永遠の妖精オードリー・ヘプバーン。
ここから伝説は始まった!
オードリー・ヘプバーンは映画『ローマの休日』で、アメリカ映画初出演を果たしました。これをきっかけに、大スターへと成長します。
この映画でオードリー・ヘプバーンは、アカデミー賞主演女優賞を受賞。彼女の小鹿のような顔立ち、可憐な美しさは、世界を魅了しました。
そんなオードリー・ヘプバーンの魅力が詰まった映画『ローマの休日』は、1954年の日本公開から65年経った現在も、色あせることはありません。
後に永遠の妖精と言われるオードリー・ヘプバーンが、永遠の都と言われるローマを舞台に繰り広げる、切なくも甘いラブストーリー『ローマの休日』を紹介します。
映画『ローマの休日』の作品情報
【日本公開】
1953年(アメリカ映画)
【原題】
Roman Holiday
【原作】
ダルトン・トランボ
【監督・製作】
ウィリアム・ワイラー
【キャスト】
グレゴリー・ペック、オードリー・ヘプバーン、エディ・アルバー、ハーコート・ウィリアムズ、マーガレット・ローリングス、パオロ・カルリーニ、トゥリオ・カルミナティ、ハートリー・パワー
【作品概要】
1953年、アメリカ製作の映画『ローマの休日』は、翌年のアカデミー賞で主演女優賞、脚本賞、衣装デザイン賞を受賞しました、
アメリカ映画初出演となったオードリー・ヘプバーンは、この映画で世界中の女性の憧れとなりました。
監督は『ミルヴァー夫人』『我等の生涯の最良の年』『ベン・ハー』と、アカデミー監督賞を3度受賞した巨匠、ウィリアム・ワイラー監督。
また、アカデミー賞で脚本賞を受賞したイアン・マクラレン・ハンターは、実はダルトン・トランボのフロント的存在でした。実際に執筆したダルトン・トランボは、当時マッカーシー旋風による赤狩りでハリウッドを追われていました。本名をクレジットすることが出来ず、名義を借用していました。
1992年に、アカデミー協会は記録を修正。ダルトン・トランボへ改め再度受賞となりました。
映画『ローマの休日』のあらすじとネタバレ
©ブレーントラスト
アン王女はヨーロッパ各国を表敬訪問中です。多くの人と挨拶を交わし、夜は舞踏会と大忙しです。
笑顔を絶やさず公務をこなすアン王女。ドレスの下では見えないように片方の靴を脱ぎ、足をポリポリ。靴を履こうとするも靴がコロッと倒れてしまいます。それを見つけたお付きの者たちが、慌ててフォローしました。
どうやらアン王女は、少しおっちょこちょいで素直な性格の王女様のようです。
アン王女は、おやすみの時間となりました。宮殿の外からは、楽しそうな宴会の音が聞こえてきます。うらやましそうに外を眺めるアン。
明日のスケジュールを読み上げるお付きの者。ぎっしり詰まったスケジュールにもうウンザリです。アンはとうとう泣き出してしまいました。
主治医がやってきて慰め、眠れるように薬を出してくれましたが、アンは外が気になり寝付けません。こっそり宮殿を抜け出してしまいます。
止まっていた車の荷台に飛び乗り、行きついた先は共和国広場でした。街灯の明かりが輝く広場にアンは降り立ちます。
しかし、主治医にもらった眠り薬が効いてきたようです。広場のベンチに横になり眠ってしまいます。
そこを通りかかったのは、新聞記者のジョー。ベンチで眠っているアンを心配し、揺り起こします。目を覚ますアンでしたが、フラフラとまるで酔っ払いのようです。
ジョーは、話が通じずイライラするも、放って置くことが出来ず自分の部屋へと連れて帰ることにしました。ポーカーでは負け、知らない女に絡まれ、自宅にまで泊めることになってしまったジョー。なんて日なのでしょう。
宮殿では王女がいなくなったことで、国の最大の危機だと大騒動です。明日は、アン王女の記者会見の予定が入っていました。
朝がきました。寝坊したジョーは慌てて仕事へ向かいます。王女の記者会見を取材する予定だったジョーは、上司に会見に参加したと嘘を付きごまかそうとします。
しかし、上司から新聞を見ろと怒鳴られます。そこには、アン女王は高熱で本日の記者会見は中止と書いてありました。バツの悪いジョー。
記事と一緒に載っていた王女の写真を見て、さらに驚きます。そこには、昨晩泊めた女の顔が写っていました。
「これは、スクープになる」。ジョーは上司に、王女の独占取材を取り付けて見せると豪語し、急いで部屋に戻ります。
ジョーが部屋に戻ると、アン王女はまだ眠っていました。さっそくスクープを取るために、カメラマンのアーヴィングに連絡を入れます。
ようやく目を覚ますアン。意地悪な男の夢をみていました。でも、とても素晴らしかった。目が覚めても見える男の顔。
信じらないようにアンはジョーに聞きます。「ここは一体どこですか?」。
アンは、警戒心丸出しの子猫のようです。ジョーは、帰らなきゃというアンに、シャワーをすすめ、朝食の心配をし、送ってあげるよと優しく接します。帰りのタクシー代もくれました。
アンは、まんまとジョーを優しい紳士だと思い込みました。「後で必ずお金を返します」。と言い残し一人で町に出ます。
町の中は、好奇心旺盛なアンにとって楽しいものばかりでした。ジョーにもらったお金で、露店で靴を買い、美容院で髪をバッサリ切ってしまいます。
ショートヘアになったアン王女は、お似合いと褒められご機嫌です。美しいローマの町を堪能するアン。スペイン広場の階段で、ジェラートを頬張ります。
そんなアンの様子をずっと後を付け見ていたジョー。偶然を装い、アンの前に再び登場します。王女だということは知らない振りです。
アンもまた、自分の身分に気付いていないようなジョーに、自分は学生だと嘘を付きます。
「せっかくだから一日、アンに付き合うよ」。カメラマンのアーヴィングも友達として合流。こうして、アン王女のローマ観光、極秘独占取材がスタートとなりました。
パンテオン神殿の前のカフェでお茶をし、バイクに2人乗りをしコロッセオを訪問、ヴェネツィア広場をドライブです。
バイクの運転に興味津々なアンは、途中ハンドルを奪い暴走。とうとう警察に捕まってしまうも、結婚式場に向かう途中だったと嘘をつき、反対に祝福されてしまいます。
次にやってきたのは、真実の口です。嘘を付いている者が手をいれると食いちぎられてしまうと、脅されたアンは恐る恐る手を入れるもすぐに引っ込めてしまいます。「あなたがやってみせて」とジョーに勧めます。
ジョーも嘘を付いています。果たして手は大丈夫でしょうか。口の奥まで手を入れるジョー。
「アッー」。苦し気な声が上がります。抜けなくなった腕にアンも驚き引っ張ります。引き抜いた手は、上着の袖で隠され見えなくなっていました。
アンは、消えた手に「きゃー」と目を隠すも、次の瞬間現れた手に「嘘つき!」と笑います。アンの安堵の笑顔は素のものでした。
自由奔放なアンにジョーは振り回されっぱなしです。それでも心から楽しそうなアンに、ジョーもどこか嬉しそうです。
日も沈み、ローマの町に夜がやってきます。アンの一日も終わろうとしていました。最後に訪れたのは川沿いで開催されている船上のダンスパーティーです。
映画『ローマの休日』の感想と評価
©ブレーントラスト
オードリー・ヘプバーンのアメリカ映画初出演作品となった『ローマの休日』。この映画は、世界中にオードリー・ヘプバーンの魅力を知らしめる作品となりました。
美しいローマの町を舞台に繰り広げられる、王女と新聞記者のたった一日のラブストーリー。
オードリー・ヘプバーン演じるアン王女と、グレゴリー・ベックが演じるジョーの身分違いの叶わぬ恋に、世界中の女性が憧れました。
そして映画『ローマの休日』で注目された点は、なんと言ってもオードリー・ヘプバーンの可愛らしい容姿です。
ウルウルとした大きな目はまるで小鹿のよう。彼女の屈託ない笑顔は、見ている人をも笑顔にします。
映画の中でみせたショートヘアーは、ヘップバーンカットと呼ばれ、多くの女性が真似をしました。
また、2人が映画の中で訪れた場所は、現在でも聖地として大人気の観光スポットとなっています。
有名なワンシーンとなった「真実の口」では手を食べられる振りをし、「スペイン広場」では階段に座りジェラートを食べるのが、もはや定番です。映画の公開日8月27日がジェラートの日にまで制定されました。
寝ぼけた姿を見せたり、大きな口をあけてジェラートを頬張ったり、顔を汚したりとお茶目な一面。そして、潤んだ瞳の悲し気な表情に、王女に相応しい凛とした立ち姿、オードリー・ヘプバーンの魅力が満載の映画です。
まとめ
オードリー・ヘプバーンの代表作のひとつ『ローマの休日』を紹介しました。
ローマの美しい風景と、オードリー・ヘプバーンとグレゴリー・ベックの絵になる2人のラブストーリーは、モノクロ映画とは思えない色鮮やかな世界を見せてくれます。
時代を超え多くの女性の憧れの存在であり続けるオードリー・ヘプバーン。彼女の人気の理由が、映画『ローマの休日』を見ればわかります。