禁断の愛を描いたサスペンス・ラブストーリーです。
同じ19世紀の奇術師をテーマにした『プレステージ』は、奇術師同士の対決とトリック解明に焦点を当てていましたが、この作品では奇術のトリックはほとんど明かされることはありません。トリックを見破るというよりは、美しい奇術をじっくり堪能する作品です。
また、思いもよらない爽快なラストが待ち受けているので、すがすがしい余韻が残るのもこの映画のポイントです。
幻影師を演じたエドワード・ノートンのシリアスな演技と数々のイリュージョンも見ものですが、脇役のポール・ジアマッティの名演技もお見逃しなく。
3.エドワード・ノートンが初監督に挑戦した『僕たちのアナ・バナナ』(2000)
『僕たちのアナ・バナナ』の作品概要
2000年のアメリカ映画。エドワード・ノートンが初めて監督・製作・主演を務めた作品。共演は、ベン・スティラー、ジェナ・エルフマン、イーライ・ウォラック、アン・バンクロフトほか。
『僕たちのアナ・バナナ』のあらすじ
ニューヨークに住むユダヤ教ラビのジェイクとカトリック司祭のブライアン。2人は宗教こそ違うものの幼なじみで大の親友でした。二人の楽しい説法は人気を集め、町中の評判になります。
ある日、子ども時代一緒に遊び回っていたアナが16年ぶりにニューヨークに戻ってくると連絡が入ります。
2人は憧れのアナと再会し、ますます美しくなった彼女に再び恋心を抱きますが、ラビと司祭という立場が2人を苦しめるのでした。
『僕たちのアナ・バナナ』のおすすめポイント
幼なじみの3人の若者が再会して直面する心の揺らぎを描いたロマンティック・ラブストーリーです。
エドワード・ノートンが初めて監督に挑戦した作品なので、エドワード・ノートンのファンなら必ず見ておきたい作品ですね。
宗教が絡んでくる恋愛映画ですが、話が複雑になっていないので気楽に見ることが出来ます。また、三角関係なのにドロドロせずに爽やかでちょっとコメディ色が出ているところもおすすめポイントです。
4.驚異的な演技力を魅せつけた『アメリカン・ヒストリーX』(1999)
『アメリカン・ヒストリーX』の作品概要
1999年のアメリカ映画。監督は、トニー・ケイ。出演は、エドワード・ノートン、エドワード・ファーロング、ビバリー・ダンジェロ、ジェニファー・リエンほか。
第71回アカデミー賞主演男優賞ノミネート。
『アメリカン・ヒストリーX』のあらすじ
父を黒人に殺された恨みから、白人至上主義グループのメンバーとなったデレク。やがて殺人事件で刑務所送りになった彼が、全くの別人になって出所します。そして、デレクは自分を崇拝する弟ダニーがメンバーとなっている事実を知ります。
白人至上主義に傾倒する兄弟を通じて、アメリカの慢性的で根強い差別意識を真正面から扱った衝撃的ドラマ作品。
『アメリカン・ヒストリーX』のおすすめポイント
エドワード・ノートンが、体重を15キロ増量し体を鍛え上げて挑んだ作品です。
人種問題がいかに根強い問題であることが伝わってくる、かなり社会派な映画です。アメリカの人種問題をオブラートに包むようなことはせず、かなりストレートに描いています。
内容的に重い映画ではありますが、いつでも、どこでも起こりうるような話でとても考えさせられます。
エドワード・ノートンが主人公の怒り、戸惑い、悲哀といった感情の変化を見事に演じています。見た後も、狂気じみた独特の表情がなかなか頭から離れません。一度見たら、深く心に刻み込まれる作品です。
5.今でもカルト的人気を誇る衝撃作『ファイト・クラブ』(1999)
『ファイト・クラブ』の作品概要
1999年のアメリカ映画。監督は、『セブン』のデヴィッド・フィンチャー。出演は、ブラッド・ピット、エドワード・ノートン、ミート・ローフ、デヴィッド・アンドリュースほか。
『ファイト・クラブ』のあらすじ
裕福だが空虚な生活を送る金融マンのジャックは、謎の男テイラーに導かれるまま、謎の秘密組織“ファイト・クラブ”のメンバーになります。
そこは鍛え抜かれた男達が己の拳のみを武器に闘いを繰り広げる、壮絶で危険な空間でした。ジャックは次第にファイト・クラブにのめりこんでいき…。
『ファイト・クラブ』のおすすめポイント
エドワード・ノートン演じるジャック=「僕」として、自分にない全てを兼ね備えた行商人タイラーに“ファイト・クラブ”に誘われたことで彼の生活が狂っていくサスペンス映画です。
主演のブラッド・ピット、エドワード・ノートンがおそろしくカッコいい作品です。エドワード・ノートンが弱さと強さを演じ分けているところは流石の一言。
この映画は後半に大どんでん返しが待っており、公開当時としてはとても画期的な作りだったため大変話題になりました。戦いのシーンが印象的な作品ではありますが、誰もが抱えているであろう「ジレンマ」「葛藤」「矛盾」といったものを描いていて考えさせられる映画でもあります。
まとめ
ハリウッドの人気俳優、エドワード・ノートンの出演映画から厳選した5作品をピックアップしてお届けしました。
作品や役柄によってかなり受ける印象が異なり、固定されたイメージがないのが彼の魅力なのかもしれません。今後どんな演技で映画ファンを楽しませてくれるのか、期待したいですね。
彼が出ている映画はとてもいい作品が多いと思いますので、まだ見たことがない作品があればぜひご覧になってみて下さいね。