ジュディ・デンチ&ダスティン・ホフマンが贈る情熱と驚きで満ちたシニアのラブコメ
『素敵なウソの恋まじない』は、『チャーリーとチョコレート工場』『THE BFG』『マチルダ』など、イギリスだけでなく世界で愛されている作品を数々執筆した児童作家 ロアルド・ダールの原作を実写化した作品です。
脚本家は『アバウト・タイム 愛おしい時間について』『ノッティングヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』ラブストーリー、ラブコメを数々手掛けてきたリチャード・カーティス。
ロンドンが一望できるアパートを舞台にシャイなアメリカ人と陽気な未亡人の恋の駆け引きが繰り広げられる物語になっています。
映画『素敵なウソの恋まじない』の作品情報
【公開】
2015年(イギリス映画)
【原作】
Roald Dahl’s Esio Tro
【監督】
ディアブラ・ウォルシュ
【キャスト】
ジュディ・デンチ、ダスティン・ホフマン、ジェームズ・コーデン、リチャード・コーデリー、ピクシー・デイヴィス、サロ・ガードナー、ジミー・エイキングボラ、ケイティ・ライオンズ
【作品概要】
イギリスの児童小説『ことっとスタート』を数々の大ヒットラブコメを手掛けてきたリチャード・カーティスが脚本し、テレビ映画として実写化された作品です。
イギリスを代表する女優 ジュディ・デンチと『レインマン』(1988)『クレイマー、クレイマー』(1979)で二度アカデミー賞主演男優賞を受賞した、ダスティン・ホフマンの名優コンビが可愛いシニアを演じました。
映画『素敵なウソの恋まじない』のあらすじとネタバレ
ロンドンのとあるオシャレなアパートにガーデニングが趣味のシャイで親切なアメリカ人ホッピーさんが住んでいました。
ホッピーさんは一つ下の階に住む陽気な未亡人のシルバーさんに恋をしていました。けれども、ホッピーさんはシャイでちょっとした会話をするのがやっとで、彼女をお茶に誘うこともできないでいました。
しかし、彼の恋は本気でした。その恋は5年も前から始まっていたのです。
シルバーさんがアパートに越してきたその日から。出会いはエレベーター、駆け込んできた彼女に一目惚れしました。それから彼女に会う度に、彼女への気持ちが膨らんでいきました。そして、この恋が実るようにホッピーさんは願いました。
シルバーさんには同居人の亀「アルフィー」がいました。
彼女はアルフィーに人生の様々な話をベランダで話し聞かせているのを、ホッピーさんも盗み聞きしていました。
「一生愛し続けるわ」とアルフィーに向けた言葉が自分へのものだったらいいのに、と思いを更に募らせていました。
シャイなホッピーさんは、彼女に気持ちを伝えようと考えました。
勇気を振り絞りディナーに誘おうと声をかけましたが、なんと、ベランダにいた他の隣人プリングルさんが勘違いをし、何故か二人でディナーをすることになります。
プリングルさんはホッピーさんと真逆な性格。お喋りで積極的ですこしガサツ。
ディナーはプリングルさんの話ばかりで、ホッピーさんがついに話すタイミングがきたところで会はお開きに。そして帰り際にプリングルさんは次回の日程を設定して嵐のように去っていきました。
翌朝、ホッピーさんにチャンスが舞い込んできます。
いつものようにベランダでシルバーさんとお話をしていたら、「アルフィーの成長が遅いのよ」と悩みを打ち明けられました。
この会話から二人の共通の話題が生まれたのです。
アルフィーが大きくなることがシルバーさんの幸せである、と知ったホッピーさんは計画を練ります。そして、これが上手くいけば彼女の気持ちを手に入れられると考えたのです。
それからホッピーさんの「アルフィーを大きくする作戦」が始まりました。
映画『素敵なウソの恋まじない』の感想と評価
「愛されないからといって、愛することをやめることはできない」。
5年間静かに片思いをしていたホッピーさんが、大胆ながらもこっそりシルバーさんの気を引こうとする計画。シャイなおじいちゃんが計画したとは思えない内容ではありましたが、何故か応援したくなるのは、好きな人を幸せにしたい一心でついたウソだからでしょうか。
“想いは伝えて初めて、それは愛になる”
ホッピーのように大胆に行動するのも相手に想いが伝わる手段ではあるけれど、二人が結ばれたのは、やはりお互いに想いを伝えあったから。お互いに気を引こうとして、遠回りした二人でしたが、それぞれ奮闘する姿がとても愛おしいものでした。
この作品では恋愛だけでなく、どんなことでも何歳でも、“恐れずに挑戦することが大切”であるということを含んでおり、パワーと勇気を与えてくれました。
ベランダのシーンがとても多いのもこの作品の特徴でした。綺麗なガーデニングや暮らし方を見て憧れを持った方も多いかと思います。
お花を大切に育てたり、晴れた日にはベランダでのんびりする。そんな心のゆとりは、心を豊かにしてくれるのだと感じました。
“素敵なウソの恋まじない”。
ストーリーをギュッとしたようなタイトルで、ハッピーエンドを予想させつつも何故かハラハラさせられてしまう展開が素晴らしい作品です。
まとめ
“老いることを忘れて、純粋に人を好きにり、短いようで長い人生を誰かと共に過ごしたい。”
多くのものを求めるのではなく、身近にある小さな幸せに気が付かせてくれる作品になっていました。
また、恋愛だけでなくガーデニングを愛したり、慈善活動に没頭したり、シニアのライフスタイルを明るく表現されています。
それぞれある“今”を楽しんで暮らす。若い世代からシニアまで、幅広い世代に届くメッセージが盛りだくさんでした。
ロンドンスタイルで紅茶を飲みながら時間を忘れ、映画の世界に入り込んではいかがでしょうか。心に一息、ホッと温まるでしょう。